2010年10月19日7時1分
「マルテック」を家宅捜索する捜査員=18日午前9時17分、福岡県飯塚市
「外国人IT技術者」の在留資格で入国した20代のカンボジア人男性3人をスーパーで不法に働かせていたとして、福岡県警と福岡入国管理局は18日、同県飯塚市下三緒(しもみお)、ITソフト開発会社「マルテック」社長リム・ウィイ容疑者(39)ら4人を出入国管理法違反(不法就労助長)の疑いで逮捕し、発表した。
ほかに逮捕されたのは、飯塚市枝国、会社経営酒井優(31)、同県久留米市山川町、食品販売「くるめチマキヤ」社長宮崎貴吏(40)と弟で同市善導寺町島、同社役員陽吏(36)の3容疑者。県警によると4人のうち、兄の貴吏容疑者以外は容疑を否認しているという。
県警外事課によると、4人は共謀し、昨年12月5日に24〜27歳のカンボジア人男性3人をIT技術者の在留資格で来日させながら、実際は久留米市内のスーパー倉庫内で野菜詰めなどの資格外の作業をさせた疑いがある。
酒井容疑者はカンボジアの日本語学校講師だった2001年ごろ、生徒だった3人と出会ったという。3人が大学卒業を控えた昨夏、「日本のスーパーで仕事がある」と勧誘。知人のリム容疑者のマルテックと雇用契約を結ばせ、IT技術者の在留資格で12月に来日させたという。
だが、来日後、3人は宮崎貴吏容疑者が経営するスーパーに勤務し、そこから給料を受け取っていたという。ビザ申請時とは違う同市内のアパートに住み、月給5万円で1日8時間以上働いていたという。今年7月上旬、「スーパーでカンボジア人3人が厳しい労働条件で働かされている」との情報が県警などに寄せられたという。
福岡入管によると、IT技術者の資格なら、従来の技術者の就労資格よりも2年長い5年間の滞在が可能になる。