2010年10月18日 20時18分 更新:10月18日 20時32分
自民党の丸山和也参院議員は18日の参院決算委員会で、沖縄県・尖閣諸島沖の中国漁船衝突事件で中国人船長が処分保留で釈放された直後に仙谷由人官房長官と電話で意見交換したことを明らかにした。丸山氏が「船長は訴追され判決を受けてから送還なりすべきだった」と意見したのに対し、仙谷氏は「そんなことをしたら(11月に横浜市で開かれる)APEC(アジア太平洋経済協力会議)が吹っ飛んでしまう」と述べたという。
仙谷氏の発言は、検察の処分への政治介入とも受け止められかねない内容。仙谷氏は電話で話した事実を認めたが、「そのような会話をした記憶はまったくない」と否定した。また、丸山氏が「釈放は国家(にとって)の大きな損失。日本は中国の属国になっていくのでは」と疑問を呈し、仙谷氏が「属国化は今に始まったことではない」と答えたという。
仙谷氏はこの後の記者会見で「(仮に)友人関係でしゃべったとしたら、国会の場で援用して質問するのは甚だ不本意だ」と不快感を示した。丸山氏は毎日新聞に「(否定は)仙谷氏特有のおとぼけだ」と語った。【野原大輔、岡崎大輔】