8回表2死二、三塁、中前に逆転の2点タイムリーを放ち、ガッツポーズを決めながら一塁へ疾走するラミレス=甲子園球場
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◇クライマックスシリーズ セ・ファーストS<第2戦>
クライマックスシリーズ(CS)は17日、セ・リーグのファーストステージ第2戦が甲子園で行われ、巨人はアレックス・ラミレス外野手(35)の活躍で阪神に逆転勝ち。2連勝でファイナルステージ進出を決めた。またパ・リーグのファイナルステージはヤフードームで第4戦があり、今岡誠内野手(36)のソロ本塁打で勢いづいたロッテがソフトバンクに勝利。対戦成績を2勝3敗(アドバンテージ含む)とし、悲願の日本シリーズ進出に望みをつなげた。
◆巨人7−6阪神
一塁を回ったところで右の拳を突き上げた。巨人のラミレスは真に価値ある一打を放った時しか、自分を誇示するポーズを見せない。その瞬間が1点を追う8回2死二、三塁の場面で訪れた。藤川球のフォークをとらえて中前へ。2者が生還して逆転に成功した。代走を送られてベンチ前に戻ると、原監督と小さくグータッチを交わした。求められる4番の仕事を果たし、チームをファイナルステージへと導いた。
難攻不落の守護神をいかに攻略するか。配球の研究が好きな助っ人は、直球ではなくフォークに重きを置いた。「初球の真っすぐを見て、フォークの方がチャンスがあると思ったから」。1ボール2ストライクと追い込まれた後の4球目。3球連続で投げ込まれたフォークがやや甘めに入ってきた。「打てる高さに来た。うまく合わせられたよ」。試合前、原監督と「甲子園で本塁打は難しいね」と雑談していた主砲は、コンパクトなスイングで打ち抜いた。
殊勲者は4番打者でも、その状況を作り出した功労者は亀井だった。2死走者なしで打席に入り、藤川球を相手に3球ファウルで粘って四球で出塁。ラミレスは「あれがなければ自分の打席はなかった。亀井が見極めて、逆転の扉が開いたんだ」。慣れない2番で奮闘した亀井を称賛した。
7回は相手の失策で1点を返した後、高橋がCSでは自身初となる2ランアーチを右翼席へ。「バットの先ぎみだったけど、手応えはあった」と明るい表情だ。
また、前日の3安打で「うまく打てた」と自画自賛した小笠原は5回、右前へ適時打。7回は久保田から適時二塁打、8回は藤川球の直球を右翼線にはじき返して、ラミレスにつないだ。2試合で8打数6安打、打率7割5分。リーグ戦終了後、1週間の空白期間で「シンプルに体調維持を考えた」のが好結果につながっている。
最大4点差をはね返す逆転劇で阪神を退け、次はリーグ覇者・中日に戦いを挑む。「チーム全体の勝利だ。名古屋に行けるのをうれしく思う。この流れを持っていきたい」とラミレス。巨人が最高潮の雰囲気を保ったまま、敵地・ナゴヤドームに乗り込む。 (永山陽平)
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