東京大医科学研究所病院(東京・港)の臨床研究で、がん治療ワクチンを投与した膵臓(すいぞう)がんの患者が消化管出血を起こしたため臨床研究を中止していたことが15日、分かった。同病院がこうした消化管出血の危険性について同じワクチンを提供していた他施設に十分に伝えていなかった可能性があり、厚生労働省は事実関係の確認を進めている。
がんワクチンはがん免疫療法の一種で、がん細胞に多く存在するペプチド(たんぱく質の断片)を患者に投与し、免疫細胞ががん細胞を集中的に攻撃することを狙う。
厚労省によると、東大医科研病院では2008年4月に治験審査委員会の承認を受けて臨床研究を開始したが、約半年後に膵臓がんの患者の消化管から大量出血した患者も出たという。ワクチン投与との因果関係は明確でなかったが、同病院は臨床研究を中止した。
がんワクチンの開発や研究は同病院が中心となり、他施設でも同病院の協力を得て実用化に向けた研究が進んでいた。厚労省によると、薬事法に基づく臨床試験(治験)ではなく、各施設は異なる研究を実施しており、同病院は他施設の2倍量を投与していたという。
同病院は08年2月に研究者間の報告会で消化管出血の危険性を説明。今年9月には死亡例を含めた学会論文を掲載していたが、厚労省は「異なる臨床研究ならば他施設に報告する義務はないものの、情報が研究者間で十分に伝わっていたか確認したい」としている。
東大医科研の話 消化管出血は膵臓がんでは少なからず起こりうることで、注意深く経過を観察していた。出血例については(08年初めに)研究者の間で情報共有していた。積極的に患者に分かりやすい情報を発信し、先端的な臨床研究を進めたい。
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