ソフトバンク−ロッテ 2回表1死、左翼席に先制の本塁打を放つ今岡=ヤフードームで
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◆クライマックスシリーズ パ・ファイナルS<第4戦>
◇ロッテ4−2ソフトバンク
一瞬の静寂の後、ヤフードームは左翼席に詰め掛けたロッテファンの雄たけびに包まれた。1敗もできない状況。絶体絶命のチームを救ったのは“地獄を見た男”今岡だった。
2回1死。6球目のスライダーを速球のタイミングのままバットに乗せ、きれいに振り切った。打球は切れることなく左翼ポール際へ。阪神時代の08年9月29日の広島戦(甲子園)以来、2年ぶりの本塁打。まさに、値千金の先制弾だ。
「貴重な先制につながる本塁打を打つことができてよかった」と今岡。6回には、こちらは04年以来となる送りバントで3点目をおぜん立て。「勝ってなおさらよ。よかった」。喜びがわき上がった。
昨オフ、阪神から戦力外通告を受けた。野球しかなかった男の挫折だった。昨年の今ごろは「野球ができなくなるかも」と思い悩む日々。そんな男を受け入れたのがロッテだ。西村監督も「ここぞという時はベテランです」と“左殺し”の才能に絶対の信頼を置いてくれた。
もともとがおとこ気にあふれている。左腕・陽耀勲対策としてスタメンに名を書き込んだ指揮官への恩返しを誓っていた。第1打席から好球必打。「大事な試合でスタメンで起用してもらった。期待に応えたいと思ってた」と。西村監督も「さすが」と最敬礼だ。
今岡の一発で息を吹き返したロッテ。チームに待望の適時打も生まれ、上昇気流に再び乗った。当然、今岡はさらに燃える。「勝たないと意味がないんで」。左腕の大隣が先発する第5戦もスタメンが濃厚。返す刀で再び、タカをたたき落とす。 (川越亮太)
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