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「すごい……」 美少女ロボ「未夢」のダンスに驚嘆

ITmedia News 10月18日(月)9時15分配信

「すごい……」 美少女ロボ「未夢」のダンスに驚嘆
未夢フレンズと
 彼女の歌と踊りが終わると、会場の空気が変わった。「すごい……」。観客は目を丸くし、ため息をつく。

【動画:美少女ロボットが披露した歌と踊り】 【拡大画像】

 美少女ロボット「HRP-4C未夢(ミーム)」が披露した歌と踊りは、想像を超えていた。「デジタルコンテンツEXPO 2010」(東京・科学未来館など、10月14〜17日)会場で目の当たりにした人からも、Ustreamでライブ映像を見た人からも、驚嘆の声が上がった。

 歌声はVOCALOIDで再現し、ダンスは、専門知識がなくても振り付けできる新開発のソフトで実現。ロボットの可能性を広げたいというクリエイターたちの思いが、見事なパフォーマンスを実現させた。

 HRP-4C未夢は、産業技術総合研究所が開発した日本人女性型ロボットで、身長は158センチ・体重は43キロ。体型は日本人青年女性の平均値を参考に作られており、人間に極めて近い動作が可能だ。これまでファッションショーに出演したり、豊かな表情で歌をうたったり、演技を披露したりしてきた。

 デジタルコンテンツEXPOでは、Every Little Thingの「出逢った頃のように」をVOCALOIDの合成音声で歌いながら、人間のダンサー「未夢フレンズ」と一緒に、TRFのSAMさんが振り付けたダンスを披露。手足や腰を柔らかく動かしたり、時には片足立ちをしたり、細かく表情を変えたりなど、なめらかに踊りこなした。

 “ロボット離れ”した歌と踊りに、観客からはため息が。Ustreamでライブ映像を見た人も、「何これすごい。予想以上」「ぬるぬる動く」「人間のダンサーと比べると不自然さはあるけど、それでもすごい」といった感嘆の声が、Twitterに次々に投稿された。

●専門知識不要でロボットを踊らせられる「コレオノイド」

 未夢の歌声には、人間の声を元に、なめらかな合成音声を生成するヤマハのVOCALOID技術を採用。声はCV-4Cβ(声の提供主は声優の中村繪里子さん)のものだ。歌い方は、ELTのボーカル・持田香織さんそのまま。歌手の実際の歌声をベースに、ネット経由で歌い方を自然に自動調整(調教)できる「Netぼかりす」技術を使って持田さんの歌い方をまねたという。

 ダンスの制御ソフトは、産総研知能システム研究部門研究員の中岡慎一郎さんが開発した「Choreonoid(コレオノイド)」。プログラミングやロボットの専門知識がなくても、CGキャラクターの動きを作成する要領で振り付けできるソフトだ。

 動作の節目になる特徴的な姿勢「キーポーズ」を設定し、キーポーズ間をつなぐことで動作を作る仕組み。ただつなぐだけではなく、ロボットがバランスを保てるよう自動で動きを補正するのがミソだ。ポーズはCGのロボット像を見ながら指定でき、細かく数値を変えて調節していける。

 産総研は、人間の踊り手の動きをモーションキャプチャし、ロボットに踊らせる技術も開発している。ただ、この技術で振り付けするには、人間の踊り手が必要。コレオノイドなら、踊れる人がいなくても振り付けが可能だ。

 未夢の振り付けは、中岡さんとSAMさんが相談しながら作ったという。まず手足の大きな動きを作った上で、細かな動きを調整。腰の動きに合わせて首を動かすなど、人間っぽい自然な動作を再現するのに腐心した。足をクロスさせたり、手と手を触れ合わせたりなど苦手な動きは避けつつも、片足立ちなど難しい動きにもチャレンジ。片足で立ってる瞬間は、倒れてしまわないかと関係者一同、はらはらしていたという。

 振り付けで苦労したのは、「ロボットの速度が出ないこと」(中岡さん)。動きをスピードアップしたいと、強く思ったという。人間っぽい表情の変化や、首や目線の微妙な動きなどもあまり再現できなかったと感じており、今後は微妙な表情が自動で付けられる仕組みを作っていきたいと話す。

 産総研は、ぼかりすの歌い手の歌唱動画の表情を未夢に移植できる「VocaWatcher」という技術も持っているが、今回のダンスでは、表情は手作業で付けているという。

 産総研知能システム研究部門副研究部門長の横井一仁さんは、「プロと組まないと、ロボットがどこまで動かなくてはならないかなど、本当の要求仕様が分からない。こういうコンテンツのときにはこういう性能がいると分かれば、いろんな場面で活躍するロボができるのでは」と展望する。

●ロボットはテレビの受像器のようなもの

 未夢に踊らせる「ロボットダンスプロジェクト」は、昨年のデジタルコンテンツEXPOのセッションで発案。1年かけて内容を練り、実現した。

 「ロボットはテレビの受像器のようなもの」と、東京大学IRT研究機構の石川勝 特任研究員は話す。「ロボットはある意味メディア。どんなコンテンツを載せるかで、介護ロボにもダンスロボにもなる。技術者ではない人でもいかにコンテンツを作れるようにするかが、ロボットの広がりを持たせる」(横井さん)

 制御ソフト「コレオノイド」は未夢だけでなくさまざまなロボットで使えるという。今後、広く一般公開し、さまざまなクリエイターとともに、人型ロボットの新たなコンテンツを開発していきたいとしている。【岡田有花,ITmedia】


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最終更新:10月18日(月)18時24分

ITmedia News

 

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