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最終更新:2010年10月18日(月) 20時40分

沖縄知事選擁立見送りか、菅政権の妙案は

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 来月に行われる沖縄県知事選挙で民主党が独自候補擁立を断念する方向が強まっています。予定される候補者はいずれも普天間基地を辺野古に移設するとした日米合意に異論を唱えています。菅政権はこの日米合意をどのように実現しようとしているでしょうか。

 来月28日に迫った沖縄県知事選挙で再選を目指す仲井真知事。しかし、先週に都内で開かれた励ます会で仲井真氏を囲んでいたのは自民党の閣僚経験者たちばかりで民主党の閣僚や議員の姿はありませんでした。

 「何とか私のこれから4年の間に政府ともいろんな形で話をし、解決の方向に何とか動くように努力したい」(沖縄県・仲井真弘多知事)

 これまで普天間基地を名護市辺野古に移設する日米合意を容認してきた仲井真氏ですが、先月には県外移設を求めるとその方針を修正しました。しかしこの日、仲井真氏の口からなぜか「県外への移設」という言葉は聞かれませんでした。

Q.県内移設反対が明確でないという意見もあるが?
 「明確でしょ。県外だと言っているから。県外というのは県内ではないでしょ」(沖縄県・仲井真弘多知事)

 仲井真氏に対抗して先に出馬を表明した伊波氏は県外への移設を明確にしています。

 「今回の知事選挙は、私たちがきっぱりと『沖縄は県内移設に反対するんだ』ということを示す一番大きな機会だと」(宜野湾市・伊波洋一市長)

 昨年、政権交代を果たした民主党政権は辺野古への移転を決めるまでに方針が二転三転し、沖縄県民の不信感を増大させました。5月に辺野古移設で日米が合意したものの、移設に必要な海水面の埋め立てには知事の許可が不可欠です。しかし、知事選に名乗りを上げた2人はいずれも辺野古移設に異論を唱える構図です。今、民主党は政府の方針に沿う独自候補の擁立を断念せざるを得ない状況に追い込まれています。

 「今後、候補者が擁立できないということになれば、どういう中身を持った自主投票にするのか」(民主党・岡田克也幹事長)

 岡田幹事長が語った自主投票の意味とは・・・。

 仙谷官房長官はアメリカのルース駐日大使と極秘に会談した際、こう語っていました。

 「何としてでも仲井真さんを再選させるつもりです」(仙谷由人官房長官)B

 自主投票と言いながらも、かつて辺野古移設を容認していた仲井真氏を側面支援することで再選後に改めて容認へ転じることに期待する、それが政府と民主党執行部が描く戦略です。

 沖縄選出の国民新党・下地幹事長は今、知事選に出馬するかどうか決断を迫られています。「日米合意は否定しないが、将来はグアムなど県外・国外への移設を目指すべき」と考えるからです。

Q.決断への思いは?
 「『解決しないとねぇ』という気持ちはありますよね」(国民新党・下地幹郎幹事長)

 15日、下地氏は民主党沖縄県連代表の喜納前参院議員と会談し、連携して独自候補を立てたいと表明しました。

 「非常に複雑な政府だから。見え見えの複雑をやる政府だから」(国民新党・下地幹郎幹事長)

 沖縄では18日、民主党の山内末子県議が離党の考えを明らかにしました。県外移設を訴える伊波氏を支援するためというのがその理由です。

 辺野古移設に向け打つ手のない政府・民主党。選挙結果次第では日米合意は完全に宙に浮くことになります。(18日18:10)

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