大阪府吹田市の府営住宅で先月、河内山十一(こうちやまじゅういち)さん(84)が殺害された事件があり、府警は17日、河内山さんのキャッシュカードを使って金を引き出したとして、大阪府茨木市橋の内3、派遣社員、山崎義久容疑者(52)を窃盗の疑いで逮捕した。「金が欲しくて、河内山さんを殺した。1人でやった」と供述しており、府警は今後、強盗殺人の疑いでも調べる。
逮捕容疑は先月21日夕、京都市下京区の大手銀行支店の現金自動受払機(ATM)で、河内山さんのキャッシュカードを使い、三十数万円を引き出した、としている。
事件は先月28日、吹田市藤白台3の府営千里藤白台住宅で1人暮らしの河内山さんが胸などを刃物で刺されて死亡しているのが見つかった。河内山さんは先月19日ごろに殺されたとみられ、財布やキャッシュカード数枚がなくなっていた。
捜査1課によると、山崎容疑者は先月20日以降の延べ4日間で、京都市や大阪府内のATMで河内山さんのキャッシュカードを使い、計13回にわたり、300万円以上を引き出したとみられる。ATMの防犯カメラに山崎容疑者の顔などが鮮明に記録されていた。
河内山さんは旅行会社のツアーに1人で参加するのが趣味で、山崎容疑者は「今年8月、京都市への日帰りツアーに参加した際、河内山さんと知り合った。会話などから金を持っていると思った」と話しているという。府警はこの日、山崎容疑者宅を捜索、動機などを詳しく追及する。【近藤大介、向畑泰司】
毎日新聞 2010年10月18日 10時45分