裁判員裁判

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裁判員裁判:東京・西新橋の2女性刺殺 選任の裁判員に死刑への考え質問なく--地裁

 東京都港区で09年、耳かきエステ店員の江尻美保さん(当時21歳)ら2人を殺害したとして殺人罪に問われた常連客の無職、林貢二(こうじ)被告(42)の裁判員裁判で、東京地裁(若園敦雄裁判長)は18日、裁判員6人と補充裁判員4人を選任した。裁判員裁判で初の死刑求刑も予想されるが、この日の選任手続きでは若園裁判長から死刑に関する質問はなかった。初公判は19日午前に開かれる。

 選任手続きには参加義務のある裁判員候補者46人のうち85%の39人が参加した。当初の候補者は120人だったが、地裁は事前に72人、選任手続きで6人の辞退を許可。辞退率は65%になり、7月末までの全国平均の51%を大幅に上回った。

 参加者によると、選任手続きでは事件の当事者名や概要を示され、当日質問票で「事件関係者とかかわりがあるか」などの問いに答えた。最高裁は07年、候補者が法定刑に従い公平に判決を出せるか判断するため、「絶対に死刑を選択しないと決めていますか」と尋ねる質問案を示しているが、そうした質問はされなかったという。

 裁判員に選ばれなかった候補者の墨田区の30代女性会社員は、死刑求刑の可能性があることについて「死刑制度に反対ではないが、人の死を決める立場になったら精神的に何か変わってしまうのではと思う。選ばれずほっとした」と語った。荒川区の会社員、山家(やまが)利恵さん(47)は「報道で重大事件と知り、自分の中で気持ちを盛り上げていたので選ばれず残念」と話した。

 審理は評議を含め10日間の予定で、判決は11月1日。【伊藤直孝、和田武士】

毎日新聞 2010年10月19日 東京朝刊

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