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世界規模で進む自然環境の破壊を押しとどめ、さまざまな生きものと共存した暮らしの在り方を話し合う、生物多様性条約の第10回締約国会議(COP10)が18日、名古屋市で始まった。
議長を務める松本龍環境相は「生物多様性は取り返しがつかない地点の近くに来ている。美しい地球を次世代につなげるのは各国共通の願い。意欲的で現実的な目標に合意し、国際社会で一致した行動を起こそう」と呼び掛けた。
2010年以降の国際的な保全目標や、薬の開発に役立つ遺伝資源の利用の議定書づくりが主な議題。先進国と発展途上国が激しく対立し、交渉は難航しそうだが、各国が互いの利害を乗り越えて合意できるかが注目される。
会議は29日まで。27日から環境相らが閣僚級会合を開き、難しい議題で政治的決着を探る。
ジョグラフ条約事務局長は「これから数百万年の多様性がどうなるかは、今後数十年に人類という1つの種が取る行動によって決まる」と強調、将来に向けて思い切った保全策を求めた。
会議では、保全目標や遺伝資源の利用に加え、海や山の生態系、地球温暖化への対応などを議論。12月の国連総会決議に向け、各国の保全姿勢も確認する。
開会式では、しの笛演奏に乗せて、日本の四季折々の風景や動植物を表現した影絵をスクリーンで上映。会議の名誉大使を務める歌手のMISIAが、生物多様性をテーマにした曲を歌った。
これまでの交渉では、植物や微生物といった遺伝資源からつくった医薬品や健康食品の利益を、資源の原産国に還元する議定書をめぐって各国が対立。保全目標でも意見が分かれており、合意の見通しは不透明になっている。
(2010年10月18日12時54分 スポーツ報知)
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