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真弓虎「短期決戦弱い」続投意思変わりなし

 試合後、真弓監督はベンチでぼうぜんとする(撮影・山口 豊)
 試合後、真弓監督はベンチでぼうぜんとする(撮影・山口 豊)

 「セ・リーグCSファーストS・第2戦、阪神6-7巨人」(17日、甲子園)

 阪神は17日、巨人に2連敗し、セ・リーグのクライマックス・シリーズ(CS)ファーストステージ敗退が決まった。03年以降、2度の日本シリーズ、3度のCSを勝ち抜けず、真弓明信監督(57)は「短期決戦で弱い、ここ一番で弱いのを払しょくできなかった」。金本知憲外野手(42)が出場しないままゲームセットを迎える、寂しすぎる幕切れで猛虎の2010年が終戦した。

  ◇  ◇

 口を真一文字に結び、わき上がる感情を必死に抑え込んだ。そして声を荒らげることなく淡々と、痛恨の逆転負けを振り返った。「短期決戦で弱い、ここ一番で弱いのを払しょくできなかった」。突破できなかったCS舞台。変えられなかった虎の歴史。それでも悔恨の情を一切、表に出さず、真弓監督は最後まで潔く、清く振る舞った。

 スタートからつまずいた感はぬぐえない。内海想定で打線を組み替えたが、右腕・朝井が先発する読み違え。初回に1番に据えたマートンの右前打から先制するなど、結果的に打線は奮起。ただ平野の左中間三塁打で4点差に広げた六回1死三塁であと一押しができず、久保田‐球児という勝利の方程式が無情にも崩れ去った。投打ともにGの粘り腰に屈した敗戦劇である。

 初戦は打線が打てず、第2戦はリリーフ陣が持ちこたえられずに連敗を喫した。投打の歯車がかみ合わない戦いは、勝負どころで勝てなかった今季の象徴とも言える。右肩故障に苦しみながらもシーズン144試合すべてに出場した金本が代打に立つこともなく終戦した事実も、敗戦の苦みを増した。「出すチャンスがなかった。ちょっと今日は」。この時だけ真弓監督の声も沈んだ。

 これで阪神は07、08年を含めて3回連続のCSファーストS敗退。05年日本シリーズを含めれば、最近の短期決戦で11戦10敗と大きく負けが込む。「野手で言えば球際でもうひとつ強くなって欲しい。打つ方で言えば選球眼。ピッチャーももうひとつ攻めて行く気持ち。そういうところで一つずつ強くなってもらわないと」。指揮官は大一番で力を出せない選手たちに苦言を呈した。もちろん自身にも反省がある。

 シーズンを通して、攻撃面ではあと1点を奪えない詰めの甘さを露見した。先発6人目が確立できず、リリーフ陣に大きな負担も強いた。継投ミスもあった。真弓監督自身、優勝争いの終盤に眠れぬ夜が続いた。試合終了後、クラブハウスに全選手を集めると、自戒を込めて「われわれに力がなかった」と言葉を連ねた。今季の苦しさがその一言に凝縮されていた。

 帰り際に来季も指揮を執る思いに変わりはないかと問われた真弓監督は、「変わらんよ」と来季続投への意思をあらためて示した。あと一歩で優勝を逃した、CSを勝ち抜けなかった2010年。試合後にスタンドから飛び交った罵声(ばせい)も絶対に忘れない。来季こそ、大一番で力を出せる猛虎になる。監督3年目。必ずこの悔しさ、屈辱を晴らしてみせる。

(2010年10月17日)

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