【コラム】G20、「ソウル合意」にはこだわらない(上)

 来月ソウルで開催される主要20カ国・地域(G20)首脳会議は、緊張感がみなぎる会議となりそうだ。為替戦争をめぐる勝負が予想されるためだ。英紙フィナンシャル・タイムズは、「世界の為替システムをめぐる格闘が繰り広げられる」と指摘した。この世でもっとも面白いのはけんか見物ともいわれる。G20首脳会議の「興行人気」はもう保証されたと言ってもよい。

 問題は、それが韓国の望む状況ではないということだ。各国首脳が為替問題で激しい論争を繰り広げ、互いに激高すれば、議長国である韓国の立場は危うくなってしまう。

 日程が1日しかない首脳会議で、為替問題をめぐる論争に貴重な時間を費やしてしまうことにも不満だ。世界的な金融セーフティーネット、金融機関改革、貧困国支援に向けた開発問題など、世界経済の新たな諸問題が論議から抜け落ちてしまう可能性があるからだ。

 このため、為替問題をめぐる対立が高まり、G20首脳会議に対する世界の注目を浴びれば浴びるほど、ただのお祭りで終わってしまう可能性も高まる。歴史に残るイベントになると期待していた韓国としては、残念なことと言わざるを得ない。

 為替問題での対立を解消する「ソウル合意」のようなものが示される見通しも開けない。米国は中国の人民元為替規制を批判し、中国は米国の通貨膨張政策を攻撃している。両国は自国が正しいという絶対的な確信とともに、それを主張し続ける力を持っている。欧州をはじめとする他国は、中国の為替政策と米国によるドル資金供給政策のいずれにも不満を抱いているが、優先順位と利害関係が国ごとに異なり、意見集約は難しい。

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

このページのトップに戻る