菅首相：中国に遺憾の意、双方は冷静な対応を－尖閣デモ（Update1）

　　10月18日（ブルームバーグ）：菅直人首相は18日午前の参院決算委員会で、中国で発生した尖閣諸島の領有権を主張する反日デモで日系スーパーに被害が出たことに関し、中国側関係当局に遺憾の意を伝えるとともに、邦人と日系企業の安全確保を強く要請した、と述べた。また、両国は戦略的互恵関係を深めるため、双方とも冷静な対応が必要と語った。鶴保庸介委員長（自民）への答弁。

　　菅首相は日中関係について「日本と中国は一衣帯水の隣国であり大変重要な二国間関係である」指摘。「いろいろな課題でいくつかの問題が生じているが、戦略的互恵関係を深めるということで双方が冷静に努力をする必要がある」と語った。

　　一方、仙谷由人官房長官は午前の記者会見で、反日デモについて在留邦人や日本人旅行者に対する被害報告はないものの、日系企業が経営するスーパーのガラスが割られるなどの被害が生じたと報告。その上で、「一部に破壊活動を行う反日デモが行われたことは遺憾だが、日本政府としては双方の政府、国民ともに日中関係の大局に立って冷静に対処することが重要であると考えている」と述べた。

　　16日に東京の在日中国大使館周辺で行われた尖閣諸島をめぐる中国の対応を批判した反中デモについて仙谷氏は「そういうデモがあったことは承知しているが、あまり過敏に反応するのはいかがかと思っている」と述べた。また、「多くの国民は今回のことを冷静に見ているというふうに私自身は見ているし、両国政府ともそういう立場だと見ている」との見方も示した。

　　日中首脳会談については「現在調整中だがほとんど影響はないと思う」と語った。

記事に関する記者への問い合わせ先：東京 広川高史 Takashi Hirokawa thirokawa@bloomberg.net

更新日時: 2010/10/18 12:05 JST