先日参加した会合で、ある大阪市議会議員からこんな発言がありました。
「大阪市に対して大阪府が口出しするのは 内政干渉 だ」
最初 「そうか!」と思って、
次の瞬間、「ちょっと違うんじゃない??」と首を傾げました。
確かに大阪市は政令指定都市として、府から多くの権限を委譲されています。大阪市だけの判断で決定できることは多く、府の立場は強くありません。
だけど、あくまでも「大阪府大阪市」なわけで、まるで大阪市が独立国家の如く「内政干渉」などと言うのはすごく違和感があります。
大阪市は大阪府にとって「まんじゅうのアンコ」のような存在ですから、大阪市の発展(意識改革)抜きに大阪府の再生は考えられません。その上で、方向性について大阪府も一緒に考えるのは何らおかしいことでは無いと思うのです。もちろん大阪市政の最終判断は大阪市議会であり、大阪市議会議員を選ぶ大阪市民です。
だから私は大阪市の政策や事業に対しても積極的に考えていきたい。
というわけで、昨日は大阪市の事業仕分けを傍聴してきました
第1会場の様子↓
大阪市の事業仕分けは平成20年度から始まり、今回で3回目。
仕組みとしては司会役のコーディネーターが1名、有識者や市民からの公募による仕分け人が5名、事業説明者(大阪市担当職員)数名により議論が行われ、40分間で「廃止」「民営化」「国(府)が実施」「市が実施(要改善)」「市が実施(現行通り)」などの判断が下されます。
今回事業仕分けの対象に上がったのは30事業で、私はそのうち5事業(港湾3事業、子育て2事業)について傍聴しました。
第2会場の様子。傍聴席には年齢層も様々で若者の姿も多く見られました。
さて、大阪市の事業仕分けについての印象ですが、ひとつ感じたのは
「参加者のスキルによって大きく左右される」 ということ。
1.コーディネーターのスキルが低いとまとまらない(脱線しやすい)し、
2.仕分け人のスキルが低いと議論の的を得ないし、
3.説明者のスキルが低いと想いが伝わらない。
今回特に感じたのは 3.の部分でした。
ただしスキルというよりも、想いそのものが足りないという印象。
事業仕分けが最終結論では無いにせよ、この場で「廃止」という判断もされるわけです。それにしては、説明者が答えられないことがあまりに多すぎる。「事業当初の計画ではどういう収支見込だったのか」や「船が二隻あって、一隻を廃止するとしたらコストはどう変わるか」というそれほど複雑でない質問にも答えられない。「調べないと分かりません」って、こんな大切な場に出るのに問答集も用意しなかったんでしょうか。これでは「廃止」という判断をされるのも当然と思えますし、もしかしたら存続が必要なものまで説明者の準備不足のために廃止になったのではないかという危惧さえ出てきます。
最終的な判断は、この仕分け結果を考慮して下されるということなのでまた精査が入るのでしょうが、かなり残念に思いました。
また、事業仕分けそのものについては無駄な事業を見直すという面で大切なことだと思いますが、過去2回での見直し効果額は約10億円ということで、これは大阪市の一般会計(約1.7兆円)の0.1%にもなりません。事業の無駄自体が、もう乾いた雑巾を絞るようなものなのかもしれません。
市民に対して、「無駄を省こうと頑張っている図」はアピールできるかと思いますが、他にもっと水分たっぷりな「絞れる雑巾」があるのではないでしょうか。
じゃあ 「絞れる雑巾」って何なの?ということについてはまた次回