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【大リーグ】

元広島ルイスが歴史を変えた!! レ軍PS本拠地初勝利!!

2010年10月18日 紙面から

ヤンキース戦に先発、5イニング2/3を2失点と好投したレンジャーズのルイス=レンジャーズボールパークで(共同)

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 ア、ナ両リーグ優勝決定シリーズ2試合(7回戦制)が16日(日本時間17日)に行われ、アはレンジャーズ(西1位)が7−2で昨季ワールドシリーズ覇者のヤンキース(ワイルドカード=WC)に快勝し、対戦成績を1勝1敗とした。レンジャーズは元広島の右腕コルビー・ルイス(31)が5イニング2/3を2失点で自身ポストシーズン(PS)初勝利。チームもPSの本拠地8戦目で初勝利、PSでの対ヤンキース戦の連敗を10で止めた。ナ・リーグはジャイアンツ(西1位)が4−3で、リーグ3連覇を狙うフィリーズ(東1位)に先勝した。

 日本で成長した男が、ドでかい仕事をやってのけた。昨年まで広島でプレーしたルイスだ。レンジャーズはPS初出場の96年からホーム8戦目でついに初勝利を挙げ、PS10連敗中だった対ヤンキースにもやっと勝った。重い歴史の扉を一気に開け放った背番号46は「気負うことなく、ストライクゾーンを攻め続けられた」と穏やかに笑った。

 耳をつんざくような歓声。走者を背負っても慌てなかった。3回2死一、二塁では、焦る元チームメートのロドリゲスを二ゴロに打ち取り、5回2死一塁でも、同じく元チームメートのテシェイラを観衆の期待通りに空振り三振に打ち取った。

 レンジャーズ3年目の04年に肩を壊した。06年にタイガースで復帰したときには速球のスピードは150キロ台後半から前半へ。メジャー定着が見えなかった08年に広島から声がかかった。「日本で学んだのは制球力。高校生も制球力にたけている。自分もその重要性を学んだことが生かされているんだ」。私生活でも「野球をするだけの米国人にはなりたくなかった」と広島の街を自転車で回ってはファンのサインには気軽に応じ、原爆ドームも訪れた。

 記者会見場には、第2子を宿しているジェニファー夫人と3歳の長男ケード君も連れてきた。「愛神妻子」。左の脇腹には、日本で彫った漢字の入れ墨がある。「ラブ・ゴッド・ワイフ・チャイルド。日本語で意味のあるタトゥーを入れたくて。この4つがなければ、今の自分はこの場にいない」。会見を終えるとうれしそうにケード君を肩に乗せ、球場を後にした。(大城和美)

 

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