知事選独自候補へ協議続行 民主県連と党本部確認

山内氏反発 離党も

2010年10月18日 09時42分この記事をつぶやくこのエントリーを含むはてなブックマークLivedoorクリップに投稿deliciousに投稿Yahoo!ブックマークに登録
(22時間40分前に更新)

 民主党県連(喜納昌吉代表)は17日、那覇市内で拡大役員会を開き、11月の県知事選で独自候補の擁立に向け、党本部と協議を続けることを確認した。一方で、山内末子副幹事長は報道陣に対し「米軍普天間飛行場移設をめぐる党本部と県連のねじれを解消するのは難しい」として独自候補擁立の方針に反発。離党の意向を表明した上で、普天間の県内移設反対を掲げて立候補している伊波洋一宜野湾市長を支援する考えを示した。

 又吉健太郎選対委員長は会合後の会見で、同党本部の渡辺周選対委員長が独自候補の擁立の必要性に理解を示していることを強調した。

 党本部は普天間をめぐる政策で一致できなければ公認、推薦は困難としているが、又吉氏は「日米合意を認める立場の候補者を擁立することは県連として考えられないが、(本部と県連が)どのくらい歩み寄れるかという局面だ」と説明。ねじれを解消する余地があるとの考えを示した。

 喜納代表は山内氏が離党の意思を示したことに対し「正式に(離党届けを)受けていない。正式に要請があれば真剣に考えなければいけない」と留意する考えを示した。

「ねじれ」の解消遠く
県連に広がる分裂危機

 11月の県知事選の独自候補擁立をめぐり、見解の相違が表面化した民主党県連。焦点の米軍普天間飛行場移設問題で、名護市辺野古に代替施設を建設する日米合意を堅持する政府・党本部に対し、県連は「辺野古移設は不可能」と主張しており、「ねじれ」の解消は困難な情勢だ。県連は党本部の渡辺周選対委員長と協議中だとして「歩み寄りは十分可能」とするが、県連内には「自主投票で個別に対応しなければ、県連は分裂しかねない」と危機感が広がっている。

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 17日の県連拡大役員会。独自候補擁立を目指す喜納昌吉代表らの説明に対し、山内末子副幹事長が反発。約1時間後、「党を離れる」と言い残し、退席した。

 山内氏は、知事選告示まで1カ月に迫り、支援する候補者が決まらない状況に不満を示し「擁立を断念し、県連の方針に近い候補者と政策協議をするべきだ」と述べ、伊波洋一宜野湾市長の支援を表明した。伊敷郁子糸満市議も記者団に「県連とのスタンスが違っても、県民とねじれがないようにしたい」と賛同する。

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 しかし、党本部の岡田克也幹事長は14日の会見で「政府の方針に沿った候補者の擁立をあきらめていないが、非常に困難な道であることは事実」とした上で「擁立できなければ、どういう形の自主投票にするのかも議論する必要が出てくる」と述べ、選挙運動に拘束をかける可能性を示唆。県連幹部は「伊波氏も独自候補擁立も困難だ」との見方を示す。

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 喜納氏らは、党本部と移設問題などの政策で合意した上で、国民新党幹事長の下地幹郎衆院議員らとの連携をめざしている。

 だが、ある議員は「県外・国外移設を訴え、有権者の支持を得て党勢を拡大してきた。国政与党同士だが、県内移設容認の下地氏らとは連携はできない」と不満も漏れる。

 知事選告示まで1カ月を切り、対応が定まらない同県連。ある幹部は「週内にも党本部に独自候補擁立をけられて、自主投票になる」と見立てを披露。その上で「個別対応がベストの選択だ」とする。(’10年県知事選取材班・平良吉弥、銘苅一哲)

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