新潟−名古屋 後半、ベンチで頭を抱えるストイコビッチ監督。後方は退場する中村=東北電力ビッグスワンスタジアムで(内山田正夫撮影)
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首位の名古屋グランパスは新潟に1−4で敗れ、7試合ぶりの黒星を喫した。2位の鹿島、3位のG大阪と勝ち点8差となった。6試合ぶり勝利の新潟は10位。横浜Mは17歳の小野のJ1初ゴールで神戸を1−0で下した。勝利が9試合ない神戸は16位。
◆新潟4−1名古屋
試合終了の笛を聞いても、ストイコビッチ監督はしばらく、ベンチから立ち上がらなかった。「チャンピオンのようだった」と称賛した新潟と、うなだれるグランパスの両イレブンを見つめていた。終わってみれば1−4の大敗。首位独走態勢に入ろうとしている今季でさえ、東北電力スタジアムの“鬼門”を破ることはできなかった。
試合序盤は多くのチャンスをつくったが、ピッチ状態にも苦しめられてミスを連発。直接FKで先制された3分後に、ケネディのゴールで追いついたところまでは、首位チームらしさを見せたが、前半のうちに立て続けに2点を勝ち越された。ビハインドを取り返すため、前がかりになった後半8分、カウンターを防ごうとした中村がこの日、2回目の警告を受けて退場。数的不利となり、ゲームの行方は決した。
ただ、最後まであきらめることはなかった。中村と中盤を形成するダニルソンは右足側部のねんざを抱えながらも「彼は大事な選手。彼の分もと頑張ったが」と最後まで走った。後半45分、GK楢崎は、カウンターからのシュートを防ぎ、新潟MFマルシオリシャルデスのハットトリックは意地で阻止。試合後の表情は厳しかったが、「次はいい戦いを見せたい。自信を失わないようにしたい」と言い聞かせるように前を向いた。
今季は「下位チームに取りこぼす」など負のジンクスをことごとく打ち破ってきたが、「川崎に弱い」「東北電スで勝てない」というあしき伝統は残してしまった。それでも、8月18日に苦手・川崎に0−4で大敗した後はこの日まで5勝1分けで、大敗を引きずることはなかった。
ピクシー監督は「2位との勝ち点差が11でも8でも、われわれは勝ち続けるだけだ」と、初優勝を前にしたプレッシャーの存在を否定した。鬼門克服こそは来年に持ち越したが、初優勝へ向けた気持ちがぶれることはない。 (伊東朋子)
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