鳩山幸(みゆき)夫人の前夫は、サンフランシスコ在住の田浦新一朗さん。
田浦さんは1960年、サンフランシスコで姉夫婦が日本料理店[蝶々]を開店する際、料理人として手伝うべく渡米。
「私に幸を紹介したのは、洋菓子店の滝原社長でした。冗談半分で私が誰か嫁を探してくださいよと言っていたら本当に連れてきた。 それが24歳の幸でした。」
結婚直後から、幸夫人は田浦さんとともに[蝶々]で働き始める。当時は料理はだめ。店ではもっぱら客をテーブルに案内する係だった。
そんな結婚生活が3年ほど過ぎた70年、田浦さんは鳩山由紀夫と運命的な出会いをする。
「実は、私に由紀夫くんを紹介したのも滝原さん。たまたま私が日本に帰っていた時、今度アメリカに留学する青年がいるから、アメリカでの生活とか話してやってくれと引き合わされまして。
第一印象は、世間知らずのお坊ちゃんという感じ。そのときはシスコにきたら連絡してという程度で、その後、実際にシスコの我が家に来たんです。」
「我が家でご馳走することもありましたし、店にもとにかくよく食べに来てました。でも姉によると、いつもお金は払わない。鳩山家からも、これで食べさせてください、とかお金をもらったことなどありません。
彼の世話はだいたい姉夫婦がやってまして、日曜ごとに彼に弁当を作って届けていたほどなんです。」
幸夫人は店でトラブルが続き[蝶々]を辞めさせられる。それからしばらく後、ある事件が勃発する。
「義兄の家のポストに、"弟さんの留守中、男がこっそり出入りしている"と書かれた手紙が入っていたのです。後で知りましたが、それは我が家の目の前に住んでいた邦銀勤務のご主人が書いてくれたものでした。
それでも、私はまさか幸が不倫をしているとは思っていなかったし、その相手が由紀夫くんだなどととも、まったく疑っていなかった。だから、幸にも、こうゆう手紙が来たから疑われるようなことはするな、
気を付けろ、と言っただけで、追求するようなことも一切しなかったのです。」
しかし、この頃すでに当地の邦人社会では、由紀夫青年と幸夫人の怪しい仲が心配されていたという。そして実際、それから1年もしない間に、第二の事件が起きてしまう。
何と、幸夫人が田浦さんの家から出奔してしまったのだ。
「ある日、私が帰宅すると、置手紙だけが残されていまして。その時初めて、ああ、2人はそうだったのかと知りました。義兄はポストの手紙事件後、探偵を使って2人を尾行し、不貞の事実を確認したそうです。
結局、幸からはそれっきり、今に至るまで一度も連絡はない。」
結果、田浦さん夫婦は正式に離婚する。幸夫人の母親が突然、田浦さんのもとに現れ、一言、協議離婚したい、と言ったのみ。慰謝料はもちろんのこと、謝罪の言葉すらなかったという。
「私としては、何だかもういいやという気持ちですね。姉夫婦はかなり頭にきてました。そりゃあ、あれだけ由紀夫くんの面倒を見ていたわけですから、裏切られた思いが余計に強かったのでしょう。」
出奔後、幸夫人は由紀夫青年のもとに走り、そのまま同棲。そして2年後、結婚する。
田浦さんの実姉、坂田哲子さんも、憤懣やるかたない思いを吐露する。
「主人が生きていたら、由紀夫が総理、幸がファーストレディと聞いてどれほど憤ったことか。彼は私たちが世話したことを当たり前のように思っている。幸の方は、いつも自分が一番でないと気がすまない性格。
2人とも常識がなさすぎます。こんな人たちが庶民の気持ちなど分かるわけがないし、リーダーになるなんて信じられません。」
田浦さんは、政治家の妻となった幸夫人の、ある行状、を当地総領事館の友人から伝え聞き、醜く哀しい思いをしたことがある。
「時期は忘れましたが、幸は一度、1人でシスコに遊びにきたことがあるそうです。その際、シスコの領事館の人に大きな顔をしていたらしい。
私は鳩山由紀夫のワイフよ、車でも用意してちようだい、て調子でね。ショックだったね。何でそういう常識に外れたことをするのか。」
(週刊新潮、2009/9/24より要約) [目次へ戻る]
愛人とは、室蘭の歓楽街でマキママとして通っていた、当時、48歳のクラブママ。当時、鳩山由紀夫は49歳。
鳩山由紀夫とマキママが特別の関係になったのは、1984年に、室蘭・中央町にケーラブラボーというクラブが開店したときのこと。
当時、マキママは、このクラブの雇われチーママをしており、彼女の知り合いの保険会社の勧誘員の上司が、鳩山由紀夫の同級生だったことから、鳩山由紀夫がこの店のオープンに顔を見せたのだという。
マキママは1991年からクラブ女女のオーナーママとして独立していた。ふたりの逢瀬の舞台は、鳩山由紀夫が住んでいた室蘭・中央町のマンションから、高砂町に鳩山御殿と呼ばれる一戸建ての豪邸が建てられてからはこちらに移った。
鳩山夫人は不在がちだったことから、マキママは鳩山由紀夫の洗濯物やアイロンがけも甲斐甲斐しくこなした。
「由紀夫さんとマキとの関係は愛人関係なんてものじゃなかったわよ。ほとんど現地妻っていうような感じだった」と、二人の逢い引きの世話をしていたというマキママの友人は証言している。
彼女によれば、鳩山由紀夫は、マキママに「女の子を産んでほしい。娘と君が待っている家に帰るような生活がしたい」と頼んでみたり、
「これは女房には相談していないのだけれど、竹下派に残ろうかどうしようか迷っているんだ」と悩みを打ち明けていたそうだが、こんなセリフもはいたと言う。
「僕はいずれ総理になるんだ・・・・」
マキママは店の経営に失敗。あちこちに借金を重ね、ついにはその総額が1億円とも言われるまでにふくらんだ。
当然ながら音羽のセンセイのもとに駆け込んだ。後に、この際に交わされた、マキママと鳩山事務所秘書との電話のやりとりを録音したテープが流出することになる。
マキママは鳩山事務所の秘書から1300万円を受け取った。要するに手切れ金だが、この程度の額では借金の返済は無理だったようで、翌年には、多額の借金を残したまま、室蘭から失踪してしまった。
当時、鳩山由紀夫は取材に応じず、対応した鳩山事務所の筆頭秘書は、こんなふうに答えている。
「その女性と鳩山が十年ほど前、お付き合いがあったことは確かです。ええ、男女関係だったと捉えていただいて結構です。
その女性にお渡ししたお金は、室蘭の鳩山事務所の人間が鳩山に無断でしたことで、事務所のお金ではありません」
親分がしでかした不始末の尻ぬぐいを、親分には内緒で子分のポケットマネーをはたいて行ったというのだ。
これが本当なら、鳩山由紀夫は総理になったあかつきにはこの秘書を首相補佐官にでも取り立ててやるべきだろう。
その後も、マキママの手切れ金の要求は続いたようだが、最終的に鳩山事務所が支払った総額は不明のまま。
(新潮45、2009/9より要約) [目次へ戻る]
新潮45、2000年3月号に「仮面政治家鳩山由紀夫に渡した5千万円のヤミ献金」と題した手記が掲載された。執筆したのは、富士銀行不正融資事件で実刑判決を受けた
元リゾート開発会社の社長。彼によれば1986年から1991年にかけ、ヤミ献金やパーティ券の購入などで約5000万円を鳩山由紀夫に提供したという。
鳩山由紀夫は、「パーティ券300万円分を購入してもらったが、事件発覚後の1991年秋に返却した。それ以外の金銭授受は天地神明に誓ってない」と言明、社長を名誉毀損で告訴。
社長も誣告罪で鳩山由紀夫を逆告訴した。このヤミ献金疑惑に関して、いまだに真相解明はなされていない。そればかりか、新たな疑惑が浮上した。
2009/6/16の朝日新聞は、鳩山由紀夫の政治資金管理団体「友愛政経懇話会」の03~07年の政治資金収支報告書120万円分に5人の物故者の名前がある事実を報じた。
週間新潮2009/7/2号は、報告書にはこの故人献金の他にも献金者捏造、架空住所記載が散見されるとさらなる疑惑を指摘した。
鳩山由紀夫は6月30日、記者会見を開き、「調査で、延べ193件の、虚偽、架空名義の献金、合計2177万円が見つかった。秘書に預けていた鳩山個人の金を会計実務担当の公設秘書が独断で虚偽記載した」
と自らの責任を否定した。が、この説明には納得できない。友愛政経懇話会の2007年度の収支報告書には、鳩山由紀夫個人からの8000万円の借入金が記載されている。
個人の金を秘書に預けたというなら、なぜ従来通り借入金として処理しなかったのか?虚偽記載された架空献金の原資は、鳩山由紀夫の個人口座から出ている。
4年間で2000万円を超える金が引き出されていながら、「気づかなかった」とは奇怪ではないか。鳩山由紀夫は毎年、この団体に、1000万円近い献金をしているが、なにも秘書に預けていた金から
引き出させるという迂遠な方法ではなく、直接、献金すればいいのではないか?そもそも、秘書にあずけていた金とはいったいなんなのか?疑惑は残ったままだ。
(新潮45、2009/9より要約)
平成4年当時といえば、いわゆるいわゆるバブル事件が相次いで表面化し、世間を騒然とさせた時期である。その1つが富士銀行(当時)を舞台にした巨額不正融資事件だった。
実に総額7000億円もの金が動き、2600億円が未決済になるという、金融史上でも空前のスケールの詐欺事件である。すでにその不正融資先の1社だったリゾート開発会社の社長から、
鳩山由紀夫はパーティ券を購入してもらったことが判明していたが、その社長が同年1月に有印私文書偽造、詐欺などの容疑で警視庁に逮捕されると、鳩山由紀夫のスキャンダルはいつしか忘れ去られていった。
しかし、この元社長が刑期を終えて出所し、鳩山由紀夫と会ったのは、彼がすでに民主党代表の座にあった頃だ。その際、鳩山由紀夫は元社長に、
「このたびは1人で(刑務所に)行かせて、申し訳ありませんでした」と言って、深々と頭を下げたという。
元社長によれば、財界人の紹介で鳩山由紀夫と最初に会ったのは昭和63年、鳩山由紀夫が自民党の公認を得て、初当選したした頃だったという。
しかし、当初から2人のつき合いは一方的で、鳩山由紀夫の秘書からパーティ券購入要請は執拗だった。結果的に、元社長は200万円、300万円と数回に分けて合計5千万円の裏金を鳩山由紀夫サイトに渡してきたのだ。
もちろん、元社長も何の見返りも期待せず、ただ野放図に闇献金をしてきたわけではない。当時、北海道で第三セクターのリゾート施設の開発を手がけていた元社長は、鳩山由紀夫の知名度と、
クリーンなイメージに期待していたのである。確かに、鳩山家のプリンスがその事業を応援してくれたら鬼に金棒。
平成2年、リゾートの地鎮祭に鳩山由紀夫は来賓として出席し、30分近いスピーチはしたものの、それ以上の貢献はしてくれなかったという。
それどころか、鳩山由紀夫は元社長が手がけるリゾート施設工事の着工前に、みずからが親しくしている地元の建設業者をジョイント・ベンチャーに入れてくれ、と要請してきたというのだ。
元社長が怒るのも無理もない。
(新潮45、2009/10より要約) [目次へ戻る]
外遊は新婚旅行 「今日は世界で私より有名な女性と参りました。私たちは2人で一つなんです」これに、幸夫人は満面の笑みで応えた。
まるで外遊を新婚旅行と勘違いしたかのようなバカッブルぶりを見せているのは、他ならぬ鳩山由紀夫・幸夫婦である。
今月9日、訪中した鳩山首相は、北京の日本大使公邸で開かれた在留邦人によるレセプションで、冒頭のように挨拶した。そして、恥ずかしげもなく、こんな"のろけ"を続けた。
「政権ができたてのホヤホヤなのに、アメリカ、デンマーク、そして今回の韓国・中国と、三度も外遊に出て大丈夫か、とよく聞かれます。でも、妻がいるから大丈夫です!」
いくらメディアをシャットアウトした日本人の集まりとはいえ、これが一国のリーダーの発言かと思うと何とも情けない。
(週刊文春、2009/10/22より要約)
サンドイッチで閣議 10月22日の昼、官邸内で行われた臨時閣議では、鳩山氏の発案によりサンドイッチが振る舞われた。無論、
食しながらの閣議など前代未聞である。同日午後4時、「サンドイッチを出してみたんですよ」政府・民主党首脳会議で、無邪気に自らのアイディアを小沢一郎に披露した鳩山氏。だが、「・・・・・・」
小沢氏は、不謹慎とも言える「閣議サンド」話にムスッとしたまま。凍りつく空気。
(週刊新潮、2009/11/5より要約)
連合に頭を下げる 政権交代を成し遂げた総選挙の直後、真っ先に鳩山由紀夫が駆けつけたのは、労組の総本山である連合だった。
「民主党に大変大きな力をいただきました。お陰さまで政権交代を果たすことができましたことを、皆様方に心から感謝、お礼申し上げます」(連合中央執行委員会での鳩山由紀夫の挨拶)
選挙で応援してもらうのと、その恩義から鳩山内閣が特定組織の意向に影響されてしまうのとでは、わけが違う。しかし、労組系として鳴らす、例の2閣僚を見ると、その心配は募るばかりなのだ。
(週刊新潮、2009/11/12より要約)
操縦室に猿 鳩山由紀夫は明確な方向性を持っておらず、「かつてジャンボ機の自動操縦装置のように国を動かしてきた官僚たちは、操縦室に猿(鳩山由紀夫)がいるとあからさまに不平を口にしている」
(ニューヨーク・タイムズ、2010/1/8より要約)
杉本彩を官邸が招いた
石川逮捕の激震が走る前日、小沢包囲網が刻一刻と狭まっていく緊張感の中で、永田町のある一角だけは弛緩した空気に包まれていた。女優の杉本彩の登場を今か今かと待ち侘び、多くの官邸メンバーが
鼻の下を伸ばしていたのだ。
1月14日昼、その時点でも6度と冷え込んでいた外気とは対照的に、空調の効いた心地よい空気に満たされた総理官邸。そこではイベントが開催されていた。
会場には鳩山総理や側近の小沢鋭仁環境相の他に、キャンペーンの応援団である著名人が集結。
「総理と環境相が最も楽しみにしていた」(官邸関係者)杉本彩の肢体(同)もそこにあった。
「総理も嬉しそうでしたし、環境相は彼女の体をじっと見つめていた」(別の出席者)
こんなぬる~い官邸に鎮座する鳩山総理ゆえに、彼の頭の中で窮地打開の戦略が生まれるはずもない。
現に石川逮捕後の16日、「小沢幹事長を信じています。(検察と)どうぞ戦ってください」などと、検察を抱える行政のトップとしてあるまじき、素っ頓狂な大見得を切る有様。
左の朝日新聞から右の産経新聞まで、総批判の論陣を張られる無様な事態を引き起こしたのも、むべなるかなと言えよう。 敗北の暴君と一蓮托生の民主党の終着点は・・・・・・。
道連れの、道行き先、未知の危機---。
(週刊新潮、2010/1/28より要約)
公邸を改修
公邸に入居したした際、多額の改修費を使ったとされていることに関して、どこをどのように直したのか、と質された総理。
「お風呂と、それから洗濯機くらいは替えたかも知れません」と答えたが、夜になって記者団に対し、前言を翻す挙に及んだのである。
「エ~、風呂は改修しておりませんでした。実を言いますと、寝室を和風から洋風にしておりまして、その改修費などがかかっています。洗濯機ということもなかったみたいで」
時の総理が国会での答弁を修正するなんてよほどのことだが、これも裏がありそうで、「風呂場の改修は、幸夫人の意向だそうですよ」とは、自民党関係者。
「何でも夫人は『麻生さんが入ったお風呂なんてイヤよ!』と言ったとか。しかし、ファーストレディのわがままで風呂を改修したなんてことがバレた日には、
鳩山さんは国民の批判・・・・・じゃなくて、夫人の不興を買うでしょう。だから改修費の使途について、慌てて誤魔化すようなことを口にしたんじゃないですか」
ついでに言うと総理は、先の修正発言に続けて、次のようにも語っている。「一番大事なのは、公邸の主が毎年代わったりしないことです。毎年改修という事態が避けられ、経費節減への道かなと」
翻訳する。この私に長く総理をやらせてもらえば、金はかかりません。
(週刊新潮、2010/3/4より要約)
日本のガン
NYではこんな日本の冗談が流行っているという。日本人が鳩山首相のことを「サギ」だと言ったら、アメリカ人は「チキン」だと言う。中国人は「カモ」だといい、ヨーロッパ人は「アホウドリ」と言う。
本人は「ハト」だと言っているけど、本当は「ガン」なのじゃないか。
(週刊文春、石原慎太郎、2010/4/15より)
友愛革命の原点
「友愛革命の原点は、政治家にとってはまさに政治家を捨てる覚悟に他ならない。」
「なにげなく私たちは日本は日本人の所有物だと考えている気がするし、その暗黙の了解のもとに各種政策が遂行されているように思われてならない。しかし思い上がりも甚だしいというべきであろう。」
(論座、1995/6に鳩山由紀夫が投稿した論文の一部)
「鳩山前首相」にも忍び寄るロシア諜報機関
無名の一市民として入国し、ひっそりと生活する。そんな存在をスパイキャッチャーは「イリーガルスパイ」と呼ぶ。スパイ捜査経験のある警察庁幹部も「摘発が極めて困難で、やっかいな存在だ」と指摘する。
ロシアの対外工作は現在、猛烈に活発化しているという。「暗殺、政権中枢への協力者獲得工作、機密情報の違法収集・・・。ロシアはいま、プーチン首相主導の下、諜報大国を志向しています」
こう話すのは、日本のカウンター・インテリジェンスの総本山、警察庁警備局の関係者である。「日本国内では08年、内閣情報調査室の男性職員による、駐日ロシア大使館2等書記官への情報漏えいが摘発されています」
(ロシアウオッチャー)
ロシア諜報機関の活動について、FBIの関係者は次のように解説する。「政策立案に関する集団と密接な関係をつくれば、政策についての情報が手に入る。だが、ロシアの目的はそれだけではない。
政策集団が立案する際に、ロシア側に有利な政策を盛り込ませることこそが、プーチンの思想であり、モスクワ・センターの役割なのだ」長期にわたってその国の社会に定着、深く根を張って政治家、官僚、
実業家、文化人といった国の政策や世論形成に影響力を持つ階層に浸透。ロシアはそんな工作を主要国で展開している。では、日本の標的は誰なのか?
その答えは警察当局ではなく、永田町関係者が知っていた。「ターゲットは鳩山由紀夫前首相と、長男の紀一郎氏ですよ。鳩山氏が首相在任中、複数のロシア人が親しく接近してきました。
その中には、公安当局がロシア諜報機関員と認定している人物も含まれていたのです」紀一郎氏は、一昨年、モスクワ大へ移り、モスクワ市の悩みのタネである交通渋滞の解消を研究テーマとしているが、
ロシア側は特権的な待遇をしているのだという。紀一郎氏はまた、ロシアの有力企業の投資説明会などに参加、ロシア政財界との交流を深めているという。こうした状況は、各国の情報機関にとってどう映るのだろうか。
米情報当局者が指摘する。「ロシアは日本の前首相の息子を完全に手中に収めたようだ。これは、国家の利害を奪い合う外交やインテリジェンスの世界では、大きなアドバンテージとなる。
鳩山親子は警戒心が薄く接近が用意だというとだ。ロシアへのシンパシーが高じて、利敵に走らなければよいが・・・・」
(週刊新潮、2010/9/31、蔦谷透より要約) [目次へ戻る]
鳩山首相とオバマ大統領の会談は、「史上最低の日米首脳会談」と評されるほど中身の薄いものだった。しかも首相は「経済は大きなテーマではない」と放言し、普天間基地についての合意を一晩で反故にした。
この男に日本の前途を任せられるのか。
大統領専用車が会談の行われる首相官邸に到着したのは、午後6時30分すぎだったが、ここで"事件"が起きた。玄関先で出迎えるはずの鳩山首相の姿がそこになく、大統領は車の中で5分間待たされるはめになったのだ。
「あれは前代未聞。実に破廉恥で常識に欠けます。9月にピッツバーグで行われたG20の夕食会でも、鳩山夫婦はオバマ夫婦を長時間待たせましたが、
外交儀礼上失礼な行為です」(外交評論家の小山貴氏) 警察関係者もこう呆れる。「官邸に入る瞬間は、警備計画のなかでも一番綿密に練られている。先導車で日本側の警備の人間が到着し、大統領の車のドアを
開き、SPが降りて、大統領が降りるという手順は、秒単位で決められているのです。首相本人の事情でない限り、5分遅れるなんて、絶対にありえない話だ」
オバマ大統領が強い調子で、普天間問題についてこう口火をきった。「基本(辺野古に移設する現行計画)は守るべきだ」これに対して鳩山首相は「早い時期に解決したい」と迅速な解決を約束したという。
夕食会のとき、鳩山首相の姿はなかった。前日の夕食会後、APECの開催されるシンガポールへ飛び立っていたいたのである。オバマ大統領を日本に残して...。
「オバマ大統領は14日に講演や両殿下との昼食会を控えていたという事情はあるにせよ、置いてけぼりは、やはり異例のこと」(官邸担当記者)
14日にシンガポール入りした鳩山首相は、同行記者団との
懇談では、仰天発言が飛び出した。「普天間について会談で"迅速な対応"で合意したにもかかわらず、『年内決着の約束はない』と一転、さらに『日米合意を前提としない』とちゃぶ台をひっくり返した。
これには、米国ばかりか民主党内も唖然としています」(全国紙政治部デスク)なぜ首相はブレたのか。「実は、福島瑞穂から、会談の直前に『社民党として辺野古への移転は絶対認められない。
それで日米合意に達した場合は、連立を離脱する』とネジこまれたんです。個人献金問題で足元がグラついている鳩山氏にとって、これは何としても避けたい。そのため、後から撤回したのです。
そのため、鳩山首相はオバマより福島を取った」(民主党関係者)
(週刊文春、2009/11/26より要約)
揺れる日米安保
フィリピンでは1986年に新米マルコス政権を倒して就任したアキノ大統領のもとで対米関係が悪化。相互防衛条約は空洞化した。駐留してきた米軍は91年に撤収を決めた。
軍事力の空白を突いたのが中国だ。帰属が不明確な南沙、西沙などの島々に次々と部隊を送って実効支配。慌てたフィリピンは米軍呼び戻しに動いたが、米側は「いまさら」と応じなかった。
かろうじて2000年に共同軍事演習が復活した。
(日経新聞、揺れる日米安保(下)2009/12/16より要約)
鳩山政権ヲ対手トセズ
オバマ訪日が1ヵ月後に迫った十月、外務省は機能不全に陥っていた。混乱に拍車をかけたのは、鳩山の「非公式ルート」の乱用だ。「ハトヤマには四人の外交ブレーンがいるそうだな?」
外務省が危機感を募らせていた十月、米国務次官補キャンベルは日本にやって来て政府高官にそう語りかけ、指を折って順に名前をあげた。
駐米大使にも取りざたされた朝日新聞主筆の舟橋洋一、日本総合研究所会長の寺島実郎、主席秘書官に就任した佐野、そして民主党政調会部長から内閣官房専門委員に転じ鳩山の
外交演説づくりを手がける須川清司の四人だ。この中に外交・安全保障のプロは一人もいない。夫人同士の交流が縁で秘書官になった佐野は「普天間よりもアフガンが米国の最大関心事です」と進言し、
鳩山の意を強くさせた。寺島は「対等な日米関係」が持論で、ワシントンの知日派サークルで危険人物視されている。キャンベルは「鳩山政権は社会主義政権なのか」「大統領訪日まで普天間をひきずるのはまずい」
と旧知の外務省北米局長、梅本和義らに不安を隠さなかった。
(文春春秋、浦上隆、2010/6より要約) [目次へ戻る]
鳩山由紀夫の政治資金管理団体の偽装献金問題が発覚したのは、まだ彼が総理の座に就く以前の、2009年6月のことである。個人献金として報告したうち2千万円を超える額が、
すでに死亡した人や、献金などしていない由紀夫の知人の名義を勝手に使ったものだった。由紀夫側は、これらの資金の出どころは由紀夫個人の資産だ、と説明してきたが、ここにきて、母親の安子から
資金提供を受けていた疑いが強まっている。この一連の事態が、鳩山由紀夫の総理大臣としての不適格性、政治家としての能力のなさ、ひいてはその人間性さえ残酷なまでにあぶり出してしまったことである。
政治資金規正法違反であるとか、贈与税の脱税の疑いがある、といった観点からのみこの件を論じても、問題を矮小化させ、本質を取り逃がすばかりだろう。
由紀夫は、母親からの資金提供を国会で質問され「私の知る範囲で、そのようなものはないと信じている」と答弁している。
もし安子からの資金提供が確証された場合、あくまで由紀夫が自分は知らなかった、と言い張るならば、その責任はすべて87歳の母・安子が負うことになる。
私の最大の関心は、そのとき、鳩山総理はどのような対応に出るのか、という一点にある。そのドラマは、芥川龍之介『杜子春』を連想させる。老いた母に司直の手がかからんとするとき、由紀夫は
あの平板な表情のまま、総理の椅子に腰を下ろし続けるのか、それとも表情を一変させ、母のもとに駆け寄って涙にくれるのか。
昭和17年、威一郎とブリヂストン創業者である石橋正二郎の長女、安子が結婚することによって、そこに日本でも屈指の資産を持つ石橋家の財力が加わった。
石橋正二郎は大政治ファウンダー(創業者)でもあった。鳩山一郎を中心に、三木武吉、河野一郎、松野鶴平といつた面々が麻布永坂の石橋邸や音羽の鳩山御殿に出入りし、新党結成や保守合同の作戦を練った。
それをバックアップしたのは正二郎が一代でなした莫大な資産であった。安子は鳩山家と石橋家の財力とを結ぶ要の存在であり、鳩山家全体の財力の源でもある。
由紀夫の80億円を超えるという資産の多くの部分は石橋家からの相続によるものだ。
安子には二つの顔がある。一つは鳩山家の「嫁」、由紀夫の「母」としての顔であり、もう一つは意外に思われるかもしれないが、父譲りの「政治ファウンダー」としての顔である。
威一郎もまた父同様赤坂芸者との間に子をなした。家にもあまり帰らない火宅の時期もあった。それに対して、安子は黙って耐えていなかった。新橋のダンスホールで若い男とチークダンスにふけり、
週刊誌に写真を撮られこともある。一郎の命令で、それまで麻布の石橋家の隣に住んでいた安子たち一家は、音羽御殿で一郎らと同居する羽目になった。
当時を知る関係者は、安子が「これで私の人生は終わった」と呟いたのを記憶している。このとき、安子は自分の人生の目標を、息子に切り替えたのではないか。ここに私は、安子のもう一つの顔、
政治ファウンダーとしての原点があると考える。安子は息子たちを誠心誠意バックアップしてきた。
もともと安子は、老獪な党人派政治家として知られ、保守合同の脚本・演出を一手に担った三木武吉の"追っかけ"だったという。父・石橋正二郎のもとには、三木をはじめ、経験、人間的迫力、権謀術数、
どれをとっても今の政治家とは桁が違う"政治の玄人"たちが出入りしていた。安子の政治センスはそうした環境で培われたものだろう。
息子を総理の座に就けるという大成功を収めた安子が、自分が提供した政治資金の問題で足をすくわれるのなら、これほど皮肉はない。この偽装献金問題は、政治家由紀夫のつまづきであるとともに、
安子の痛恨のミスでもあろう。
安子の躓きの石は、そもそも由紀夫との母子関係にあったのではないか。由紀夫が人妻だった幸と"略奪婚"をしたとき、安子は由紀夫に代わって、由紀夫の前夫のもとへ挨拶に行った。
母に謝りに行ってもらう由紀夫も由紀夫だが、出かけていく安子も安子だ。この由紀夫の対応が今回の偽装献金問題と重なって見えるのは私だけだろうか。
結局、由紀夫は自分で自分の責任を取ったことなど一度もないのではないか。安子は政治家としての子育てには失敗したひとりの母親でもあつた。
安子との母子関係から由紀夫を見たとき、クリーン、清新と謳われてきたこの政治家の本当の顔が浮かびあがる。それは、この男が政治家として"自分の仕事"など一度としてやってこなかった、という事実である。
総理の孫、外相の息子、資産を持ち、エキセントリックな妻がいるといった、政治家の実力と関係のない、見た目の金メッキを剥がしたときの由紀夫の正体は「超高級ニート」にほかならない。
超高級ニートを総理の座まで押し上げたのは、日本を覆っている不安と閉塞感ではないか。これまでの政治家、日本が手詰まりになって、有権者は、何もしていないがゆえにクリーンに見える男に飛びついてしまった。
そう思えてならない。この危機の時代に、政治資金から何から一切合切を親任せにしているような、何もしないトップが対応していけるはずがない。
(文芸春秋、2010新年特別号、ノンフィクション作家・佐野眞一より要約) [目次へ戻る]
2月12日の衆院予算委員会「鳩山内閣の政治姿勢」に関する集中審議は、意外な展開をみせた。「まさに平成の脱税王だ。そんな人が首相の座に座っていることがおかしい!」
激しい口調で鳩山由紀夫首相を攻め立てたのは、与謝野馨元財務相。政界随一の政策通といわれる与謝野氏が政策論を一切語らぬまま、鳩山首相の顔色が変わるほどの過激な論戦を仕掛けた真意は何だったのか。
「野党には野党のやり方がある」。それが今回の論戦を前に私が考えていたことです。わが党のやり方は生ぬるいと、もどかしく思っていたからです。私は党内で「我々は野党になったんだ。
殿様然として政策論を戦わせていても、民主党は倒せないぞ」と言い続けてきました。政策を語るよりも先に、首相の偽装献金疑惑という、誰の目から見ても不自然で不透明な問題を徹底的に追及するべきでしょう。
実は昨年から、「予算委員会の質問役をやらせてくれ」と手を挙げ続けてきたのですが、なかなか当ててもらえなかった。「与謝野にその手の質問はできないだろう」と思われていたのかもしれませんが、
ようやく今回、その機会を得たというわけです。 私が注目したのは、鳩山氏の「心理」でした。鳩山氏の一連の言動を整理して見ると、心理的なブレがもっとも如実に表れているのは、なぜ偽装献金をしたのか
という「動機」に関する部分でした。 疑惑発覚直後は、「個人献金の金額が余りに少ないので」会計担当の勝場元秘書が寄付者を偽装したという説明でした。ところが鳩山氏の個人献金の総額は十年間で約
5億9千万円で、むしろ多かった。すると今度は、「政治資金が不足したため、鳩山氏個人の金を貸付金として」資金管理団体に入れたという説明になった。ところが、鳩山氏の資金管理団体は
毎年繰越金を計上しており、資金不足というのも筋が通らない。
そこで委員会では、鳩山氏に再三、「秘書の動機」を尋ねましたが、結局、明確な答えは返ってきませんでした。
なぜ勝場氏は献金を偽装し、政治資金規正法の中でもっとも重い偽装記載容疑で起訴されなければならなかったのか。答えはひとつしかありません。 私は鳩山氏にこう質しました。
「秘書はあなたを守るためにやったのだ。訳の分からない金をどんどん持ってきて政治資金収支報告書に記載のしようがないから、献金者を適当にした。実はあなたたの犯罪だ。私は最近やくざ映画を見るが
、親分を守るために子分が出頭する」ヤクザ映画というのは、私が自宅のCS放送でたまに見る俳優の竹内力さんなどの出演作ですが、親分の罪を子分がかぶる構図はまったく同じです。
鳩山氏は「(秘書と)口裏合わせをやったかのように言っているが、一切ない」とし、「検察はそういうことはなかったと判断したと理解している」と開き直りましたが、冗談ではない。
鳩山氏が不起訴となったのは、法律で「首相の同意なしに閣僚は起訴できない」と定められているからに他なりません。不起訴=シロではないし、現に検察は鳩山氏の起訴権を保留しているにすぎないのです。
もうひつつ重要な点は、鳩山氏の資金管理団体に偽装献金として入れられた鳩山氏個人の金は、実は母からの、毎月千五百万円ずつ、年間1億8千万円もの「お小遣い」であったということです。
結局、鳩山氏は02年からの7年間で約12億円の贈与を受けたとして、約6億円を納税しましたが、7年前まで遡っていることは注目に値します。通常納税の時効は5年で、
「仮装・隠ぺい、悪質」の場合に7年になる。鳩山氏自身が脱税であった、と認めているわけです。私が委員会で、鳩山氏を「平成の脱税王」と称した由縁です。
それでも鳩山氏は、安子さんから自分の資金管理団体へと金が流れていたことは「全く知らなかった」としているが、それも怪しい。
私は委員会の場で、鳩山氏の実弟である邦夫氏から聞いた証言を紹介しました。 「『兄貴がしょっちゅう母のところへ行って、子分に配る金をもらっていた』と。
そうしたら母から邦夫氏に『あなたは大丈夫なの?』と。邦夫氏が口を濁していたら『あなたは子分がいないの?』
と言われたたと」私はこの話を1年ほど前に邦夫氏と食事をした席で聞きましたが、委員会の前に邦夫氏に事実関係を三度確認し、引用しました。邦夫氏も委員会終了後に私の事務所をわざわざ訪れて、
「あの質問はよかった。正確に引用してくださった」と言ってくれました。
これに対し鳩山氏は「まったくのつくり話」と声を震わせ、「この中の誰(議員)にも(金を)差し上げてない」と全面否定したが、
それこそ真っ赤な嘘です。政治資金収支報告書によると、07年に鳩山氏の政治資金管理団体から平野博文官房長官の資金管理団体に1千万円の「寄付」がされていることは紛れもない事実です。
私自身、鳩山氏に恨みがあるわけではありません。鳩山氏が自民党にいた頃、私は議運委員長として鳩山氏を議運の理事に抜擢したほど、有望と見ていました。
しかし、鳩山氏は自民党を離党し、新党さきがけを経て民主党を立ち上げるわけですが、さきがけ時代を知る人が私に興味深いことを言っています。
「鳩山さんはケチといいほど金に細かい。自分の金を子分に配ることはなかった。配るとすれば自分のものではない金、でしょう」
先の委員会でも指摘しましたが、ある信用できる公判関係者--名前は死んでも明かせませんが--によると、元秘書の勝場氏がこんな証言をしています。
「資金は自分のグループを中心に民主党議員に配った。(首相の個人事務所がある)十全ビルの金庫にお金があり、鳩山首相本人が渡したものもある」何が鳩山氏を変えたのか。
民主党では紛れもなく鳩山氏がオーナーであり、親分です。さらにいえば、自分の金ではなく、母の金だったから配ることができたのではないか。邦夫氏の証言はそれを裏付けます。
(週刊文春、2010/2/25より要約) [目次へ戻る]
脱税の刑事罰を強化する「脱税首相」の頭の中身
鳩山由紀夫首相は確定申告初日の2月16日、国会でこう答弁した。「国民の暮らしを守る政治を作り上げるために、適正な納税を心からお願いしたい。国民の健全な納税意識が落ちることがないよう
お願いしたい」
東京の下町を拠点としている税理士が苦笑した。「いま必ずといってよいほど話題になるのが鳩山首相のデタラメな納税です。その人が平然と国民に正直な申告を呼びかけるんですから。
すごい神経です」
鳩山首相は、大資産家の母親から12億円もの金をもらいながら、ビタ一文税務申告していなかった。発覚するに及んで「(親からの資金提供の事実を)知らなかった」と言い続けている。
現金や土地などの財産を無償でもらえば、贈与税がかかる。税率は極めて高い。 110万円の基礎控除を引いた贈与金額が1千万円超になると、税率は50%。
「不労所得には重い課税を」という考え方に基づく。重税であるがゆえ、税逃れに腐心する資産家と国税当局との攻防が繰り返されてきた。贈与された金を「借入金」として処理するのが、
今も昔も変わらぬ税逃れの常套手段だ。鳩山家の場合も定石どおり、「母親からの借入金」としながら返済をしていなかった。当然、アウトである。追い詰められた鳩山首相は昨年12月末、
遅延税などを除く本税分の6億円弱を収める手続きを取った。
首相秘書が政治資金規正法違反に問われた「偽装献金」の動機も、はっきりしていない。そもそもはじめから母親からの資金提供を隠し、贈与税を逃れるのが目的では、という疑いは残る。
金額が大きく、不正な手段による脱税が発覚すれば刑事責任を問われる。鳩山首相は「知らなかった」と言い張るしかない。まだある。首相は約7千万円の株売却益を申告していなかった。
(週刊文春、2010/3/11、ジャーナリスト・落合博実、より要約) [目次へ戻る]
まるでずっこけコントのような官邸芝居が、ついに国際的に幕を切った。主役はもちろん、裸の王様、鳩山由紀夫なのだが。
「私とオバマ大統領との個人的な関係があるから、日米関係は悪くなりません」鳩山首相がそんな余裕を周囲に見せ始めたのは、昨年11月の日米首脳会談後からだ。
普天間問題で迷走しようが、オバマ大統領との信頼関係を拠り所にしているという。だがいまや、官邸とホワイトハウスは電話連絡すらできない関係となっている。
心配した民主党関係者が、3月に総理執務室を訪ねた時のこと。「総理、オバマ大統領が何を考えているか、わかりますか」そう案ずると、鳩山由紀夫は即答した。「わかりません」
個人的関係って言ったのは誰だ!と進言できる人間がいないのが、この国の悲喜劇である。実は今、米政府高官たちは、日本政府の現状をまるで政情不安定な発展途上国のようこう表現しているのだ。
"Confusion(混乱中)"混乱の主犯である鳩山首相が、4月12日から訪米した。オバマ大統領が提唱する「核安全保障サミット」へ出席するためだが、日米両政府は頭を抱えた。
官邸担当記者が苦笑する。「日本側は『オバマ大統領との公式会談は申し入れていない』と言うが、実際は申し込んでいました。しかし、ハナから無理なんです。参加国が多いうえに、
オバマと話せるテーマがない。総理は『普天間問題で協力を要請したい』と語って日本を発ちましたが、国内で何も決まっていないのに、何を話すのか。公式会談を断られたと報じられてはまずいので、
『申し込んでいない』と表明しているのです」
外務省は苦肉の策で、晩餐会の首相の席を強引きにオバマの隣にしてもらい、それを非公式協議とした。約十分間の会談で、鳩山首相は「日米同盟は大変大事」と切り出したものの、
当然ながら普天間の移設先は口にできなかった。それでも会談後、記者団に「移設先については、大統領の立場で、関心を持って見ていただけると思う」と、またしても一方的な思い込みを語った。
しかし、核問題のサミットで、唯一の被爆国が公式会談から外されたことは異常事態である。どうして我が国の首相は、これほどに軽んじられてしまうのか。駐ワシントンの記者がこんな話をする。
「米政府でよく『ゾッとする』と言われるのは、鳩山首相の自信です。米政府のどこから情報を得て、何を根拠に、普天間問題について自信たっぷりの発言をするのか。
どう調べても、首相官邸が米政府に接触して情報収集している形跡はない。そこで行き着いたのが、昨年のオバマとの会談です。オバマがにっこり微笑んだり、頷いたりしたことを、鳩山首相は
信頼されていると勘違いしたのでは、というのです。鳩山由紀夫がテレビで外交辞令の笑い顔を見て、手応えを感じたとすれば、それは恐ろしい事態だと、米政府側は懸念しています」
オバマは表立って口にはしないが、昨年の首脳会談から、鳩山首相に不満をもっているという。というのも、日本政府は一切公にしていないが、会談時、オバマは辺野古の現行案について「調整することも可能だ」
と微調整を容認した。にもかかわらず、後日、鳩山首相はこの微修正案を無視して、「米政府の本音はグアム全面移転」とデタラメの発言をしたからだ。
「トラスト・ミー」と言った舌の根が乾かないうちの「出まかせ」に、米政府が警戒するのも当然だ。米政府は予防線を張った。駐ワシントン記者が話す。
「米政府は日本に対して、交渉という言葉を絶対に使わないようにしています。使ったら最後、日本政府は地元と合意もできていない代替案をテーブルにのせ、
『交渉の結果、米国に反対されたので、5月末までに決められなかった』と、国民に弁明するのは明らか。米国のせいにされてはたまらないから、『アイディアを聞いた』という表現にとどめているのです」
しかし、別人格が日替わりで慿依するかのように意見を変える鳩山首相に、米政府側は音を上げている。
現地のシンクタンク研究員、マイケル・ユー氏も辛辣な批判を聞く一人だ。ズバリこう指摘する。「鳩山首相がいる限り、何も解決できない、とワシントンでは言われています」
ある首相経験者にいたっては、米政府関係者から真顔でこう質問された。「鳩山さんはひよっとしてバカなのでしようか」バカ以上に危惧すべきは、やるべきことをさぼっている点だ。
例えば、オバマと信頼関係があると思い込むばかりで、交渉相手のオバマを研究していない。ユー氏が言う。「ワシントンでは、オバマは人間関係では仕事をしない。テーマ別に仕事に集中する、
というのが常識です。『話せばわかる』という日本的な考えは通用しない。トラスト・ミーと言われても、一体、何を信用しろというのか。オバマが望むのは解決だけです」
首相補佐官を務めた世耕弘成議員によると、外交交渉の基本は、「例えば、胡錦濤国家主席と会談をする時は、事前に彼の性格、握手の仕方、写真を撮る際の注意点、総理に何を言わせて、何を言わせない方が
いいか、ということまで官邸スタッフが対策会議を深夜まで何度も行います。『トラスト・ミー』は、何も準備していないとしか思えません」
普天間問題が迷走する原因も、「さぼり」に尽きる。ジャーナリストの須田慎一郎氏はワシントンで米政府高官から、鳩山首相の普天間問題への不勉強ぶりを列挙されたと言う。
「鳩山政権が提案する案は、どれも日米間で俎上にあがって検証済みです。その結果、実現不可能だと判断されたのに、今頃なぜ蒸し返すのかと怒っていました。
米政府高官は辺野古に行って、地元住民と対話を続けて努力してきた。それを鳩山首相がぶち壊したのだから、高官は『なんなら、これまでの経緯を全部ぶちまけてやろうか!』と言っていました」
米政府高官がぶちまけようとする経緯の究明も、これまた鳩山政権は怠っている。昨年9月、岡田克也外相は、「辺野古に決まった経緯を調査する」と表明した。この経緯とは、自民党政権下での普天間移設に
絡む利権疑惑を指す。
普天間基地返還を決めた橋本政権の首相秘書官だった、江田憲司・みんなの党幹事長が批判する。「検証すると言いながら、僕に話を聞きにこない。移設先の振興策を策定していただいた
島田晴雄千葉商科大学長も、相談がないと呆れていた。小泉政権下で滑走路がV字型になった背景には、土砂利権が絡んでいます。それを調査して、旧自民党政権を批判すればいい。それなのに、何もやっていない」
鳩山首相が腹案だと自信を見せる徳之島案ですら、まったく検証した形跡がない。ならぜなら、徳之島の人たちに聞けば、誰もが呆れてこう言うのだ。
「徳之島に移設する案は、2年前に死んだユタ(民間信仰の霊能師)とその弟、そして3年前に保険金詐欺で逮捕された人物が一緒になって進めているものです。建設業者とも関係が深い。
よりにもよって総理大臣がこんな話に丸乗りしたことの方が衝撃です」(地元関係者)
いち早く反対を表明した徳之島・伊仙町の大久保町長も笑いながら言う。「総理に進言する人はいないんですかね。確かに、2年前に亡くなったユタの方が『普天間を誘致した』と、生前から言っていました。
いつも大きいことを言う人なんです。でも、無理な話です。米国が相手にしないのだから、徳之島案なんて言っていたら、日本は国際的に信用を失いますよ」
昨年の総選挙で民主党は、「奄美群島の皆様に対する民主党の約束」を公約した。ガソリン代や航空運賃は値下げし、政府の振興開発事業予算を下げない、という調子の良い約束だった。
とこが、公約を守るどころか、振興開発事業費をばっさりと約3割カット。住民たちが反発しているところへ、普天間基地の移転案と同時に振興策をちらつかせてきたのだ。住民を愚弄する話に、
「島民は誇りがあるから、そんな話には乗りません」と大久保町長は断言する。それでも、3月26日、日本政府は米側に徳之島案を提示。徳之島からワシントンまで、鳩山政権はどこに行っても支離滅裂。
真摯さのかけらも感じられない。
政治部記者が話す。「昨年、ローレンス元国防副次官と彼の部下が、日米同盟の現状を批判する『期待はずれの管理』という論文を発表し話題になりました。同盟は耐久性の限界にきていて、
小学生(鳩山政権)に中学生レベルのことを期待できないという憤りが、執筆の動機だそうです」
訪米が延期となった小沢一郎も、コミュニケーション不全の最たる人物である。そもそも、訪米の話は2月のキャンベル米国務次官補と小沢との会談に遡る。
「小沢を民主党のキーマンと評価するキャンベル氏は、小沢に、今度ぜひ訪米してください、と、半分は社交辞令で言ったんです」(外務省関係者)
すると、小沢はおもむろに「ある国では・・・」と、昨年12月の小沢訪中団のことを語りだした。「民主党の議員140人以上も招待してくれて、トップとのツーショット写真も撮らしてくれた。
米国もそこまでやってくれるのか」これを聞いたルース駐日大使とホワイトハウスは驚き、「大統領にそんなことをさせるわけにはいかない」と憤慨したという。
(週刊文春、2010/4/22、より要約) [目次へ戻る]
金賢姫も引退撤回に利用する「鳩山由紀夫」の耐えられない軽さ またも出ました前言撤回。次期衆院選には出馬しないと宣言しておきながら、
一転、もう一度考えたいなどと言い出した鳩山由紀夫前総理。あろうことか、金賢姫元死刑囚の来日に一枚噛んでこようとは!
この人の発言のブレに腰を抜かす日が、またやってくるとは思わなかった。鳩山は17日、後援会会合で、こう宣ったというのである。「日露の領土問題解決など、議員バッジを外して
本当にできるのかという声がある」貴殿はかつて何と言ったか。「首相を退任したら、政界に残っちゃいけない。首相まで極めた人が影響力を行使することが、政治の混乱を招いている」
政治部記者が呆れて言う。「鳩山さんが総理を辞任した直後、後援会も本人の意思を尊重する方針を固めたのに、ここにきて当人がいきなり続投を言い出した。
よほど、やり残したことでもあったというのでしょうか」いや、どうやらあったらしいのだ。本人が自分の出番と考えていることが。
大韓航空機爆破事件の実行犯、金賢姫元死刑囚が来日。軽井沢にある鳩山氏の別荘を訪れたことは周知のとおりだが、「鳩山さんは自分の別荘を提供することにこだわったのだと思います」
とは「コリア・レポート」編集長の辺真一氏である。「金の来日は、鳩山政権時代に中井・拉致問題担当相が訪韓してとりつけた話です。鳩山さんにしてみれば、この手柄は自分のものという思いが強く
、だからホスト役に名乗り出たのでしょうが、実に大人げないと言うしかありません」辺氏が続けて語るには、「鳩山さんは、自らがしていることの意味が判っているのでしょうか。
金は115人を殺したテロリストとして韓国では怨嗟の的。さらには、旅券を偽造して日本人に罪を被せようとした、日本の法律上でも歴とした犯罪者なのです。そんな彼女を逮捕もせず、超VIP級の
扱いとし、別荘に招待する。もはやこれは、お手柄では済まない話だと思いますが」
鳩山氏が後援会で述べた「バッジを外しては日露の領土問題に貢献できない」という思い込みについても、拓殖大学大学院教授の花岡信昭氏が批判する。「自分の思いが外交の足を引っ張ったことは
普天間問題で明らか。何のプラスにもならないでしょう」
(週刊新潮、2010/7/29、より要約)
共産党が仕掛けて「鳩」が乗る「課税」
鳩山総理はいつから共産党シンパになってしまったのか。去る2月17日、鳩山総理は共産党の志位和夫委員長と党首会談を行ったが、その場で志位和夫が企業の内部留保の多さを問題に
したところ、鳩山総理、何を思ったのか課税に"意欲"を見せたのだ。
そもそもこの話、共産党が昨年11月にぶち上げたもの。それによると企業には内部留保があり、これを雇用対策などに
利用すべきと機関紙『赤旗』も主張していた。だが、内部留保といっても、実態は売れない在庫や塩漬けになった不動産ばかりで多くが課税できるようなシロモノではない。
ところが、会談で志位が社会還元を求めると、鳩山総理、「内部留保を還元させる具体的な方法を検討してみたい」とリップサービス。さらには、
「過度な内部留保に適正な課税を行うことも検討して見たい」と言い出したのだ。これには共産党も大喜びで翌日の『赤旗』1面で大々的に書きたてた。さすがにこのやりとりには政府首脳も仰天。
「ここまでくると鳩山さんの安請け合いは"芸風"とさえ思えてしまいますね」と呆れるのは経済評論家の山崎元氏である。
「企業には法人税があるのに内部留保から税金を取るなんて二重課税ですよ」母親からもらった巨額の"お小遣い"とは違うんですよ、鳩山さん。
(週刊新潮、2010/3/4より要約)
鳩山総理と創価学会の極秘会談
「生物が相互関係を持ちながら生活する現象には、共生と寄生が挙げられます。両者が異なるのは、寄生が栄養等の供給源である宿主しに害を与えること」(目黒寄生虫館の荒木・室長)
政界にも、与党の旨みをしゃぶっていなければ生きていけない「寄生政党」が存在する。彼らは、権力という宿主への侵入を企て、国政を蝕もうとしている。
2月26日に、小沢一郎と秋谷栄之助・創価学会会長が密会したとの極秘会談計画は、水面下で進行していた。ある民主党幹部は官邸関係者にこう伝えていた。
「創価学会の幹部が総理との会談を申し入れてきた。総理も快諾。自民党と離れてすぐに民主党とべったりでは公明党も気まずいようで、最初は参院選後の閣外協力について話し合うことになる。
近いうちに会談は実現するはず」政権与党で居続けることが目的と化している「寄生政党」が、宿主の乗り換えに成功しつつあるのだ。公明党の「自民離れ」及び民主党への「擦り寄り」は露骨を極めている。
その嚆矢となったのは、市川雄一・元公明党書記長の常任顧問復帰だった。細川連立政権を牛耳ったことで知られる小沢と市川の「一・一ライン」。その市川の復活は、小沢とのパイプ強化、民公連携を
見定めたものです」(民主党代議士)
続いて2月下旬には、「鳩山と小沢の金の問題で関係者を国会招致すべきだと、自民党は審議拒否に踏み切った。ところが、公明党は自民党に付き合わず、審議に出席。自民党は梯子を外された恰好となりました」
(政治部デスク)
そして2月から3月にかけて、「太田、坂口さらに神埼らの幹部が、政界を引退することが発表された。自公体制の象徴である彼らが去るのは、自民党と決別し、民主党と連立を組む布石。
政策面でも子ども手当、高校無償化の両法案に公明党は賛成し、民主党シフトを顕著にした」(公明党担当記者)
肝腎の鳩山総理の創価学会へのスタンスは、政策同様、「何の定見も感じたことがない」(元学会幹部)ゆえに、小沢が牽引する政局の舞台回しに、付き随うばかり。
「夫婦別姓を民公の接着剤として使う腹積もり。別姓法案は左巻きの福島社民党が強力に推し進めていると同時に、公明党も成立を主張してきた。夫婦別姓に関して理念が一致したというポーズをとることで、
民公連携のきっかけにしようと考えている」(民主党関係者)「別姓だけでなく、外国人参政権付与に積極的という点でも公明党は鳩山総理と共通している」(民主党関係者)
創価学会・公明党側も、「何としてでも与党に入り込み、池田大作・名誉会長と組織を守るのが至上命題。近々、巨大宗教法人への税務調査が行われるとの情報があり、また今国会では税制に関する
議論が予定されていて、宗教法人への非課税問題が大きくクローズアップされる危険性もありますからね」(ジャーナリストの乙骨生氏)要は、民主党、学会・公明党側、双方にメリットがあるのだ。
こうして公明党との距離を縮めつつある民主党に、政治ジャーナリストの山村明義氏は警鐘を鳴らす。「夏の参院選前に今後の方針を決めるのであれば、4月か5月にも極秘会談は行われるでしょう。
しかし公明党は、トランプでいうジョーカーのような存在。一定の議席数があり、固定票も持っていて使い勝手は非常に良いものの、公明党と組むと最後は潰れてしまうと思います」
ついでに、コロコロと宿主を替えんとする寄生虫の行く末にも言及しておくと、「寄生虫が同じ発育段階のまま宿主を替えることは、人為的には可能なはず。ところが、
実際には外科手術を施すようにAさんの体からBさんの体に移植しても、どういうわけか寄生虫自体が死んでしまうことが多いんです」(先の荒木室長)
数合わせに奔走する宿主、多数派の宿主の体内に見境なく潜入しようとする寄生政党。陰謀を巡らせる両者に待ち受けるのは、結局、共倒れのほの暗い未来ということになる。
(週刊新潮、2010/4/8、より要約) [目次へ戻る]
太陽を食べる 「私はいつも、太陽が出るじゃない?そしたら、太陽を食べているいるわけ。パクパクパクって、太陽をちぎって食べるの」
(テレビ東京「美女放談」より)
外遊は物見遊山
幸夫人の最近の"ご活躍"はすごいの一言。ヨン様と対面、ファッションショーに出演、映画祭でグリーン・カーペットを練り歩きと、あたかも芸能人。
10月23~25日には、ASEAN首脳会議に出席する総理と共に、タイを訪れたのだが、「一体、何のために一緒に行ったのかと、外遊の後方支援を担当する外務省関係者は呆れていました」(官邸スタッフ)
「タイで彼女は、各国の首脳夫人にお手製のカレーを振る舞ったのです。しかも、わざわざタイ料理の有名シェフに、事前に手解きまで受けたんですよ!」「外遊を何だと思っているのか、文字通り"お遊び"
と勘違いしているんじゃないでしょうか。彼女の"カレー料理教室"のために、外遊はある訳じゃないんです」さらに帰国する際の機内では、「総理と2人で、キャッキャッと声を出して騒いでいた。
何をしているのかと思ったら、指相撲をしていたんですよ!」(外務省関係者)まるでプライベート旅行気分。彼女が、今回に限らず、米国、韓国、中国、デンマークと、総理の外遊に、もれなく付いてきたのだから、
関係者が嘆きたくなるのも無理はない。古今東西、雌鳥鳴いて国滅ぶ。
(週刊新潮、2009/11/5より要約)
韓流スター食事会
鳩山幸夫人(66)が韓流ファンであることは周知の通りだが、彼女が現在、執心なのがイ・ソジン。例えばさる8日、
鳩山夫婦はホテルニューオータニ内の日本料理店にて、来日した彼と夕食をともにしている。政治部記者の話。「19時過ぎに来店した総理は、わずか40分ほどで公邸に戻ってきました。食事が済む時間
ではありませんから、さきに夫人が会食しているところに途中から合流したのでしょう」時まさに、藤井財務相辞任騒動の真っ只中。一国の宰相が妻に振り回されていると捉えられても致し方ないタイミングである。
幸夫人とイ・ソジンとはこれまでに2度対面している。最初は昨年9月14日、夫の首相就任直前に永田町の個人事務所にて。 さらに11月には、滞在先の都心のホテルを訪れて会食。
このときも夫婦揃ってであった。
わずか数ヶ月の間にファーストレディが三度面会とは、まさに異常事態だ。夫を不要不急の趣味に付き合わすたび、SPから秘書官まで国費がかさむといった認識は欠如している。
(週刊新潮、2010/1/21より要約)
「韓流スター」とデート4度目「鳩山幸」のナンセンス
鳩山幸夫人の「嗜好」はエスカレート、もはや止まるところを知らない。何しろこの半年で実に4回の「デート」を敢行。それも今度は夫が留守中の公邸に、大好きな俳優を招いてしまったのだから・・・。
幸夫人が3月17日、俳優のイ・ソジンとその家族を公邸に招待、手料理でもてなしたと報じたのは、19日付けの「中央日報」。 政治部デスクが言う。
「夫人の韓流スター好きはつとに知られていますが、以前ファンだったイ・ビョンホンからイ・ソジンに宗旨替えして一段と加速しました」
「ファーストレディには、プライバシーはあって無いようなもの。『個人的な会食に誰を呼んでもいいじやない』との理屈は通りません」と指摘するのは、政治ジャーナリストの花岡信昭氏である。
「こうした夫人の振る舞いを誰も止められないのが大きな問題です。本来、官邸スタッフは公人としてのイロハを教えていくべき存在で、その中心が事務方の官房副長官です。が、民主党政権で
発言力をなくし、完全に裏へ回ってしまった。これも間違った"政治主導"といえるでしょう」
(週刊新潮、2010/4/1より要約)
幸夫人の妙なテンション!
4月17日午前、あいにくの雨天の中、鳩山由紀夫は新宿御苑で「桜を見る会」を催していた。「雨の時に集まってくれる友こそ真の友。皆さんは、鳩山政権の雨天の友だ」
約1万人の招待客を前に、こう挨拶した。ところが会場内に、桜に合わせたのかピンク色の着物でめかし込み、「奇声」を上げる一人の女性がいた。「そうだ、そうだ-。その通りだ-」
総理の会話の切れ目ごとに響く、ヒトラーを称えるナチスよろしくのシュプレヒコール。危険人物が侵入したのか、とさえ訝った関係者が「震源地」をよく見てみると、声の主は誰あろう幸夫人その人だった。
本物の桜に紛れて「サクラ」が一人の図・・・・。「会には多数の芸能人もいたんですが、幸夫人はパシャパシャと写真を撮りまくっていた」(参加者)
桜を愛でるために集まったのに、耳障りにして目障りな「サクラ」に気を奪われて充分に楽しめなかった招待客もいたという。
「鳩山桜」が散るのも、時間の問題のようである。
(週刊新潮、2010/4/29より要約)
幸夫人のインド人予言者
ある官邸スタッフがこう溜息を漏らす。「鳩山総理は普天間問題に関するアドバイスをインド人の予言者から受けているようなんです。幸夫人とのやり取りなどを聞いていると間違いなさそうです」
占いで金色のネクタイを締めるくらいならまだしも、重要な国策に関する問題を外国人に相談し、しかも占いがたよりとは大問題。その結果、日米関係を過去最悪の事態に追い込んだとあっては、
開いた口が塞がらないとはまさにこのことである。
政治部デスクの解説。「確かに、幸さんが心酔するインド人占い師のことは耳にしています。徳之島案が復活したのは、そのインド人占い師のアドバイスだったと囁かれている。
漏れ伝わってきた話ですと、『沖縄から200km以内の距離にある島なら米国は納得し、5月までに決着する』というご宣託なんだそうです。施設などの面から徳之島しかないとなったんです」
官邸スタッフがいう。「鳩山総理はインド人予言者の言葉を信じているようなんです。時折、幸夫人に電話をかけ、『聞いてみてくれ』となにごとかを頼んでいることがある。
そして、幸夫人から折り返し連絡があると、途端に元気になります。そうゆう時に限って、21日の党首討論でのように『職を賭して頑張る』などの不用意な発言をしているんですよ」
(週刊新潮、2010/5/6より要約) [目次へ戻る]
念願の総理の椅子を手に入れた日、自らを支えてくれた仲間が待つ打ち上げの場に、菅直人新総理(63)は決して姿を見せようとはしなかった。何たる薄情の人--。
この短気な切れ者「イラ菅」の実像とは。笑顔の影で早すぎる老化現象が懸念される新総理の研究。
1946年、菅氏は山口県宇部市で生まれた。父親は地元で工場長を勤めていたが、元々、菅家の出身は岡山県御津郡。かつて菅氏の実家のあった、岡山県の集落に住む親戚の菅敏子氏(87)
によれば、「菅家は直人さんのところが本家なんですが、庄屋だったそうです。岡山大学の先生たちが、本家にあった古文書を歴史研究のために持って行ったほどの由緒ある家」
集落には1400年代から続く菅家の古い墓が今も残っている。宇部市内の神原中、宇部高に通った菅氏は、「成績が良く、確か卒業式で答辞を読んだはず」政治家に不可欠な行動力や根性も、小さいときから備わっていたという。
「中学を卒業する時、一緒に金比羅宮など、四国・中国地方を旅して回りました。旅行の計画は彼が主導して決めたもの」(神原中の同級生)
高2の時に、父親が役員に昇進すると同時に東京に転勤。菅氏も都立高校に転校した。
時代の必然もあって、大学入学後に学生運動にのめり込んでいく。これを機に、菅氏ははっきりと政治に目覚めていった。「70年安保」の時代の話である。
「大学の自治会に中核派が入り込んでいたんですが、彼は『イデオロギーでは何も変わらない。現実的な対応をしなければ』と、よく中核派に食って掛かっていた。『全学改革推進会議』なるものを立ち上げて
、15人くらいを率いて極左系とは違う学生運動を行っていました」(同級生)結局、菅氏は学生運動に没入するあまり、1年間留年する事態に。また、「『父親もそうだけど、サラリーマンになったら所詮、
役員になって終わるだけ。サラリーマンにならない』と、大学の時に菅は言っていた」(別の同級生)
卒業後、特許事務所で働き、弁理士の資格を取ることとなる。なお、この頃、いとこだった伸子夫人と結婚している。菅氏は学生運動の延長で市民運動に関わり始める。
そして73年、婦人運動の草分けである市川房枝氏と出会い、翌74年の参院選で彼女の選挙事務長を務める中で永田町への距離を縮めていった。
この頃から、自分の都合のためには他人の迷惑は顧みず、有名人にすり寄る、薄情の人の素地を覗かせていた。「74年当時、私は市川さんが代表を務めていた『日本婦人有権者同盟』の
紀平悌子さんの選対事務局副代表だったんですが」と振り返るのは、評論家の吉武輝子氏(78)。「一旦、市川さんは政界を引退していた。なので紀平さんの擁立を私たちは進めていました。
市川さんにも再出馬の意思がないことを確認した上で。ところが、突然、市川さんの立候補が報じられた。彼女を担いだ中心人物が菅さんでした。
自分本位に突き進む菅氏は76年、今度は自身が衆院選に立候補。落選するもののめげずに、80年、4度目の挑戦で社民連公認として衆院選に初当選を果たした。
とはいえ、所詮、弱小野党の議員に過ぎなかった彼に「一大転機」が訪れたのは、94年。与党の新党さきがけに入党したことだった。96年、彼が59歳の時には自社さ連立政権下で厚生大臣に。
薬害エイズ問題で土下座したり、O-157騒動でカイワレ大根を頬張ってみせるなどの実績で「与党」=「権力者」の一員として、一躍、政界のスターにのし上がっていったのだ。
「うちに来た当初から強烈な権力欲を見せていた」と証言するのは、さきがけ時代の同僚議員。「なぜ社民連から移ってきたのか聞いたら、『30代は小さな政党でいいから議員で居続ける。
40代は少し大きな政党でそれなりのポストに就いて、40代後半から50代で大きな組織の頭になる。そして60代で総理大臣。これが自分のビジョンだ』と明言していました」
大風呂敷にしか思えなかった菅氏のビジョンだが、彼は着実に、いや強引きに実現していくことになる。「50歳を目前で民主党結成に参画し、鳩山由紀夫との共同代表に就任。
『代表じやなければいやだ』と菅がねじ込んだ結果です。以降、党内野党になったことがなく、常に要職に居続けた」(知人)
同時に権力者然とした振る舞いも目に付き始める。傲岸不遜で自尊心に満ち満ちた「イラ菅」の本性が、一層頭をもたげ出したのだ。「指示に対して『できません』と答えた官僚に灰皿を投げつけたり
、自分が書類を無くしたのに秘書を怒鳴り散らす」(民主党関係者)
98年に民主党代表として訪米した際には、「財務省のサマーズ副長官と会ったんですが、会談後に『サマーズも大したことないな』と豪語していた。サマーズは、当時から米国経済界
の大物で、そんな人物を完全に見下していたわけですから、とんでもない自信家だなと驚きました」(当時の同行者)
そんな絶頂の98年、菅氏に政治人生最大の危機が訪れる。「週刊文春」の報道でスキャンダルが発覚。元女姓キャスターとホテルで一泊した現場を押えられてしまったのだ。
「仕事上の付き合い」との詭弁を弄し、代表の座を降りることもなく、難局を乗り切るが、この時の蹉跌は堪えているようで。
04年に年金未納が明るみに出て、代表辞任に追い込まれた時も、反省をアピールするお遍路姿をテレビに映させるなどのパフォーマンスで、上手に政界遊泳。
そして、昨年の政権交代では副総理の座に就き、ついに今回、総理の椅子に座るところまで辿り着いたのだ。
永田町で人望がない彼の権力基盤は世論の支持だが、「菅さんの巧みなところは『画』を上手く利用してきたこと。実際、彼はカイワレ大根を食べるところや、坊主頭に装束のお遍路さん姿
を写真に撮らせるといった、視覚に訴える分かりやすいパフォーマンスで人気を得てきました。しかし、総理になった今は、これまでのような単なるパフォーマンスでは軽く見られて通用しないでしょう」
(日大芸術学部の佐藤綾子教授)
今後は中身が問われることになるのだ。しかし、彼に期待するのは、「無いものねだり」に等しいようだ。「副総理時代、彼は普天間問題で、『私は無関係』と逃げてきた。
それに、彼はイタリアで中道左派連合が誕生するとそれに心酔し、英国で労働党のブレア氏が首相になると、彼を散々持上げる」(伊藤惇夫氏)
彼のアキレス腱はまだある。早くも老化現象が襲い掛かってきているのだ。例えば、成長戦略策定会議では、「会議中、ずっと寝続け、三木谷氏(楽天社長)にその事実を暴露されています。
今年3月には、自民党議員に、『国会審議中の居眠りがひどい』と追及されましたが、以後も一向に国会内の居眠りは止まらず」(民主党関係者)
「最近彼の口癖は『あれ、こんがらがっちゃった』。喋っているうちに、自分でも何について話していたのか忘れてしまうんです。現に、財務相だったにも拘わらず、本予算と補正予算の話を混同して話し、
菅自身、『あれ、今、どっちの予算を話していたんだっけ?』と混乱することも(同)
徳なし、理念なし、体力なし・・・・・。新総理の実像が、よもや『スッカラカン』でないことを願って止まない。
(週刊新潮、2010/6/17より要約)
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菅直人新総理が誕生し、国民が期待したのはクリーンな政治だった。だが、市民派宰相もまた、「政治とカネ」の問題と無縁ではなかった。統一地方選挙と参院選のあった3年前、
ある政治団体に妙な5000万円もの寄付を行っていた。その裏に隠された思惑とは一体。
菅氏には、「草志会」という資金管理団体がある。その政治資金収支報告書をのぞいてみると、奇妙なカネの流れに気付く。07年4~12月にかけて、トータル5000万円もの金額を
「政権交代をめざす市民の会」(相模原市、以下、市民の会)なる政治団体に寄付していた。その年、草志会の収入総額は約1億4500万円。つまり、その約3分の1をつぎ込んでいたわけだ。
さらに、市民の会には鳩山由紀夫前総理の資金管理団体「友愛政経懇話会」からも、1000万円の寄付がされている。
この市民の会、奈良握 厚木市議を代表に据え、06年に結成されているが、よほど民主党と近い関係なのは間違いあるまい。政治部記者が解説する。
「そもそも『市民の党』(東京)のメンバーである神奈川県議、相模原市議など4人が、民主党の後藤祐一衆院議員を支援するために立ち上げた政治団体です。ですから、市民の会と市民の党は一体だと見ていいでしようね。
ちなみに、後藤氏は、今回の民主党代表選で菅氏の推薦人になっています」
市民の党は、斉藤まさし氏(58)が率い、96年に結成。永田町関係者がこういう。「斉藤さんが選挙にかかわるようになったのは、故・宇都宮参院議員に出会ってから。79年の総選挙
で落選した宇都宮さんを、翌80年のダブル選挙に担ぎ出し、参院議員として復活させた。このときの選挙では菅氏が衆院選に初当選していますが、菅さんの選挙も斉藤さんは手伝っていた。
斉藤さんお得意のハガキ作戦は、実は、当時、菅陣営が取った作戦だったんです」
そして、いまや、斉藤氏は選挙のプロともいえる存在になったのだが、菅氏から5000万円が寄付された07年は、統一地方選、参院選のあった年だった。
ちなみに06年、市民の会の人件費は、ゼロ。ところが、07年になると、なぜか約5000万円に急増している。加えて、選挙関係費として、ホテル代や旅費などを計上し、その総額は約530万円。
人件費と選挙関係費を合わせると、菅、鳩山両氏からの寄付金の額とほぼ一致する。「そこから読み取れるのは、菅さんらからの資金を手元に、市民の会、つまりこの場合は斉藤さんが参院選候補者に
運動員を派遣したのではないか、ということ。もし、選挙期間中に斉藤さんが人件費を運動員に支払っていたら、菅さん、鳩山さんによる市民の会を迂回した運動員買収の疑いが出てくる。
一方、運動員のホテル代や旅費などは選挙関係費という名目で支出しているから、選挙期間前なら公選法で禁止されている事前運動になる可能性があり、さらにその対価が支払われていれば、
それも買収になります」(同)
07年の参院選は、自民党の安倍政権下で実施され、民主党は小沢代表、菅代表代行、鳩山幹事長のトロイカ体制で臨んだ。結果、民主党の圧勝だったのはご存知の通りだが、
選挙戦は公示日が7月12日、投開票が29日だった。あらためて、市民の会の政治資金収支報告書をみると、その選挙期間中に旅行代理店2社でチケットを購入し、投開票日の翌日、長崎県諫早市と佐世保市
でホテル代が支出されている。どうやら、長崎選挙区の応援に入ったらしい。そこで、長崎の候補者だった大久保潔重参院議員に聞くと、「選対の誰かが斉藤さんを呼んだようで、市民ボランティアの方だと
紹介され、挨拶しました。私の後援会組織のない地域までポスターが貼られているのを見て、『いやあ、ずいぶんとポスターが増えているなあ』と驚いたことがあった。それは、斉藤さんたちが貼ってくれたらしい。
自民党候補は知名度のある方だったので私には厳しい選挙でしたが、斉藤さんのおかげで、選挙戦が有利になったことは事実です」さらに、佐賀県でも、斉藤氏は選挙に関わっていた。
民主党のベテラン秘書がこう解説する。「斉藤さんは、菅さんを媒体に民主党に食い込んでいます。有力な支援組織を持たない新人候補などには有り難い存在で、いざ、選挙戦になると、20人
くらいの運動員がやって来て、短期間に大量のポスターを貼ったり、有権者に電話を掛けまくっている。菅さんが党内の勢力を伸ばすのに、斉藤さんを利用した面もあるんです」
市民の会代表の奈良氏に聞くと、「菅さんや鳩山さんの寄付は政権交代をめざす私たちに頑張れという激励をこめたものであり、何の問題もないと思います。人件費として5000万円以上かかった
のも、私たちのように全国的に政治活動をしていればかなり大きな金額になってしまいます」民主党候補者100人以上の選挙に関わり、07年の参院選でも1人区を中心に約20人の支援を行ったそうだ。
「菅さんと知り合ったのは、社民連の田英夫さんの紹介です。菅さんや鳩山さんが寄付してくれたのは、私たちの政治活動を評価してくれたからだと思います」
元東京高検検事の高井弁護士はこう指摘する。「もし、市民の会などが政治団体と評価されるような実体を備えておらず、もっぱら選挙運動員を派遣するにすぎない団体だとすれば、
民主党サイドがそれらを介して、選挙運動員に報酬を払っているという図式も成り立つ。公選法に抵触する恐れがないとは言い切れません」
そこで、菅総理に取材を申し込むと、「党の役職者としての責任において、職務執行の一環としてのものであり、政治資金規正法に則り適正に処理しています」(事務所)
野党時代、青筋を立てて、自民党のカネの問題を追及していた割には、通り一遍なご回答。結局、市民派を気取ってみたところで、菅新総理もまた、「政治とカネ」の問題を抱えていたのである。
(週刊新潮、2010/6/24より要約) [目次へ戻る]
英紙が管直人新財務相についての社説に、政府の役割を重視するケインジアンをもじって「カンジアン・エコノミックス」との見出しをつけた。
市場関係者は経済運営で「大きな政府」「バラマキ」といった実態より悪い印象を受けたとしている。
信用力で日中逆転---年明けの金融市場で歴史的な動きがあった。国債の保証料率が6日に逆転、12日には中国の0.64%に対して日本が0.70%と中国を上回っている。
日本国債が中国国債より危険とみられている。
(日経新聞、けいざい解説、太田康夫、2010/1/17より要約)
外国人参政権に賛成
マニフェストにこそ書かれていないけれど、定住外国人へ地方参政権を与えることは、民主党のいわば党是で、昨年度の「政策集INDEX」にも明記されている。
さる政治部記者は、「鳩山さんと小沢さんも賛成でしたが、菅新内閣も賛成の立場。岡田外相など『結党以来の悲願』と公言しているほど」と言うし、日本大学の百地章教授も、「国民ならぬ市民自治を主張
してきた菅氏は、外国人参政権にも賛成の立場を取り続けている」
(週刊新潮、2010/6/17より要約)
「イラ菅」「ダマ菅」「ウカレ菅」
「この予算は革命だ。革命的なんだよ!」10年度の予算案を決定した昨年末、酒が入り上機嫌の菅は誇らしげにこう吹聴していた。
無駄削減を謳っていたのに過去最大の92兆円超に膨らみ、戦後初めて税収より新規国債発行額が上回る予算案の、一体どこが革命的だというのだろうか。
「亡国への道を転げ落ち、国が転覆しかねないという意味では、文字通り"革命的"かもしれませんね」こう皮肉るのは、革命の言葉を耳にしたある官邸関係者。
「経済のことを何も分かっていないからこその発言でしようね。だから、浮かれていられるのですよ」 「事業仕分けが行われていた昨年11月、09年度1次補正予算の一部執行停止すればGDPは減少すると指摘されたのに対し、菅氏は"無駄を削減してなぜマイナスになるのか"と反論していた。
が、GDPとは政府支出を含んだものですから、予算を削ればマイナスになるのは当然。つまり彼は、マクロ経済のGDPを、ミクロ経済の家計の財布と同じように考えているわけで、財務相としては不安です」
(経済評論家の三橋貴氏)こうした意見を知ってか知らずか、霞が関の象徴である財務省のトップとなった菅のはしゃぎっぷりは尋常ではない。 「昨年末の12月30日に発表された経済成長戦略を、"様々な分野で提言を行っていて、経済界からかなりの評判だ"と、財務相就任直後に改めて自慢していました。
何の中身もない画餅戦略との評価が専らなんですが」(前出関係者)さらには、「官邸、内閣府、そして財務省と3ヵ所に大臣室を持ったまま、手放そうとしませんし、荒井聡・総理補佐官を自分の良いように使って
、財務省の政務三役会議にまで出席させているんです。わが世の春来たりと言わんばかりの傍若無人です」(民主党関係者)ウカレ菅、カン全無欠のカン違い。
(週刊新潮、2010/1/21より要約)
菅直人の下半身
鳩山由紀夫の下半身騒動で、民主党内における主導権は、当時もう一人の代表だった菅直人に移っていく。だが、わずか二年後、今度はその菅直人が醜聞に見舞われる。
小誌が報じた「菅直人と六本木のホテルで密会する三十代キャスター」である。相手の女性はテレビ朝日などでキャスターを務めた後、メディアコンサルタントに転進して菅事務所から毎月報酬を得ていた。
小誌は、五ヶ月間に及ぶ追跡取材の結果、菅氏と彼女が密会を重ねて、都内のホテルの一室で一夜を過ごすなど、"不適切な関係"の全貌を明らかにした。
「実は当時、枝野幸男(現行政刷新担当相)が先に彼女を気に入っていたんです。深夜の喫茶店で熱心に口説いたけど、ふられたそうです。その後、彼女は菅さんと親密になっていき、枝野さんはショックを受けました」
(民主党関係者)
(週刊文春、2010/4/8、より要約)
支援策を欠く
2009年末、民主党政権初の基本方針が公表された。目新しい内容はなかった。日本の強みとして個人金融資産1500兆円を挙げながら、それを生かす具体的戦略が見当たらない。
自民党時代には曲がりなりにも「貯蓄から投資へ」のスローガンの下、ベンチャー企業などへのリスクマネーの供給を増やし、活力ある経済を作ろうという政策があった。
鳩山由紀夫政権は、果断に挑む企業家への支援策を欠いている。
(日経新聞、大機小機、ミスト、2010.1.19より要約)
鬼の居ぬ間にお化粧直し
検察と小沢が火花を散らす中、"火事場泥棒"のように抜け目なく振る舞う輩がいた。虎視眈々と次を狙う菅直人財務相(63)である。"鬼幹事長"の居ぬ間に"お化粧直し"に励み、自身の権力誇示に勤しんでいるのだ。
年明けの財務相就任以降、彼の行動を振り返ってみると、"人気集め"に躍起なのである。例えば、「1月10、11日と、彼は民放の生放送に連続出演しているんですが、お化粧直し、つまり"ばっちりメイク"を
決め込んで、見事なテレビ映りを演出していました」(政治部記者)「皆、軽くドーランは塗りますが、テレビ局のメイクさん任せ。が、彼だけは自前の若い男性メイクさんを帯同し、念入りに化粧と髪のセット
をさせるんです」見栄えを気にするよりも、マクロとミクロの違いも理解できていないと言われる経済学の知識不足を案じたほうが良いと思えるのだが。
(週刊新潮、2010/2/4より要約)
拉致実行犯の釈放嘆願書に署名
2月4日の参院決算委。野党時代は舌鋒鋭く政府のお歴々を突き上げまくっいたその人が、この日は守勢一方だった。他でもない。自身がかつて、北朝鮮の拉致実行犯・辛光洙の釈放嘆願書に署名したことに
関し、岸信夫議員に見解を質されていたからだ。
(週刊新潮、2010/3/4より要約)
総理への野望
初の国際会議デビューとなったG7財務相・中央銀行総裁会議。カナダに飛んだ菅氏は、白いタートルネックのインナーにオレンジ色のセーターという、センスに疑問符が付きそうな出立ちで会議に登場。
現地関係者によると、「何を話し合ったのかと後で尋ねても『機微に触れる問題で』と言うばかり。普段は能弁なのに、妙に言葉少なだった理由は推測がつきます。財務相に就任直後、
英フィナンシャル・タイム紙に『菅氏は総理への野望を持っているので、選挙民の懸念を招くようなことはしないだろう』と書かれ、己が本能を封印しそうだと指摘されました。ま、そうゆうことなんでしょう」
日本の財務担当者として何ひとつ発信もしない。すべては失言による失点を避けるがため。なぜなら総理を狙っているから・・・・・・。
(週刊新潮、2010/3/4より要約)
義兄が市長選挙落選
義兄が市長選挙で落選した際、イソップ童話顔負けの珍妙な説を繰り出し、自己弁明に躍起となったのだった。
岡山県浅口市で行われた市長選挙が、遠く離れた東京・永田町で密かな注目を集めていた。「菅氏の義兄が出馬していたからです」とは、政治部デスク。
「3月末から4月にかけて、公務の合間を縫って菅氏は応援のために3回も現地入りした。副総理でもあり、政権のナンバー2の菅氏が後押しすれば、さすがに姫井氏が勝つのではと思われていたのですが」
だが結局、姫井氏は落選。つまり、菅人気の効果は発揮されながったのである。醜かったのは当の菅氏の「言い訳」である。投票日翌日の講演で、浅口市長選挙結果に付いて質問された菅氏は、
こう宣うたのだ。「小さな町の市長選に過ぎない。この選挙が、(国政選挙に)何か大きな影響を与えるとは全く考えていません」
イソップ童話の一編を髣髴とさせる、見事な「負け惜しみ」ではあるまいか。木の上にある葡萄を欲しがっていた狐は、その葡萄に手が届かないとみるや、どうせすっぱいに決まっているから
やはり要らない、と強がってみせた---率直に負けを認めないという点において、「すっぱい葡萄」として知られる寓話そっくりなのである。
しかし、現実はこうだ。「姫井氏の対抗馬は自民党の元県議。昨年の民主党であれば、地方選とはいえ勢いで文句なく姫井氏が勝っていたでしょう。いかに今の民主党、そして政権中枢にいる
菅氏が魅力を失っているかを象徴しています」(拓殖大学大学院教授の花岡信昭氏)
(週刊新潮、2010/4/22より要約)
保身にアップアップ
総理の右腕であるべき菅直人副総理。しかし、「私は(普天間問題に)ほぼ関わりを持っていません。以前、総理から『(菅氏の手を)煩わせないでやりたい』と言われているので」
オフレコで構わないから普天間移設に付いての本音を聞かせてほしいと求められても、不機嫌に、「普天間のことは俺に聞くな」と吐き捨て、逃げの一手を打つばかりなのだった。
政権の火種となっている問題に自分は一切関係ない、次の総理を狙っているんだから「ヤバイ」話には首を突っ込まない、とでも言いたげな様子で--。
ギブアップの外相に、自らの保身にアップアップの副総理。これでは、「鳩山幼稚園」の支持率アップなど、夢のまた夢である。
(週刊新潮、2010/5/20より要約) [目次へ戻る]
菅直人の金脈 まさに失笑ものだった。6月4日午前、民主党代表選で政見スピーチに立った菅の言葉に、会場がざわめいた。
鳩山由紀夫と小沢の「抱き合い心中」の原因になったのが「政治とカネ」だ。なのに菅は突然、「私も(カネの面では)100%真っ白というところまで自身はありませんが」と軽口を叩いたのだ。
菅の「金脈」を政治資金収支報告書などを基に調べたところ、不可解な事実を発見した。「国のかたち研究会」という政治団体がある。代表者は菅側近の土肥隆一衆院議員が、会計責任者は加藤公一衆院議員
が務める。収支報告書(08年)によると、菅グループの収入総額は約696万円。事務所費などはゼロ。マンションは不動産会社の所有だから、家賃がゼロのはずがない。
どんな会計処理をしているのか。代表者の土肥氏に文書で質問したが、回答はなかった。菅が代表の東京18区総支部の収支報告書によると、NTT労組の政治団体「アピール21」が08年、菅側に
500万円の寄付をしている。
(サンデー毎日、2010/6/20より要約)
裸足で逃げた「菅総理」人の器 「消費税発言」で内閣支持率は急落。6月22日、日本記者クラブ主催で行われた9党党首討論でも、菅総理は防戦
一方であった。そのため、「1対8の議論は議論ではない」などと言い出す始末である。選挙期間中、テレビ各局の報道番組に党首が出演し、公開討論を行うのは今や恒例行事だ。
菅総理はすったもんだの末、7月7日、日本テレビとTBSの報道番組に出演したが、「最終的に菅さんの出演が決まったのは、放送の2日前です。こんな直前まで揉めたなんて前代未聞、異常事態です」
と明かすのは、TBSの幹部。「民主党の交渉窓口になったのは細野豪志幹事長代理らです。民主党の要求は、消費税問題で総理が他の党首からサンドバッグ状態なのはフェアじゃないので、
司会者がきちんと仕切って反論権を確保してほしいというものでした」討論会とは、自由に意見を言い合うからこそ、各党首の政治家としての力量が白日の下に晒されるものである。
TBSの幹部が続ける。「党首が1つのテーブルを囲んで一度に話す形式ではなく、別のスペースを用意して党首討論のような形にしてもらえないか、とも提案してきました」どうやら、民主党は
国会での議論とテレビの討論を混同しているようだ。「国会の議席の数などに応じて、時間を決めて各党首と討論をやりたいと。これだと菅さんだけが圧倒的に発言することになり、番組としても
公平性を確保できません。そもそも時間的にも無理だし無茶苦茶な提案です」(同)
それにしても、こんな傲漫な要求、誰の発案なのか。「細野さんは、はっきりと『菅さんの意向です』と話していたそうです。総理は『オレは逃げない』と威勢のいいことを言いながら、裏で
は何ともセコい要求を突きつけているのです」(同) 民主党関係者が語る。「菅さんは、国会でも攻めるのは得意ですが、守りには非常に弱い人です。かつて元キャスターとの不倫写真を週刊誌に撮られましたが
、その時も雲隠れしてマスコミから逃げ回っていました。守勢に回ると何もできない人なんです」国民には、総理の「器の小ささ」が早くも透けて見え始めたのである。
(週刊新潮、2010/7/15より要約)
「第三の道」は絵に描いた餅 シンクタンク「国家基本問題研究所」の企画委員で東京国際大学教授の大岩雄次郎氏が指摘した。
「菅さんは成長政策を実施して、5年を待たずに基礎的財政収支の赤字をGDP比で半減させる、その上で20年までに黒字にするなどと、目標を掲げています。けれど、具体策が全く示されていないのです。
菅さんは医療、介護、福祉、環境で雇用を増大し、所得を増やし、経済を拡大させていくと、選挙演説で盛んに喧伝していますが、これらの分野が日本の経済成長のリーディングセンターとなり得るか、疑問です」
経済成長を促す三大要素は生産性の高さ、資本の量、労働の質である。しかし、と大岩氏は言う。「医療、介護は、その高い需要にも拘わらず、生産性は全産業の平均値に比して50%、半分の低さです。
典型的な労働集約産業ですから、これは致し方ありません。資本も、日本の現状では、金融財政政策の動員は困難です。また人口減により労働力は減少し、その質的向上も楽観できません。
このような状況では、2%の実質成長は無理だと思います」理念も論理も曖昧な妥協的政治では停滞から脱することはできない。菅氏の第三の道の公約も絵に描いた餅にすぎないということだろう。
(週刊新潮、櫻井よしこ、2010/7/15より要約)
「菅伸子」夫人の尻に敷かれる「菅直人」茨の政局 夫が総理に就任してから僅か一ヵ月半にして本を出した菅伸子夫人。空前絶後のでしやばり女房である。
その尻に敷かれ、妻の「暴挙」を止めることさえできない菅総理に国政をコントロールする能力などあるはずもなく、彼には茨の政局が待ち構えているのだった。
古人曰く、牝鶏晨す、すなわち雌鳥鳴けば国滅ぶ。徒に無定見な女性がしゃしゃり出てくると、どこの組織も、どんな社会も崩壊するという。『あなたが総理になって、いったい日本の何が変わるの』
伸子夫人が、こんなタイトルの本を出版したのは、7月20日。その中身を覗くと、肩を落とさざるを得ない代物なのだった。例えば、ファーストレディとしての「職責」については、
「(外務省から)いただいた資料のなかには、今後『総理夫人にご出席をお願いする行事』というのがあり、外交上の行事と宮中行事などが書かれていました。『お願いする』とあるように、
一応、私には拒否権はあるようです。つまり、強制はできない。でも、やはり出ないわけにはいかないのでしょうね」 本音では宮中行事にも出たくないというのだ。
さすがは「国歌はもう少し元気のいいものであってもいい」と宣うた菅総理の夫人らしい「不敬」記述である。「(夫は)『現実主義』とか『その場対応』とか、『バックボーンに思想がない』と、
批判されますが、私は政治というのは『その場対応』でどうにかやっていくしかないと思います」その「スッカラカン」ぶりを必死になって擁護しているのだ。
「タイトルからして、総理の一番身近にいる人でさえ『あなたに総理の資格があるの』と疑義を呈しているようにしか思えない」こう呆れるのは、評論家の大宅映子氏だ。
「確かに日本には謙って身内を紹介する文化がありますが、それが通じるのは国内のみ。海外の人は『今の日本の総理大臣は、妻からさえ能力を疑問視されているのか』と言葉通りにしか受け取られない。
ファーストレディとして軽率と言わざるを得ませんし、許している夫も夫。なんでこんな本を出したのかしら。9月の代表選で菅さんが負けて総理でなくなったら本が売れないと、緊急出版したのかも
しれませんね。金儲けのためとしか思えません」なお、印税は6万部の時点で450万円超。
(週刊新潮、2010/8/5より要約)
「菅談話」
日韓併合100年に当たって8月10日に出した「菅談話」の中に、総理は日本政府保管の「朝鮮半島由来の貴重な図書」を韓国に「お渡しする」と明記した。「日韓基本条約」では両国は、
互いに請求権を放棄した。それにも拘わらず、新たに引渡しを表明してしまえば、過去、併合時に日本が得た文化財を「返せ!」といい続けてきた韓国の要求の火の手に油を注ぐことになるのは、
明々白々だ。事実、小躍りした韓国メディアは早速、「日本に流出した」文化財リストを大々的に報じた。その数、実に6万1409点。党内からも反対論が燻る中で「談話」を強行し、
韓国の歓心を買った人だから、今後も妙な「約束」をしない保証は一切ない。
(週刊新潮、2010/9/2より要約)
ビジョンなき「菅政権」は蟻地獄に落ちた
消費税発言は菅さんが下手でしたが、1年に1兆円ずつ社会保障費が増えているわけで、消費税は遠からず上げなければいけません。広く浅くみんなが負担できる税が消費税ですから、菅さんはそれを
説明し、代表選でも言い続ければよかった。ところが一に雇用、二に雇用。しかも、雇用のためには経済を元気にしなければならないのに、その方法を説明していない。ビジョンがないんです。
菅さんはどこかで聞いたことを練らずにヒョッと出してしまう。ギリシャが大変だとなれば、ギリシャと同じ状況になってはいけないからと、すぐ赤字にだけ目が向く。
信念すら菅さんにはない。単に、総理になりたかっただけなのです。
菅さんは日本が置かれている基本的な立ち位置への認識が足りません。今、一番問題な経済も、お金の問題だけではありません。自分の親が死んでも弔わずに箪笥にしまって年金をもらう、
という異常な壊れ方も表面化し、一番に変えてほしいのは教育です。日の丸掲揚の際に起立しなかったという過去がある菅さんですが、いい加減、礼儀正しさや思いやりといった、日本のよさを真正面から
捉えて発信し、日本人に自身を取り戻させるべきです。
最小不幸社会という発想がイヤ。みんなが不幸だという発想はやめましょうよ。最大幸福にしていただきたい。権威に立ち向かうことしかやってこなかった菅さんは、マイナス思考なんです。
日本中から知恵者がいなくなり、みんな小粒で存在感がある人がいませんが、菅さん自身もズルそうでしょ。お遍路にしても、黙って出かければいいのに、わざわざマスメディアに知らせて
行くなんて、胡散臭いですよ。結局、今までの調子で菅さんが総理を続ければ、日本は蟻地獄にはまったように沈んで行く。もがけばもがくほど落ちていく。
中国に抜かれるのは仕方ないとして、日本の今の繁栄を維持するにはゼロをプラスにする発想が必要で、それには国民が自信を取り戻してやる気を出さないと。最小不幸ではだめなのです。
(週刊新潮、大宅映子、2010/9/23より要約)
2386人の電話リストまで受け取った出しゃばり「伸子夫人」
夫の勝利のために、議員会館の部屋を回った伸子夫人。だが「出しゃばりすぎだ、という声もありました」と明かすのは、民主党のベテラン秘書。「だって、過去の代表選で妻が選挙運動をした例など聞いた
ことがないし、細君が会館に現れるとしたら、議員の夫が死んで『生前はお世話になりました』と挨拶回りする時くらいのもの」伸子夫人は、「『選挙こそ我が人生』ってくらいの人なんですよ」
その性分が存分に発揮されたのが電話作戦だ。陣営が作成した2382名に及ぶ地方議員の連絡先リストを受け取って、ひたすら電話、また電話。
例えば9月8日の1日をとっても、各所に電話を入れていることがわかる。「夕方、自宅の固定電話が鳴ったんです。驚きましたよ。国政のありかたに憤りを感じていたため、
『本来なら白票を投じるところでした』と伝えたら、『総理になってまだ3ヶ月。これからもしっかりやらせてください』と言われました」(川村・徳島県吉野川市議)
夕方、見知らぬ番号から着信があつて、出たら『菅直人の妻でございます』と。でも、驚きませんでした。なぜって、その数時間前に愛媛の議員から『菅夫人から電話があったよ』と知らされていたものですからね」
(山本・香川県高松市議)「携帯に『菅の家内です』と電話がありました。『応援してください』と言われましたが、私は小沢支持なので『頑張ってください』とだけお答えしたんです」
(佐藤・神奈川県厚木市議)かくして「1日平均200件は電話していた」(関係者)という伸子夫人。「雌鳥鳴いて国滅ぶ」とも言う。
(週刊新潮、2010/9/23より要約) [目次へ戻る]
参院選での大惨敗に頬被りし、今後も政権を運営せんと目論む菅直人総理と仙谷由人官房長官。だが、彼らは左巻きの「赤い系譜」に連なる、ビジョンなき「国家解体論」に染まった
「戦争謝罪マニア」なのである。2人が描く、わが国の未来図とは---。
保身に執着する総理と、その下で権力増大に勤しむ官房長官。このコンビがあと数年続くなど想像するだに恐ろしい。なぜなら、その先に待ち受けているのは「赤い悪魔」だからである。
両氏の言動を振り返ってみれば、それは火を見るより明らかなのだ。
例えば、菅氏の「君が代」に関する発言はこうだ。「もうひとつ元気が出るような歌でないから、もう少し明るい歌でもいいんじゃないかなと思っていますね」(「論座」99年8月号)
「君が代」を明るい暗いで語ろうとする神経は、とても日本国民のものとは思えない。また仙谷氏は、「永住外国人の地方参政権など、開かれた社会をどう実現していくのかというのが、
最大の政策課題」(同誌05年7月号)憲法違反の疑いが明白な外国人への参政権付与に、露骨なまでに固執していることが窺えるのだ。いずれの発言からも、左巻きの思想、すなわち日本という国家の
存在を軽視する姿が透けて見えてくる。では、一体なぜ2人は「赤い思想」に染まったのか。
菅氏は、社会党分派の社会民主連合から国会議員として歩みを初め、一方の仙谷氏は、元は社会党の代議士。後に両氏は92年に政治グループ「シリウス」を結成し、同輩となったわけだが、
このシリウスの中心メンバーの1人が、前参院議員の江田五月だった。そのシリウスには五月氏の父で、社会党左派の江田三郎(故人)の「遺志」が色濃く受け継がれていた。そして、三郎氏のブレーン
だった人物が、菅、仙谷両氏の思想の源流なのである。
「私の基本的な政治理念は、国民が政治に参加する真の国民主権の実現です。その原点は、政治学者である松下圭一先生に学んだ『市民自治の思想』です」(6月11日の菅氏の所信表明)
「松下圭一さんの『政策型思考と政治』、これだ、これだと。議論の仕方はこれだと。まくら元に置いて、年中読んでいましたね」(『政治家の本棚』での仙谷氏の発言)
2人が揃って師と仰ぐ松下圭一こそ、江田三郎のブレーンで、同時に飛鳥田一雄・元社会党委員長(故人)の思想的アドバイザーでもあった人物である。
「松下氏は丸山眞男の門下生でしたが、丸山とは異なる持論を展開し、異端児扱いされています」と解き明かすのは、高崎経済大学の八木秀次教授。
「革新勢力が次々と首長となった60~70年代に、革新自治体の理論的な支柱となり、市民運動家等に絶大な影響を与えました。関係が深かった江田氏は、マルクス・レーニン主義とは一線を画した
ソフトな社会主義である構造改革派。とはいえ、その基になっているのはイタリア共産党の創設者の1人であるアントニオ・グラシムで、松下氏もグラシムから影響を受けたと見られます。
江田氏も松下氏も、マルクス用語を使わないマルクス主義と言って差し支えないでしょう」
そんな松下氏の考えは確実に民主党に浸透していて、「彼は『新しい公共』という言葉を広めましたが、民主党内閣は『新しい公共円卓会議』なるものを設置しました。
市民が主軸となり新しい公共政策を作るという意味ですが、この場合の市民とは、活動家や労組といった左翼団体、いわゆるプロ市民を指す。国民である必要はなく、在日外国人が日本の公共政策に
関わることを全く厭わない考え方です」(同)
また民主党の掲げる「地域主権」も、「松下氏の思想の影響を受けたもの。しかし、『地方分権』とは似て非なるもので、一つのまとまった国家・政府はなく、地方自治体に重きを置く考えです。
彼は著書で『国家概念は必要ありません』との見解を明言していて、要は国家解体論を主張した学者」(同)その松下氏の思想が「原点」で、著作を「まくら元に置いて」いたと公言して憚らない両氏の
本姓を、拓殖大学大学院の遠藤浩一教授が喝破する。「仙谷さんは、本当は真っ赤であるのに、ヴェールを被ってピンクに見せている。一方の菅さんは、仙谷さんほどには赤くなく、いわば
ショッキングピンクで、政治を弄ぶのが趣味の左の政治オタクといったところ。真っ赤とピンクということで、2人の色調は合致しています。2人の特徴はその歪んだ理念を実現するための打算に
意識的であること。分かりやすく左派ではなく、韜晦する左翼なんです。一見、国民にそれと分かりづらい左翼であるのが、逆に彼らの強かなところ」
そこで改めて、まずは「ショッキングピンク」氏の言動を検証してみると、「中国に対する侵略行為をきちんと反省しなければならない」(97年10月30日の記者会見)
「(日中間の歴史問題について)過去の政府の過ちを戦後の政府が認めなかったのが大きな原因だ」99年5月6日の記者会見)ともに、あの悪名高き村山談話以降の発言である。
どれだけ謝罪すれば気が済むというのだろう。なお、菅氏は中国への配慮とは裏腹に、自国に関する国家ビジョンが欠落している。
「政治主導にするのは手段であって目的ではない。日本が再生するには、政・官・業癒着の伏魔殿を壊すことが必要である」(「総理大臣の器)所詮、「伏魔殿を壊すこと」も手段にしか過ぎず、
問題はその先の、どんな国を目指すのかという国家像であることに、全く気付いていないのだ。
「真っ赤っか」な仙谷氏は、さらにその上をいっている。「日本ははなはだ残念なことなわけですが、他国の人々に犯した人権侵害というものについて、なんの手当もせずに、
自分の国の経済の再建、そして経済の成長のために一心不乱に走ってきた」「アジアの中で日本が他の国々と共生していくということは、まず過去についてきちっとした歴史認識をして、反省して、
そして償う、ということがなければ、仲良くやりましょうというふうな勝手な理屈は通用しない」「日本の戦後責任が果たされるようにがんばる」
今年、日韓併合100年を迎えるのを機に、「(65年の日韓基本条約について)それだけで物事は済むのか。改善に向けて政治的な方針を作り、判断しなければならないという案件もあるのではないか」
(7月7日の記者会見)と、韓国に対しての新たな戦後個人補償を検討している旨を表明。それどころか、韓国に向けた菅総理の談話についても、「私の頭の中に入っているし、イメージしている」
(16日の記者会見)と、「新・村山談話」とでも言うべきものを検討していると宣うたのだ。ここまでくると、「戦後謝罪マニア」と言うしかあるまい。
「京都大学大学院の中西輝政教授は、こう切り捨てる。「日韓条約の基礎の基礎は、双方共に一切の請求権を放棄する点にあります。『足りないはずだからもっと補償する』などと
勝手に言い出すと、日韓条約を反故にする意味合いを持ってしまい、国際法の基本にも大いに反する。全ての秩序を乱しかねない発言です」しかし、社会党時代の仲間でもある松原脩雄元代議士は、
「彼は今でも社会党的な考えから離れられていない。だから今回の韓国への補償発言を聞いても何ら驚きはない」と証言するし、社会党・シリウス時代の同僚の小林正元参院議員によれば、
「当時から中央政府の機能を縮小させ、国家よりも国連などを重要視すると仙谷さんは話していました」昔からの筋金入りの「国家解体論」者に、何を言っても糠に釘のようである。
こうして、政権の2トップにより赤く染められようとしている、2010年日本の夏。
(週刊新潮、2010/8/12より要約)
不敬事件
「危険思想」を裏付けるかのように、今回の組閣では「不敬事件」まで起きていたのだ。「15日から、天皇皇后両殿下は葉山の御用邸で静養されていました。が、その間の17日に組閣が行われることなり、
天皇殿下は閣僚の認証式に臨むため東京に呼び戻されたんです」と解説するのは、宮内庁担当記者。「事前に組まれていたご静養の日程と組閣が重なってしまった形とはいえ、認証式のめに殿下を
静養先から戻すなど極めて異例。認証式がなければ、17日は両殿下と秋篠宮ご夫婦および悠仁さまの5人でお食事なさる予定でした。しかし、東京に戻らざるを得なくなった殿下は、その晩、御所において
お1人で食事を取られる結果となった。今年77歳になられる、体調も決して万全ではない殿下に対して、配慮に欠けていたと言わざるを得ないでしょう」
(週刊新潮、2010/9/30より要約) [目次へ戻る]
まさに噴飯ものの会見だった。「何とかという宮内庁の役人が、どうだこうだ言うのは、憲法の理念、民主主義を理解していない」 中国の習近平国家副主席の訪日直前に決まった天皇との"特例会見"で小沢一郎はこう言い放った。
発端は、11日に行われた羽毛田信吾宮内庁長官の記者会見での発言だった。「大変、異例ではあるが、曲げて殿下に会見をお願いした」
静岡福祉大学教授の高橋絋氏が呆れる。「小沢氏こそ何を言っているのか。皇室外交は"国事行為"ではなく"公的行為"です。政治家を何年もやっていて、こんな基本的な間違いをすること自体、皇室外交に対して、
いかに無知かを晒け出している」
文芸評論家の福田和也氏は断じる。「今回の事件は、あまりにも安易なアプローチで、皇室を利用しようとしたという印象があります。日米関係もそうですが、民主党は国家の根幹とは何か、揺るがしてはいけない価値
とは何かがわかっていない。軽薄な政権ではないか、という危惧が現実になりました。圧力をかけたとされる小沢一郎は、中国からの帰国後会見で、『天皇殿下の国事行為は、国民の代表たる内閣の助言と承認で行われる』
と主張しました。小沢流に解釈して言えば、『内閣が責任を取るわけだから、天皇は言うことを聞け』というわけです。小沢氏の皇室観はまったくおかしなものです。内閣は、天皇に助言はできても、命令は
できるわけがない。歴史観、政治観の根本から腐っています。国家主席を目前にしているという習近平国家副主席にとって、天皇に拝謁した、より強く言えば、天皇に会見に出てくることを強いた事は大きな
政治的意味をもつでしよう。それは、小沢氏が143人議員を連れて行って、胡錦譸国家主席とツーショットの写真を撮らせてもらうお礼として供与されたものではないのか。
そもそも、総理でも閣僚でもない一党の幹事長というだけの人間が、皇室の行為に口を出し、ルールをねじ曲げたということは許されない。戦前だったら不敬、国賊と言われ、切腹して償わなければならないでしよう」
(週刊文春、2009/12/24より要約)
民主党と「民団」の蜜月関係
小沢一郎が頭を悩ませている問題が二つある。一つは東京地検特捜部の捜査が迫る自身の政治資金問題。もう一つは昨年12月の韓国訪問で李明博大統領らに「来年の通常国会で実現したい」と大見得
を切った、在日韓国人ら永住外国人への参政権付与問題。展開次第では政治生命を失いかねない金銭スキャンダルの深刻さは言うまでもないが、与党内に根強い反対論のある参政権問題も、小沢一郎が
ごり押しすれば、これまで黙って従ってきた民主党内から造反者が相次ぎ、深刻な事態を招く可能性がある。民主党関係者が解説する。「二年前にもこの問題で党内が割れています。
小沢側近の川上義博参院議員らが、参政権付与法案を昨年の通常国会に提出しようと推進派議連を立ち上げたところ、反対派の渡辺周衆院議員ら約30人の保守系議員が、小沢と距離を置く
渡部恒三を代表世話人に担いで勉強会を結成し、にらみ合いになったのです」
反対派は竹島問題などを例に「地方議会が特定の勢力に牛耳られ、国益を損なう恐れがある」と一歩も引かず、結局、
検討委は意見集約できないまま休眠状態に。最近の小沢の積極発言は、これへのリベンジ宣言と受け止められている。
なぜ小沢はそこまで執念を燃やすのか。側近議員の1人は「昨年の衆院選勝利には、民団(在日日本大韓民国民団)がポスターの張りから演説会場のでのビラ配り、電話作戦まで、組織を挙げて
手弁当で民主党候補を応援してくれたことも大きかった。しかし、ここで彼らとの約束を果たさなければ、夏の参院選で応援しいもらえなくなるという危機感がある」と語る。
小沢は首相に、政府法案として提出するよう働き掛けている。「内閣主導なら造反しにくい」との読みだが、前門の虎に後門の狼。亀井静香が「俺は反対だ。閣議にかけられてもサインしない」
と公言しており、首相は二の足を踏んでいる。剛腕幹事長にとって、参院選前の最大の難関となりそうだ。
(週刊文春、2010/1/21より要約)
小沢ガールズ
さる民主党議員が言う。「小沢が窮地に立たされている今、小沢ガールズと呼ばれる彼女らは針のムシロですよ。 ガールズの一部は人的にも金銭的にも小沢の意向で潤沢な支援を受けて当選しているから、
"もしも"のことがあったら、当然、後ろ盾を失うわけです。500万円の公認料と自らの資金だけで戦った候補にしてみれば、ただのやっかみの対象でしかない。仮に幹事長が失脚しても、率先して救う
気にはなれないですね」実際のところ、昨年9月に公表された政治資金収支報告書で一部のガールズや小沢系の候補に資金が"傾斜配分"されていたことが明らかになっている。が、
それを表立って批判出来ないのも今の党内情勢である。「党大会の間、小沢と距離を置くことで知られる野田佳彦の様子を見ていたのですが、彼でさえ、小沢の検察批判演説に対し、大きな拍手を送っていました。
捜査の行方が分からない今、小沢が復権した時を考えると、とても、大きなアクションには出られない」(別の民主党議員) さまざまな思惑が荒れ飛ぶ党内。ピシッと揃うのは、夢のまた夢。
(週刊新潮、2010/1/28より要約)
小沢一郎の弁護団
「小沢陣営の弁護士の顔ぶれを見ると、長期戦に持ち込みたいたいという小沢の意志が伝わってきます。検察出身の"ヤメ検"だけでなく、ゴリゴリの人権派も今回の事件に投入しました。
特捜部にとって、ただでさえ、慎重にならざるをえない事件なのに、頭痛の種がまた一つ増えてしまった」(検察のOB) その弁護士軍団で、以前から小沢と縁が深いのは、伊佐次啓二、南裕史の両弁護士。
伊佐次弁護士は、西松建設事件で逮捕された大久保被告の公判も担当している。そして、古巣・特捜部と対決することになる"チームヤメ検"もいる。「木下貴司、権藤世寧両弁護士がついていると言われています。
2人とも比較的早く弁護士に転進しているので、検事時代の業績はあまりない」(特捜部OB) 検察が最も警戒しているのが、石川知裕議員の弁護を担当することになった安田好弘、岩井信の"チーム人権派"
だという。「2人とも死刑廃止論者として知られている。特に安田好弘は、オウム真理教の麻原彰晃や和歌山カレー事件の林真須美両死刑囚、耐震偽装事件の小島進などの事件を手がけてきた。
ただ、その弁護手法には疑問の声も多くあがっている。最近では、岩井信とともに被告の弁護を務めた光市母子殺害事件で、引き延ばしのためか、公判を欠席して批判を浴びました」(法務省担当記者)
今回も早速、"チーム人権派"は、石川容疑者の聴取に対し、検察庁に申し立てを行っている。曰く、「すべての取調べの可視化」、「一日の取調べ時間は4時間以内に制限」、「周に2日は取調べを休む」など、
今後取調べを本格化させていく特捜部にとっては到底呑めない要望ばかり。なかでも取調べの可視化は、民主党がマニフェストで打ち出した政策である。
「司法の潮流が可視化に動いているとはいえ、議論も尽くされていない問題です。事件の本質とかけ離れた要望を特捜部に突きつけて、時間稼ぎとしか考えられません」(同前)
(週刊文春、2010/1/28より要約)
ゴマすりコメンテーター大谷昭宏がもらった「講演料50万円」
小沢一郎といえば、側近たちの「忖度政治」が有名だが、なんとテレビ界にも、小沢の気持ちを忖度する「ゴマすりコメンテーター」が増殖していた!
9月3日、「スーパーモーニング」に生出演した小沢氏は、終始ご機嫌だった。それもそのはず、コメンテーターたちがこぞって、小沢氏への「ゴマすり」合戦を演じたのだ。
まず口火を切ったのは、山口一臣「週刊朝日」編集長だ。小沢氏が、検察審査会によって強制起訴が議決されたら、「裁判を受ける」と語ると、「僕もやっぱり、昨日『逃げない』、このスタジオで『同意する』
ということをはっきり言った段階で、この政治とカネの問題はもうおしまいだと思うんですよね」と小沢氏を擁護。
レギュラー・コメンテーターの大谷昭宏氏。「国民側からですね、説明責任を果たしていないと。じゃあ一体、小沢さんからすると、あと何を説明すりゃいいんだということになると思いますが、
そこはどういう風にお感じになっていますか?」小沢氏はにっこりとして答えた。「強制捜査であっても犯罪がないといわれたのに、あと何を説明するのかと」
最後に、テレビ朝日のコメンテーターの三反園訓氏が次のように質問した。「女性の支持がちょっと低いんですよね(笑)個人的にはどう思いますか?」小沢氏は「女にもてないから」と笑顔で応じ、
「最後に一番答えにくいことを聞くのは良くないよ」との大谷氏の合いの手で一同大笑い。これが視聴者の関心に応えた内容なのか。
このゴマすり三人衆には、小沢氏に厳しい質問をぶつけられない事情があったようだ。「週刊朝日はその翌週発売号で、小沢氏に俳優の菅原文太がヨイショ質問をぶつける対談を載せている。
その編集長が追及するのは無理。三反園訓氏は小沢氏に近く、7月の参院選に、民主党から出馬するのでは、と憶測を呼んだほど。いまだ政界進出に意欲的といわれています」(マスコミ関係者)。
大谷氏にいたっては07年8月、「小沢一郎政治塾」で講演し、50万円の謝礼を受け取っている。これで中立な論評が可能なのだろうか。
(週刊文春、2010/9/16より要約) [目次へ戻る]
二つのカネの流れが小沢一郎に脈々と流れ込んでいる。
ひとつは政党を壊しては作り、離合集散を繰り返してきた小沢が、そのたびに手中にしてきた政党のカネの流れ、もう一つは、建設業界との親密な関係を背景にした、ゼネコンなどからの献金の流れである。
2002年の自由党の政党助成金に係る使途等報告書によると、自由党は「組織活動費」の名目で、当時自由党幹事長だった藤井裕久個人に対し、2002年7月に9.8億円、同年12月に5.4億円を支出しているのだ。
2002年当時、藤井は神奈川第14区選出の衆院議員だった。しかし、その神奈川県第14区総支部の政治資金収支報告書の2002~2004年分を仔細に検証しても、億単位のカネの動きはどこにもない。
民由合併の動きが表面化するのは2002年の秋だが、その直前の同年夏から、合併が成立する2003年9月にかけて、自由党から非常に不可解な形で巨額のカネが流出し、使途不明になっているのだ。
カネの流し方は二パターンある。その一つ目が、藤井に対して約15億円の政党助成金を流出させた2002年の一連のカネの動きだった。
政党助成法には、政党解散時に残額は国に返還しなくてはならない旨が明記されている。政党の外に支出することでの「返還逃れ」が目的と見て間違いないだろう。
約15億円の支出を受けたはずの藤井は、そのカネに全く心当たりが無いというのだ。そのことが旧自由党関係者の間で露見したのは、2005年2月のことだった。
藤井への巨額の政党助成金支出が、衆院予算委員会で追及されたのだ。藤井がこの15億円をもらっていないとすれば、一体どこへ消えたのか。藤井に、この件について再三取材を申し入れたが一切取材に応じなかった。
政党助成金は無論100%税金だ。口をつぐむことが許されるのか。
さらに、もう一つのパターンを使って、2003年にも政党助成金を横流ししている。03年9月の解散時の自由党の政治資金収支報告書によると、政治資金団体である「改革国民会議」に対して、
13億円を寄付している。元自由党幹部はこう述懐した。「当時小沢は、自由党のカネをどこにどう支出するのか皆に知らせず、徹底した秘密主義を貫いた。小沢は自身の金庫番だった八尋護(06年死去)と二人だけで会計を握っていたんだ。
自由党の解散時にも、決算報告など一度としてされなかった」
自由党に入った政党助成金は、02年が19.7億円。03年が9.9億円。不可解な経理処理で、解散時にはゼロとなるのだ。
政党の解散時までに残高をゼロにしてしまえば、政党助成金の国庫返還を逃れられるという「法の抜け道」を最大限に利用している。
約13億円の寄付を受けた国民改革会議は、もとは自由党の政治資金団体でだったが、自由党なき今は、「その他の政治団体」として存続している。
2009年9月に公表された、改革国民会議の収支報告書は興味深い。山口二郎・北海道大学教授に50万円、寺島実郎・日本総合研究所会長に50万円が支出されている。
国民の税金を政治資金の原資とする政党助成金制度を導入したのは小沢だった。
「ゼネコンと小沢」。その関係を露骨に内外に示したのが、1995年の岩手県知事選だ。小沢は元建設官僚の増田寛也を擁立。選挙では鹿島の仕切りで約60社ものゼネコンが独自の裏選対を作り、連日のように人員を投入した。
増田は自民党系の候補らを破って当選した。これを足がかりに、再びより強力な小沢王国を築いていく。小沢が支部長の民主党岩手県第4区総支部は、陸山会に寄付という名目でカネを上納している。
その総額は約7億円。小沢にはパーティの主催を主な活動とした政治団体、小沢一郎政経研究会もある。パーティ券収入は、00~08年で10.2億円。その間、陸山会に3.6億円を寄付している。
陸山会を頂点とするカネ集めの体制は、磐石のままなのだ。小沢は陸山会に上納された莫大な資金を元に多くの不動産を購入。その総額は10.5億円に上る。
小沢関連団体の資産は現金約20億円、不動産約10億円、計30億円と巨大なものになっている。そのカネで私塾を開き、子飼いの議員を増やし、秘書宿舎を建て、全国に秘書軍団を派遣し、選挙に勝ち、
党内を牛耳るようになった。民主党は、年間約320億円に及ぶ政党助成金の無駄や使途不明にこそ切り込むべきではないのか。
政党助成金はもちろん、公共事業を請け負う建設業者からの企業献金も、その原資はそのまま我々の税金である。説明責任が小沢にあるのはいうまでもない。
(文芸春秋、2010新年特別号、ジャーナリスト・松田賢弥より要約) [目次へ戻る]
小沢一郎の金満体質 「現金4億円が手渡されていたとの報道に接しても、全く驚きませんでした」と語るのは金沢啓氏(41)。
小沢一郎から度々多額の現金を渡されていた当人である側近、石川知裕代議士(36、元小沢秘書)の秘書を、08年から1年間弱務めていた人物である。
その金沢氏による"石川氏にたかられ1700万円貢がされた"との証言からも分かるように、目下、石川氏には様々な疑惑が浮上し、東京地検特捜部に狙われているのは周知の通りだ。
金沢氏が続ける。「石川とは、東京でも(彼の地元の)北海道でも幾度となく飲み食いをともにしましたが、その中で石川は、自身が小沢氏の秘書だった時代の話を漏らすことがありました。
"小沢先生の自宅には、現金が10億円置いてあるんです"と。そして、"それを見て、政治家っていいなと思ったんです"とも言っていましたね」
この話に基づけば、親(小沢)も親なら子(石川)も子と言うほかあるまい。さらに、石川氏の秘書時代に金沢氏が見聞きした話をもとに、1月8日付けで作成された東京地検宛の「告発状」には、
こうも記されている。「石川は、告発人(金沢氏)に対し、小澤先生から『どこか自宅近くにいい物件があったら資料をもってこい。』と言われた。不動産屋をあたり、物件が見つかったので小澤先生に報告
した。すると、小澤先生から『深沢の自宅にある金を使え(略)』と言われたと話した。」「石川は、告発人に対し、『小澤先生のやり方を尊敬している点が2つある。まず、自分の参謀にベテランは置かないこと。
小澤先生の一新会は三回生議員までで4回生以上はいない。自分のコントロールできる人物しか置かない。もう1つは金の作り方。(略)領収書の要らない金を自宅にためている。』と言っていた」
つまり、石川氏の"銭ゲバ"ぶりは小沢譲りということになる。
(週刊新潮、2010/1/21より要約)
小沢一郎が競走馬育成協会の会長を兼任
みんなの党の山内康一衆院議員は、小沢氏が社団法人競走馬育成協会という農水省系の天下り団体の会長を兼任していることを指摘した。質問主意書を出し、小沢氏の辞任を求めたところ、
政府はこう答弁した。「競走馬の育成技術の向上に関する普及、啓蒙及び指導等の事業を行っている団体であることにかんがみれば、議員が役員を兼務しているからといって、当該団体の事業活動に
支障を生ずるおそれはない」 しかし、農水省はそう考えていなかった。07年、農水省は国会議員が役員を兼任する農水関係団体をリストアップした。兼任議員が大臣に就任した際、
役員を辞めるよう進言するためだ。そこには土地改良区と並んで、小沢氏が会長を務める競走馬育成協会も挙げられていたのである。
仕分けられるべきは、天下り役人にひけをとらない厚顔の民主党ではないか。
(週刊文春、2010/6/3より要約) [目次へ戻る]
甘い汁を吸っている日本歯科医師連盟
民主党にスリ寄り、甘い汁を吸っているのが日本歯科医師連盟(日歯連)だ。
「昨年9月、早々と自民党から組織内候補者の擁立を断念。民主党への忠誠を誓った。その結果、自民党の橋本政権以降、マイナス続きだった診療報酬(10年度)がプラスに転じ、しかも
医科よりも上回る結果となりました」(厚労省幹部)
まさにアメとムチ。信賞必罰なのである。「つまり、小沢さんは選挙で応援してくれそうな人物や団体に対しては、『(予算で)色を付けてやってくれ』といった指示を出す。
決して、細かい数字までは言いません。その上で指示を受けた側が、具体策を練るわけです」(小沢氏側近)
(週刊新潮、2010/3/11より要約) [目次へ戻る]
まさに崖っぷちである。石川知裕議員らの逮捕を招き、鳩山内閣の支持率を続落させた民主党の小沢一郎はしかし、鬼気迫る様子で検察との「全面対決」を宣言してみせた。
民主党を道連れにする「敗北の暴君」の行く末に待ち受けるものとは、一体---。
小沢一郎の資金管理団体「陸山会」が04年10月に取得した土地に絡み、会計事務担当だった石川は嘘の記載をしていたのだが、同容疑で石川の後任で小沢一郎の元私設秘書、池田光智や公設
第一秘書の大久保隆規も逮捕された。西松事件からから続く、因縁の対決は急転直下、その第二幕が切って落とされたわけだ。「昨年3月、特捜部が大久保を政治資金規正法違反で逮捕すると、
小沢は"不公正な国家権力の行使だ"と猛烈に批判し、党を挙げて"国策捜査だ"の大合唱だった。おまけに、世間からも批判を浴びた特捜部は、起死回生を狙い、徹底的に小沢周辺を洗い始めた。
世田谷の土地に関する不自然なカネの流れも4月には掴んでいました。さらに8月、脱税事件で服役中の水谷建設元会長から"小沢サイドに1億円の裏献金をした"という供述も得たんです」(司法担当記者)
しかし、総選挙で民主党が圧勝し、鳩山政権が誕生。小沢は実質的な最高権力者として権勢を振るうようになり、検察の旗色は悪くなるばかり。
「検察上層部は民主党の顔色をうかがい、水谷供述を引き出したエース検事を特捜部から外しました。特捜部はこれに腹を立て、俄然、捜査に燃えるんです。9月になり、石川への捜査着手を上層部に打診
するが、やはりゴーサイン出なかった。それでも、佐久間特捜部長は"小沢案件だけはどうしても捨てられない"と言っていました」(司法キャップ)
追い風が吹いたのは、昨年10月。読売新聞が今回の土地購入疑惑を報じ、それを受けて市民団体が石川ら3人を刑事告発。本格捜査への"大義名分"を得たわけだ。
「昨年の12月27日、特捜部はまず石川を呼び、年が明けて1月5日、小沢に対しても事情聴取を要請しました。しかし、小沢は、時間がないと一向に応じる気配を見せず、成人式のイベントで
囲碁に興じたりしていた。一方、石川は14日の事情聴取で自殺が懸念され、さすがに上層部も強制捜査やむなしに傾いたのです」(同)そして、特捜部の怒涛の快進撃が始まったわけだが、
検察関係者がこう言う。「法務省に限らず、官庁の局長以上の役職は閣議了解が必要です。西松事件で小沢に目の敵にされた佐久間特捜部長は、このままでは出世は絶望的。ですから、
"殺さなければ殺される"と周囲に漏らし、とことんまで小沢を追い詰めると意気込んでいます」法と正義を巡る闘いを一皮めくれば、恐怖に怯える検察の先制攻撃という構図も見えてくる。
(週刊新潮、2010/1/28より要約)
独裁者小沢一郎の被害者意識
石川逮捕の翌日、小沢一郎は、「日本の民主主義は暗澹たるものになってしまう」と検察捜査を批判した。だが、これまで独裁者として振る舞ってきたのは誰なのか、いまさら民主主義を
持ち出されても苦笑するばかりだが、加えて、今回の事件、民主主義の理想と遠くかけ離れたマネーロンダリングの疑いもあるのだ。
実際、小沢の資金管理団体「陸山会」の資金操作は複雑怪奇である。事件の舞台になった世田谷区の土地は、小沢の自宅から徒歩5分ほどの距離にあり、今回逮捕された大久保が見つけ、
日課である散歩中の小沢を案内したという。現在、そこには、秘書寮が建設されている。司法担当記者の解説。「そもそも陸山会の政治資金収支報告書には、05年1月5日、2つの政治団体から
寄付金計2億8000万円が寄せられ、それに手持ち資金を加え、2日後の7日、約3億5000万円で土地を購入したと記載している。しかし、その後、取得の日付はうそで、寄付金についても帳簿
の帳尻を誤魔化す偽装工作だったことがわかりました」
現実の土地取得日は、前年の10月29日。それが発覚すると、小沢側は、陸山会の定期預金4億円を担保に金融機関から本人名義で融資を受け、その資金で購入したと言い始めた。
「だが、水谷建設の水谷功元会長の供述によれば、小沢サイドへの1億円の裏献金のうち、5000万円を渡したのは、04年10月15日だった。特捜部はこの資金に加え、ゼネコンなどからの
裏献金4億円を使い、土地を買ったと睨んでいるんです」(同)実際、小沢の言い訳はすぐボロが出た。「土地代金を不動産会社に支払ったのは当日の午前中だったのに、間抜けなことに銀行
からの融資が実行されたのはその日の午後だったんです。すると、次に小沢から飛び出した言い訳は、実は40年前に死亡した父親の遺産で買ったというもの。都内の信託銀行に積み立ててあったが、
98年ごろに引き出して自宅に置いてあったそうです」(同)
だが、小沢は一体、何を目論んでいたのか。「裏献金で土地代金をさきに支払っていたとすると、銀行からの借入金4億円はそのまま陸山会にプールされていたはずです。一方、
05年1月5日の架空寄付金などの資金操作で帳簿上は土地取得代金を創出しています。簡単に言えば、この偽装をしたことで、表の政治資金を原資として土地を手に入れた格好になったわけです」(同)
結果、陸山会には4億円の定期預金と、土地取得には使わなかった借入金4億円が残った。05年10月と06年3月、陸山会はなぜか定期預金の方を崩し、小沢へ2億円ずつ支出している。
小沢はそれを借入金の返済に充てたという。もともと銀行からの借入金だった4億円は陸山会に残ったままだ。そして、今回、逮捕された元私設秘書の池田は、07年5月になり、その4億円を
小沢の自宅に運び込んだと、特捜部に供述している。「小沢はその4億円をおおぴらに使えるわけですよ。万一、その資金の出所を追及される事態になっても、陸山会からの資金だと説明する
ことができますからね。これでは、まさにマネーロンダリングです。しかし、それもバレてしまったんですけどね」(同)特捜部は、小沢の父親の遺産に付いても捜査したが、その結果、
信託銀行から3億円の出金は確認できたという。しかし、それでも土地代金には足りない。今後、小沢は特捜部の事情聴取に応じる構えだが、お次はどんな言い訳が飛び出すか。
(週刊新潮、2010/1/28より要約) [目次へ戻る]
民主党の小沢一郎幹事長は、自身の不明朗な政治資金に関して、未だ国民が納得する説明をしていない。そんな折、岩手県発注のダム工事で「小沢の天の声を聞いた」と告発する者が現れた。
小沢の元秘書で「懐刀」と言われた高橋嘉信氏(56)である。
小沢一郎と共に日本の政治を変える。私はこう思って20年以上、小沢に仕えてきました。彼は昔から目的のためには手段を選びませんでした。「真の民主主義とは」
「国民の生活が第一」などと、綺麗事を口にします。しかし、実際はゼネコン選挙で集めた票で、自分の意のままになる議員を作っていきました。
こうして権力とカネを手にし、政治家として力をつけていったのです。私も、ある時まではそれも仕方がない、と自分を納得させ、岩手の有権者に小沢の理想を説いて歩きました。
ところが、昨年秋の政権交代を経て、今の民主党はどうか。政治がよくなっているのであれば、何の問題もありません。しかし、民主党はどんどん危険な方向に向かっているように思えてならないのです。
私は秘書の総括責任者で、選挙、地元の市町村の陳情受付、選挙の候補者選定が主な仕事でした。そして93年の総選挙で「ゼネコンを徹底的に使え」。小沢は私にこう命じたのです。
この一言が全ての始まりでした。小沢は、この時、岩手2区で前回の総選挙より5万票も増やし、14万2千票を獲得して圧勝。後にも先にも、これほどの票を獲得したことはない。
小沢は、この勝利をみて、ゼネコンこそが選挙に勝つ道具だと確信したのです。
95年には、小沢が擁立した増田寛也が岩手県知事に初当選しました。これで小沢は地元での公共工事のゼネコンに対する影響力を手中に収めました。また、同時にゼネコンからの
政治献金も一気に増えました。しかし、小沢は96年以降、自分の選挙で本格的なゼネコン選挙はやっていません。なぜなら、もはや、岩手で小沢に勝てる人はいないからです。
その代わり、他の選挙でゼネコンを使い、子飼いの議員を作っていったのです。
95年、岩手県知事選の増田、96年の総選挙で達増拓也、98年の参院選では樋高剛・・・・・。「負けそうだ」との声が聞こえれば、私が現地に入って指揮しました。
増田や達増もゼネコンの協力がなければ、当選できなかったはず。何しろ200人以上のゼネコン関係者がやってきて、選挙支援をするんです。系列、下請け会社を含めれば、1000社以上に及ぶ
関連企業が何十万人という名簿を提出し、小沢のために選挙に協力した。これでは、相手候補が勝てるはずがありません。
岩手県大船渡市にある鷹生ダム。総事業費は約323億円で、一般競争入札が行われたのは98年5月である。高橋氏はこの工事を巡って、小沢の天の声を聞いたと証言する。
小沢の秘書は、毎朝、東京・深沢の小沢邸に赴き、命じられた仕事の報告を行います。私も岩手にいる場合を除いて、必ず顔を出していました。私が小沢邸に到着すると、他の秘書が
直立不動で小沢の前に立ち、報告を行っていました。小沢はどかっと椅子に座り、黙って聞く。そして、一通り聞き終えると、、次の指示を出すのです。秘書には仕事を分担させ、
秘書たちが情報を共有することを嫌がっていました。全てを知っているのは、小沢本人だけです。
鷹生ダムに関する「天の声」を聞いたのは、一般競争入札が行われる数ヶ月前、98年初めだと思います。ある朝、私はいつものように小沢邸に行き、ダイニングルームで報告しました。
部屋には、小沢と私の二人きり。小沢は寝巻きから普段着に着替え、食事も済ませ番茶を啜っていました。私の報告を聞き終えると、「大船渡のことで清水建設には世話になっている。
鷹生ダムは、清水にしろ。仙台にいっておけ」。こう「天の声」を出したのです。仙台とは鹿島建設東北支店のことです。私自身は小沢事務所とゼネコンの力関係などは詳しく知りませんから、
受注についての判断は全て小沢に確認し、逐一指示を仰いでいました。それにしても、岩手での談合は、初代社長が岩手出身で小沢家と縁の深かった鹿島建設が仕切っており、清水は県内でも
アウトサイダー的な存在でした。それだけに清水に受注させろ言われ、大変驚いたのを覚えています。
小沢事務所というところは、10円の金を動かすのだって、小沢の許可がいる。これが、小沢の金に関する考えです。陸山会の担当者は、毎朝、小沢邸に行き、会計報告を行っていました。
陸山会の土地購入問題について、私は詳細を把握していませんが、少なくともこれが小沢事務所の実態なのです。
藤井裕久さんも渡部恒三さんも、みんな遠ざかってしまった。小沢が語る政治改革の理想と、現実の小沢の人間性との乖離。みな、利用されるのに疲れて離れていったのです。
そして今、小沢の周りには若い訳の分からない議員しかいなくなった。小沢はここまでを諒として、議員辞職すべきだと思います。後世にまで汚名を残すような、恥ずべき行動を続けてはならない。
私は政治の世界から身を引く覚悟で、真実を話しています。小沢には「どうぞ、私と一緒にお辞めください」と言いたい気持ちです。
(週刊新潮、2010/4/8より要約) [目次へ戻る]
「私は小沢の指示で、経世会から小沢低まで派閥のカネの13億円を車で運びました。それには当時、派閥の金庫の鍵を預かっていた八尋事務局長と、小沢夫人の和子も関わっています」
驚愕の事実を始めて明かすのは、小沢一郎民主党幹事長の元秘書・高橋嘉信(56)である。最側近の秘書として小沢に20年の長きにわたり仕え、その表と裏の顔を知り尽くす人物だ。
当時、自民党最大派閥であった経世会。その100名を超える派閥の巨額な資金が、小沢一郎の指示のもと、その私邸へ密かにゴッソリと運び込まれたのである。永田町の長い歴史の中でも前代未聞の事件だ。
今回、高橋の証言を紹介するのは、過去を掘り返すためではない。検察が追及してきた小沢のカネをめぐる問題の原点とも言うべき事件だからだ。小沢の資金管理団体「陸山会」の4億円の
土地取得事件で、東京地検特捜部は5月21日、小沢を再び「嫌疑不十分」で不起訴にした。高橋は派閥のカネを運び出した経緯を特捜部に供述している。問題の土地購入原資は、この13億円と深く
つながっていると高橋は考えているからだ。しかし特捜部は、4億円がゼネコンからの裏金という見方にこだわったのか、その証言を調書にとらなかったという。
小沢の指示を受けて実行した略奪の全貌を高橋が証言する。11月の初旬の頃かと思いますが、議員会館にいた私に小沢から電話が来て、『高橋、八尋さんから電話が来るからカネを受け取って
家に持つて行け。いつでも出られるようにスタンバイしておけ』と告げられました。八尋さんに電話したところ、『経世会の議員たちが非常に警戒しているので、いずれ隙を見て電話するから』。
連絡が来ないまま何日も経過し、夜中も絶えずスタンバイの状態でいた私は、いつごろになるのだろうと思い、八尋さんに再度電話をいたしました。『いつになりそうですか』と聞く私に
『いや、その時になったら突然、電話するから』と八尋さんは答えるだけでした。それから数日後、ついに八尋さんから『今なら大丈夫だ。裏の駐車場に車ですぐに来てくれ』と電話が来たのです。
すぐに向かいました。裏の駐車スペースに行き車を停めました。私が非常階段をのぼりかけたとき、八尋さんはすでにドアを開け、笑いながらこちらを見て待っていました。八尋さんの足元には
ビニールのカバーがついた大き目の紙袋を二重にしたものが数多く並べられていました。急いでその紙袋を運びましたが、かなりの重量で両手に提げると腕が痺れるようでした。
トランクに入れた時に『本当にカネかな』と思って新聞紙をどかして中身を見ました。ビニールで梱包された万札の束がぎっしりで、『一袋、一億円だな』と思いました。13袋、しめて13億円だと
私は記憶しています。小沢邸は警官がいて警備をしているので事務所のある玄関の方は怪しまれると思いました。また、裏側の玄関もたまに警官が巡回するので、奥さんに、『脇にある勝手口を開けておいてほしい』
と電話したのです。小沢邸に着き、勝手口の前ぎりぎりのところに車を停めました。行ったら勝手口は開いていて、そこには奥さんが待っていたのです。
確信犯の八尋は真相を明かすことなく、文字通り墓場まで持っていった。では、なぜ高橋は今回、18年間の沈黙を破って、自らも加担した事件について告白したのか。
「今の小沢を見る限り、改革のブレーキとしか言いようがありません。この政治の閉塞感を打開し覚醒するには、真実を白日の下に晒し、小沢と闘っていく以外にないと考えております。
自由な言論を封じた問答無用のやり方は、今の時代にマッチしません。政治家一人一人は選良であり、親分子分の関係は有権者の望む姿でないのです。このような小沢にかけてきた私の秘書としての半生も、
残念ながら否定せざるを得ません。そんな私でも、せめて自分の初志だけは貫きたいと考えております。寒村に生まれ育った百姓の青年が抱いた、政治をよくしたいという思いは持ち続けて行きたいのです。
私は意を決し、今まで家内を含め誰一人、話したことのない事実を公にしているのです。私の覚悟は、『政治を良くしたい』という一心から発しているという事です。岩手めんこいテレビの巨額な
株疑惑問題やこの経世会のカネの問題などは、今回の小沢に絡む四億円の土地購入資金の原資解明に避けて通れない事実であると考え、検察に話しました。しかし、調書にされませんでした」
(週刊文春、2010/6/10より要約)
小沢一郎の罪、私がかぶった!
「小沢はゼネコンの鹿島から直接、五百万円の裏献金を受け取っていました。国民に嘘をついたばかりか、私が小沢の身代わりになって検察に出頭し、取調べを受けることを命じられたのです」
最側近として小沢に二十年間の長きにわたり仕え、小沢の表と裏を知り尽くした元秘書の高橋が、新たに証言するのは93年のゼネコン汚職の時のことだ。事件の渦中で鹿島から小沢への裏献金が発覚する。
その概略はこうだ。
東京地検特捜部は93年10月、鹿島の当時の副社長・清山信二を前茨城県知事への贈収賄容疑で逮捕した。その後、清山から小沢に対し92年2月、現金五百万円が手渡されたという
裏献金疑惑が報じられた。小沢は会見を開き、清山と会ったことは認めたものの、「金銭の授受は直接私の手でやっていない」と、自身の関与を否定。さらにこう釈明した。「いくつかの(小沢の政治)
団体で資金提供をいただいたのは事実。しかし、法にのっとり処理されたとの報告を受けている」つまり小沢自身は金銭の授受をしていないが、五百万円はいくつかの政治団体で処理されたと言い繕ったのである。
しかし、政治資金収支報告書のどこにも「鹿島」の記載はない。そこを突かれると、「(内訳の公開は)法的に要請されていない」と説明を拒んだ。
疑惑の核心は、小沢が本当に直接、鹿島から五百万円を渡されていなかったのかという点だ。当時、鹿島からカネを受け取ったということで検察の取調べを受けたのが高橋だった。
高橋は、こう証言した。「新たな事実を申し上げます。何も知らない私が検察の取調べを受ける役回りを命じられたわけです。私は検察の取調べを受ける前夜、小沢からこう話されています。
『高橋、相手は親の仇だと思え。いいか、親の仇だぞ』と激しい口調で私の覚悟を求めたのです。こちらのシナリオ通りに話しても検察が受け入れないことが一点あったのです。それは『どうゆう形で
五百万円が手渡されたか、ハダカのままか、紙袋にいったものか』と詰問され続けました。受け取ったのは小沢本人であることを知っていましたので、五百万円がどのような状態だったかを尋ねました。『白い包みだ』と言ったのです。
次の聴取の際に白い包みに入った五百万円の受領を供述し、一件落着したというのが真実です。」
(週刊文春、2010/7/29より要約) [目次へ戻る]
朝鮮総連系から献金 赤松広隆農水相の金銭サポーターには際立った特徴がある。献金企業の実に1/4をパチンコ関連業者が占めるのだ。献金総額も相当なもの。果たして両者の関係とは。
企業献金の受け皿は政党とその支部だ。赤松氏が代表を務める「民主党愛知県第5支部」の政治資金収支報告書を見ると、これが凄いことになっている。
08年版では、献金企業・団体数は218。うち、遊技機製造、ホール経営、景品交換などパチンコ関連の事業に携わる企業・団体は確認できただけで49。
金額ベースで言えば、支部が集めた寄付の総額、8800万円のうち約1400万円を占めている。
「06年、赤松氏は朝鮮総連系の法人から献金を受けていたことが外部からの指摘でわかったとして、寄付の返還を余儀なくされています。政治資金規正法に触れる外国法人からの献金は02年からの3年間で6社分、
計252万円にも上ったということでした。」(地元ジャーナリスト)。なんとも危なっかしい金に支えられてきたことは否定できない赤松氏。
(週刊新潮、2009/10/1より要約)
国会をさぼってゴルフ 「名古屋はパチンコ発祥の地で、愛知5区の地盤はパチンコ業者に支えられています。赤松氏はSANKYOや京楽など多くのパチンコ業者から献金をもらっている」(地元県連関係者)
中でも目立つのがフィールズ社からの献金。赤松氏が支部長を務める民主党愛知県第五区総支部は、同社から毎月3万円の献金を受け、さらに08年4月に一気に3百万円もの多額の献金を受けている。
両者にはこんな過去も。「一年半前、国会をさぼってゴルフに興じる赤松氏の姿が『週間新潮』で報じられ、問題視されましたが、このゴルフがフィールズ主催のプロアマ戦だった」(県連関係者)
問題山積の農政の責任者となったからには、そんなことは二度とないように。
(週刊文春、2009/10/1より要約)
民団に感謝
在日本大韓民国民団(民団)は、約50万人の団員を抱える日本最大の民族団体である。1月12日、民団中央本部が、帝国ホテルで新年パーティーを開催した。日本の国会議員たちも大勢駆けつけた。
中でも群を抜いて多かったのが民主党である。その数約60名。司会者から全員の名前が紹介された後、まず山岡賢次国対委員長が挨拶した。
極めつけの発言は、赤松広隆農水相だった。「鄭進団長をはじめ民団の皆さんには昨年、特にお世話になりました。それが、308議席に、政権交代に繋がったと確信しております」
と総選挙での協力に対する謝意を表し、こう言い放った。「民主党中心の政権ができれば、必ずこの15~16年間取り組んできた地方参政権の問題が解決するんだ。
そうゆう思いで応援をしていただいたと思います。公約を守るのは政党として議員として当たり前のことですから、私どもはこの政権の中でこの通常国会で、必ずこの法案を成立させます」
(週刊新潮、2010/2/18より要約)
反岡田のイオン批判 「赤松農水相(61)の発言が波紋を呼んでいる。大手スーパーのイオンを批判したのだが、イオンは岡田勝也外相の実家で、父が名誉会長、兄が社長を務めているのは知られた話。
名古屋の中央卸売市場を視察した際、次のように語ったのだ。「卸売市場の機能を強化する必要があるね。だって、島根でイオンは赤字。相手の漁協もうまくいっていないらしいから」
流通ジャーナリストの金子哲雄氏の解説によると、「イオンは島根のある漁協で引揚げされる魚を全量買い付けし、販売する試みを始めています。赤松大臣は、スーパーによる産直が進めば卸売市場の地位の低下
になると懸念している」「イオンの肩を持つわけではなく、島根での試みは生産者や消費者に歓迎されているのです。流通過程に介在する業者が減るので値段が安くなり、魚師の手取りも増える。
卸売り業者は淘汰されるが、産直が悪いというのは時代のニーズに逆行しています」
赤松大臣はなぜイオン批判に及んだのか。「岡田嫌いが理由です」とは、民主党関係者。「岡田さんが5年前に党代表なった時、赤松さんを執行部から外しています。
赤松さんも先の代表選で旧社会党系議員の7割を鳩山支持でまとめるなど、反岡田で動いた。「東京農大を視察した折にも再びイオン批判をしました」(農水省担当記者)究極の閣内不一致。
(週刊新潮、2009/10/29より要約) [目次へ戻る]
旧社会党出身の千葉法相。「過去のことに対して、私は今、大臣に問うことを考えていません」就任早々、鳩山総理がそう話した「過去」とは、平成元年のある出来事を指している。
原敕晁さんを拉致した北朝鮮の実行犯・辛光朱元死刑囚の「釈放嘆願書」に署名したことだ。
問題視される経歴はそれだけに留まらない。就任会見で、自らが「死刑廃止を推進する議員連盟」のメンバーであることを言明。
死刑執行命令書へのサインについて、「慎重に考えていきたい」などと繰り返したのだ。
「もし、執行命令書にサインしない、ということであれば法相として失格」と批判するのは、日本大学の百地章教授。
「現実に死刑制度があり、死刑判決が出ているにもかかわらず執行しないとなれば、大臣としての資格を欠くことになります」
さらに、就任会見で物議を醸したのが、検察捜査に対する指揮権発動について。「恣意的なものは排除するが、国民の視点に立って検察の暴走をチェックする」
とまで踏み込んだのだが、「確かに、法的には法相の指揮権が検察に及び得ることになっていますが、検察に対して不当な政治圧力を加えることなど絶対にあってはなりません」
と、百地教授。
「恣意的なものは排除して検察の暴走をチェックする、と言いますが、何を持って恣意的、あるいは暴走と見るのか。これは極めて主観的なんですよ。このような発言を安易にする法相というのは、警戒を要します」
(週刊新潮、2009/10/1より要約)
千葉景子に白羽の矢 政治ジャーナリストは言う。「鳩山首相は法相人事にかなり神経を使ったようです。背景に鳩山氏の個人献金問題があるのは間違いありません」
この問題は、鳩山氏の資金管理団体「友愛政経懇話会」が、死亡して存在しない個人などからの献金を政治資金収支報告書に記載していた、というもの。
検察当局は政治資金規正法違反事件として捜査中だが、処分の方法や時期などを検討していると見られる。
「民主党側は、この問題が鳩山氏自身に波及するのを恐れている。検察側が起訴し、争いが法廷に持ち込まれるのは避けたいと考えているようです」
別のジャーナリストも言う。「民主党側が略式起訴で終結させるように当局に働きかけているという情報もあります。その情報が正しければ、手打ちを申し出ている以上、検察当局とけんかはできません」
そこで白羽の矢が立ったのが、千葉景子だったというわけだ。
(サンデー毎日、2009/10/4より要約)
千葉景子に夫婦別姓ボディーブロー 千葉景子がまばらな拍手に迎えられて事務所に現れたのは、0時48分頃。「こうなったのはすべて私の不徳の致すところで
ございます」インタビューもそこそこに秘書に肩を抱かれて出て行く千葉氏を見送りながら、誰かが叫んだ。「敗因はいっぱいある!ありすぎるぐらいあつた!」
日本大学の百地章教授(憲法学)によれば、「千葉氏は民主党のマニフェストから外れたはずの『夫婦別姓法案』と、問題の多い『人権救済機関設置法案』を推進すると明言していた。
これはマニフェストに反した裏切り行為ですよ」千葉氏は「死刑廃止議員連盟」を脱会してまで法務大臣になったものの、職責である死刑執行の命令をいまだに拒んでいる人物でもある。
司法ジャーナリストの鷲見一雄氏も言うのだ。「千葉氏が出馬した神奈川は保守の土地。元社民党左派の彼女はこうした土地に馴染まない候補者だつたのです。横浜などの大都市は一定の理解を得ることが
出来るかもしれませんが、全県ではそうではない。特に『夫婦別姓』は戸籍制度を崩壊させかねず、家族や夫婦の絆を大事にしたいという考えの有権者から反発を受けたのでしょう」
そんなボディーブローがじわじわきた千葉法相は敢えなく沈められたのである。
(週刊新潮、2010/7/22より要約) [目次へ戻る]
トヨタの労組出身で、晴れて経産相に就任した直嶋正行参議院議員。政界では苦労人で通っているが、億シヨンを借金なしで購入。 労働貴族ここにあり、なのだ。
買い求めたのは上層階の一室。広さ90m2。登記簿を見ると抵当はついていない。つまりは1.1億円はするその部屋を、現金で手に入れたことになる。
定時制高校から神戸大に進み、、卒業後はトヨタ自動車販売に入社。10年弱の会社生活を経て、80年、全トヨタ労連の専従職員に。 91年に自動車総連副会長に選出された翌年、
参院選に比例区から初出馬(当時は民社党)。以来、自動車総連の組織内候補として当選3回。 「比例選出の議員は、資金面でかなり楽ができます」とは、岩井・日大教授。
「選挙区を持たないため、金がかからない。労組の代表ならなおさらで、人や金の支援が受けられる。車や運転手を用意してくれたりする例まであるくらいです。」
必要経費として国から月100万円支給され、領収書なしで使える「文書通信交通滞在費」を、丸ごと貯め込むことも可能になる、という。
「年1200万円も貰えるこの文通費は議員の第二の所得になっているとの批判が絶えません」 労組に人や金の面倒を見てもらい、はや議員歴17年の直嶋氏。
1億円超のマンションを買うなんてわけもないということか。無論、票もきっちり保証してくれるのだから、「労働貴族の王」ではあるまいか。
ちなみに直嶋氏の秘書はトヨタから派遣されるのが慣例だが、目を引くのはトヨタ自動車労組と全トヨタ労組連合会による手厚い金銭的サポートだ。
(週刊新潮、2009/10/1より要約)
経済オンチ
経済オンチぶりで菅氏を凌ぐのが、GDPの速報値を公表前に漏らした直嶋正行経産相だ。「GDP速報値は第一級の経済情報。市場にも大きなインパクトを与えるため、解禁時間まで記者は内閣府の会見場
に閉じ込められる。その会見場に直嶋経産相が漏らしたとの一報が入ると、日銀出身の津村啓介政務官は、ことの重大性がわかるせいか真っ青になっていました」(経済部記者)
ここまで来ると、もうアキれるほかない。
(週刊文春、2009/12/10より要約)
新たな「失われた10年」 我が国政府のデフレ宣言は欧米諸国に衝撃を与えた。少子化問題、国内総生産の2倍近くに膨れ上がった政府債務、民主党政権の不透明な
経済政策など、経済成長への展望が全く描けないなかで、欧米メディアの多くは日本経済の新たな「失われた10年」が始まったと結論づけている。
(日経新聞、大機小機、2009.12.3より要約)
実体を露呈 鳩山由紀夫政権はわずか100日でその実態を露呈しつつある。成長への道筋を示す政策の全体像がないまま、バラマキ型の歳出を膨らませ、来年度は
新規の国債発行が税収を上回る。2008年度の日本の1人当たり名目国内総生産は世界19位。かつて世界2位だった面影はない。
経済活力を高めるには、分配政策ではなく、企業の競争力を向上させる政策が必要だ。もうかる企業があってこそ雇用や需要が生まれる。まず企業を利する。出発点はそこにあるが、今の政権は逆を行く。
法人減税は素通りで、規制緩和も見るべきものがない。
(日経新聞、大機小機(六光星)、2009.12.29より要約)
日本は資本主義国である
日本は東アジアにある。日本のほか中国、韓国、台湾、インドにASEANが1つの経済圏を形成している。その総人口は30億人を超す。日本経済はこの東アジアを生き抜く道しかない。
競争は熾烈だ。政策の基本がただコンクリートから人へでは考え方が甘すぎる。生産面でも民主導の活発な企業活動を支える条件整備が不可欠なのだ。
生活重視の考え方を否定するつもりはない。しかし、日本が資本主義の国であることを忘れてはならない。資本主義経済は、自由と自己責任に基づく民間の生産活動に支えられて存在する。
社会保障や子育て支援は、その民間経済活動の実力の枠内でしか実現できない。
(日経新聞、十字路、吉田春樹、2009.12.3より要約) [目次へ戻る]
山岡賢次を告発したのは、真岡市の福田武隼市長夫婦。 「2000年12月の夜のことでした。山岡代議士と当時の公設秘書が、私の自宅を訪ねて来た。
その頃、私は翌年4月の真岡市長選挙への立候補を控えていたので、挨拶に来たのかくらいに思っていました。」
しかし、山岡代議士の来訪の目的は、予想だにしないものだった。その場に同席していた福田婦人が、情景を思い出しながら話を引き取る。
「山岡代議士がとんでもないことを口にしました。市長選挙だけれども、うちの秘書は秋からずっと市長選挙の応援をしている。だから、その応援費用として600万円を我々に支払ってほしい、と言い出したのです。
でも、応援をこちらから頼んだ覚えはないし。」 600万円を支払うことは経済的に不可能だったものの、一方で申し出を断れば嫌がらせを受ける懸念もあり、さらに、選挙戦においては山岡代議士のバックアップがあるにこしたことはない。
「もう少し安くなりませんか」と、値段交渉を始めた福田夫婦に山岡代議士は、
「うちの秘書は月に70万円貰っている男だ。その男が市長選挙に掛かりっきりなるのだから、6ヶ月で420万円。それ以上はまけられない。」と言い放った。
「冷静に考えたらおかしな理屈です。公設秘書なら、秘書給与は国からでているのですからね。でも、当時は市長選挙で頭がいっぱいで。結局、毎月15万円ずつ、3年間、計540万円払うことに同意したのです。」
その4ヶ月後、福田氏は市長に当選した。しかし、選挙戦の最中も含め、地元でその秘書の姿を見かけることは一度もなかったという。
(週刊新潮、2009/3/12より要約)
山岡賢次はJR総連から候補者擁立する
さる12月29日、民主党は参議院比例代表の公認候補11人を内定した。その直前、1人の男性がリストから削除されていた。
削除されたのは、田城郁(かおる、50)。
JR総連の組織内候補である。「田城氏は、傘下のJR東労組に所属し、JR総連のドンと呼ばれた松崎明氏の側近との評がもっぱら」(JR関係者)
かねて「革マル派」との関わりが指摘されてきたJR総連は、国政の場でも度々議題にされてきた。01年には衆院国交委で漆間厳・警察庁警備局長(当時)が、「JR総連、東労組内において、
影響力を行使でき得る立場に革マル派系の労働者が相当浸透している」と答弁。松崎氏自身も94年、会見で「革マル派を作った本人」と公言している。
田城氏の擁立について、すんなりと運ばなかったのも当然であろう。「12月24日、石井一選対委員長や海江田万里・森ゆうこ両代理による選対三役会が開かれました。席上、田城さんには連合内でも異論がある、との意見が出ましたが、石井さんは『小沢君はその点、鷹揚だ』
とかわし、問題なしとされたのです」(政治部記者)「いずれは田城氏が追加候補として発表される見通しです。先の総選挙で青木愛議員の当選に向け尽力したことで、幹事長はJR東労組を高く評価しているのです」
(民主党関係者)
その田城氏の擁立にとりわけ熱心だったのは、幹事長の"腰巾着"こと山岡賢次国対委員長(66)。「12月17日に開かれた東労組の臨時中央委員会では、来賓の山岡議員が田城氏を
『即戦力で大歓迎』と激賞していました」(JR関係者)
小沢幹事長も、田城氏の来歴について聞かされた際、「白い猫でも黒い猫でもいいじゃないか。票が取れるのなら」と言い放ったという。
強者とイエスマンのコンビは、いよいよ手がつけられないようだ。
(週刊新潮、2010/1/21より要約)
「小沢王朝」の腰巾着こと山岡賢次
「相変わらず信念というものがない人で、何かを言って、小沢が逆の発言をすると、途端に『俺が言った通りだろう』と、平然と乗り換える。一方で『自分が小沢さんに教えているのだ』
などと影では言っています」(与党関係者) かの王朝国家では、こういった輩は往々にして粛清されるものなのだが・・・。
(週刊新潮、2010/4/1より要約) [目次へ戻る]
ブレーン不足 「暴くだけでなく巨大官庁のトップとしてどんな手綱さばきをみせるのか。まずは、火薬庫年金問題でお手並み拝見ですね」
そう話すのは、長妻昭厚生労働相から資料を出せ攻撃にあったきた厚労官僚である。
社会保険庁は来年1月、非公務員の組織「日本年金機構」に衣替えすることが自民党政権下で決まっている。
同機構は社保庁から移行する職員以外に民間人も採用、既に1076人の内定者がいるのだ。
民主党はこの年金機構に反対し、社保庁と国税庁を統合した歳入庁を創設するとマニフェストに掲げている。残り4ヶ月、厚労省関係者はこう話す。
「政権発足の数日前、民主党幹部は全面移行を禁止した場合のシミュレーションを提出させました。年金機構の発足時期を定めた政令の改正を、ぎりぎりの来年4月まで引張り、判断を先送りするのではないか」
厚労省幹部は予言する。「長妻さんは常識人なので官僚と協調できる人だが、ブレーン不足なのが痛い。半年で立ち往生するのではないか」
(サンデー毎日、2009/10/4より要約)
ヒステリーで自殺者? 「このまま長妻昭が突っ走ったら、社会保険庁から自殺者が出るかも知れないぞ。役所を責めるのはいいが、官僚を潰して本当に政治がやれるのか。
ヒステリーで自殺者を出したら、大問題になるよ」厚生労働行政に詳しい民主党関係者が語った言葉だ。
大村秀章・前副厚労相が言う。「厚労行政は日々の国民生活に直結していますから、政治はそれを上手に動かしていく責任があります。あそこが悪い、というスローガンだけなら誰でもできます。」
民主党内でも、長妻氏の暴走を食い止める秘策が検討されているという。関係者が言う。「彼が詳しいのは年金問題だけで、それ以外はいわば素人。そこで、野党に手を回し、臨時国会で、
年金以外、つまり医療や福祉、雇用問題などを、集中的に質問してもらったらどうかという案すら浮上しています。」年金問題以外に時間・労力を傾注させることで、
官僚いじめに熱中しがちな長妻氏のヒステリーを防ぐことが、民主党のためになるという高等戦術らしいのだ。
(サンデー毎日、2009/10/18より要約)
ミスター検討中 「やはり年金のこと以外は詳しくなかった。会見で何を聞かれても、検討しています、としか答えないので、今や『ミスター検討中』の異名をとっています」(政治評論家の有馬晴海氏)
まぁ、わが身にかかる期待の大きさを知っていればこそ、心労も重なるというものだろう。09年度補正予算と10年度当初予算の見直し作業に追いまくられ、4kgも体重が減ったそうな。
その理由について、「ズバリ、閣内での孤立もあると思いますよ」とは、厚労省関係者だ。「長妻さんは10月2日、雇用の創出が最重要事項だと表明。すると8日、ずっと暇をもて余してきた
菅国家戦略相が緊急雇用対策本部の立ち上げを決めたため、仕事を奪われたのです。また、自公政権で決まった『子育て応援特別手当』についても、仙谷行政刷新担当相に、それくらい削れ、と命じられて支給を
見合わせるこしとにしたのに、原口総務相から、地方自治体が混乱する、と批判される始末でした」
当初予算に11項目を盛り込んだことを長妻大臣が、官邸の指示だ、と明かしたところ、これも、「平野官房長官から、そうした事実はない、と否定され、梯子をはずされました」
「長妻さんは当選4回で、党内基盤もないため軽んじられている。周囲のスタンドプレーに翻弄され、テンパっているわけです」
藤井財務相は、内輪の席で長妻氏のことをこんな風に腐している。
「厚労省の官僚は、長妻が帰るまで役所から出られず、大臣在室のランプが消えると、それとばかりに帰宅する。ありゃまずいよな。長妻は介護、福祉、医療など、もっと勉強すべきだよ」
(週刊新潮、2009/10/29より要約)
貨物エレベーター逃亡事件 「政策を理解していないから、役人の言うことを鵜呑みにするしかない」(政治ジャーナリスト)
今月5日には、報道陣を呆れさせる事件が起きた。この日、長妻氏は菅国家戦略担当相と会談。緊急雇用対策に関する指針が示されると見られたため、多くのマスコミが内閣府の会議室前に集まった。
「部屋の出口はいくつかあるので、記者たちは手分けして張り込んでいました。ところが長妻大臣や同行の副大臣らは、誰もマークしていなかった貨物用エレベーターに乗り込んでしまったのです。
報道陣が、もみくちゃになりながら1階へ駆けつけた頃には、地下の駐車場から立ち去っていた」(厚労省担当記者)
厚労省に戻った長妻大臣は、待ち構えた数社の記者の囲み取材には応じた。
「しかし、担当記者の数が少ない社は対応できなかったので、再度、会見を開くよう要請。ところが、長妻氏はそれも断ってきたのです」(テレビ局記者)
ならば、大臣が退庁する時にぶら下がろうと、庁舎の玄関で待っていると、公用車が横付けされた。やっと現れると思いきや。
「反対の出口から、タクシーに乗って出て行ってしまったのです。記者たちは『公用車でカムフラージュするなんて、何なんだ!』と怒り心頭でした。自分でどこまで話していいか判断できないので、
イレギュラーの取材には応じたくないのでいょう」(同前)
(週刊文春、2009/10/22より要約)
独立行政法人を新設
10月26日に開幕した、今臨時国会で政府が出した法案は全部で12。その中に埋もれるようにして、看過すべからざる法案が潜り込んでいた。
"独立行政法人地域機能推進機構法案"これは、独立行政法人(独法)を新設する法案である。 要は独法の全廃を掲げながら、新たに独法を作ろうというわけだ。矛盾とは、正にこのことであろう。
独法の新設は、マニフェスト違反であるに留まらず、「新たに独法をつくれば、多数の理事を置く必要が出てきて、そこに官僚OBが天下ることが予想される。鳩山内閣では天下りを避けるために、
表向き"独法の役員人事については、暫くは公募で選ぶ"との方針を閣議決定していますが、裏を返せば、入口だけ公募の形を取り、"厳正なる公募審査の結果、官僚OBが理事に選ばれました"
という抜け道が用意されているのと同じ」(法人問題を追及してきた、ジャーナリストの若林亜紀氏)
(週刊新潮、2009/12/10より要約)
パフォーマンス
政権交代から約三ヶ月、すっかり評判の落ちた長妻昭厚生労働大臣(49)。決断力に欠けるその姿は、「ミスター検討中」と揶揄され、以前の代名詞だった「年金のプロ」という冠も、
「年金"だけの"プロ」と物笑いにされる始末。 「記者会見で医療問題について問われると、『それは足立信也政務官から』の一点張り」(厚労省担当記者)
今、長妻氏はパフォーマンスに躍起になっている。「今月6日、NHKの日曜討論に出演した長妻氏は、19日に省内に介護関連の企業を集めて就職説明会をやるとブチ上げた。でも、
何の根回しもしておらず、法人がどれだけ出展するかも決まっていない。担当の福祉基盤課もほとんど人が集まらない可能性もあると言っています」(厚労省関係者)
(週刊文春、2009/12/24より要約)
処分を受けた職員を再雇用
懲戒処分を受けた社会保険庁の職員を厚生労働省職員として再雇用する案が出ているが、これは自治労の意向が影響していると見られる。
自民党が売却・廃止を決定していた厚生年金病院、社会保険病院も新しい独立行政法人に移管して延命される見通しで、やはり自治労の影がちらつく。
(週刊ダイヤモンド、2009/12/5より要約)
薄れゆくばかりの存在感
長妻昭は、今年に入って積極的に視察を行っているという。1月30日には、都内の高齢者宅で介護ヘルパーを体験した。「視察に行くことは大変結構。でも、長妻さんの弱点が露呈するばかりで、見ていて辛いですよね」
とは、厚労省職員。
「エプロンを付けてやる気満々だったが、掃除機の使い方も分からず、布団干しもできず右往左往。極め付きは、お給仕した際、お婆さんに"お粥が好きなんですか"と話しかけ、
"私は、歯が無いもんで"と即答された時は周りも苦笑するばかりでした。政治家のわりに、人とコミュニケーションを取るのが苦手な人なんです」
大臣としての仕事ぶりはどうか。担当記者がいう。「年金以外は詳しくないので、"現状把握する"というのが口癖です。無駄のカットをやっていますが、何しろ党内に仲間が少ない。
菅財務相らに直談判し、財源を確保することもない。「とにかく、情報が漏れることを極度に恐れているみたいです」と、別の記者が語る。
「大臣就任以来、記者との懇談はゼロです。オフレコ発言が漏れて揚げ足を取られるのが嫌なのかもしれません。厚労省の政策会議も取材禁止。部屋の外での"壁耳"すら許されません。
野党時代は、年金問題で被害者を呼び、頻繁に会見を開いていたのに。この変わりようは、一体、何なんですかね・・・・・」さらには、こんな声まで出る始末・・・。
「一番失望したのは、小沢幹事長のカネの問題への対応です。昔は、不正は絶対に許さないという姿勢の政治家だったのに、いくら会見で質問しても、決まって"幹事長が折に触れて説明するんじゃないでしょうか"
とおどおどしながら答えるばかりでした。そんなに小沢から睨まれるのが怖いのでしょうかね」(同)早い話、長妻昭は、真面目な性格というより、そもそも"大臣の器"ではなかったようである。
(週刊新潮、2010/3/11より要約)
ミスター年金は「ミスター年金記録」だった! 6年以上も「年金改革」を掲げて、ようやく政権の座についた民主党ですが、年金議論はまるで進んでいません。
民主党の年金案を指揮する立場にある長妻昭厚労相は「ミスター年金」と呼ばれていますが、実は、ここにも「ひっかけ問題」があるのです。
これは、彼が追及してきたのは、「消えた年金記録」問題という、事務処理上の不備や不正であって、年金制度の専門家ではなかったことを思い出す必要があります。
(週刊文春、細野真宏、2010/6/10より要約)
もはや軽蔑 就任当初から日に日に期待が失望へと変わっているのは、長妻昭厚労相だ。
「官僚には、『始業時間を守れ、残業はするな』というくせに、自分は平気で会議に遅れる。大臣が十、二十分遅れると、一番下の若手官僚では計一時間ものロスが出てくるんです。それでいて、
一言も謝罪することはないんだから、もはや軽蔑されている」(厚労省関係者)
(週刊文春、2010/6/17より要約) [目次へ戻る]
「政権交代で自民系の知事は苦労しています。陳情が民主党に一元化され、官僚とのパイプを失ったため、政府との直接のパイプづくりに奔走しています」(政治部記者)
その焦りを見透かしたように、知事に寄付を募る閣僚がいる。前原誠司国交相である。
寄付の要請が確認できたのは岩手、長野、奈良、鳥取、愛媛、佐賀、熊本、宮崎の八県。いずれも公共事業の依存度が高い中山間地域を多く抱えている。
「長野の浅川ダムは建設是非の検証が求められ、佐賀の城原川ダムは見直しの対象になりました。鳥取の山陰道、宮崎の東九州自動車道は地元にとって悲願の事業です。危機感を募らせた知事たちは
この数ヶ月、国交省に何度も足を運びました」(同前)長野県庁に前原後援会の文書が届いたのは先月27日。村井知事が受け取った。同じ時期、鳥取県の平井知事の元にも届く。
平井知事は前原大臣を三度訪ね、予算の上積みを繰返し求めていた。「特別賛助会費の振込用紙が届きましたが、寄付は行っておりません」(愛媛県庁秘書課)
「こういう寄付の話は始めてですね。知事に渡したら、少し笑っておられた」(佐賀県庁秘書課) 実際に寄付をしたのは、宮崎県の東国原知事だ。
「最近は中立の立場であることをやたらと強調している」(県政関係者)というから、昨年の衆院選前、「自民党総裁候補なら」と売り込んだ姿からは想像もつなかい変貌ぶりだ。
政治アナリストの伊藤惇夫氏が警告する。「国交大臣の立場で知事に寄付を募れば、権力を利用した金集めと言われても仕方がない。民主党は政権与党になってから、全般的に権力を乱用する傾向が強いですね。
権力は抑制的でなければいけないはずなのに、わかっていません」
(週刊文春、2010/2/25より要約)
「おれが総理だったら・・・」ああ、本日もカン違い
国土交通省が公共事業の実施場所を民主党だけに通知していた「個所付けバラ撒き」問題で、監督責任を問われている前原誠司国交相。だが、思いのほか、意気軒昂のようで・・・。
前原氏は、2月28日のテレビ番組で、「支持率も下がり、地方選挙も負けている状況では国民の歴史的な負託には応えられない。鳩山首相も小沢幹事長も何をすべきか考えてもらいたい」
と、暗に小沢一郎の幹事長辞任を求めている。その裏には、隠しきれない野心が存在しているようだ。「小沢が辞任して小沢支配が弱まれば、鳩山政権は弱体化する。そのときに、党内の
反小沢勢力の受皿になり、次期首相候補になるのは自分だという自負の表れ。党内では、そう受け取られててます。前原氏は最近では『鳩山は判断ができない、フラフラしている』と首相批判をはじめ、
『俺が総理になったら』とまで周囲に話しているそうです。冗談めかしながらも『(細野)剛志の官房長官はないな』などと政権構想も口にしたことが、党内で話題になりました」(民主党担当記者)
だが、前原氏のこうした言動に、「政権を支える閣僚として不見識だ」(民主党議員)という意見も少なくない。
「JAL問題のときに都銀幹部との会合で、前原さんはノープランのまま登場し、
『これでは交渉にならない』と都銀幹部がみな驚いたことがありました。国交省で前原さんについたあだ名が『殿』。格好いいことは言うけど、実際にどうするか考えていない。
下々が後始末に奔走しているです」(国交省担当記者)
ハッ場ダム中止問題も地域住民との対立から迷走が続き、「羽田空港のハブ化」構想、沖縄北方担当大臣として発言した「北方領土は不法占拠」という問題も、ぶち上げたものの後が続いていない。
それは政局にも当てはまる。民主党議員が語る。「前原さんは小沢批判しても掛け声だけで、戦略的にやっているわけではない。前原さんに付いていったら、最後まで面倒をみてくれるという雰囲気もない。
小沢がいいとは思わないけど、前原待望論も盛り上がっていません」
ある政治評論家は、こう語る。「今の前原さんには、焦りを感じます。小沢の土地購入問題が起きた当初は、小沢は幹事長をやめるべき、という趣旨の発言をしながら、小沢逮捕がないとなると、
『お辞めになる必要はない』。鳩山首相なみに発言がブレているのです。
(週刊文春、2010/3/11より要約)
ベトナムでこけた
「一体、何しに来たんだ」ベトナムを訪問した前原誠司国交相は陰口を叩かれていた。ベトナム政府は、日本の支援を得てハノイ-ホーチミン間1600kmを結ぶ南北高速鉄道を建設し、2020年の
部分開業を目指している。その資金協議のために、訪越した彼は視察先のハノイ駅で停車中の列車に乗りご満悦だった。
既に、ベトナム政府は日本の新幹線技術の採用を決定し、残るは議会の承認を得るだけ。トップセールスは、歓迎のうちに幕を閉じたかのように見えた。が、前原国交相の帰国後、ベトナム政府の高官が
オフレコで冒頭の言葉を漏らした。現地記者の解説。「高速鉄道の総工費は、約5兆3000億円。ベトナム政府は、日本から具体的に支援額の提示があると期待したが、前原国交相は『ベトナム側の資金
メドがつかないと、話が前に進まない』と言っただけでした」ベトナムにすれば、完全に期待はずれで、資金協議に手ぶらで来た前原さんには、何の用もないのだ。
「この15年間、日本はベトナムに毎年1000億円近い経済援助を続けているが、鉄道建設の資金はこれとは別。厳しい自然環境などで、開通が危ぶまれており、援助が全て無駄になるリスクも
ある」(同)
「原発建設の受注を確実にしたロシアは、ベトナムのレアメタル獲得を視野に入れて、潜水艦の売却まで約束した。前原国交相も、なにか手土産を持ってくるべきでした」(同)
(週刊新潮、2010/5/20より要約)
手腕に疑問符
再任組みのなかには、手腕に疑問符がついている閣僚もいる。その筆頭が前原誠司国交相だ。「八ッ場ダム、JAL、高速料金など、最初は威勢のいいことを言うが、何ら打開策を見だせていない。
大臣のせいで馬渕澄夫副大臣が尻拭いに追われている。小沢氏への伝達役をしたり、省外の調整役を押し付けられ、さすがに嫌気がさしているそうです。今回の代表選で支持してもらった手前、菅首相も
再任せざるをえなかったのでしょう」(国交省関係者)
(週刊文春、2010/6/17より要約)
閣僚パーティ自粛規範を完全無視する「前原国交相」
自民党政権下で決めた閣僚の政治資金パーティ自粛規範など守るに足らずということか。閣議決定を完全に無視して、前原誠司国交相は資金集めのパーティを開いていた。
さる5月19日、ホテルニューオータニで、前原国交相の「東京後援会総会」が開催された。会費は1人2万円。出席者の1人が言う。「巨大利権官庁である国交省の大臣だけあって
ざっと300人は来ていましたね」
ここで改めて思い出すべきは、01年に閣議決定された閣僚や政務官の大規模政治資金パーティの自粛規範だろう。さる政治ジャーナリストが言う。
「鳩山政権が発足してから、赤松農相、原口総務相、菅副総理、岡田外相らが資金集めパーティを開きました。自粛規範は自民党政権下で決めたことだし、小規模のパーティなら構わないという理屈です。
朝食会などの形を借りて、記者や他の議員を入れず、目立たないようにやっています」
「民主党は昨年の総選挙前、マニフェストに、3年以内の企業・団体献金の禁止と政治資金集めのパーティ禁止を謳いました。その一方で、1人2万円ものパーティを開いていたのでは、
批判は免れません」(政治部記者)
先の政治ジャーナリストはこう語る。「5月に行われた民主党本部でのマニフェスト見直し作業では、企業・団体献金、政治資金集めのパーティ禁止などに触れなかったのです。
民主党議員の多くも、本音では資金集めのパーティを止めたくないんですよ」
出来ないことを出来ると言って国民に幻想を振りまくのは、トップと同じ、やはり「幼稚園」だ。
(週刊新潮、2010/6/3より要約)
事務所費「年間5,610円」の怪
新橋駅から西へ約500mの路地の一角に、9階建てのビルがある。その2階部分、司法書士事務所などが入るフロアが、政治団体である前原グループ(凌雲会)の「主たる事務所の所在地」だ。
この政策グループは「平たく言えば前原氏を首相にするための集団で、『非小沢』が特徴」(政治ジャーナリスト)。前原グループの「カネ」に奇妙な事実が浮かんだ。
凌雲会が総務省に提出した政治資金収支報告書(08年分)によると、同会の代表者は仙谷氏で、会計責任者は枝野氏が務める。注目すべきは「事務所費」の項目だ。都心のビルに事務所が
あるにもかかわらず、わずか年間5,610円。関係者によると、2階フロアの賃貸料は月額60万円弱だという。凌雲会以外の誰かがその分を負担していることになる。
この場所には凌雲会に加え、仙谷氏の資金管理団体「制度改革フォーラム」、同氏の政治団体「21世紀改革研究会」、同じく「仙谷由人全国後援会」が主たる事務所を置いている。
21世紀改革研究会が08年に事務所費126万円計上している以外は、事務所費はゼロ。まずは総務省の見解。「政治資金規正法の規定では、物品や労務などの金銭によらない寄付でも、年間5万円を
超える場合には、その実態に応じて政治資金収支報告しに記載しなければなりません。たとえば、100万円の家賃のうち10万円しか負担していないとすれば、残りの90万円が寄付に該当します。
違反した場合には、虚偽記載や不記載などの罰則があります」(政治資金課)
政治資金問題に詳しい国会議員秘書が言う。「ビルの2階に『間借り』しているうえに、年間5,610円と少額ながらも事務所費を計上しているのですから、この場所を拠点に政治活動
しているとみなすことができます。無償提供だろうが一部負担だろうが、寄付という形で収支報告書に載せていないのは非常に疑問ですね」
(サンデー毎日、2010/8/8より要約)
選挙総括よりエビマオ結婚式、「前原国交相」は大臣失格
前原誠司・国土交通省(48)が批判にさらされている。参院選の敗北を総括する民主党両院議員総会を欠席。市川海老蔵と小林麻央の結婚式に馳せ参じたからだ。本人は「批判は甘んじて受ける」と
言うが、「大臣失格」と党内外で非難の声が高まるばかり。
「よりによって両院議員総会をほっぽらかして、テレビショーのような芸能人の結婚式に出たのはどうかと思いますよ」こう吐き捨てるのは、民主党のベテラン国会議員。
羽織袴姿で細君同伴で披露宴に現れた前原国交相はご機嫌そのもの。その日、菅総理は批判の嵐にさらされ、まるでサンドバッグ状態だった。一方、内閣の一員である前原大臣は、雛壇に登り、
にこやかに鏡割りに参加したのである。いくら総会への参加が、国会議員の義務ではないとはいえ、党員としては当然の義務。面白いはずはない。
前原国交相に対する批判は党内からだけではない。「海老蔵さんと麻央さんの披露宴に出席されたというニュースを見たときはびっくりしました。そんな時間があったら、早く八ッ場ダムの問題を
何とかして欲しいですよ」というのは、川原湯温泉の土産物店の老店主である。昨年、前原国交相は、ダム建設中止を突然表明。その後、未だ方向性が見だせていないのはご承知の通り。
「前原さんは去年の9月、こちらに視察に来られた時、『地元のことを考え、代案を出します。何度も足を運ぶ』と言って下さった。ところが一向に進展はありません。そんな中、芸能人の披露宴に出席するなんて、
本当にがっかりしました」
前原大臣のやることなすこと、成果が上がっていないという声は多い。「そもそも八ッ場問題をこじらせたのは前原さんが『マニフェストに基づいて』と冷酷な判断をしようとしたからですし、
高速道路の無料化にしても財源をどうするかで問題山積。JALの再建でも、国際線を巡る発言で散々迷走させたのは前原さんでした。彼の実績は見当たりませんね」というのは政治アナリストの
伊藤惇夫氏。「そんな彼が、両院議員総会が行われる中で披露宴に出たことに違和感を持っている人は沢山いるでしょう。総会は、党運営のみならず、政権の信任不信任も話し合われるぐらい重要なものです」
将来の総理といわれるがその前に「大臣失格」。
(週刊新潮、2010/8/12より要約) [目次へ戻る]
「言行不一致ではないか」と永田町で不評を買っている一件がある。野党議員の話。「枝野氏の政治団体『アッチェル・えだの幸男と21世紀をつくる会』は財務省の天下り法人『財団法人・印刷朝陽会』
(東京都北区)のある理事から毎年のように献金を受けています。枝野氏は天下り批判の急先鋒ですが、これでは厚顔無恥としか言いようがありませんよ」
ある理事というのは、西坂信氏だ。西坂氏は1998年に同法人の理事に就任、現在は6期目。枝野氏の「21世紀をつくる会」の政治資金収支報告書によると、西坂氏は少なくとも
06年から08年までの3年間で計420万円を献金。「印刷朝陽会」は財務省所管の公益法人で、歴代トップが財務省の天下り役人で、現理事長は元大蔵省関税局長。
朝陽会では枝野氏の親戚までも評議員を勤めていることが分かった。まさに枝野ファミリーの「ファミリー法人」といった様相だ。
事業仕分けの舞台裏で、枝野氏と天下り法人との間に「不適切な関係」があったという構図だ。西坂氏によると、枝野氏が行政刷新担当相に就任した後も、「21世紀をつくる会」への献金
の中止や理事長の退任は考えなかったという。
枝野氏は本誌の取材に文書でこう回答した。「ご指摘の当団体の政治資金について、政治資金規正法に則り、適正に処理しております」
天下り法人理事から献金を受け取ることの適否についても尋ねたが、返答はなし。クリーンな幹事長が売りならばここはぜひ、枝野氏のつまびらかな「正論」を聞きたいものだ。
(サンデー毎日、2010/6/27より要約)
「枝野幸男」の福耳に世間の声が届かない つい半年前まで、小沢前幹事長に「ケジメ」を問うていたのは、誰あろう、枝野幸男幹事長(46)だった。
だが、当のご本人は参院選の敗北を受けても、今もって幹事長の地位にしがみついている。世間の批判も立派な福耳には届かないのか。
小沢幹事長の政治とカネの問題で、内閣支持率が急落すると、「反小沢」の急先鋒だった枝野幹事長はケジメを求めた。「区切りがついたら国民に説明し、理解を得られなければ一定のケジメを
つけていただかないといけない」「やましいことがないというなら、あらゆることを公開して国民の信頼を取り戻す必要がある。それができないなら、身を引くことも含めケジメをつけることが必要だ」
だが、いまや、「ケジメ」から最も遠い存在が、枝野幹事長であるのは間違いあるまい。政治部記者が解説する。「枝野さん自身、一時は、幹事長辞任を覚悟していました。参院選の最中、厳しい
情勢調査の結果を目の当りにし、『誰かが責任を取らなくてはならない』と漏らしていたそうです。しかし、菅総理と仙谷官房長官が慰留した。もし、枝野さんが辞めると『ドミノ倒し』に責任論が
拡大し、挙げ句、菅総理が辞任に追い込まれることを怖れたんですよ」果たして、参院選で示された民意などそっちのけで、菅民主党の執行部は誰一人としてその敗北の責任を取ろうとしない。
(週刊新潮、2010/7/29より要約)
枝野幸男が交わした「魔の契約」
ここに文書がある。こう記されている。「『第41回衆議院議員選挙』立候補予定者の推薦に関する覚書」衆院選の立候補者と労働組合との間で交わされた文書である。
契約日は、96年8月24日。第41回衆議院議員選挙が行われたのは、96年10月20日。立候補予定者の署名は枝野幸男。
枝野は民主党の結成に参画し、今年2月には行政刷新担当大臣に就任、菅政権の誕生に際しては、幹事長に就いたのは衆知の通り。
問題の「覚書」が交わされた96年8月だが、枝野はどんな状況の下にあったか。国会議員は2期目の選挙が一番難しいと言われるが、枝野はまさに、その一番難しい選挙を迎えていた。
組織を持つ労働組合の推薦を得て、一票でも多くの票を得たいと考えていた。実際、この選挙では苦戦、辛うじて比例で復活当選している。
問題は、枝野が「推薦」を求めた相手、すなわち「覚書」のもう一方の当事者である労働組合である。「JR東労組東京地本本部とJR東労組大宮支部」。
これが文書に記されている組合の名称である。枝野と並んで署名捺印しているのは、JR東労組大宮支部執行委員長であったA(53)なる人物。02年11月2日にAの名前が新聞各紙に登場した。
たとえば朝日新聞東京版では、「JR東労組幹部ら逮捕、退職強要容疑。A容疑者がJR東労組内の『マングローブ』と呼ばれる革マル派組織の幹部で、事件の中心人物とみている」
この記事を理解できる人は、多くはいないだろう。まず、「浦和電車区事件」を説明しておこう。2000年末から翌年夏にかけて、JR東労組に所属していた運転士(28)を、
他の組合の人間と交遊したことなどを理由に、Aらの役員が、「裏切り者!組織破壊者!」「責任をとって組合を辞めろ。会社も辞めろということだ」「オレは革マルだ、ふざけんなよ」
などと繰返し恫喝、脅迫し、JR東日本を退職に追いやった。これが事件の概要である。07年7月、一審で東京地裁は、「犯行態様も、被害者に組合脱退を迫ることを機関決定して一般組合員に周知し、
いわば組合ぐるみで、一か月以上の間に8回にわたって罵声を浴びせるなどして組合脱退を強要したという計画的、組織的、執拗な犯行である」と断定し、有罪判決を下している。
話を問題の「覚書」に戻そう。民主党の枝野幸男幹事長が、「覚書」を交わした相手は、極左暴力集団「革マル派活動家が相当浸透している」労働組合なのである。
さらに、「覚書」に署名捺印しているAは、警視庁公安部が革マル派のJR内の秘密組織「マングローブ」の幹部と判断している人物で、「浦和電車区事件」の首謀者として、逮捕され、一、二審で
有罪判決を受けている刑事被告人なのだ。相手がどんな組織であろうが、票さえ回してもらえるなら「推薦」をもらう。
「覚書」には、看過できない部分がある。それは、3点にわたる確認事項の冒頭の一項。そこには、「わたし(枝野氏を指す)は、JR東労組の掲げる綱領を理解し、連帯して活動します」
と書かれているのだ。枝野は、ここで、JR総連・JR東労組と「連帯して活動」すると「誓約」しているのである。「誓約」の見返りは何だったのか?
枝野の政治資金管理団体「21世紀都市文化フォーラム」には、この「覚書」が交わされた96年から、JR総連及びJR東労組からの資金提供が始まり、99年までの4年間で総額404万円となっている。
枝野と両組合との関係を見ると、06年11月「えん罪・JR電車区事件から4年、完全無罪をかちとる」埼玉県集会で講演。まさに契約を交わした相手、Aのための活動と言え、「連帯して活動」
するという枝野の「誓約」は実行されているように見える。これは組織を事実上掌握し、影響力を行使している革マル派とも「連帯して行動」していることを意味しないだろうか?
佐藤勉・衆議院議員は、こう指摘する。「与党幹事長が革マル派と関わりがあるとすれば、もはや政府としての機能が果たせないと言わざるを得ません。民主主義を否定する集団と、契約書を交わしたということになれば、
連絡を取り合いながら、その集団が政治を動かすというのはあり得る話です。私は、JR総連に所属する田城郁氏が、今回の参院選で、民主党の公認を受け、立候補したことも問題だと思っています。」
警察当局が革マル派幹部とみている人物との覚書は、表に出したくなかった「魔の契約」と言えるだろう。
(新潮45、山村杳樹、2010/8より要約) [目次へ戻る]
愛知8区の伴野豊氏(48)に関する怪文書がばら撒かれた。都内のマンションに住む女性のもとに宿泊する様子が写真と共に掲載されている。
実は本誌は、怪文書の1ヶ月ほど前に、女性の存在を知り、伴野氏を直撃していた。 最初、宿泊した事実も認めず、「本を返しに行っただけです。で、朝また、返し忘れたものがあるから行った。」
しかし、女性の家に伴野氏の着替えの背広が用意されていることなどを、記者が畳み掛けて聞くと、渋々宿泊は認めた。「私の不徳の致すところということであれば、それはそれで認めますよ、
そこはね。だけどそれ以上のものって何か逆にあるんですか。」伴野氏の逆切れにもめげず、記者は女性との関係を質(ただ)す。伴野氏はついにこう語った。
「そんなこと普通答えると思います?僕にとっては非常に個人的なことですよ。公人として何やってるんだ、というお叱りは受けるし、どちらからというと家族から受けるでしょうね。それはもう覚悟してますから。」
(週刊文春、2009/10/1より要約) [目次へ戻る]
コスプレ風俗ライターに、変態映画でのフルヌード。次から次へと仰天過去が暴露される田中美絵子衆院議員(33)。「マスコミ対策に小沢事務所にいた女性秘書が田中事務所に入りました。
小沢側近の松本謙公氏も彼女のボディガードをしている」(政治部記者) 彼女は金沢のお嬢様高校に進学する。「大学進学を目指していた。よく、東京に行きたい、と口にしていました。」(同級生)
しかし、世間の荒波は厳しく、添乗員や体を張ったアルバイトで生計を立てた田中氏。その頃の経験を生かして、[格差社会の是正と雇用の安定]を訴え、多くの有権者の支持を得た。
しかし、シンデレラストーリーを地で行く田中氏とは裏腹に、彼女の身内には、格差社会の蟻地獄から抜け出せない男がいる。「実は田中氏の叔父は無賃乗車、無銭飲食で二度もお縄になっているんです」
(地元政界関係者)叔父は、タクシー運賃9070円を支払わず、詐欺の現行犯で逮捕された。今年1月にも、ラーメン店で千円程度の代金を支払わず、警察を呼んでくれ、と店員に伝え、現行犯で逮捕されている。
叔父は06年頃から車上生活を続けていたようで、逮捕の際は「金がなくて、刑務所に入りたかった」と供述していたという。田中氏の政策に最も期待しているのは叔父かもしれない。
(週刊文春、2009/10/1より要約)
一新会先輩に「一体何サマなんですか」
「コスプレ風俗ライター」「フルヌード」の過去が明るみに。すっかり"色物扱い"された田中美絵子が、2月24日厚生労働委員会で、初めて国会質問に立った。
「テレビCMに長妻大臣が出て制度の宣伝をしてはいかがですか?」と提案したのに対し、長妻昭厚労相が、「テレビCMは莫大なお金がかかると聞いています。それに税金をかけるのはどうかと思いますが」
とあっさり却下する一幕も。
党内における彼女の評判は、決して芳しいものではない。「スキャンダルをきっかけに、マスコミを遠ざけ、党内で孤立する様子は、かつての姫井由美子とだぶります。
だから、姫井氏のように離党騒ぎを起こさないよう、新人研修では、小沢氏最側近である松木謙公氏の班に入れるなど、小沢系議員も配慮しています。それでも、永田町で仲良くしているのは、
同期の三宅雪子氏くらいですが」(民主党担当記者)
田中美絵子が孤立しているのは、本人の問題が大きいようだ。昨年末、こんな"事件"が起きていた。一新会の先輩議員A氏が、田中美絵子に仕事のアドバイスをしたところ、
「一体、何サマのつもりなんですか!」とキレたというのだ。幹事長に居座り続ける小沢氏に、「何サマのつもりなんですか」と言えば、永田町での株は急上昇するのだが・・・・・。
(週刊文春、2010/3/11り要約)
愛読書は「坂の上の雪」?
日露戦争前後の時代を生きる日本人の精神を活写した国民的小説「坂の上の雲」。司馬遼太郎の代表作として名高い本作を愛読書に挙げる政界人も少なくない。
田中美絵子もその例に漏れない。有権者に配る名刺の裏にもホラ、この通り!そこにあるのは「坂の上の雪」なる知られざる奇書の名。
(週刊文春、2010/9/16)より要約) [目次へ戻る]
鳩山政権発足時から、過激な発言で物議を醸している「亀」(72)。それもそのはず、「キューバ革命を率いたチェ・ゲバラの信奉者で、事務所に肖像画を飾っているのを見て、驚いた人がいるほど」(政治部記者)
最近も、きわどい発言を連発している。10月13日の閣議後会見でのこと。「福島のおばちゃん、おっと失礼、彼女から無視していると言われるのも困るしね」
福島瑞穂消費者相ともしっかり連携しているとの趣旨で、こう述べたのだ。 別の日には、鳩山総理ら閣僚との間に、意見のずれが生じているのではないかとの懸念に対して、
「愛を温めて結婚(連立のこと)したんですからね。熱い熱いハネムーンが続いているんですよ」と、何とも気味の悪い比喩を披露。さらに、中小企業向け融資などの返済を3年間猶予するモラトリアム法案を
ぶち上げたことについて、発言当初、猶予ではなく、借金帳消し、等の印象を与えたのではないかとの旨の質問には、「朝日新聞が誤解を受けるような報道をした」と一喝。
「そんな報道はしていません」と記者が返すと、「それならそれで、いいじゃん!」あくまで自身には非はないと譲らず、「亀甲」の如く固い姿勢を見せる一幕もあったのだ。
民主党諸氏は、長寿の象徴であるはずの「亀」の舌禍が、鳩山政権を短命に終わらせることがないよう願っているのだという。
(週刊新潮、2009/10/29より要約)
今さらジロー 亀井静香・郵政担当相(72)が日本郵政の社長に元大蔵事務次官の斉藤次郎氏(73)を指名した。「今さらジロー」と馬鹿にされるのも当然である。自民党関係者によれば、「92年、宮沢政権下で当時、
亀井氏は政調副会長として大型補正予算を組んだ。この時、主計局長だったのが斉藤氏です。当初、総事業規模は7兆円程度と言われていました。ところが、亀井氏が斉藤氏に無理を言って、最終的に約11兆円
膨らんだのは有名な話です」亀井氏にとって彼は、言うことをきく愛(う)いやつだったのだ。
(週刊文春、2009/10/1より要約)
天下り問題 人事には常に大きなメッセージ性がある。「実務の仕事は公社時代通り、郵政省の天下りと郵政のプローパーのペースですべてやっていきます」というメッセージである。
要するに、「郵政を厳しく改革する人は要らない、郵政ファミリーの居心地を良くする人を残す」というメッセージだ。「郵政ファミリーの、郵政ファミリーによる、郵政ファミリーのための人事」であり、
結局はすべて将来の国民負担を増すことになる。
(日経新聞、大機小機、2009.11.18より要約) [目次へ戻る]
一事が万事、とはよく言ったものである。民主党、国民新党との3党連立合意文書に、小学生みたいな文字でサインした社民党の福島瑞穂党首。その"幼稚性"は、大臣就任後も遺憾なく発揮されているのだ。
自社さ政権の98年以来、11年ぶりに政権に復帰できたわけだから、欣喜雀躍するのも無理はない。福島瑞穂の喜色満面の姿は、見ているこちらが赤面してしまうほど。
例えば10月の出版記念講演会を行った彼女は、対談の中で、こう宣うている。「私は、男女参画担当の大臣でもある。ウヒヒッというか、嬉しくてしょうがない」
まるで恋する乙女のの如く、ここまで無邪気に大臣の座を手に入れたことをはしゃがれては、「ウヒヒッ」ならぬ「トホホッ」である。 ちなみに、瑞穂嬢は御歳53。
さらに、「例えば子育て支援のビジョンを作る場合は、長妻大臣と話したり。だから、いろんな大臣の携帯電話の番号をゲットして、いろいろと働き掛けることができるんです」
これまた女子高生のように、携帯電話の番号収集に勤しむ喜びを、明け透けに開陳した瑞穂嬢。そんな彼女に、太宰治の著書から、箴言を一つお贈りしておこう。「無邪気と悪魔は紙一重である」
(週刊新潮、2009/10/29より要約)
社民党内も格差社会 社民党関係者の間では、こつこつ貯める「みずほ銀行」と言われているそうな。福島瑞穂・消費者相の総資産は、なんと2億5千万円也。
鳩山総理と17人の閣僚の資産が公開されたのは10月23日のこと。1位は鳩山総理で約14.4億円だった。 だが、意外や意外、2位に入ったのは福島瑞穂なのだ。その内訳は、定期預金1億1480万円、
郵便貯金900万円、投資信託等が2005万円、年金型金融商品は7200万円、といった按配。ちなみに、「昼食は300円のうどんを食べている」(関係者)という辻本清美・国交副大臣の資産はゼロ。
何とも対照的ではないか。98年、土井たか子・社民党党首に誘われて参院選に出馬、初当選した。 社民党関係者が語る。「政治家は選挙費用に一番お金がかかりますが、彼女は有名人候補と同じ扱い。
党が面倒を見てくれますから、出費も大してないはず。清貧の社民党は、会合も質素になる。党首になって6年、お金を使う暇もないのでしよう。」大臣になったことで、さらに給料アップ。
ある社民党議員の秘書ははいう。「福島さんに対しては、党内にも党首をやる以上、参院なら選挙区、もしくは衆院に鞍替えして勝負すべきという意見があります。しかし、彼女は、当選する自信がないから、そういう提案は受け付けません」
(週刊新潮、2009/11/5より要約)
マニフェストなしで進行「外国人参政権」「夫婦別姓」
民主党はマニフェストに載っていない、この2政策を強力に推し進めているのだ。参政権については、「総選挙で勝利した直後に、小沢幹事長が民団(在日韓国人の民族団体)の事務方と面会するなど、
永住外国人の地方参政権付与に積極的。今国会でも、小沢氏の側近である山岡国体委員長が参政権付与法案の提出を試みた」(政治部記者)また夫婦別姓にに関しても、「福島消費者相や千葉法相が導入に
前のめりで、長年、事実婚を貫いている福島サンに至っては、"選択的夫婦別姓が実現すれば、すぐに入籍する"と、はしゃいでいるほどです」(同)これに対し、まず参政権導入の動きを日大法学部の
百地章教授(憲法学)が指弾する。「永住外国人に地方参政権を与えたら、対馬、沖縄などの国境の島に韓国人や中国人の利益を代弁する首長や地方議員が誕生する可能性もあり、非常に危険」
民主党の石破茂成長会長が、夫婦別姓に付いて異議を唱える。「姓名に対する日本独自の文化を否定し、家族・夫婦の絆をバラバラにして、好き勝手に生きればいいなんて寒々とした社会を日本は目指すべきで
ありません。そもそも、マニフェストに書いてない、すなわち国民と何の約束もしていない政策を進める正当性は一体どこにあるのでしようか」
(週刊新潮、2009/12/10より要約)
「福島党首は責任を取らない」と幹部も嘆息する 言うまでもないが、社民党は参院選挙をやる度に議席を減らしている。「護憲・平和の党」をアピールしても、
世間では時代遅れ。気になるのは、福島さんの責任問題である。「先日、阿部知子・政審会長の会見で、担当記者が改選議席を下回った場合の党首の責任について質問したところ『ホントは党首の責任論もあるべきなんでしようけど、
それがないのがうちの党なのよ』と言い、『だって考えてみて。衆院選(03年)で12議席減らしたときの幹事長が福島さん。彼女はあの時、責任を取るどころか党首になったのよ』とボヤいてました」
(社民党関係者)
(週刊新潮、2010/7/15より要約)
辻元離党でも「福島瑞穂」党首で保身した社民カタストロフィー
「理念に殉ずる」とは聞こえはいいが、そんな正論ばかりの党首に見切りをつけたのが辻元清美議員(50)。愛想を尽かされた側は危機感ゼロで保身に汲々。さらにウソまでついていたというのだから、
行く末はカタストロフィーでしかない。
さる7月29日に開かれた社民党の常任幹事会。席上、集中砲火を浴びたのは、福島瑞穂党首(54)であった。政治部記者が言う。
「辻本議員の離党に付いて照屋国対委員長から『いつ知ったのか』と詰め寄られた福島党首は『7月26日』とかわしながら、『その日の夕方に会いたいと聞いていたが、自分も体調が悪く予定をキャンセルした』
と説明。結局、翌日の午前に2人は会談し、直後に辻元議員は離党会見に臨むことになったのです」が、実はこの福島発言は全くのつくり話であるという。党事情通が明かす。
「辻元さんの意向については、そのずっと前に福島さんの耳に届いていました。にもかかわらが、事態を放置してきたのです」何もできなかったのではなく、敢えて何もしなかったという。
「福島さんが党首に就任した時から、こういった事態になるのは目に見えていました」そう明かすのは、社会党時代に初当選し、すでに引退した元女性議員である。
「なにしろ彼女は『わが道を行く』方です。社会党はかつて労働者の声を代表する政党でしたが、今はまるで沖縄の地域政党のよう」
意に沿わない「はみだし者」を追いやって意気軒昂といったところか。が、これこそ天に唾する行為だとみるのは、政治評論家の浅川博忠氏である。「社民党の国会議員は、連立を離脱したくなかったのです。
彼らに聞くと『福島さんは改選議員だから、自分だけ助かればいいと思ったのだろう』という。このままいくと、党は潰える可能性が高く、人望もない福島さんの選挙も厳しくなるでしょうから、
議院生活は今回限りとなるおそれがある。その意味では、辻元さんが『肉を切らせて骨を断つ』という形で終えたともいえます」まもなく党首には「壊し屋」の称号が冠せられそうなのだ。
(週刊新潮、2010/8/12より要約) [目次へ戻る]
「殿下の思いが少しは入ったお言葉を頂くような工夫ができないものか、考えてもらいたい」国会開会直前の23日の閣僚懇談会で、開会式での天皇殿下のお言葉について、こんな持論を展開したのは周知の通り。
これには、与野党、そして宮内庁からも批判が続出し、ジャーナリストの山際澄夫氏には、「『政権交代おめでとう。国民とともにお喜びいたします』とでも言ってほしかったのでしょうか。
岡田さんは思い上がってしまったのか、口が滑ったのか」と一喝される始末。だが今回の一件は、殿下に対する僭越な『不敬』発言であるに留まらず、「総理との間の『溝』を浮き彫りにした形で、
岡田外相にとって深刻な事態なんです」(外務省幹部)『東アジア共同体』構想を巡る見解の齟齬に、端をはっしている問題だという。「彼が、7日の公演で共同体に米国をいれることは考えていない旨を述べたのに対し、
米国側が不快感を示した。まずいと考えた鳩山総理はASEAN首脳の前で、米国も関与してほしいと強調。この鳩山発言の内容を知った岡田氏が怒っているようだ、と総理側に伝えられた」
「『そんな奴を擁護する必要はない』と考えたらしく、鳩山総理は岡田発言を、『殿下のお気持ちを推し量ることはできない。コメントすべきでなかった』と批判したんです」
(週刊新潮、2009/11/5より要約)
外国人参政権は結党以来の悲願
マニフェストにこそ書かれていないけれど、定住外国人へ地方参政権を与えることは、民主党のいわば党是で、昨年度の「政策集INDEX」にも明記されている。
さる政治部記者は、「鳩山さんと小沢さんも賛成でしたが、菅新内閣も賛成の立場。岡田外相など『結党以来の悲願』と公言しているほど」と言うし、日本大学の百地章教授も、「国民ならぬ市民自治を主張
してきた菅氏は、外国人参政権にも賛成の立場を取り続けている」
ちなみに、岡田外相は民主党の「在日韓国人をはじめとする永住外国人住民の法的地位向上を推進する議連」の会長。
(週刊新潮、2010/6/17より要約)
原理主義者 「民主党はマニフェストで、普天間を含む在日米軍再編について、"見直しの方向で臨む"と謳っていた。が、"見直し"は米国との合意を破棄し、日米関係に
致命的な打撃を与えることになると漸く気付き、北澤防衛相は合意を引き継ぐ姿勢を見せ始めました。それに対し、岡田外相は突如、合意に反する嘉手納基地統合案をぶち上げた。11月2日の予算委員会でも、内閣不一致と
指摘されています」(外務省担当記者) 不一致でも何でも、てこでも動かないところこそが、原理主義者の魅力。ある外務省幹部が、「岡田大臣は、米国との合意に至った経緯を"検証したい"と
繰り返していますが、検証したいなら存分にしていただければよい。でも、馬鹿でも1週間も勉強すれば済むはずなんですが、一向に検証結果を仰らない。よほど大臣は勉強がお好きなようで」
と皮肉ろうとも、一度言葉にした以上、岡田外相が方針を変えるなんてことは絶対にない。なぜなら、「原理主義者は、私にとっては褒め言葉」と、かって彼自らコメントしており、
仮に世論の総スカンを喰らおうとも、ゆめゆめ変節するなど、あろうはずがないからである。「岡田氏の案は、既に小泉政権下の日米交渉で、地元住民の反対等で実現不可能との判断に至ったもの。
それを今さら持ち出す意図が全く分からない。完全に筋違いな話で、今の彼は野球に喩えるならば、打った途端に、一塁ではなく、まっしぐらに三塁に走っているようなもの。自分ひとり、なぜか絶対の確信を
持ちながら」(外交評論家の田久保忠衛氏) そんな岡田外相に、自民党の某ベテラン秘書がこうエールを送る。
「自民党政権時代には、81年の伊藤正義外相ら何人もの閣僚が、閣内不一致が原因で辞任、もしくは更迭。この永田町の"原理"にも、岡田さんは原理主義者を自任しているんですから、従ってくれることでしよう」
(週刊新潮、2009/11/12より要約) [目次へ戻る]
岡田克也の選挙はイオン丸抱え 岡田克也が代表を務める民主党三重県第3区総支部の05年から07年の3年間の政治資金収支報告書を見ると、どの年も収入総額6200万円
で揃っている。地元の新聞記者によれば、「岡田さんに献金している企業の多くは、実兄の岡田元也さんが社長を務めるイオングループの出入り業者です」07年度分の合計135社のうち、70社はイオン
グループの店舗に商品を並べたり、テナントとしていっている、あるいは店舗建設に関わっている企業であることが判明した。
岡田後援会青年部の元幹部が証言する。「岡田さんの秘書が、イオンやらジャスコに出店している店から後援会員を集めさせるんですわ」テナントの大きさに応じ、10人から20人の会員を集め
るように指示されたという。選挙期間中になると、イオンの関連企業は後援会員集めだけでなく、事務所詰めも強いられる。「泗水会」はイオンに出入りする運送・運輸会社80社以上で構成されるグループ
だ。この組織は選挙の度に、集票活動の手伝いをしているのだ。
岡田の選挙には、イオングループのパートのおばさんまで駆り出されているのだ。証言してくれたのは前回の衆議院選挙期間中にジャスコの衣料品売り場でパートをしていた30代と40代の女性である。
「岡田さんの選挙の手伝いをさせられるなんて予想だにしませんでした」と証言するのは、30代の女性。「選挙期間になると、主任に呼び出されて、ローテーション表と後援会員の名前、住所と電話番号が書かれた
名簿を渡されました。そして『あんたは、午後2時から3時までね。名簿のここからここひまで電話して』と命じられました」売り場のバックヤードに机と電話が用意され、壁にはローテーション表も張ってあったという。
主任はパート従業員に対し「あくまでも、岡田事務所の人間だと強調してください。ジャスコから電話しているとは言わないこと」などと指示。
電話マニュアルには、「岡田事務所の○○です。衆議院選挙ではぜひとも岡田をよろしくお願いします」「お世話になります」などという文言が並んでいたそうだ。一方、40代の女性は、
「主任から指示があると、『ああ、また選挙の時期なのか』って思うだけでとくに抵抗もなくなってしまった。内部では『電話作戦タイム』って呼んでましたけど、私たちは接客業なんで、人当たりも柔らかいでしょ。
使い勝手がよかったんじゃないでしょうか」選挙期間中、地元イオングループのバックヤードは、岡田事務所の出張所の様相を呈するとか。
(週刊新潮、鎌倉三次、2010/7/29より要約)
視野狭窄的な外相
政治部デスクによれば、「中国は衝突後、駐中国大使に抗議を行い、夜中の0時に呼び出してもいます。一方、岡田外相は『遺憾』と述べるのみ。議員の取り込みにかまけて気が回らないのか。
そもそも閣僚が党内の選挙に没頭することに、外務省内で批判の声も出ています」岡田氏と言えば、外相就任後、普天間飛行場を「嘉手納基地に統合する」と述べ、移設問題を混乱に陥れたことが記憶に新しい。
外交評論家の田久保忠衛氏も言う。「私は岡田さんをまったく評価していません。彼の視野狭窄的な資質は、総理大臣としては勿論、外相にもそぐわない。例えば、韓国との共通の歴史教科書
を作るとも発言しました。しかし、歴史の認識は各国違って当然です。『同じものを作りましょう』と言うのは、こちらが譲歩して韓国の教科書を使いましょうというのと同じ。彼は、大きな見地から判断できない
人なのでしょう」今後の国会で、政府は野党から厳しい突き上げを食らうのは必至。外相としては失格。「次の代表に」との声も更に小さくなりそうだが、これも身から出た錆である。
(週刊新潮、2010/9/23より要約) [目次へ戻る]
川端達夫文科相(64)は、「東レの労組出身で、組合に理解が深い議員。実際、文科相就任後も、"日教組関連のことは訊かないでほしい"とこぼしています」(文科相幹部)
滋賀県大津市の事務所を尋ねると、「かわばた達夫事務所」こう記された大看板が揚げられているのは、3階立ての「ゼンセン会館」の土地の一部。
つまり、全東レ等の繊維組合が加盟するゼンセン同盟の所有ビルの一角を、川端事務所は間借りしているのだった。
政治ジャーナリストの花岡信昭氏が警告する。「野党時代ならまだしも、政権党になった以上、労組の利害で動くなど、あってはならない。ただでさえ、出身母体が労組であることから訝る国民もいるなか、
大臣になった以上、疑いの目を持たれないためにも、しっかりと別の場所に事務所を分けるべきでしょう」
(週刊新潮、2009/11/12より要約)
兼職違反の疑い
30日に公開された国会議員の所得報告書で、川端達夫文部科学相は「経営相談等」として147万円余を雑所得に計上したが、同氏事務所は内容について詳細な説明を拒んだ。
経営コンサルタントなどの場合は、国務大臣が兼職して報酬を得ることを禁じた規定に違反する疑いがある。
過去の報告書も併せると、川端氏は「経営相談」や「経営相談等」として00年以降、毎年約142万~192万円を計上。過去10年間の総額は1585万円余に上る。
(毎日新聞、2010/6/30より要約) [目次へ戻る]
民主党に労組出身の幹部がゴロゴロしているのは、ご存知の通りである。
で、案の定、労組の意向に逆らえず、懲戒処分を受けた社会保険庁の問題職員を再雇用しようとの画策が、早くも表面化している。
年金記録を扱う社保庁職員のデタラメさに舌鋒鋭く切り込んだ長妻昭の姿は、ワイドショーを賑わせたものである。が、それも今は昔。
目下、民主党の敵であったはずの社保庁の問題職員を、当の民主党が救おうとしているのだから。
「社保庁解体後の新たな組織として、日本年金機構が発足しますが、処分を受けた職員は新機構では採用しないと自公政権時代に閣議決定し、長妻氏もそれを踏襲すると表明しました。
ところが、11月24日、突如、組合出身の平野官房長官が長妻氏のもとに足を運び、処分された職員を、厚労省で全雇用してほしいと直談判したんです」(厚労省担当記者)
野にあっては、散々「情報隠しや仕事をしなかった人は当然、分限免職処分(解雇)にすべきだ」(長妻氏)などと迫っていながら、今になってクビは可哀相だから国で再雇用してあげようと、方針転換しようというわけである。何たる掌返しか!
(週刊新潮、2009/12/10より要約)
平気で嘘つく平野博文
もはや、政府のスポークスマンてして、重責を担う資質を完全に欠いている、というべきだろう。
平野博文官房長官(60)は問題発覚以来、「小沢幹事長の介入はない」「天皇殿下の利用ではない」と繰り返した。
平気で嘘をつくスポークスマンには、早々にお引取り願うしかあるまい。 「平野さんは"批判されている方がどうゆう根拠で言っているのかわからない"などと愚痴っていますが、そうした逆風をおさえるのも官房長官の役目。平野さんは今回、何もできなかっただけでなく、
出鱈目な会見まで行った。どうしようもない人です」(全国紙の政治部デスク)
「出鱈目な会見」が行われたのは、12月11日の午前と午後。平野氏はその場で、少なくとも3つの嘘をついたのだ。
1つ目の嘘は、「鳩山総理の指示」について。会見ではその時期を記者から突っ込まれ、「4、5日前、1週間ぐらい前だったかね」と、誤魔化した上、こう逃げをうった。
「あんまり関係ないですから、記憶にありません」しかし、実際には記者会見の2、3日前、小沢氏の恫喝にあった鳩山総理から「強い指示」があった。 「時期を明確にしてしまうと、小沢氏の介入があったことを明らかにせざるを得なくなる。だから嘘をついてかわすしかなかった」(先の政治部デスク)
2つ目の嘘はその「小沢の介入」について。記者会見の場で平野氏は、「ない、全くありません」と、言い放ったのだ。さらに、「1ヵ月ルール」についての次の言葉。
それが3つ目の嘘だ。「どんなルールで、どういう時にはどうなっているかということは僕、承知しているわけでありません」
政治部記者は、「平野さんから電話を受けた際、宮内庁の羽毛田長官は1ヶ月ルールについて説明した、と話している。それを"知らなかった"なんてよく言えたものです」と、こう語る。
「平野さんの"虚偽答弁"は今に始まったことではありません。以前、会見で官房機密費について問われ、"そんなものがあるんですか?"なとどとヌケヌケと言っている。スポークスマンという
職責を軽んじてのではないでしょうか」
ジャーナリストの上杉隆氏はこう語る。「米国などでは政治家が嘘をついたら当然、命取りになる。嘘ばっかりついていて不誠実な平野さんは一刻も早く官房長官を
お辞めになったほうが政権のためには良いでしょう」政治家としての資質に問題ありなのである。
(週刊新潮、2009/12/24より要約)
国会で忙しいと逃げ回った
「平野氏が仲井真沖縄県知事との面会を断るとは。土日を潰して、幻の平野-仲井真会談を追っかけたんですが、後で会談はなかった、と知って絶句しました」(官邸担当記者)
結局、平野氏は10日になって、ようやく仲井真知事と会談し、「陸上案は政府案ではない」「三月末には決めるから、待ってほしい」と釈明したというが、仲井真知事は、政府と平野氏の混乱ぶりを
「星雲状態だ」と皮肉った。今や番記者の間でも平野氏への信頼は無きに等しい。「話せないことは、話せないと言ってくれればいいのに、平野さんはウソをつく。2日のルース氏との会談も、
最初は『会っていない』と否定していた。ところが、鳩山由紀夫首相が会談の事実を認めると、渋々『確かに会ったけど、話していない』と言い放ちました」(官邸担当デスク)
(週刊文春、2010/3/25より要約) [目次へ戻る]
民主党の新人議員、石井章(52)は、地元では知られた元暴走族である。その上、町議時代には「不正投票疑惑」で議会から辞職勧告を出された、曰く付きの過去を持つ人物なのだ。
石井章は、先の総選挙で比例代表に名を連ね、民主党ブームに乗って当選した。1999年、茨城県藤代町議に当選し、以来連続当選。
「91年の町議選で前代未聞の選挙違反事件が起きました」とは、ある元町議。「この時、石井さんは3位で当選した。ところが、石井さんの支援者が、知人などに架空転入・替え玉による不正投票を
やらせていたことが発覚。暴力団の組織的関与も判明し、議会で大問題になった」最終的には33人の架空転入が確認され、石井章の後援会長ら7人が逮捕。このうち3人は、暴力団員であった。
別の元町議によれば、「若い頃、石井章はこの辺りでは知られた暴走族でした。当時、石井章の選挙を手伝っていたのもその頃の仲間たち」
(週刊新潮、2009/11/12より要約) [目次へ戻る]
9月に秘書給与の"ピンはね"、さらに10月に同問題にによって、5人の元秘書から東京地検に告訴された件など、長野県に強固な地盤を持つ下条みつは、再三、紙面を賑わせている。
「秘書給与問題が報道されても、彼はまともにメディアに答えようとしなかった。何よりも、肝腎の有権者への説明が一切されていない。"お騒がせしてすみません"の一言があって然るべきでしょう。
そうした不誠実な対応もあって、今回の告発に踏み切りました」(告発人の1人である元秘書の藤井卓也氏)
実は彼の司法沙汰は、これに留まらないのだ。「05年に起きた耐震偽装問題で、当社は下条議員のでたらめ発言のために、甚大な被害を受けた。よって06年、謝罪広告と3500万円の損害賠償を求め、
訴訟を起こしました」今回、本誌にこう語るのは、生コンクリート会社「三和石産」の幹部。マンション「グランドステージ藤沢」に生コンを納めたのが同社だった。
「その際、彼は度々、テレビに出演し、"グランドステージ建設のために納入した生コンは水を10%程度多く入れた粗悪品"などと事実無根の発言を繰り返した。当社は、JIS規格の指定工場になっており、
コンピューターで全て製造管理されていて、水増し生コンなど作れるはずがないのにも拘らずです」事実、下条みつのテレビ発言後、同社に対して国土交通省による抜き打ち検査がおこなわれたが、「残っていた
記録から問題なしとの結果が出ています。実際に使われた当社のコンクリートの強度調査でも、指定強度以上のものであったことが証明されました」
下条みつは、「一度、和解案を提示してきたんですが、謝罪の意思を全く見せなかったので、それは蹴りました。今となっては一切、和解に応じる気はありません」
(週刊新潮、2009/11/12より要約) [目次へ戻る]
「以前はパーティの席で取り巻きに写真を撮らせたりして、結構キャーキャーやっていたんですけどね。やっぱりあの不倫スキャンダルが原因でしょう。男性議員としては、
姫井さんと一緒にいるだけで、"あいつも姫井の男なんじゃないか"と陰口を叩かれかねず、声をかけにくいのです」と語るのは、ある政治ジャーナリスト。
愛人による「不倫告発」が世を騒がせたのが、07年の参院選に当選した1ヶ月後。"ぶってぶって"というセリフと共に一躍渦中の人となった彼女だったが、その後も怪しげな占い師を秘書にしていた
ことを暴露されたり、"寂しいから"との理由で離党騒動を起こしたり。 お騒がせ続きで、党内に居場所を失ってしまったようなのだ。
民主党関係者はこう話す。「今年8月、"コンビニ加盟店ユニオン"という、コンビニのオーナーによる労働組合が設立されましたが、これをバックアップしてきたのが姫井さん。この活動が目立ったのは、途中で小沢さんが乗り出してきたからです。
コンビニの店長は地域に根ざしているから票集めに役立つ、と考えたのでしょう。岡山で行われた設立大会に小沢さんがわざわざ出向いたのです」
党内で菅直人氏のグループに属している姫井議員と小沢氏の距離はこれまで、決して近くなかったはずだが、彼女の地元・岡山の政界関係者は、「姫井は菅グループの中でも浮いた存在だったので、
ここへきて小沢さんに擦り寄っているのかもしれません」政治ジャーナリスト・山村明義氏の話。「姫井さんはファザコンという声もあるほど、頼りがいのある人を信望するきらいがある。
現在、小沢さんが党内で最も力を持っていることを敏感に察知して近づいているのでしょう」
(週刊新潮、2009/11/26より要約)
姫井は事情聴取されていた
「姫井由美子が岡山西警察署の刑事一課から任意で事情を聞かれたようです」(岡山県警担当記者) 姫井は小沢一郎が民主党代表として指揮した07年参院選挙で、「姫の虎退治」として民主党躍進の
象徴となった"元祖"小沢ガールズ。しかし、元高校教諭の横田育弓生(やすゆき)氏が、六年間の不倫生活を実名告発したのを皮切りに、数々のお騒がせ行動を繰り返してきた。捜査当局の厄介にもなった。
06年に姫井が喫茶店を開業する際、営業申請書を偽造した等として、岡山西署に書類送検されたのだ。「すでに同僚議員からは見放されているが、小沢にはすり寄っています。昨年12月には高野山訪問に
随行し、12月には長城計画にも参加した。新年会には着物で出席していました」(民主党岡山県連関係者)
横田氏が語る「姫井は喫茶店に絵画をかけていましたが、これは私の母がパリなどから買ってきたもの。
私は彼女との関係が終わった後、返却するよう求めましたが無視された。その後、絵は、いつの間にか私の父が所有する倉庫に戻されていたのですが、今度は、そこにあった日本人画家の油絵がなくなっていた。
そこで私は07年7月に西警察署に被害届を出しました。現場検証は行われたものの、犯人の特定には至りませんでした」それから2年たった昨年7月、事件は急展開を見せる。
横田氏が姫井との関係をつづった告白本を刊行し、その中でこの一件を書いたところ、これを読んだI氏が、「自分が姫井を車に乗せて倉庫まで連れて行った」と名乗り出たのだ。
(週刊文春、2010/2/11より要約) [目次へ戻る]
西川善文氏を飛ばして、新たな船出をした日本郵政。その新人事が早くも波紋を呼んでいる。「斉藤次郎社長ら官僚OBが復活したことで、"天下り批判"を浴びましたが、輪をかけて問題視されているのが、ゆうちょ銀行の新社長含みで
日本郵政の副社長に任命された高井俊成氏の存在です」(日本郵政関係者) ゆうちょ銀行の社長人事を揺るがした高井氏の過去とはどのようなものだったのか。 金融機関関係者が語る。
「98年の長銀破綻後、仕事がなかった高井氏は、ベンチャー企業の取締役や監査役を渡り歩いています。ところが、その中に架空増資で逮捕者を出した『丸石自転車』や、大阪府警が摘発した『駿河屋』
の架空増資事件に関与した投資会社が含まれている。これらの架空増資で集められた金の大半は、経済マフィアに流れたと見られています」
高井氏が日本郵政副社長に抜擢されると報じられた日、彼の友人の一人は複雑な心境でこのニュースを受け止めた。「架空増資事件があった5年程前のことです。彼は『逮捕されるかもしれない。今ギリギリのところだ』
と怯えていました。逮捕を免れた時に見せた凄くホッとした表情が今でも忘れられません」
高井氏の人生は長銀の破綻を境に一変した。「彼は長銀の破綻直前に借金をして自社株を買っているのですが、
これが紙屑となり多額の借金を抱えることになったようです」彼は旧長銀先輩の紹介で、バリュー社の代表取締役に就任した。関係者が振り返る。「高井氏は社長、会長、顧問と肩書きを変え、のべ3年ほどいましたが、
積極的な仕掛けもできないし、ベンチャー企業の経営者には向かなかった。彼は大企業の肩書き社会の人なんです。まじめで人畜無害なのですが、脇の甘さがあるから、マネーゲーム屋のような人種に付け込まれてしまった」
「野放図な経営を見過ごしてきた責任は監査役だった高井氏にもある。その彼に日本郵政の命運を託し、さらに、三菱東京UFJ銀行をはるかに上回る180兆円もの預金を預かる、ゆうちょ銀行のトップに
据えるとしたら、とても正気の沙汰とは思えません」(経済部デスク) 斉藤社長は小誌の取材に、いつになく饒舌にこう語った。「発表時点では高井氏の過去のことは知りませんでしたが、その後、彼に話を聞きました。
ご本人はそんなに罪の意識があるという印象ではなかった。日本は法治国家なんだから、警察や検察に検挙され、起訴されていないのであれば問題はないでしょう。とくにビジネスの世界では法を犯さなければ
何をやってもいいんじゃないかと僕は思いますよ。任命責任?選んだのは政府であって、私じゃない。意見を述べなかったとは言いませんが、任命責任は私にはない」
「高井氏を選んだのは、原口一博総務相です。実は、高井氏は原口総務相と同郷で、取締役人事に一つだけ枠を与えられていた原口氏が指名したのです」(日本郵政関係者)
原口大臣は、小誌の取材にこんな回答を寄せた。「今回の新取締役の経歴については存じ上げている」
現時点で事実上、ゆうちょ銀行の社長人事は白紙に戻った。だか、高井氏は日本郵政の副社長に留まり続ける。原口大臣、斉藤社長に「デタラメ人事」の責任はないのか。
(週刊文春、2009/11/26より要約)
組合からの献金を受けた
NTT労組系の政治団体、アピール21は原口一博総務相に500万円献金していたことが発覚した。 内籐副大臣が代表を務める民主党参院比例第14支部にも、アピール21のカネが入っており、
昨年は機関誌「プレス民主号外」をアピール21は計250冊、都合250万円分も買い上げた。
(週刊ダイヤモンド、2009/12/5より要約)
平成の風見鶏
彼ほど風の流れであっちこっちと向きを変える御仁も珍しい。人呼んで、「平成の風見鶏」だ。先の代表選でも、小沢グループと菅陣営の間をふらふらしていたが、出した答えは、勝ち馬に乗る---だった。
昨年の政権交代直後から、小沢一郎前幹事長へのゴマすりようは尋常ではなかった。「大臣なのに幹事長室へご機嫌伺いに顔をよく出していました。小沢氏とは距離があったのに、いきなり
『おやじ』と呼び出すし、『政治をするうえでの父親は小沢さんです』とまで言うんですから、皆、呆れていました」(民主党関係者)
代表選になってみれば、原口氏は菅応援団の一員となっていた。「これまで長い間、民主党で菅さんと一緒にやってきましたから。今回も支えますよ」舌の根の乾かぬうち、とはこのことだ。
当然ながら、小沢陣営は激怒した。
(週刊文春、2010/6/17より要約
「社長に言うぞ」
原口氏が事件を起こしたのは、8月27日。「午前9時30分から閣議が始まって、そのまま閣僚懇談会へ、終わったのは10時49分。が、原口氏は10時頃に途中退席したんです」
と振り返るのは、官邸関係者。「その足で総務省に向い、国勢調査員への辞令交付と記者会見を行った。そして、読売テレビ(大阪市)での収録に向かうため羽田空港を発ったんです。
会見終了時にまだ閣僚懇談会は続いていたし、その後、彼が本来出席すべき新型インフルエンザ対策本部と宇宙開発戦略本部の会合も官邸で開かれていた。にも拘わらず、テレビ出演を優先したわけです」
かねてより彼はテレビ大好き政治家で鳴らし、実際1年で50回、つまり1週間に1回程度、画面に登場していた年もあるほどだ。
が、野党時代ならまだしも、閣僚として公務そっちのけでテレビに出たとあっては、さすがに申し開きのしようもあるまい。と思いきや、あまりにテレビ出演の回数が多く、役者として振る舞うのが
板に付いてしまったのだろうか。記者団に囲まれた原口氏は、こんな「大見得」を切って見せたのだ。
「腹立たしい。最初から辞令交付の予定が入っていたから中座しただけなのに。テレビ出演が理由なんてことはない。勝手にそんな報道をするのは許せない。そう書いたら、その社の社長に(文句を)言うぞ」
政治部デスクが解説する。「テレビ出演が原因で閣僚懇談会を欠席したと報じるなとの『圧力』ですよ。しかし、論理のすり替えも甚だしい。だって、総務省での仕事が終えた時点では閣僚懇談会が
続いていたわけで、官邸に戻れば良かっただけの話。公務よりテレビを選んだのは間違いないんですからね」
(週刊新潮、2010/9/9より要約) [目次へ戻る]
鳩山政権唯一のヒットとされる事業仕分け。仕分け人が官僚を面罵する様を見て、拍手喝采のムキも多かったけれど、問題は、結果が予算案に反映されたかどうか。
例えば、である。「仕分けされた在サハリン韓国人支援共同事業が、予算案では、何故か蘇ってむいた」とは、外務省関係者。日本領時代、サハリンに渡った韓国人は、戦後、ソ連政府によって、帰還を認められなかった。
そうしたサハリン残留韓国人に対し、一時帰国や永住帰国、または残留を支援する事業が、日韓の赤十字社によって平成元年にスタート。資金は全額、日本政府の拠出金で賄うことになった。
一見、人道的なこの事業。だが、問題も山積である。「対象者がはっきりしない。認定は韓国側が一手に行っているため、いつまでたっても我も我もと湧くように名乗り出てくるのです。
一時帰国も好い加減。孫に韓国へ買い物に行きたいとねだらた、と言われてカネを出した例もあつたくらいです」(事情通)それだから事業仕分けでも、敢えなく見直しと判定。
しかし、来年度予算案で、概算要求と同じ1億8600万円が確保されたのだ。故にこんな指摘も出る始末。
「この事業には、鳩山首相と仙谷国家戦略・行政刷新担当相が関わっています。仙谷さんは、事業推進議連のメンバーとして国会質問まで行い、拠出金執行に一役買いました。
鳩山さんは訪韓の際、永住帰国者の施設に立ち寄ったりするだけでなく、国会の代表質問で、この件をわざわざ述べたことすらありました。今や2人とも政権の中枢。幾らなんでも潰せないというのが
当局の本音でしょう」(先の関係者)
(週刊新潮、2010/1/21より要約)
菅首相談話
8月10日の菅首相談話は、仙谷由人官房長官、鳩山由紀夫前首相ら、民主党政権首脳の合作である。同談話に執念を燃やした仙谷長官の役割はとりわけ重要だ。
明らかに早い段階から新たな謝罪談話発表に強い意欲を抱いていた仙谷由人官房長官は、7月7日の日本外国特派員協会での会見で韓国への戦後補償は不十分と表明した。
(産経新聞、櫻井よしこ、2010/8/12より要約)
日韓基本条約の見直し 通常の理解をこえる民主党の奇妙な言動に付いて、山谷えり子氏が語った。「菅首相、千葉法務大臣、それに仙谷官房長官らも、
日本が法治国家であることを理解していないのではないでしょうか。仙谷さんは最近、半世紀以上も前に締結した日韓基本条約の見直しまで示唆しました。国際条約をひっくり返すなんて、
まるでクーデターか革命です。そんな考えや姿勢で法治国家の内閣の要が務まるはずはありません」
(週刊新潮、櫻井よしこ、2010/7/29り要約)
涙目
菅陣営の軍師役を務めてきた仙谷由人官房長官。8月30日夜、菅総理と鳩山前総理の共同記者会見の後で取材に応じたが、「涙目で、かなり意気消沈していた。すでに完全敗北、といった空気でしたね」
政治部デスクはそう話す。「人事などの面で小沢氏に屈してはならないと言い続けてきたのが仙谷氏。菅さんもそれを了承していた。それなのにここへきてそこがブレてしまったのだから、
相当ショックだったはずです」
拓殖大学大学院教授の花岡信昭氏は、「仙谷氏は腸が煮えくり返っているでしょう。そもそも彼自身、菅氏が総理の器だとは必ずしも思っていなかったはずです。それでも支えてきたのは、
何よりも小沢氏の権力を排除するという目的があったから。ところが土壇場でブレてしまったのだからもう怒り心頭、怒髪天を衝く気持ちでしょうね」と仙谷氏の心中を推し量る。が、怒ってばかりも
いられないのでは、と話すのは別の政治部デスク。「代表選のゴタゴタの中で出てきた民主党の組織対策費問題。仙谷氏はこれをうまく使って小沢氏のイメージダウンを図ろうとしていました。
実際、新聞報道を受けて枝野幹事長に会見をやらせる計画もあった。が、そこへ自らの政治資金問題が浮上。自分の息子に『ケチな子ども手当』を流していたことが分かり、小沢氏のカネの問題を
声高に追及できなくなってしまった。結局、仙谷さんの戦略は小沢側近の怒りを買うだけの結果となり、菅さんにとって何のプラスにもならなかったのです」
(週刊新潮、2010/9/9より要約)
赤い官房長官
会見で、菅総理が上滑りの言い訳を披露していた際、会場内で唯一人意味深なほくそ笑みを浮かべる男がいた。その名は仙谷由人。いわずと知れた反小沢の象徴にして、日韓併合100年にあたり屈辱の
「総理謝罪談話」を発表せしめた、わが国のナンバー2である。「スッカラカン」総理の手綱を握り、日本国家を「左」へと導かんとする、人呼んで「赤い官房長官」。
「そもそも血みどろの代表選に至ったのは、菅総理就任時に反小沢急先鋒の枝野代議士を幹事長に据えたことでした。小沢さんにとって、金と選挙を仕切る幹事長職を枝野に押えられることだけは許せなかった。
それでも菅総理らの反対を押し切り、『枝野幹事長は譲れない』と強行したのが仙谷さんでした」(政治部デスク)今度の代表選勝利で意を強くしたのか、改造内閣発足後、彼は冷笑気味に周囲にこう漏らしたのだ。
「改造内閣を『脱小沢』だって騒いでいるけど、そうじゃないんだよなぁ。これからは『殺小沢』なんだよ」排除するだけでは物足りない、櫼滅するのだと。このセリフを聞いた関係者には、「赤い官房長官」
の狂気がまざまざと感じられたという。
(週刊新潮、2010/9/30より要約) [目次へ戻る]
普天間については、防衛大臣でありながら、「平野が仕切っていて、自分は外されている」と漏らしているが、思わぬところで顰蹙(ひんしゅく)を買ってしまった。
「11日に沖縄県議団が、県内移設反対の意見書を手渡すために上京してきたのですが、日程調整がうまくいかず、エレベーターホールで立ち話をしただけ。県議団の面々は激怒してました」(防衛担当記者)
その北澤の本音は「普天間より参院選」だという。「東京で入る防衛関係の行事には出席せず、地元に帰っています。13日には防衛医大の卒業式があったのですが、こちらは副大臣に任せて、
北澤は地元の医療学校の卒業式に出席した。北澤が党本部の選挙担当の職員と話し込んでいるのをよく見かけます」(同前)
(週刊新潮、2010/3/25より要約) [目次へ戻る]
小沢一郎によって副幹事長に抜擢された細野剛志は、今や、「どこの世界にでもいる、実績を残したわけでもないのに、話術と時の権力者の歓心を買うのに長けているために地位を獲得できた太鼓持ち」
(民主党代議士)
(週刊新潮、2010/2/11より要約)
誕生会を10秒で抜け出した 「3日後に控えた前原氏の誕生日を祝う会が立食形式で開かれたのですが・・・」と解説するのは、民主党関係者。
「50人集まり盛況となりました。主に前原グループの面々でしたが、野田グループの蓮舫議員もいた。そして、遅れて駆けつけたのが『モナ男』でした」
「モナ男」とは、堂々と公道でタレントの山本モナ嬢と「路チュー」してみせた細野豪志副幹事長のこと。「そもそも彼は前原グループのメンバー。にも拘わらず、小沢氏の
「一本釣り」で副幹事長に抜擢されてからは、完全に小沢氏のコバンザメと化した。前原グループの集まりでも顔を見なくなったので、誕生会にも来ないだろうと思われていました。
が、遅刻とはいえ姿を見せたので、辛うじて前原氏への義理立てを果たしたかに思われた」(同)
だが、「モナ男」の本領発揮はこれからだった。「すぐに抜け出したんです。裏(同時間帯)では松本謙公(小沢側近)が集まっている。そっちに向かったんだ。
前原、小沢の両親分にアピールしたかったんだろう」(出席者)
(週刊新潮、2010/5/20より要約) [目次へ戻る]
小林千代美(41、北海道5区)が、北海道教職員組合(北教組)から選挙費用として計1千600万円を受け取っていた疑いが強まったとして、札幌地検特別刑事部は15日夕、政治資金規正法違反容疑で札幌市内の北教組本部などの家宅捜索に乗り出した。
資金は北教組の裏金から捻出されていた疑いがあるという。
北教組は、北海道内の公立小・中学校などの教職員でつくる労組で、連合北海道の有力な加盟組織。労組出身の小林千代美の陣営では、昨夏の衆院選で北教組委員長が選対委員長を務めていたが、昨年6月に死去。後任に北教組副委員長が就いていた。
(asahi.com、2010/2/15より要約)
反日集会に参加
昨年10月28日、正午。代表質問を13時に控え、国会が慌しさを増す中、衆議院議員会館の会議室では、「『慰安婦』問題の解決をのぞむ市民と議員の集い」なる集会が行われていた。
参加したジャーナリストの話。「韓国、台湾から"元慰安婦"と活動家を招いた"反日集会"。参加者は50名程度で、鳩山首相宛の慰安婦問題解決を要望する文書を決議し、会は終わりました」
姿を見せた民主党の国会議員は4名。その1人が小林千代美・代議士だった。「のっけから流暢な韓国語で挨拶するなど"媚び"はあからさま。"政府は一日も速く(慰安婦問題を)解決しなくてはならない"
と発言し、拍手を浴びていた」
小林千代美は北海道5区選出。昨年の総選挙では、町村元官房長官を打ち破ったものの、選対幹部が買収約束をした咎で、一審有罪判決を受けた。更に、北海道教職員組合から約1600万円の
裏金を受け取った疑惑も浮上。渦中の代議士だ。「日教組加盟の組合で最強の一つが北教祖です」とは、神奈川県教組の元執行委員長・小林正氏。「過激な闘争で知られていました。昭和46年に
道教委との間で結ばれた"四六協定"は象徴的。教職員の勤務条件については、すべて組合との交渉事項にするというもので、これで現場は実質的に組合による"治外法権"状態でした」(同)
近年も滝川市立小のいじめ自殺問題で道教委の調査に非協力を貫き、機関紙に"竹島は韓国に帰属する"旨を掲載するなど、時代遅れの"左派路線"は変わらず。
無論、慰安婦問題にも熱心で、教科書からの削除反対運動を繰り広げている。
(週刊新潮、2010/3/4より要約) [目次へ戻る]
民主党の輿石東参院議員会長(山梨選挙区)の自宅がある神奈川県相模原市の土地1298平方メートルのうち6割が、農地の無断転用を禁じる農地法などに違反して車庫や舗装路に使われていることが分かった。
同市農業委員会は09年10月、名義上の土地所有者である輿石氏の義弟に、農地へ戻すよう行政指導したが、違法状態は解消されていない。
(毎日新聞、2010/3/1より)
山教組丸抱え「輿石東」 民主党の輿石東参院議員会長(74)は選挙戦中、大量の怪文書を撒かれるなど予想外の苦戦を強いられた。
しかし、結局支持母体の山梨県教職員組合(山教組)におんぶに抱っこで、なんとか当選。組合丸抱えの組織選挙にはウンザリである。
開票率85%にしてようやく当確が出た輿石氏。「自民党候補との差は、日を追うごとに縮まっていました。あと数日、投票日が先だったら、輿石さんは間違いなく負けていた」
と、地元記者は話す。自民党候補は31歳の元女性教師である。高齢の輿石氏とは、あまりにも対照的であった。「怪文書が県内全域に撒かれた」と話すのは、地元の民主党関係者である。
「内容は『輿石さんの自宅は神奈川県相模原市にあって、住民税などは神奈川県に支払われる。そんな人が山梨県の代表であっていいのか』というものです。ファックスの発信元は大阪や千葉などの
市外局番で、何者かが組織的に送り付けたと見られています」輿石陣営は刑事告訴も検討中というから、怒り心頭である。
「輿石さんの選挙は、今回も山教組丸抱えの組織選でした。こんなこといつまでやってるんですかね」と呆れるのは、山梨県内のベテラン教員である。
「今回の選挙でも電話作戦を行うための、『個票』と呼ばれる後援会カードを集めさせられました。まず選挙が始まる前に30票を集めるようノルマが課されました。私はいつものことだと思い、
仕方なしに協力しましたが、若い教員は馬鹿らしくて協力したくない人も多い」山梨県の小・中学校の教員は約4000名。ほぼ全員に個票集めが課されていたようだ。
因みに、これは、教育公務員特例法違反である。自民党候補に追い上げられ尻に火がついた輿石陣営は、更に組織を締付けた。「投票日の3日前になって、翌日までに1人、個票を5人分集めろとの
指示が下りてきました。急なことで印刷された入会カードもありません。そこで『メモ用紙でも構わないので5人の名前や住所、連絡先を書いて各地区の選対事務所まで持って来い。但し、
自民党の人間に絶対に見られるな』と言われました。投票日前日になってこんな個票集めをやるなんて、聞いた例がありません。輿石陣営は、よほど焦っていたんでしょう」(同)
その甲斐あって、当選を果たした輿石氏。
(週刊新潮、2010/7/22より要約) [目次へ戻る]
2月16日、夜9時半過ぎ。中井洽(ひろし)氏の姿は、赤坂の焼肉屋にあった。約1時間後、大臣は1人の女性と連れ立って店を出てきた。彼に付き添うべきSPとその車は、店の前を離れたまま戻ってこない。
女性と共にタクシーに乗り込んだ中井氏が向かった先は、雑居ビル。約2時間後、ビルを後にした中井氏の傍らには、同じ女性の姿があった。肩を寄せ合うようにして夜の赤坂を歩き、近くの通りまで出た2人。
中井氏は流しのタクシーを停めて女性を乗せ、自らは歩いてその場を去った。別れ際、中井氏が女性に握らせたお礼は、タクシー代だろうか。仮に名前を白石さんとしておこう。美人で30代前半。
周に2回程、銀座にあるクラブに勤めるホステスである。
3月9日夜8時半頃、今度は神保町の手打ちうどん屋で2人は落ち合っている。2時間ほどをその店で過ごし、出てきた際には前回と同様、SPの姿も車もない。
タクシーに乗った2人が向かったのは赤坂。入ったのは、雑居ビルの中にあるカラオケスナックだ。2時間ほどで店から出てきた2人は、流しのタクシーに揃って乗り込んだ。
行き先は、中井氏が住む赤坂議員宿舎。先に降りたのは、中井大臣。それに続いて、白石さんも宿舎の中へと消えた。その約2時間後。宿舎から出てきたのは、白石さん1人であった。
いくら親密な関係にあるとはいえ、議員宿舎に部外者をみだりに立ち入らせてはならないというルールを大臣が知らぬはずあるまい。
国家公安委員長の椅子に座ったことがある、さる国会議員はこう苦言を呈す。「彼が兼務している防災担当大臣は、いつ起こる分からない事故や災害に備えて出動できる態勢をとっているべきで、
常に居場所を明らかにしていなくてはならない。それくらい緊張感を持つべきポストなのに、SPを外して女性と飲み歩くなど、言語道断です」
3月11日夜のこと。銀座から1人でタクシーに乗った白石さんが向かったのは、赤坂宿舎であった。タクシーを降りた彼女は宿舎の居住者が使う通用口から中へ。
そこには、カードキーを照合するパネルが設置されている。その前に立った彼女はカバンから出したカードキーをパネルにかざし、奥へと消えていったのである。その後、
部屋で待っていた大臣と過ごしたのか、日付が12日に変わった頃に2時間ほどで外に出てきた。それからタクシーに乗り込んだ彼女は、車内で念入りにマスカラとリップを塗りなおす。
赤坂議員宿舎で暮らすある国会議員によると、「宿舎のカードキーは、衆院の担当課に申し込んで受け取ることになっていますが、その交付はかなり厳格に行われている。
申請する際、例えばそれを使うのが本人と妻と事務所の秘書であった場合、それぞれの名前を登録しなければならないのです。家族や秘書といった関係者以外の人間にカードキーを貸与することはもちろん違反です」
3月14日午後5時過ぎ、福島県沖を震源とする震度5弱の地震が発生。高齢女性が転倒して負傷したり、土蔵の壁が落ちたりといった被害が出た。
まさにその瞬間、防災担当大臣である中井氏は、映画館「丸の内ルーブル」に白井さんと一緒にいた。地震発生時は館内にいたため、携帯電話の電源は切っていた可能性が高い。
2人が映画館から出てきたのは、午後6時半過ぎだったが、周囲にSPの姿はなし。緊張感のない中井氏が、この時点で地震の発生を把握していたかどうかは定かでない。
が、把握できなかったとすれば無論のこと、できていたとしても、防災担当相の職務を放棄したに等しい。
2人は赤坂に移動。焼肉屋で食事を済ませ、どうやら常連らしいカラオケスナックへ。そして午後11時半頃に店を後にし、かなり酔った様子の中井氏は白石さんと共に、宿舎へと消えたのであった。
傾国の美人ホステスに現を抜かし、大臣としての重大な職責を放念、あるいは放棄したかのような不行状を繰り返す中井氏。
国家公安委員長を務めたこともある自民党の深谷隆司元代議士は、「国民の安全を守るべき立場にある者が、女性を宿舎に連れ込んだり、カードキーを持たせていたことが事実であれば、
直ちに大臣を辞めるべきです」と話すが、政治評論家の浅川博忠氏も同意見を述べた上でこう批判する。
「中井さんは大臣としての自覚が著しく足らない。この問題が世間に出たら、政治家として自らの進退を考えるべきだと思います」このような人物を国民の安全を司る大臣として頂く我が国は、
すでに「国が傾く」途上にある、と言うべきではないか。
(週刊新潮、2010/4/1より要約)
妻が自殺した中井洽
国家公安委員長兼拉致問題担当大臣に抜擢された中井洽(ひろし)氏(67)。当選11回の地味な政治家には、糟糠(そうこう)の妻を自殺に追いやった知られざる過去があった。
三重県伊賀市の自宅で11年前に妻、順子さんが亡くなった。享年49。連絡を受けて駆けつけた知人が語る。「階段の手すりにバスローブの紐をくくりつけて、首を吊ったんです。
奥さんはまだ居間に寝かされていて、同居していた中井氏の母親が『何ちゅうことしてくれたんや』と声を荒げていた。普段から順子さんをお手伝い扱いしていただけに、悲しくなりました。
中井氏も東京からすっ飛んで帰って来ましたが、取り乱し方に違和感があった。警察の検視結果で、それまで何回か手首を切った跡があることが分かり、得心しました」
父親が旧社会党の衆院議員だった中井徳次郎氏の有力支援者だった関係で息子の洽氏に嫁ぎ1男1女をもうけた。秘書だった中井氏は、父と共に社会党を離党、地盤を受け継ぎ民社党から出馬して34歳で初当選した。
94年の民社党解党で新進党に合流、さらに新進党が解党し、98年に自由党の結成に参画した。順子さんが亡くなったのはこの頃だ。
「順子さんは子育てをしながら、政界引退後に脳梗塞で寝たきりになった徳次郎さんの介護を献身的に続け、選挙になれば選挙区をくまなく歩いて支持を広げた。一方の中井氏は、
野党時代は企業献金も断る高潔な政治家でしたが、政権与党を経験して変質した。元々お酒は好きで、地元でもみんなでワーッと飲むのが好きでしたが、銀座や赤坂のクラブではしごするなど遊びが派手になりました。
徳次郎さんを91年に亡くして心の柱を失った順子さんは目にも余ったのでしょう。順子さんはよく地元事務所を訪れて『私の人生なんだったのかしら』『死にたい』と漏らすようになりました」(地元関係者)
そして、順子さんは自ら死を選んだ。それから11年半、中井氏は国民生活の安全を司る、重要閣僚に就任した。
(週刊文春、2009/10/1より要約) [目次へ戻る]
ハマグリ逆噴射のわけ
「中井洽・拉致問題担当相は名前の洽(ひろし)という字が蛤(はまぐり)という字に似ているせいで、『はまぐり』と呼ばれています。今回の批判に対する記者会見は、『ハマグリの逆噴射』という
言葉にピッタリですね」永田町関係者はそうあきれる。金賢姫・元死刑囚(48)が帰国した7月23日の記者会見で中井氏は、金氏の滞在中のヘリコプター移動を「遊覧飛行」と批判されたことに逆切れ。
「この機会にちょっと上空を見せてあげた。こんなことを非難していたら情報を持っている人は日本に来ない」
金氏は22日、宿泊先だった鳩山由紀夫の軽井沢別荘から東京都内に向かったが、なぜか調布飛行場から都心までをヘリで移動。直線距離なら約10分だが、藤沢市の江の島上空へ回って約40分かけた。
中井氏は「警備のため」「渋滞対策」と説明したが、どうみても「遊覧飛行」だろう。では、肝心の「新情報」はあったのか。過去に日本の警察当局は金氏から情報を得ており、今回、拉致被害者の横田めぐみさんの
母、早紀江さんも「私たちが一番知りたいことは分からなかった」と話していた。つまり、有力な新情報はゼロ。
来日には法的な問題も立ちはだかっていた。北朝鮮工作員だった金氏は115人の犠牲者を出した大韓航空機爆破事件で、実行犯として死刑判決が確定。韓国政府は政治的な配慮で特赦としたが、
日本では出入国管理法上、入国拒否事由に該当し、事件の際に日本人名義の偽造パスポートを使った偽造公文書行使容疑の時効も未成立。今回は特例で入国を認め、警察も捜査しなかった。
「来日に消極的な外務省、警察庁を中井氏が押し切った」(政府関係者)という。
さらに問題視されているのは鳩山氏の別荘での宿泊。「金氏は元テロリスト。元首相の別荘に招待すること自体、世界から笑われる」(自民党関係者)
移動に使用した公用車も1000万円以上するベンツSクラスで、英紙も「VIP扱い」と報じた。平沢勝栄・衆院議員は憤る。「金氏は大韓機事件の遺族に面接しての謝罪もしておらず、日本でのVIP扱いに
遺族はカンカンです」
「コリア・リポート」編集長の辺真一氏もこう話す。「中井氏自身は政権のためによかれと思って金氏をを厚遇したのだろうが、予想外の批判は大誤算。びっくりして感情的に逆切れ
したのでしょう」 金氏の来日経費について、「鳩山氏の別荘は対価を払うとは聞いていません。経費について精査中」(拉致問題対策本部)というが、費用は数千万円といわれ国会で問題化するのは確実。
支持率低迷の菅政権にあって「ハマグリ問題」は火種になりそうだ。
(サンデー毎日、2010/8/8より要約) [目次へ戻る]
鳩山由紀夫首相側の偽装献金事件で起訴された元公設第1秘書、勝場啓二被告が平成15年の衆院選の際、大阪1区から立候補した民主党の熊田篤嗣衆院議員側に現金200万円を渡したと、
複数の関係者が産経新聞の取材に証言した。資金の授受は鳩山、熊田両氏側の政治資金収支報告書などに記載されておらず、証言通りなら裏金といえる。
鳩山氏は国会で「いかがわしいお金を子分づくりのために回したことはない」と答弁しているが、その信憑性に疑問が浮かんだ。
関係者の証言によると、当時公設第1秘書だった勝場被告は15年11月の衆院選が公示される直前の10月中旬ごろ、大阪1区から初出馬した熊田氏の大阪市内の自宅兼事務所を訪れた。
勝場被告は応対した事務員に名刺を渡し、「鳩山事務所からの陣中見舞いです。領収書はいりません」と言って封筒を渡したという。
勝場被告が事務所から帰った後で事務員が封筒の中身を確認すると、新札で100万円の束が2つ入っていたという。現金は熊田氏の支援者を通じ、熊田氏本人に手渡されたという。
鳩山氏と熊田氏の関連政治団体の政治資金収支報告書や、選挙運動費用の収支報告書には、いずれも該当する記載がなく、政治資金規正法や公職選挙法違反の疑いがある。ただ、いずれもすでに時効が成立している。
(産経新聞、2010/3/29より) [目次へ戻る]
西日本旅客鉄道労働組合(JR西労組)OBの民主党衆院議員、三日月大造・国土交通政務官が、JR西労組側から6年間で1億円を超える献金を受けていたことが24日、分かった。
三日月氏は、民主党の小沢一郎幹事長を支持する議員集団「一新会」のメンバーとしても知られる。資金面でJR西側に依存する三日月氏が、JRを所管する国交省の政務三役という重要ポストに名を連ねている事実に、識者からは「中立性に疑問があり、癒着を疑われても仕方がない」との批判の声も出ている。
(産経新聞、2010/4/25) [目次へ戻る]
財政再建しなければ、強い経済は成立しないし、強い教育もできない。情けないことに、いま世の中にには「弱い日本」が蔓延している。
事業仕分けなんかではバカな政治家が「スーパーコンピューターが二位ではどうしていけないのか」と言う。技術の本質がまるで分かっていない。
先端技術は、一番以外に価値はなく、二番以下は全部その他でしかないんです。
(週刊文春、石原慎太郎、2010/4/15より要約)
成り上がり伝説 「お父さんが生きていたら、蓮 (蓮舫)は政治家になっていないでしようね。『政治家にだけは絶対になるな』が、謝の遺言でしたから。
謝は政治家を使って仕事をする政商で、政治の表も裏も知っていた。だから、蓮が『政治家になりたい』と言ったとき、私は腰を抜かしましたよ」こう話すのは、蓮舫参議院議員(42)の実母・
斉藤桂子さん。蓮舫は台湾人の父親・謝哲信と日本人の母親・桂子さんの長女として生まれた。父親は台湾バナナの輸入などの事業で富を築いた人物、母親は夫の仕事をサポートする傍ら、新宿でバーを営業している。
「謝さんは高校卒業後に来日して同志社大学に入りました。その後、母親が台湾でバナナの輸出会社を経営している関係で、日本で輸入会社を始めたのです。大阪や神戸の闇市で成功した謝さんが東京に
出てミス資生堂の桂子さんと知り合ったのです」(謝氏の知人)
18才のときに日本に帰化した蓮舫だが、最初は乗り気ではなかった。「謝が『これからは世界を飛び回らないといけない。中国籍だといけない国があるが、日本国籍であればどこでもいける』
と言って、蓮を納得させたのです」(桂子さん)
本格的な芸能界デビューは大学在学中に選ばれた「第14代クラリオンガール」。応募の動機は、優勝賞金三百万円で「フェアレディZを買うこと」だった。
蓮舫を有名にしたのは「スーパージョッキー」だ。89年からアシスタントを務めた蓮舫は、「熱湯コマーシャル」などで、司会のビートたけしと絶妙な掛け合いを見せた。
桂子さんが明かす。「たけしさんが、『蓮舫はお笑い番組なんかに出ている場合じゃない。もっと社会派番組に出ろよ』って背中を押してくれたら、たまたまキャスターの話が来た」
93年、ニュース番組「ステーションEYE」でキャスターに抜擢された。関係者が話す。「キャンペーンガールにキャスターが務まるか、不安でしたけど、問題点を理解していたし、ニュースに対するセンスが
良かった」
「フリーライターの村田氏と98年に結婚しました。翌年には最愛の父親をがんで失い、翌々年には、夫婦揃って北京大学へ語学留学。父親を失って、中国への関心がより強くなったんですが、
ほとんど中国語を話せなかった」(知人)
04年、父親の遺言に背き、参院選に出馬した。誘ったのは高校時代からの友人で民主党議員の手塚仁男。「夫は『金もかかるし票集めのタレント候補になるだけ』と反対でしたが、本人は
『選挙資金は2~3千万円貯金があるから大丈夫』と乗り気だったようです」(政界関係者)母親の桂子さんが当時の状況を説明する。「鳩山さんと菅さんが自宅に来て、最終的な交渉には仙谷先生が出てきた。
どうせ出るなら自民党が良いと思ったけど、蓮は、先に来た方を選ぶ、と言って」
知名度を生かして初当選したが、その後のメディアの評判は芳しくない。政治家が多く出演する番組にはなぜか出演しようとしないのだ。「『TVタックル』のスタッフは、何度も出演オファー
していますが、いつも断られます。たけしさんに昔のことを突っ込まれるのが、嫌なのでしようか」(テレビ局ディレクター)
新聞記事にも注文をつける。政治部記者が話す。「記事では、タレント候補と書かないで、と言うんです。セミヌード写真集の過去もNGで、自分の過去も仕分けています。
車中取材では、後部座席に座った蓮舫がふんぞり返っていましたし、2年前に禁煙するまでヘビースモーカー。かってのイメージが崩れました」
(週刊文春、2010/4/29より要約)
秘書は痴漢 蓮舫参院議員(42)の30代の男性公設秘書が、東京都豊島区の路上で女性の体を触るなどした疑いがあるとして、警視庁池袋署が男性秘書から任意で事情聴取していたことが14日、捜査関係者への取材で分かった。
捜査関係者によると、痴漢行為は女性が被害届を出さなかったため事件化されていないが、男性秘書は任意聴取の段階で痴漢を認めたという。
豊島区池袋の川越街道沿いの歩道で、帰宅中だった女性(18)に対し、スカートをめくり、尻を触って逃げたとされる。
直後にパトカーで現場を通りかかった警視庁第2自動車警ら隊の隊員が、様子がおかしい女性に声をかけたところ、女性から「あの人痴漢です」との訴えを受け、先方を走っていた男性秘書を呼び止めて署に同行を求めた。
男性秘書は当初、「知らない」と痴漢行為を否定したが、その後「スカートの中を見たくてやった」と認めた。
(産経新聞、2010/6/15)
「知らないわよ、そんなこと」 蓮舫行政刷新相の公設第一秘書M氏(32)が痴漢をしていたことが、6月15日付けの産経新聞で明らかになった。
「仕分け作業の時、蓮舫さんの後ろに控え、テレビによく映っていました」(民主党女性秘書)政治家志望で、07年、蓮舫の公設秘書となった。
「M氏が蓮舫氏の秘書とわかり、池袋署の副署長が蓮舫氏の議員会館事務所に電話をした。政策秘書が来て彼を引き取っていきました」(民主党関係者)
15日の会見で蓮舫は「2日の事情聴取後に報告があり、弁護士に依頼して事実関係を確認した」と述べている。2日の両院議員総会の席に座った頃には、M氏の失態を知らされていたことになる。
2日の出来事が二週間もたってから明るみに出たわけだが、実はこの事実を数社のマスコミは把握していたのだ。民放キー局の記者が言う。
「三日の段階で情報をキャッチして、蓮舫氏にもM氏にも直接取材しました。ところが蓮舫氏は『痴漢?知らないわよ、そんなこと。ちょっと女性と肩がぶつかっただけみたいよ』とムッとした様子で否定しました。
蓮舫氏の閣僚入りが注目されていて、社としては事前に刺激したくないこともあり、上層部が報じることに二の足を踏んだのです」
報道が出るまで隠し通すような蓮舫に、「行政を刷新する」資格はあるのだろうか。「蓮舫事務所は三日、党本部に連絡を入れています。まだ人事は決まっていなかったものの、
新執行部になってこの事実の報告はなされています」(別の民主党関係者) となると、菅総理もこの問題を知っていた可能性が高い。これでは、新内閣の「切り札」の不祥事を、政府および民主党が、
組織ぐるみで隠蔽した、と見られてもいたし方あるまい。
仕分けで、担当者をやり込めたことは記憶に新しい。「必殺仕分け人」のはずが、自らの秘書の「犯罪」は頬被りするなど、開いた口が塞がらないとはこのことだろう。
(週刊文春、2010/6/24より要約)
事務所費疑惑 「蓮舫氏の疑惑は週刊ポスト(1/15.22日号)が報じました。自身の政治団体の主たる事務所として目黒区の自宅を申請し、事務所費の項目に3年間で約172万円を計上している
というものです。自民党は質問主意書を提出し、厳しく追及していく方針です」(永田町関係者)「蓮舫氏と川端氏は、身体検査で引っかかっていた。だけど、菅直人首相と仙谷官房長官は『逃げ切れる』
と判断したのだろう。参院選を7月11日で押し通したい背景には、スキャンダルが大きくなる前に選挙に突入したいという狙いもあるでしよう」(同)はたして思惑どおり「逃げ切れる」かどうか。
(週刊朝日、2010/6/25より要約)
パフォーマンス 07年、松岡利勝農水相が事務所費問題にからみ、「ナントカ還元水」と述べて物議を醸した当時、舌鋒鋭く迫ったのが蓮舫だった。
報道陣を引き連れて松岡氏事務所を抜き打ち訪問し「浄水器、ついてないじゃないですか!」と追及するパフォーマンスも見せている。
(週刊文春、2010/6/24より要約)
中国共産党 「中継中、谷亮子がサインと自分の似顔絵を描き始めると、たけしは『ラーメン屋のサインじゃないの』。
真っ赤なシャツを着たボランティアに囲まれた蓮舫を見て、『中国共産党を見ているようですね』と突っ込んだ。今年はたけしらしさが出ていて良かったです」(TBS関係者)
(週刊文春、2010/7/22より要約)
高級サロン 6月27日には九州と四国の移動に一時間60万円以上のビジネスジェット機をチャーターした。公示後の17日間で全国23県を回り、
街頭演説は44回行った。
ハードスケジュールだが、実は蓮舫議員、参院選に向けて「パーソナルトレーニング」を受けて万全の状態を築いていた。「蓮舫さんは一年半ほど前から、サロンに通って指導を受けています」
(関係者) サロンは入会金52500円、一回のトレーニングは21000円という高級サロン。
(週刊文春、2010/7/22より要約)
自宅にいわくつきの「建設会社」 約400平米の土地に聳えるのは、蓮舫の自宅である。坂を上ると勝手口のような第二の玄関があり、こちらには
蓮舫の母が代表取締役を務める2つの会社「ローレル」「桂信貿易」の表札が出ている。よく知る人物が蓮舫家の事情を説明する。「ローレルも桂信貿易もファミリー企業で、蓮舫氏は両社の取締役として
名を連ねていましたが、在任中の兼職を禁じる大臣規範に配慮して、今年6月の大臣就任直後に辞任しています」「今年の3月まで、蓮舫氏の自宅には、千葉県のある建設会社X社の『東京支店』が入っており、
表札も出ていた。この建設会社は、曰くつきの会社として、業界では知られた存在でした」蓮舫氏はURの発注する公共事業の大部分をその関連法人が「随意契約」で落としている実態を、「問題ではないか」
と指摘している。法人同士の随意契約を一般競争入札に変更するのは当然だが、反面それは、X社のような民間の建設会社も受注するチャンスが増えることでもある。
仕分けの対象団体の仕事を受注しているX社の東京支店が蓮舫氏の自宅にあった意味は、重い。
(週刊文春、2010/7/29より要約)
不適切発言「尖閣諸島は領土問題」
蓮舫行政刷新相は14日午前の閣議後の記者会見で、東シナ海の尖閣諸島周辺の日本領海内で海上保安庁の巡視船に衝突した中国漁船船長を逮捕した事件について「領土問題なので、毅然とした日本国としての立場を冷静に発信すべきで、感情論に陥るべきではない」と述べた。
その後、都内で記者団に「誤解を与える表現があった。訂正する。尖閣は歴史的にも国際法上もわが国固有のものだ」と釈明した。政府は、尖閣諸島について「領土問題は存在しない」という立場を取っている。
(読売新聞、2010/9/14)
国会内の雑誌撮影
蓮舫行政刷新担当相は8日午前の記者会見で、ファッション雑誌の写真撮影に国会議事堂内で応じたことについて「撮影場所が不適切であるとか懸念を抱かせてしまったとしたら率直におわび申し上げる」と陳謝した。
(産経新聞、2010/10/8)
蓮舫氏がファッション誌の撮影
民主党参院議員の蓮舫行政刷新担当相が国会内でファッション雑誌の写真撮影を行っていたとして、自民、公明両党は7日の参院議院運営委員会理事会で「国会のルールに違反している」と問題視し、民主党に説明を求めた。
国会事務局によると、私的な宣伝や営利目的でなければ写真撮影を認めているが、同党は対応を明言せずに持ち帰った。
写真撮影を行ったのは「VOGUE NIPPON」11月号で、白いスーツを着て国会内でポーズを取る蓮舫氏の写真が掲載されている。西岡武夫参院議長は同日の本会議後、蓮舫氏を呼んで事情を聴いた。写真撮影について注意したとみられる。
(時事通信、2010/10/8)
スカスカの蓮根
真紀子氏に「スカスカの蓮根」とバカにされていた蓮舫氏は、対抗心を顕にしていた。「管首相が遊説で街頭に立つときは、私は応援に行って、隣に立つつもり。小沢さんのほうは誰が応援に来るのかしら。
田中美絵子か田中真紀子でしょ。どちらにしても、見栄えは私の勝ちよ」
(週刊文春、2010/9/23より要約) [目次へ戻る]
NTT労働組合の政治団体「アピール21」が、内藤正光総務副大臣らNTTグループOBの民主党国会議員3人を含む組織内議員側に対し、無償配布用のビラの買い取り費用として、
過去3年間に総額約9400万円を「資料費」名目で支出していたことが9日、分かった。
無償ビラ購入費名目での政治家への資金提供は、民主党が提唱する「企業・団体献金の禁止」でも触れられておらず、寄付とパーティー券購入に代わる脱法的な「第3の政治献金」として、抜け穴になってしまう恐れもある。
(産経新聞、2010/5/10より) [目次へ戻る]
これまでも、「舛添さんについて喋ってほしい」という求めはありましたが、いずれもお断りしてきました。彼とは自民党の同志でしたから。しかし今回、
彼はその自民党に後足で砂をかけるように離党していった。だから、今回は、私の知る彼の真の姿をお話しても良いかなと。
彼は新党を作って、一体何をしようというのでしょうか。カネのかかる政治との決別、憲法改正、日米安保を機軸とした外交・安全保障--掲げる政策を眺めてみても、どれも自民党がやろうとしている
ことと変わりはない。なぜ外に出て、それをやらなければならないのでしょうか。例えば、新党は道州制を導入するとも謳っています。しかし、彼が自民党で道州制の議論を先導したとか、
実現に向けて汗をかいたとか、そんな話は聞いたことがありません。
社民党の福島さんや国民新党の亀井さんは、テレビに映る機会が多い。結局、彼も党首になりたかっただけではないでしょうか。利用できるものは何でも利用する人でしたから。
私との結婚も、大蔵省の女性キャリアという私の肩書き・立場を利用したかっただけなんだろうなと、今改めて思います。
片山氏は、東大卒業後、大蔵省(当時)に入省。女性初の主計官として注目を集め、05年、代議士に転進。大蔵官僚時代の86年、舛添氏と結婚。後に離婚している。
近藤先生(大蔵OBの元労働相)に紹介されてのお見合い結婚でした。私が27歳の時のことです。慌しく始まった結婚生活でしたが、平穏だったのは最初の数週間だけ。
「遅く帰ってきやがって」突然、彼は起こり始めたんです。いきなりキーッとなって、理由もなく怒鳴る。一方的にまくし立てて、私の言うことは一切聞かない。
話し合いにすらなりません。その辺にあるものを、手当たり次第に投げつける。またある時は、いくつものナイフを私の目の前に並べた。ナイフの収集が趣味だったんです。
しかし、そのうちの一つの刃先を私に向けたことまであります。充分すぎるほどの威嚇行為でした。彼は身体も大きいし、ワーッと大声で責め立ててくるので怖かった。ただただ怖かった。
着の身着のまま、タクシーで実家に戻ったこともあります。
結局、結婚から3ヶ月ほどで、弁護士に離婚を相談しました。すると、弁護士の調査で彼には愛人が、そして彼女が妊娠中であることも分かった。私から離婚調停を申し立て、正式に離婚が
成立したのは結婚の2年3ヶ月後でした。調停にしたのは、籍を抜きたいと言っても向こうが話し合いに応じなかったことと、離婚の原因が彼にあることを、はっきりとさせておきたかったことが理由です。
離婚翌年、彼女はマルマンの御曹司、片山氏と再婚。その夫婦仲はつとに有名である。そして05年、代議士に。
一方の舛添氏は、二人の女性に出産させたものの入籍せず、後に別の女性と結婚。01年、小泉旋風下で参院議員に初当選。安倍内閣で厚労相として初入閣、福田、麻生内閣と続投した。
彼は、最初は小泉さんを評価していた。ところが、小泉人気が一時かげりを見せた09年頃に一転して批判するようになる。安倍さんの時も、参院選中から支持率が落ちると徹底的に非難した。
つまり、弱き状況にある人に強く出た。かと思えば、その安倍さんに厚労相を打診されると喜んで引き受けたりもしている。
彼の新党には郵政族や、郵政民営化に反対して自民党を離党した人がいる。そう考えると、民主党政権が進めている「郵政改悪」支持政党ということになります。
でも、彼は民営化に賛成していたんですよ。彼にはこの政策を実現したい、是が非でも成し遂げたいといったものがあるんでしょうか。改革派といっても、彼のどの実績がそれにあたるんでしょうか。
専門分野はあるんでしょうか。社会保障の分野ですら、彼以上の論客は自民党にはいくらでもいます。
来る参院選でのターゲットは、中道左派・社会主義を志向しているとしか思えない民主連立政権です。
「第三極」の動きに惑わされることなく、保守・自由主義の旗幟を鮮明にして、私はブレずに自民党の筋を通して戦います。
(週刊文春、2010/5/6より要約)
自民党を辞めなきゃよかった もはや「泡沫政党」としか言いようのない舛添要一代表(61)の「新党改革」。参院議員だけの、たった2人の世帯では
どこと組んでもイニシアチブはとれず、かといってこのままでは「その他」扱い。
新党改革がようやく1議席を確保したのは投票日翌日の午前3時になってからだ。「選対本部にいた舛添さんも万事休すと思ったのか、0時半すぎに『当選者が出たら会見する』と言い残して
帰ってしまった。それもそのはず、今回の選挙で議員数が合計5議席に満たなかったり、比例代表で有効投票数の2%以上の得票がなければ政党として認められないのです。そうなったら政党助成金も受けられません」
(政治部記者)
ある意味、民主党以上にピンチに立たされていたのだが、明け方にようやく荒井広幸幹事長が当選したことで得票率が2.01%となり、ギリギリセーフ。どうにか「政党」として存続することが
できたわけである。「結果的に民主党を過半数割れに導いた」と強がっていたが、このまま「泡沫政党」に甘んじるつもりなのか。自民党関係者が言う。
「舛添さんは自民党を出たことを後悔しているはずですよ。彼が離党する際、思いとどまるよう説得したのですが結局出て行った。最近になってまた電話をかけてきて色々グチるんです。
戻りたい、とまでは言いませんがね」
その舛添代表、一時は与党との連携を囁かれたこともある。「議員2人の新党改革では呑みこまれて冷遇されるだけです」(同)なにしろ、今でも事あるごとに自分が首相候補ナンバー1
だったことを自慢する舛添代表である。
政治評論家の小林吉氏が言う。「いずれにせよ、舛添さんがこのまま新党改革を続けていても生きる道はありません。絶望的といってもいい。彼の性格からすると、国政を飛び出して来年の
都知事選に出ると思いますね」果たして、かつての「首相候補ナンバー1」の本心やいかに?
(週刊文春、2010/7/22より要約) [目次へ戻る]
「あの人には、気持ち悪い性癖があったし、最後はストーカー紛いのこともされました。今考えると、とても国会議員とは思えません」
そう言葉少なに語るのは、都内に住む鈴木玲子さん(仮名)である。彼女と昨年初当選した民主党の平山泰朗(38)が出会ったのは昨年12月中旬。場所は北千住の居酒屋だった。
「平山さんは、彼女のアルバイト先にお客として来たのです」と告発するのは、玲子さんの知人女性。以下は、この女性の話である。
「その居酒屋は、店の子がお客さんと一緒に飲める形式。彼女は20代の美人で、平山さんのご指名で隣に座った。すると、自ら国会議員であることを明かしたそうです」
昨年の総選挙で平山泰朗に一票を投じた玲子さん。直ぐにピントきたという。「平山さんは、ミシュランに載っている店に行くのが好きとかで、玲子さんを誘った。その日はメルアドを交換して分かれました」
それから、玲子さんの携帯電話に平山議員からメールが送られてきて・・・。「1月初め、レストランで食事をすることになりました。窓際の2人用のテーブルに座り、1万円くらいの
コース料理を食べました。すると平山さんは『Hは好きなの?僕は下ネタを話せる庶民派議員だ』と卑猥な話を始めたのです」
2軒目に入ったのは、数寄屋橋交差点近くのバー。平山議員の口説きモードは全開になって、「『僕と君が出会ったのは運命だ』と必死にホテルへ誘った。
彼女は昼間、別の飲食店でも働いており、翌日、勤務日でした。玲子さんはそれを理由にホテルへ行くのを拒むと、平山さんは『一日の売上げはいくら?10万円?』と言い出し、終いには
『君に10万円あげる』と席をたったのです」2人はタクシーに乗ると、五反田のラブホテルへ。
その後、ラブホテルなどで逢瀬を重ねること数回。「いずれ、自分の奥さんと3人でSEXしたい、なんて言ったそうです。さすがに玲子さんも唖然としたが、
それでも平山さんは『3人で一緒にお酒を飲んで、君は寝たふりをする。そして、僕が妻としているところに混ざればいい。奥さんのを舐めているのを一緒に舐めれる?』なんて聞いたそうです」
玲子さんはこう話す。「彼は、足立区選出なのに地元の人を『ケチ』とか『足立区にはちゃんとした人がいない』と馬鹿にしていた。私は、そういう人間性に呆れているんです」
(週刊新潮、2010/5/20より要約) [目次へ戻る]
前原国土交通相は、全国の高速道路総延長の18%の無料化および、「上限料金制」という新料金体系の導入を発表した。この政策は国民生活に、どのような影響を及ぼすのか。
道路公団民営化以降、道路問題に深く関わってきた作家・猪瀬直樹氏に訊いた。
Q.鳩山政権の高速道路についての政策をどう評価しますか?
マニフェストで「無料化」を謳ったものの、結局、そのための予算は一千億円しか拠出できず、ごく一部の無料化しか実施できなかった。「18%無料化した」と言っても、それは距離で見た場合の話。
より重要な料金収入で見れば、全体の5%しか無料化できていません。つまり、無料化したほとんどは大勢に影響のない、地方の枝線なのです。
Q.今回のような料金改定をする必要があったのでしょうか?
全くないと思います。なぜなら、現在、高速道路を運営している高速道路会社は現行の料金体系で、うまくいっていたからです。
旧道路公団を解体した目的は、民営化によって放漫経営を正し、高すぎる料金を引き下げること、採算の取れない無駄な道路をこれ以上つくらせないこと、膨れ上がった40兆円もの借金を税金を使わずに
返済することでした。
コスト意識を高め、民間企業なら当たり前の経営努力を始めることで、05年に発足した高速道路六社は、年間2.6兆円の売上げから毎年、借金を返済し、45年で40兆円を完済する目処を
立てることができました。その上、自助努力で料金引き下げとサービスの向上も実現してきたのです。放漫経営を改めた結果、民営化当初から年間五千億円の料金割引を導入することができたのがそれです。
ETCは現在、約85%まで普及したので、料金所が原因の渋滞が緩和されました。高速道路会社はETCによる料金徴収システムをアジアに輸出しようとしています。また、高速道路の維持管理の技術を
アフリカ諸国で教える計画も進んでいます。高速道路を円滑に運営し、維持管理するシステムは海外に輸出できる魅力的な「商品」なのです。橋梁の老朽化を調査する独自技術を活用して、米国で
橋梁の点検をする事業の受注にも乗り出しました。高速道路会社は民間企業として、海外に市場を求めるまでに成長してきたのです。これを変える必要など、まったくありません。
Q.無料化にこだわって、でたらめな料金改定のような政策を続けていると、高速道路はどうなってしまうのでしょうか?
「無料化」は、一言で言えば、「国営化」です。高速道路会社主要三社の料金収入は現在、二兆円あります。民営化したことで、その使途は透明化され、お金の出入りは厳しく管理されることになりました。
二兆円に対するガバナンスが確立したのです。しかし、国営化されれば、二兆円を税金で賄わなければならないばかりか、ガバナンスも失われてしまいます。
しかも、「無料化」は40兆円もの借金を税金で返済していくことを意味しています。
Q.前原国交相は3兆円の予算のうち1.4兆円を使って、新しい道路を建設することを発表しました。
すべての元凶は昨年末に小沢幹事長が党の要望として政府に渡した「重要要点」にあります。そこには税金を高速道路会社に流し込んで道路を作らせる方針が明記されています。
小沢幹事長は選挙のために無駄な道路をつくりたい、しかし、財源がない。そこで、この要望が盛り込まれたのでしょう。しかし、鳩山政権はこの要望を「国民の声」として呑んでしまいました。
Q.鳩山政権の道路政策は無駄な道路建設で借金を膨らませた道路公団への逆戻りではないでしょうか?
そのとおりです。高速道路会社の「道路公団化」が始まったのです。実は、その「道路公団化」の方針も小沢幹事長が提出した「重要要点」に明記されています。
そこには、今後の高速道路建設は高速道路会社に一本化することが書かれているのです。民営化した後、高速道路会社は採算が取れない高速は作れないので、不採算道路は国と地方自治体が税金を出し合って
作ることになりました。ところが、高速道路建設を高速道路会社に一本化するとなると、その不採算道路も高速道路会社が税金で作ることとなる。これは明らかに道路公団時代への逆戻りです。
「無料化」の名の下に現在、行われていることは、せっかく民営化し軌道に乗り始めた高速道路会社の「道路公団化」にほかなりません。
(文芸春秋、2010/6より要約)
高速道路料金無料化
高速道路無料化は、混雑・渋滞が増え、高速移動のメリットが減殺される。物流・観光業者にとっては、高速道路分のコストが下がっても、運転手の拘束時間が長くなるなど別のコストが上昇する。
実際、高速バス会社などが無料化に反対している。環境政策とも逆行する。CO2発生量の少ない鉄道やフェリーからの交通シフトが避けられないからだ。
最大の問題は、高速道路の利用者が料金支払いによって建設や維持管理などのコストを負担するという、受益者負担の原則が崩れることだ。
今行うべき高速道路政策は、無料化ではなく、高速会社の真の民営化と料金設定の弾力化による引き下げだ。
(週刊東洋経済、2010/1/30より要約)
識者の見方
財政が厳しい中で高速無料化の優先度がどこまで高いか疑問だ。選挙にらみの政策で財政が悪化し、将来世代の選択肢を狭めてしまう危険性がある。
ムダの削減を唱えておきながら不必要な政策を進めてはいないか。そもそも温暖化ガスを25%削減する目標と高速道路無料化は整合性がない。やるべきことは環境に優しい輸送機関への振り替えではないか。
(日経新聞、識者の見方、PBPパリバ証券・河野龍太郎チーフエコノミスト、2010/2/3より要約) [目次へ戻る]
菅新内閣で国家戦略相に就任した荒井聰・衆院議員(64)(北海道3区)の政治団体「荒井さとし政治活動後援会」が、2002年11月からの約7年間、
東京都府中市のマンションの知人宅を「主たる事務所」として総務省に届けていたことがわかった。
同後援会は政治資金収支報告書が公開されたこの間の6年で、計約4222万円の事務所経費を計上していた。
主な収入は毎年主催していた政治資金パーティーで、金額は約1100万円~同1400万円。
(読売新聞、2010/6/9より要約) [目次へ戻る]
荒井聰の事務所費問題
長ネギ、牛乳、いため油、精肉、ハンバーガー、キャミソール、少女漫画、推理小説、パチンコ関連品、マッサージ店の施術料。これらは主婦の買物リスト---ではなく、政治家が「事務所の経費」
として計上した領収書の一部だ。その感覚では、キャミソールも少女漫画も政治活動上の「必要経費」らしい。
ことの発端は、読売新聞(6月9日付)の報道だった。民主党の荒井聰・国家戦略相の政治団体「荒井政治活動後援会」(東京都府中市)が政治資金収支報告書に「主たる事務所」
として記載している事務所に実態がないのではないか、と報じた。これを受けて、民主党が同会の領収書を公開したところ、冒頭のような信じられない品目が「経費」として計上されているのが
発覚したのだ。
今回、民主党が領収書を公開したのは、荒井氏に加え、過去に事務所費問題が報じられた蓮舫行政刷新担当相と川端達夫文部科学相の3人分。特に目玉大臣である蓮舫氏の潔白は是が非でも
証明したかったのだろう。「蓮舫氏の疑惑は週刊ポスト(1/15.22日号)が報じました。自身の政治団体の主たる事務所として目黒区の自宅を申請し、事務所費の項目に3年間で約172万円を計上している
というものです。自民党は質問主意書を提出し、厳しく追及していく方針です」(永田町関係者)「蓮舫氏と川端氏は、身体検査で引っかかっていた。だけど、菅直人首相と仙谷官房長官は『逃げ切れる』
と判断したのだろう。参院選を7月11日で押し通したい背景には、スキャンダルが大きくなる前に選挙に突入したいという狙いもあるでしよう」(同)はたして思惑どおり「逃げ切れる」かどうか。
(週刊朝日、2010/6/25より要約)
横浜に実体のない事務所 キャミソールで問題になった「荒井さとし政治活動後援会」は、00年11月から02年11月の約2年間、事務所が横浜市に置かれていた。
ここは荒井氏が所有する一戸建てだった。だが、問題の二年間、荒井氏がここで活動していた形跡はない。近所の住民によると、現在ここに住んでいるのは荒井氏の娘夫婦で、04年に越してきたという。
荒井氏は選挙の拠点は北海道のため、この自宅に戻ってくることはほとんどない。ところが、その二年間に該当する01年から02年の収支報告書によると、事務所費は計約184万円。さらに人件費は
約148万円、備品・消耗品に至っては計約264万円の総額600万円が計上されていたのである。自宅に家賃がかかるわけもなく、空家同然では人件費がかかる理由がない。
ここに、「架空事務所費疑惑」が浮上する。
(週刊文春、松田賢弥、2010/7/29より要約)
荒井聰の女性秘書、石川議員公設で給与
荒井聰国家戦略相(64)の政策秘書を務める女性(35)が、荒井氏が衆院議員を辞職した直後の2007年3月~7月、石川知裕衆院議員(37)の公設第2秘書に登録されながら、荒井氏の関連政治団体の事務担当者として活動していたことが分かった。
複数の関係者は、荒井氏の秘書だったと証言している。一方、石川氏の複数の元秘書は「女性のことは知らない」と話しており、女性には石川氏の秘書としての実態がなかった疑いが出ている。
荒井氏は07年3月16日、翌月の北海道知事選に出馬するため、議員を辞職。荒井氏の公設秘書だった女性も失職した。
一方、荒井氏の辞職により、当時、民主党の比例北海道ブロックで次点だった石川氏が繰り上げ当選し、女性は同年3月27日~7月31日、石川氏の公設第2秘書に登録された。この間、女性は国から給料や期末手当など約200万円を受け取った計算になる。
(読売新聞、2010/9/16) [目次へ戻る]
民主党の中島正純衆院議員(41)=大阪3区=が代表を務める「民主党大阪府第3区総支部」の09年政治資金収支報告書の記載で、架空計上の疑いがあることが5日、関係者の話で分かった。
関係者によると、総支部は09年政治資金収支報告書で、事務所費、人件費など計2050万円の支出を記載。事務所費の中で、車のリース代として約290万円、パソコン・印刷機代として約70万円を計上した。
報告書には領収書のコピーが添付されていたが、車のリースやパソコン購入などが事実でない疑いがある。中島氏の知人である愛知県岡崎市の税理士の事務所や、この税理士の関連会社からリースや購入したことになっていた。
また、中島氏の資金管理団体の支出約500万円を、総支部の支出として不正に振り替え計上した疑いもある。
(毎日新聞、2010/9/6)
離党届を提出
民主党の中島正純衆院議員は7日午後、党本部に離党届を提出した。中島氏は、自らが代表を務める「党大阪府第3区総支部」の資金について、架空支出の疑いが取りざたされていた。
(時事通信、2010/9/7) [目次へ戻る]
民主党の小宮山泰子代議士の実兄が、宝くじ販売権の譲渡をめぐる詐欺事件で逮捕された。兄の小宮山徹容疑者(48)が詐欺容疑で警視庁に逮捕されたのは5月24日。
宝くじ販売権を売るとの架空の話を持ちかけ、都内の会社役員から400万円をだまし取った疑いが持たれている。小宮山容疑者の投資にまつわる詐欺については、数年前からメディアなどで
たびたび疑惑が指摘され、被害者から返金を求める民事訴訟が提起され、警視庁には刑事告発がされていた。
被害者の一人の武内さん(仮名)の話。「小宮山徹と初めて会ったのは04年5月です。ニューロッタリー社が持つ通信関連企業の株式を、買い戻し特約つきで売買しないかと持ちかけられました。
徹は小宮山泰子衆院議員の実兄で、公設秘書と名乗り、投資の元本は、小宮山一族が完全に保証すると説明しました」
武内さんは小宮山をすっかり信用し、まず5000万円をニューロッタリー社の口座に送金。1000万円単位で送金を続けた。株を購入する資金を貸して欲しいとの小宮山の頼みにも応じ、
振り込んだ金は、05年2月までに総額2億4600万円にも達していた。「希望すれば株は買い戻してくれるとのことだったので、融資したお金も05年の2月末までには戻ってくると思っていたのですが、
返済の期日になっても元金が支払われる気配はない。返金を求めても小宮山は逃げ回るばかりでした」(同)
「妹の選挙活動で、東京と埼玉を動き回っています」と、言い訳する小宮山に対し、元金の返済を求めると、「投資は順調に行っているが、9月の選挙のために2億円使ってしまうので、
今すぐには返済できない。ニューロッタリーを、ライブドアに12億円で売却し、10月には元金と利益を含め現金で支払いますから」と約束したが、妹の泰子氏が当選した後も、金が返済される気配はなかった。
「会社に乗り込んで、返済を求めたのですが、会社の口座には残高が1260円しかなかったという。私が送金したお金は簿外処理していたというのです。投資した元本は返済の目処が立たなかったので、
07年10月に返済を求めて東京地裁に提訴しました」(武内さん)
昨年4月に原告の武内さんの全面勝訴で裁判は終結したが、小宮山容疑者に返済能力はなく、騙し取られた2億4600万円を取り戻す可能性はほぼない。
(週刊新潮、2010/6/10より要約) [目次へ戻る]
「一連の言動で菅首相のハートをがっちりつかんだね」民主党の衆院議員がほめる相手は、政調会長と公務員制度改革担当相を任された玄葉光一郎(46)。
玄葉が脚光を浴びたのは、5月26日に発足した「国家財政を考える会」の代表世話人に選ばれ、参院選のマニフェストで消費税増税論議を進めるべきだとブチ上げたこと。消費税論議すら
否定的な立場の小沢一郎と真っ向から対立したのだ。
「菅首相が財務相だった4月12日、日本外国特派員協会の講演で、『増税しても使い方を間違わなければ景気はよくなる』と発言したことを受けて、玄葉氏は会の発足に動いた。
これには菅氏もかなり喜んでいた」(民主党議員)確かに財政再建は喫緊の問題。消費税増税の議論も不可避との見方もある。ところが---。
「玄葉氏は成長路線をめざす立場だった。過去には驚く論文も発表しています」とは民主党関係者。玄葉が増税派に衣替えしたことにクビをひねるのだ。「無税国家をめざして」
そう題された論文は、95年1月、玄葉が新党さきがけで税制改革案作成にかかわっていた時期に書かれたものだ。そこには、斉藤精一郎らが著した「増税無用論」(PHP研究所)から
「1.国家予算の単年度制を廃止し、2.経営努力により、国家予算の何パーセントかの余剰を生み出し、積み立てる、3.積み立てた資金を運用し、4.金利収入によって国家を運営する」
と引用し、「われわれは、行財政改革の断行による大幅な歳出削減を目指さなければならない」と高らかに誓っている。
経済ジャーナリストは疑問をなげかける。「玄葉氏は、当時の考え方をあっさり捨てたのでしょうか。消費税はやり方によっては引き下げることができると書いています。
一体、どうなっているのか」菅氏の唱える増税派に転向した玄葉。時流に乗るのが上手というだけか。
(サンデー毎日、2010/6/27より要約) [目次へ戻る]
「亮子が選挙に出馬すると聞いた日には、一睡もできませんでした。あの一家から私たちが受けた仕打ちは、一生、忘れられない。十年以上前から絶縁状態ですが、未だ許せません。
これまでの経緯を亮子も知らないはずはなく、何ら行動しなかった彼女に、国会議員になる資格なんてありません」
参院選出馬を表明した谷亮子(34)の伯父、田村幸次氏(67)は、こう怒りを露にした。
小沢氏は電話で直接、谷に出馬を要請した。谷は断ったものの、副幹事長の二人が、交渉を続けた。それでも首を縦に振らない谷に、民主党は特別待遇を約束した。
「議員バッジをつけても現行続行は可能だし、一回生のときは役職が付かないから、ある程度、自由も利く。練習や合宿などで国会に出られないときは、党がきちんとカバーする」
ロンドン五輪を目指す片手間に議員をやられたのでは、国民はたまったものではない。
谷は中学三年生の12月、福岡国際女子柔道選手権で、史上最年少で優勝した。だが、谷の実父の勝美氏の姿はなかった。「当時、勝美は刑務所で服役中だったんです。勝美は亮子が生まれてからも、
主に、示談屋で生計を立てていました。『亮子のためにまともな道を歩け』と諭し、仕事を一緒に始めても長続きせず、結局、示談屋に戻ってしまう。そのうち、保険金詐欺に手を染めて逮捕されたのです」
さらには、保釈中に暴力団賭博に関わり再逮捕。その後、先の保険金詐欺で実刑判決が下り塀の中に。一家の主を失った田村一家を支えたのが、幸次氏だった。
「食べ物を持っていったり、ガスが止められたときには、湯沸かし器を持って行ったこともありました」裕福ではなかった幸次氏だが、金銭面もできる限り援助したという。
幸次氏が締めくくる。「勝美は出所した後も、一向に悪びれる様子がなく、反省の弁も聞いたことがありません。それどころか、今日まで、迷惑をかけた私に謝罪の一つもないままです。
亮子からも、世話になった感謝の言葉もない。国会議員になろうというなら、出馬表明する前に、まずは一人の社会人として、自分たちが世話になった人達に、目を向けるべきではないですか」
(週刊文春、2010/5/27より要約)
谷亮子は夫に巨人を裏切らせた
民主党が谷の出馬を発表してから数日後、山岡賢次・国対委員長は周囲にこう語っていた。「幹事長が谷さんに接触したのは2月頃。『どうにかして比例代表の票を増やしたい。
望みなら何だって聞き容れましょう。柔道もどうぞお続けください』と言って説得に成功ししたんだ」そして続けて、「ただ1つ条件を出した。それは『ご主人が口外しないこと』。
ナベツネの妨害を心配してのことだよ」
ナベツネとは言うまでもなく読売新聞グループ本社会長の渡辺恒雄氏、ご主人とは谷の夫、巨人の谷佳知選手のことである。つまり、「谷選手が妻の出馬を口にしたら、
民主党嫌いの渡辺氏に知れて潰される。小沢氏はそれを恐れたんです」とは、さる政界関係者。
「実際、渡辺氏は谷選手に『前もって報告がないなんて、俺は赤っ恥をかいたじゃないか』と激怒したと言われます。自民党から出る堀内恒夫や、たちあがれ日本から出る中畑清は渡辺さんに
対して仁義を切りにきた。それと比較しての怒りだと思われます」
小沢氏にしてみれば、まさに『してやったり』ではあろうが、それにしたって、「今回は、トヨタも谷に出し抜かれた形なんですよ」と、あるトヨタ関係者は呻くのである。
「3月1日に退社願いを出した谷は、理由を一切言わず、『柔道連盟にも内緒にして欲しい』と言ったのです。今思えば、全柔連を通じて日本体育協会会長の森喜朗元総理に情報が漏れ、出馬を察知されると
警戒したのでしょうが、トヨタでさえ発表まで何も知らされなかったのだから醜い話」(同)
何が波紋を呼んだと言って、谷のこの発言意外にあるまい。「現役は続けます。ロンドン五輪で金メダルを目指します」政治を軽んじ、柔道も甘く見ている、という批判が噴出したのは無理もないが
、本当にそんなことが可能なのか?
全柔連の山口香・国際委員会副委員長は、「谷さんは2年間、国内で優勝していません。11月には講道館杯が控えていますが、2人の子の母として、かつ政治家としての挑戦となると、
相当の覚悟が必要になってくると思います」と、いささか懐疑的で、「今や福見友子や山岸絵美、浅見八瑠奈といった20代の若手が同じ48キロ級の上位を占めており、年齢的にも谷さんにとっては、
厳しい道のりになるでしょう」
ならば、政治家として何か期待できるかと言っても、作家の麻生千晶さんが見るところ、「会見では『地球を覆うほどの愛で頑張りたい』とかピンポケ発言。
自分に酔っているとしか思えない。勘違いめさるな、家事を大事にされよと反発を呼ぶだけで、思ったほどの票は獲れないのではないですか」
(週刊新潮、2010/5/27より要約)
沸き上がったブーイング
何が不興を買ったといて、まずは民主党の全議員に宛てた出馬表明の「ご挨拶」である。それは「議員各位様」にファックスで送信されたのだが、「新人候補なら『私を仲間に入れてください』と挨拶
回りすべきで、一体、何様か」と、民主党の中堅議員は憤る。しかも文面には「スポーツ選手の立場から言えば、私たち候補者は小沢先生の指導方針に全幅の信頼を寄せ、選挙という試合に
臨まなければなりません」などというくだりが・・・・。小沢さんを監督に、候補者を選手になぞらえるのはいいけど、だったらきみは指導者である小沢監督の方だけ見るのかって話。
選挙は相手を倒す試合ではなくて、人々に訴える活動でしょ」(同) 監督のご指導に従う谷が、「やっぱり単なる小沢の手ゴマか」とブーイングを浴びているゆえんである。
(週刊新潮、2010/6/10より要約)
撮影料を要求
「新聞やテレビが選挙報道のため、事務所を通してヤワラちゃんの写真撮影をお願いすると、彼女の父親から撮影料を要求されるんです。候補者だというのに、前代未聞ですよ。
結局、イベントなどの際に直接、写真を撮るなどして対処したようです」(永田町関係者)
ヤワラちゃんの父親は、逮捕歴などの「黒い過去」が週刊誌などで報じられている。政治評論家の浅川博忠氏は「本来、党本部がしっかり指導すべきだ」と語り、こう叱咤するのだった。
「候補者写真で金銭を要求するなど、政治家を目指そうとする人がやってはいけない。出馬会見で、五輪出場と政治家を両立させるという軽率な発言をしてたたかれたばかり。
はっきり言って政治家の資質がないでしようね」
(週刊朝日、2010/6/25より要約)
家族の問題
「亮子の両親は定職に就いたことがなく、娘にタカって生活してきた。亮子が国会議員になれば、国民の税金から数千万円という給料が支払われることになります。その金が両親の私腹を肥やすために使われるのは
許されない。うちでは亮子が映った瞬間、テレビのチャンネルを変えます。彼女は国会議員に相応しくない」そう声を荒げるのは、田村幸次氏(67)。谷の実父・田村勝美氏の兄である。
「亮子が生まれてから、勝美がどうやって生計を立てていたかといえば、詐欺とギャンブルとタカリ。彼は怪我しただの病気になっただのと年中入院して保険金を得ていた。また、交通事故の仲介役となって
カネをせしめる示談屋もやっていた。そして結局、保険金詐欺がばれて、逮捕されてしまうのです」それが20年ほど前のこと。保釈金350万円は幸次氏が用意したという。
「が、その1年後、今度は暴力団関係の賭場に出入りして逮捕された。保釈中だったので実刑を食らい、それから4年近く塀の中で暮らすことになりました」と幸次氏。
「ギャンブル好きなのは勝美だけでなく、亮子の母・和代もそう。なにしろ、自宅で勝美と一緒に手本引の練習をしていたこともありますし、競艇・パチンコ好きはほとんど病気。
和代が私の目の前でノミ屋に電話し、舟券を買っていたむこともあります。それはともかく、勝美が塀の中に落ち、一家は全くの無収入になってしまった。私は当時、実家の土地を売った金を多少は持っていたので
、和代から頼まれて何度も金を貸しました」
勝美氏には、前妻との間に息子が1人いる。谷から見ると異母兄ということになるが、彼こそがこの「黒い家族」の一番の被害者ではないか、と幸次氏は言う。
「ずいぶん家の中で虐げられていたようです。彼が家出をしたのに和代も亮子も知らんぷりしていたこともあったし、勝美は『中学まで育ててやるけどあとは勝手に生きていけばいい』とよく言っていました。
そんな両親が賭けていたのが、中学生の頃から柔道選手として頭角を現しつつあった谷の将来である。「勝美は『亮子には才能がある。金の卵だ』と言っていました。亮子の稼ぐ金で生活していこうという
魂胆がありありとしていた。母親の和代が、亮子の東京の大会に同行する、なとどと言って金を無心してくるのには閉口しましたね」と、幸次氏が続ける。
「勝美が刑務所を出て、うちに挨拶に来た時、ちょうど亮子の帝京大学進学が決まった直後でしたが、こう言っていましたよ。「東海大は山下監督を立てるだけで一銭にもならない。
ミキハウスは金を積んできたけど、額が安かった。帝京に決めたのは、一番契約金が高かったから」と。その後もトヨタ入社、CM出演など、亮子はどんどん稼いでいった。
その間もずっと傍らにいたのは勝美。彼は示談屋でしたから、交渉事は専門分野。亮子の稼ぎによって、今では福岡市内に豪邸まで構えています。そんな人間と二人三脚でやってきた亮子は、
やはり国会議員になるべきではないと思います」
(週刊新潮、2010/6/17より要約)
「文春はタタキ殺す」 投開票日。紺のスーツに身をかためた谷の実父・田村勝美は、歓喜に沸く谷事務所で、雄弁に持論を展開した。
谷に対する「二足の草鞋」批判に付いては、「失礼な言い方。ボクシングの選手なんかもそうじゃない?お金がないから夜みんなアルバイトしている。二足の草鞋履いたらボクシングできん、とかって
あなたたち言うの?」では、国会議員は谷にとって単なるアルバイト? 取り巻く記者に「もちょっとレベルを上げてさ、谷を応援する方が紳士的じゃないか」と説教して上機嫌の勝美を直撃した。
「どこだ?」週刊文春です。「週刊文春?タタキ殺すよ。週刊誌ごときに話すことはない!」我々の報道についてお考えを....。「キサマ!!週刊誌ごときの、レベルの低い奴と話したくないの!!!
週刊誌は帰りなさい!」娘の公人としての門出の日に、まことに「紳士的な」対応の勝美であった。
国会議員となった谷だが、はたして「柔道との両立」が本当に許されるのか。「谷に出馬を要請した当時の小沢一郎幹事長は、柔道の現役続行を認めたかもしれないが、
もはや小沢は幹事長ではない。谷が二足の草鞋を履けば、格好の攻撃材料になります。今後、党として黙認することは難しいでしょう」(政治評論家・浅川博忠氏)
当選会見終了後「おやじから呼ばれたから急いで行かないと」と後援会関係者に急かされながらその場を去った谷。この「おやじ」とは、他ならぬ小沢だった。
小沢vs菅の抗争に巻き込まれるに違いない谷の前には、「柔の道」ならぬ「茨の道」が待っている。
(週刊文春、2010/7/22より要約)
「えっ、国政?」
「えっ、国政?」 9月3日に行われた「小沢一郎先生を応援する秘書の会」での谷亮子議員の一言に、集結していた全員が目を丸くした。「このたび、小沢一郎先生が皆様の信頼のもとに『国政』にチャレンジされる」。
「国政選挙と代表選挙の違いさえ、分かっていないんじゃないでしょうか。失笑している民主党関係者もいました」(政治部記者)
(週刊文春、2010/9/16より要約) [目次へ戻る]
民主党の後藤英友衆院議員(43)(比例九州ブロック)の妻(30)が3、4月、国会議員に支給される無料航空券を使い、熊本―羽田間の航空便を複数回利用していたことが18日、分かった。
国会議員にはJRや航空機を無料で利用できる券が支給されるが、「議員の職務遂行」以外の利用は認めていない。
後藤英友は、昨年の衆院選での選挙違反事件で、陣営出納責任者の有罪が確定。
(読売新聞、2010/8/18より要約) [目次へ戻る]
民主党代表選で菅新総理と争い、その名を全国に浸透させた樽床伸二衆院議員(50)。お陰で国対委員長の座が転がり込んできたが、それも「ご利益」と思っているのだろうか。
なにしろこの人、「代表戦に立候補した当初、テレビ局で『有馬さん、樽崎氏はどうですか?失礼しました、樽床氏は?』と間違われるほど。05年の郵政選挙で落選して、ブランクがありましたからね」
と、政治評論家の有馬晴海氏も言うほど、数日前までは無名だったのだ。「代表選前日までに、必要な20人の推薦状も集まらず、松木代議士らが慌てて手を貸し、なんとか支持者をかき集めた。
1年生議員のほとんどが知らなかったので大変でしたが」なにやら場当たり的。だから、出馬表明の会見でマニフェストの見直しや機密費などについて聞かれても、自分の考えを何も言えず、一部の
報道陣に「正直言って呆れました」と言われてしまったが、こんな定見のなさがこの人らしさなのかもしれない。「97年のこと、新聞記者に肝臓移植法案の賛否を尋ねられたとき、奥さんに電話して
、奥さんの意見をそのまま伝えたんです」(あるジャーナリスト)
「初めて樽床さんとお会いしたのは7~8年前、民主党のベテラン議員の紹介でしたが、樽床さんの運気は抜群によかった」と言うのは、鳩山幸夫人と親しく、前首相の開運も指導していた占い師の
翠真佑女史である。「桁外れに運気が強いので将来有望だと感じましたが、当時の樽床さんはまだ自信満々で、私の助言にあまり重きを置いていなかった」それが変わったのは、郵政選挙で、女史が
「危ないわよ」と伝えた通り落選したからだそうで、「その後、私は樽床さんに運をつけようと、運勢の良い方位、大事な人と出会える方位を教えてあげていました。お金で困らないように金運もつけてあげた。
樽床さんもそれを指針に頑張っていました。昨年、再選後にお会いすると「修行は辛くなかったです」と言うので感心しました。ただ、当時の樽床さんの頭は若白髪でほとんど真っ白。若さが感じられなくなったから
、私が染めさせたんです」代表選は最初、赤いネクタイをしていたので、「青いほうがいい」と助言しました。おかげで、2日で要職につけた?次はどんな運気を運んでもらいますか。
(週刊新潮、2010/6/17より要約)
迂回献金
衆院国家基本政策委員長に内定している民主党の樽床伸二衆院議員が代表を務める党支部に対し、大証ヘラクレス上場の物流会社会長と関係会社2社が、05年8月に計3500万円を寄付していたことが、政治資金収支報告書などで分かった。
2社のうち1社は登記上所在地に存在せず、もう1社は寄付の3カ月前に設立されたばかりだった。物流会社会長は個人献金の上限額を寄付しており、それを超えて寄付するため2社を利用した「迂回献金」の疑いがある。
(毎日新聞、2010/9/27) [目次へ戻る]
もともとこんな人物を国会議員にしてしまったのが間違いだったのだ。不起訴になっていた1年前のある恐喝事件について、検察審査会が「起訴相当」の議決を下した。
しかも、横峯良郎参議院議員(50)こそ「深く犯罪に関与した」恐喝犯だと認定しているのである。
実は、その「東京第四検察審査会」による議決が審査申立人に伝えられたのは7月21日のことだったが、議決そのものは、すでに7日には下されていた。
「通知を遅らせたのは、参院選への影響を考え、検察審査会が配慮したのでは。何といっても、その議決には現職の参議院議員が恐喝事件の被疑者であるとハッキリ明記してあるんですからね」(司法記者)
問題の事件が起きたのは、昨年6月のことである。恐喝の舞台となったのは、渋谷区の幡ヶ谷駅から徒歩5分程度の商店街にある「くろ黒亭」というお店。突如、プロレスラーや、チンピラ風の男たち
数名が押しかけてくる。「今でこそ素性が分かっていますが、あの時は外見も言葉遣いからもこれは絶対ヤクザだと思って、怖かったですよ」と、女性従業員が当時を振り返ってこう語る。
「そんな連中がいきなり『従業員だ』とか言って下足箱の先の廊下にズラッと並び、お客さんに『いらっしゃい』とか『ありがとう』って言う。困りますって言っても、やめないんですよ」
それが夕刻から閉店まで3日間にわたって続けられ、最終的に店の売上金から約32万円を脅かし取っていく。これは立派な恐喝罪。そして実際、彼らは実行犯と指示をした会社社長の計6名は、
代々木警察署に逮捕される。ところが、20日間の勾留、取調べの後、なぜか全員が処分保留で釈放され、その後、不起訴となる。その処分を不審に思った被害者である「くろ黒亭」のオーナーが、
指示者とされる会社社長の不起訴処分についてのみ、検察審査会に審査を申し立てていたのである。
では、この事件に横峯センセイはどう関与したのか。「本件では逮捕された関係者は6人であるが、不起訴処分記録を見るともう一人、被疑者と言える人物の存在が認められる。
国会議員のXである」検察審査会による議決文は、横峯センセイをこう厳しく断罪している。ちなみに議決文では「X」となっているが、センセイはこの審査申し立て時点では被疑者ではないため、
審査会が実名を控えたのだろう。「Xは、被疑者から相談を受け、本件恐喝事件を企画し、プロレスラーのBらの共犯者を手配し、1回目の恐喝行為が失敗に終わったことの報告を受けるや、
Aらを寿司屋に集め『お前らやり方が生温い。もっとバンバンやれ。』等と叱咤激励して指揮、監督し、被疑者には逐一結果を報告する等、いわば参謀のような活動をしており、深く犯罪に関与している」
表現では「参謀」となっているが、これはもう「主犯」と断定しているも同然ではないか。
議決文はさらに捜査のあり方にも疑義を呈している。「何故かXだけは事情聴取さえ受けていない」「Xが介入しなければおそらく今回の事件は発生しなかった」
司法記者が解説する。「通常、検察審査会の審査対象はあくまで申し立てのあった被疑者の処分についてで、被疑者でもない人間についてここまで言及するなんて、ほとんど例がない。
この議決文を読むと、まるで被疑者より横峯議員こそ起訴すべきだと結論付けているかのようです」無理もない。この事件における横峯センセイのかかわり方を見れば、ほとんど首謀者なのだ。
ある「くろ黒亭」関係者が、「最近、捜査にかかわった警察幹部が『事件は民主党の大物に潰された』と悔しそうに言ってました」とも言うから、捜査現場でも不起訴処分に疑問を感じる
声があったのは確かなのだ。当の横峯センセイは、先の参院選でも応援演説の依頼はゼロ。ヒマを持て余してたか、国会議員としての仕事もそっちのけで7月初旬から娘のさくらに帯同し、
女子メジャーの全米オープン、フランスのエビアンマスターズ、そして全英リコー女子オープンと米、仏、英を渡り歩き。お陰で今回の件は、事務所でもコメントができない状態である。
いずれにしろ、検察審査会でここまで認定された以上、今回ばかりは立件を覚悟すべきだろう。そもそも国会議員になったのが間違いなのだから、こんな資質ゼロのセンセイは、とっとと退場してもらう方が
よっぽど国益に適っている。
(週刊新潮、2010/8/5より要約)
東京地検が横峯参院議員を任意聴取
東京都渋谷区の飲食店で昨年6月に起きた恐喝事件に絡み、東京地検が民主党の横峯良郎参院議員から任意で事情聴取していたことが分かった。
事件で不起訴となった会社役員の男性を7月に「起訴相当」とした東京第4検察審査会が、議決で横峯議員を「犯罪に深く関与した」と指摘し、厳正な捜査を求めたため、関与の有無を確認したとみられる。
(毎日新聞、2010/10/6) [目次へ戻る]
菅改造内閣のサプライズ人事といえば、警察の「総目付」役である国家公安委員長に、岡崎トミ子参院議員が就任したことだ。
首相経験者の一人は「仰天した」というが、岡崎氏の過去の「特異な」言動を振り返るとそれも納得できる。
岡崎氏は通常国会の会期中の平成15年2月、ソウルの日本大使館前で韓国の慰安婦問題支援団体主催の反日デモに参加し、韓国人と一緒に大使館に向かってこぶしを振り上げた。
このデモに日本の国会議員が加わったのは初めてだった。
同年4月には、岡崎氏の政治団体が13年に、外国人からの寄付を禁止した政治資金規正法に違反し、北朝鮮籍で朝鮮学校理事長の男性と、韓国籍のパチンコ店経営者からそれぞれ2万円ずつ寄付を受け取っていたことも発覚した。
(産経ニュース、阿比留瑠比、2010/9/18)
「下には下が・・・」
「敵」を排除し、「味方」を引き入れる。見事なまでの「仙谷布陣」なのだった。その象徴が、国家公安委員長に就任した岡崎トミ子参院議員であろう。
「彼女は、社会党時代からの仙谷さんの盟友。社会党時代に『ニューウエーブの会』なる党内組織を一緒に結成した『お友達だち』です」(民主党担当記者)
しかし、この岡崎氏は看過すべからざる「前科持ち」なのだった。
「彼女は筋金入りの『左巻き』です。有名なのは、03年に韓国ソウルの日本大使館前で開かれた、いわゆる慰安婦問題の支援団体主催の反日デモに、国会開催中にも拘わらず参加したこと。
そのデモでは、『日本反対』と書かれた看板が揚げられていましたが、彼女はその中に混ざって堂々と気勢をあげていたんです。他にも、99年の国旗国歌法案には『君が代を歌わない場合に法律違反と言われるとは
心外だ』と言いのけて反対するなど、亡国の言動には枚挙に遑がない」(同)
日の丸と君が代が大っ嫌いとの態度を取る「反日政治家」を、事もあろうに昔の誼で日本国家の警察行政の「トップ」に起用したわけだ。現代史家で慰安婦問題に詳しい泰郁彦氏が指摘する。
「彼女が参加したデモは、通称『水曜デモ』と呼ばれていたもので、当時10年以上に亘って行われていた恒例行事。当然、岡崎さんもデモの趣旨を分かっていなかったはずがない。
そもそも政治家だから、直接、大使と話せるのに、それもせずに元慰安婦と一緒になって自国の大使館に向かい拳を振り上げるなんて愚かもいいところ。彼女はこの時点で反日姿勢を公にしたわけですが、
国家公安委員長になっても、同じ行動を取るでしょうか」さらに、「岡崎さんが国家公安委員長になったことにはびっくりしました。絶対に反対ですし、彼女にこのポジションは任せられません。
菅さんも仙谷さんも全共闘時代の感覚が変わっていないのでしょうね。総括なく権力者になってしまった人たちは本当に怖い」こう警鐘を乱打するのは、初代内閣安全保障室長で警察庁警備局OBの佐々淳行氏。
「率直に申し上げて、岡崎さんは『どこの国の政治家ですか?』と疑問を持たざるを得ない方。そんな彼女に気に入られなければ警察官は飛ばされるかもしれない。命がけで日本国民を守っている
全国25万人の警察官の士気は低下してしまいます。日本国家を真に思っている人間ほど左遷されかねず、戦後を支えてきた警備公安は崩壊します」
なお、岡崎国家公安委員長人事が公になった途端、「ある警察幹部がこぼしていました。『交際』していた民間女性に議員宿舎の鍵を貸与し、自由に出入りさせていた前任の中井さんと比べて、
『彼が史上最低の国家公安委員長だと思っていたが、さらにすごい人が来た。下には下がいるものだ』と」(警察担当記者)
こうした「問題人物」を警察行政の要に配置するとは、やはり日本国家を解体しようとしているとしか思えまい。
(週刊新潮、2010/9/30より要約)
反日デモに参加した岡崎トミ子
岡崎トミ子は、国会では従軍慰安婦問題に関する法案を提出しているが、なんとそれに関連して反日デモに参加した過去がある。「民主党の国民運動委員長を務めていた03年、ソウルで日本大使館前で
行われた抗議デモに参加したのです。大きなX印のついた日の丸の前で『日本は謝罪しろ』というシュプレヒコールに合わせて、拳を振り上げていました」(民主党担当記者)
「国家公安委員長が適任とは、とてもいえない。警察関係者は『左翼に情報を全部あげるのか』と頭を抱えてます。官邸に情報があがりにくくなっても不思議はない」(同)
(週刊文春、2010/9/30より要約) [目次へ戻る]
「問題になったのが厚労省から千葉県に交付される地域医療再生基金でした。県は基金を自民党が推進する病院計画に投入する予定でしたが、小沢氏はこれを潰せと長妻氏に迫ったのです」
(全国紙政治部記者)
幹事長の小沢氏を突き動かした人物こそ、千葉が選挙区だった青木愛議員である。「昨年、小沢幹事長のもと、14人の副幹事長の一人に大抜擢されたのが青木愛氏です。
小沢氏は党の政調を廃止し、国民の陳情は幹事長室に一元化する方針を決めました。厚労省関係の担当が、青木氏です。長妻大臣周辺は、『青木の件で小沢さんが怒った』と漏らしていた。
彼女が小沢さんに地元の話を繋いだそうです。彼女の主な仕事は陳情を小沢氏に繋ぐこと。小沢氏との親密ぶりは有名で、青木氏絡みの陳情はごり押しが利くと言われていました」(同前)
小沢氏が出馬を決める半月前の8月14日のことだった。この日の夕方、小沢氏は、京都の鴨川に臨む上木屋町に向かった。小沢氏が門をくぐったのは、旅館「吉屋」であった。
といっても、吉屋は休業中である。女将に話を聞こう。「四年前、私が70歳の時から休業しているんです。でも、ある人から『ちょっと、おたのもうします』と言われ、今回だけお部屋を貸しました」
引退した高嶋氏と佐藤氏のために、小沢氏が主催した慰労会だというが、小沢氏に出馬を促す会でもあったようだ。
実は、この様子は鴨川の反対側からテレビカメラに収められていた。テレビで放映されていない部分がある。九時前に高嶋氏たちが吉屋を後にすると、座敷に一人の女性が現れた。
青木愛議員だった。二階の座敷に入った青木氏はベランダに出ると、鴨川を眺めた。彼女の背後で障子が開くと、小沢氏が現れた。障子から漏れる灯りがベランダの暗闇に立つ二人の姿を、くっきりと照らす。
息を抜いた柔らかな笑い顔があつた。二人はそろって鴨川の川面に目を落とした。二言三言、言葉を交わし、手をつなぐような素振りの後、そろって部屋の中に消えていった。
さらに、簾越しに現れた青木氏は、なぜか浴衣姿に着替えていた。化粧を落としたのか、顔の雰囲気も違う。青木氏のように小沢氏のそばで公私共に過ごせる議員は聞いたことがない。
山岡氏や松木議員のように、側近中の側近と言われる人でさえ、小沢氏と直接話すのは困難と言われる。
9月1日、小沢氏出馬の総決起集会で、青木氏は会場の隅で涙をボロボロこぼしていた。一体、二人はどういう関係なのか。調べていくと、青木氏の不思議な姿が浮かび上がった。
「03年の衆院選で初当選した時から、メディア取材を嫌うのです。小沢さんから『マスコミには一切喋るな、テレビにも出るな』と指示されたそうです」(元秘書)
高校時代の同窓生が回想する。「90年代、酒を一緒に飲みました。今でも覚えているのは、彼女が『政治には全然興味がないけど、二人だけ男として好きなタイプがいる。それは中川昭一と小沢一郎』
と言ったことです」その後、青木氏は小沢氏が党首の自由党に参加する。03年の衆院選で初当選し、二年後に落選するも、07年に参議院比例代表区から出馬して国政に復帰した。彼女は特別待遇だったと、
当時の選挙スタッフが証言する。「参院選の時は、小沢氏側から三人の秘書が派遣され、選挙指導していました。三人も派遣されることは異例です。資金も潤沢で、ポスターも充実していた。
他の候補者より小沢氏側からの資金提供が多いと感じました」
政権交代をかけた昨年の衆院選で、公明党の太田代表がいる東京十二区に刺客として彼女を送り込んだ。しかし、当選した後、秘書給与を強制的に寄付させる違法行為が発覚した。O秘書
は青木氏と密接な関係だったせいか、『喋ったら、青木さんが終りになる』と心配したのです」(別の元秘書)小沢氏との距離は縮まったのか、青木氏は同僚議員たちと話す時、小沢氏のことを「一郎くん」
と呼び、周囲は言葉を失った。「今年、小沢邸で行われた新年会で、青木さんだけは小沢さんの妻のような雰囲気で来客をもてなしていました」(民主党議員)
そんな盲目的な青木議員を小沢氏は、副幹事長に抜擢したのである。国民の請願権が、公私混同とも取られかねない二人に委ねられていいのだろうか。
(週刊文春、2010/9/16より要約)
青木愛との密会報道に「出馬しなきゃよかった」
先週号で小誌が報じた小沢氏と青木愛氏の京都料亭での密会スキャンダル。さらに「週刊新潮」では小沢氏の政策秘書と青木氏の「不倫お泊りデート」が報じられた。発売日前日の8日、青木氏は
小沢グループの会合に出たきり、行方をくらませていていた--。
「あの記事が出て以来、青木さんは選対本部にも顔を出さなくなりました。それまでは毎日のように来ていたんですけどね。有権者の厳しい声が飛んでくるからね。週末に地元に帰るのが
憂鬱になりました」(小沢陣営の議員)
小沢支持を訴えるはずだった青木氏の選挙区でも音信不通に。「告示後すぐの9月3日に支援者を集めて『私は小沢さんを支持します』と説明していました。それからしばらくは
『小沢さんをよろしくお願いします』と地元を回っていたけれど、後半はバッタリ姿を見なくなった。『密会報道』に関しても何の説明もありません」(東京12区の地元議員)
元事務所関係者はこう言って呆れる。「雲隠れするのはいつものこと。昨年、秘書給与を強制的に寄附させていた件が報じられたときも、都内のホテルを転々と泊まり歩いていました」
さぞかし落ち込んでいると思いきや、親しい議員とはこんなやりとりも。「私が『いいパトロンをつかむと違うな』と冷やかすと、『勘弁してよ。また婚期を逃したわよ』と言ってました。
ケロッとしてますよ。『考えられない!ひどいと思わない?』と繰り返していた」(民主議員)
一方の小沢氏は、こんなことを語っていたという。「半分冗談のような感じで、『あんな記事が出るなら出馬しなきゃよかった。そそのかされて出馬して悔いているよ』と言っていました」
(別の小沢陣営議員)
(週刊文春、2010/9/23より要約)
青木愛が偽名の男と「不倫お泊り」デート
焼肉店を出て、連れたってホテルに戻ったのは22時40分。フロントを素通りし、客室用のエレベーターに2人は乗り込む。ホテル内施設は全て営業を終えていた。2人が向かった先は客室以外にあり得ない。
青木嬢はチェックインしていないので客室のキーを持ち合わせていない。持っているのは政策秘書氏だけである。客室に消えた2人が姿を現すことは翌朝までなかった。翌朝、客室用エレベータからロビーフロアー
に青木嬢1人が姿を現した。彼女はフロントに寄らず、1階の駐車場に降りるため、別のエレベータに乗り換えた。
一方の政策秘書氏は、彼女から遅れること約1時間、チェックアウトを済ませた。彼はこのホテルに偽名で泊まっていた。「ホテルに偽名宿泊した場合、刑法の有印私文書偽造及び同行使、もしくは
旅館業違反にあたる可能性があります」(日大名誉教授の板倉宏氏)
翌日の1日、山形市内のホテルに泊まっているが、その際は実名で宿泊している。つまり、政策秘書氏は何故か青木嬢との「逢瀬」の時に限って、偽名を使ったのだ。
こうして、小沢事務所の妻子持ちの政策秘書が、東京からわざわざ独身の女性国会議員を呼び寄せ、偽名で取ったホテルに一緒に泊まるという「妖しい」一夜は過ぎていった。
政策秘書氏は、「地元岩手県で採用され、20年来、小沢事務所に勤務。現在は東北や北関東を担当していますが、小沢さんの威光を借りて偉そうな態度を取るので、評判はよろしくない」
(小沢事務所関係者 )「青木が千葉を地盤にしていた頃から、その政策秘書は主に選挙時、青木事務所に派遣されていました」と証言するのは、青木嬢の元秘書。
(週刊新潮、2010/9/16より要約) [目次へ戻る]
「8月25日、『生活困っているでしょ?300万円振り込んであげるから好きなもの買いなさい』BY安住淳選対本部長。『結構です。』BYME」・・・・・民主党の前衆議院議員・河上満江さん
(39)がツイッターでそう呟いたのは9月13日、決戦前日のことだった。
河上さんは、昨年8月の総選挙で比例近畿ブロックから初当選。先の参院選では、複数区は2人擁立という小沢幹事長の方針に従って京都選挙区で鞍替え出馬。落選したが、現在も
「京都府参議院選挙区第4総支部長」という立場にある。代表選が実質的に始まっていた8月下旬、「反小沢」の安住議員から、地方議員や党員・サポーターを束ねる人物に300万円の資金提供が打診された、
となれば何ともキナ臭い話だが・・・・・。
河上氏が説明する。「25日に、党の職員から『安住先生に電話してほしい』と連絡がありました。議員会館の安住事務所に電話すると、唐突に、ツイッターに書いた通りのことを仰ったんです。
安住先生とは親交もなく、生活苦を訴えたこともありません。私は困惑して『代表選が大変な時ですから、私なんかにお気遣いなく』とお断りしました。すると『また困ることがあったらいつでも連絡してくれたら
いいから』と。気持ちが悪かったので、『あ、結構です』と返答して電話は終わりました」
安住選対委員長ら執行部に対する河上氏の不信は、今に始まったことではない。7月末、安住選対委員長に細野幹事長代理、党本部職員2名が立ち会って、参院選の敗因について聞き取り調査が
あったが、「その場で、安住先生が『そもそも勝てるはずがない選挙に出たあなたも悪いでしょう』と仰ったので驚きました。最初から負け戦だという認識で出馬される方はいらっしゃいません」
(週刊新潮、2010/9/23より要約) [目次へ戻る]
小誌は02年に当時民主党政調会長だった海江田氏の「不倫スキャンダル」を報じている。お相手は、なんと、鳩山由紀夫代表(当時)の従妹にあたるAさん。
妻子ある身の海江田氏はAさんと都内で親密デートを繰り返し、ついには小誌記者のまえで、Aさんアパートで一夜を明かした。
鳩山氏は、「えっ、相手ってAちゃんなの?知りませんよ。もちろん」と唖然。さらに海江田氏を直撃すると、当時こう答えていた。「朝まで経済対策を練っていたんだよ」
寝る、もとい練るなら他の場所にすればよさそうなものだが、当時から練っていたいたなら、経済対策はバッチリということでいいのか。
(週刊文春、2010/9/30より要約) [目次へ戻る]
民主党関係者が明かす。「民主党関係者に向けて、ある女性秘書からとんでもない『告白メール』が一斉送信されてきました。本当なのか?と騒ぎになったのです」
メールの内容は次のようなものだったという。「みなさんに隠していたことがあります。風俗で働いていたことを隠し、彼氏に対して浮気まがいのことをしていました」
送信者は民主党の長島一由衆院議員の公設秘書Aさんだった。長島氏は最年少で逗子市長に当選。二期務めた後、昨年8月の総選挙で神奈川四区から初当選を果たした。
Aさんは、大学生の身分のまま事務所の公設第二秘書として採用された。今年三月に大学を卒業後、上智大学大学院に進学した。現在も公設費秘書との二足の草鞋をはく。
民主党関係者が語る。「彼女は昨年11月に、男性秘書と入れ替わる形で、公設第一秘書に昇格しています。23歳の若さで第一公設秘書に抜擢されることは永田町でも異例。
しかも大学院に通いながらですから、秘書業務に支障はないのかという声もありました」
「過去に風俗経験があります。一度面接をお願いします」今年の7月、Aさんはこのようなメールを風俗関係者と思われる相手に送っていた。
発見した周囲に咎められると、初めは「キャバクラの面接の問い合わせ」と釈明したが、最後にはこう告白したという。「過去に川崎のソープランドで働いていた」
いかに菅首相が「わが党には多種多彩な背景と経験を持つ方がいる」と胸を張ろうとも、公設秘書の前職がソープ嬢というのは前代未聞。しかも、Aさんは公設秘書でありながら、再び風俗の仕事に
戻ろうと考えていた、というのである。
公設秘書は国会議員の秘書として国庫から給与が払われる。国会議員秘書給与法では、兼職は議員が認めた場合を除き、原則禁止とされている。疑惑が事実であれば看過できない問題だ。
(週刊文春、2010/9/30より要約) [目次へ戻る]
02年、「ネットワークビジネス推進連盟(NPU)」なる政治団体が設立された。ネットワークビジネスとは何か。
「マルチ商法というと、いかにも悪徳商法のように聞こえ、イメージが悪い。そこで近年、業界ではネットワークビジネスと称している」(業界関係者)
NPUは、同ビジネスに従事する会社や個人を会員としているが、誰が会員になっているかはなぜか非公開。事務所の方も、新宿区にあると記すものの、NPUの看板を掲げているわけでもない。
NPUの立ち上げを追う形で03年に設立された議員連盟が、民主党議員を中心とした「健全なネットワークビジネスを育てる議員連盟」である。
同議連の結成に尽力したのが民主党の石井一議員で、NPUの名誉会長に就任。議連の会長に藤井裕久・党最高顧問、顧問に山岡賢次・党国体委員長、事務局長に前田雄吉代議士、ほかにも松木謙公代議士、
牧義夫代議士らが名をつらねている。彼らは、小沢一郎を支える有力議員。NPUから議連メンバーへの献金疑惑の一端は、国会でも取り上げられた。
献金の実態はどうなのか。NPUは04年から06年にかけ、民主党主催のパーティ券を240万円で購入。石井氏に関しては計240万円の寄付及びパーティ券の購入、山岡氏へ計140万円、前田氏へ計170万円
、牧氏へ81万円の金が流れている。
(週刊新潮、2008/10/16より要約) [目次へ戻る]
昨年7月4日、ホテルニューオータニ。「民主党パーティ2008政権交代」に約5000人もの来賓・出席者が押し寄せた。 社民党、国民新党、新党日本に続いて祝辞を述べたのは、
連合の高木剛会長である。民主党最大の支持母体である連合はこの日のパーティ券を100万円分購入した。連合傘下の労組も気前よく祝儀をはずんだ。パーティ券を買った労組・政治団体は確認できただけで
36もある。総額はざっと2800万円。この日のパーティ券収入が約3億円だから、じつに10%近くが労組のカネだ。政治資金規正法で定められた上限額は150万円。NTT労組、電機連合、自動車総連、
基幹労連、日教組など上限いっぱいまでパーティ券を買った労組・政治団体が8つもある。小沢一郎は、総選挙翌日に連合本部にお礼に駆けつけた。
鳩山内閣の閣僚を見れば、労組に対する論功行賞は歴然としている。閣僚のうち平野博文官房長官、川端達夫文部科学相、赤松広隆農林水産相、直嶋正行経済産業相、中井洽国家公安委員会委員長・拉致問題担当相、仙谷由人行政刷新担当相、
小沢鋭仁環境相の7人が連合組織内議員だ。
小沢一郎が代表に就任した翌年、07年の参院選で小沢は高木・連合会長と地方行脚し、行く先々で地方連合幹部に協力を要請した。
にこにこしながら労組幹部に酌をして回る小沢を見て、ある民主党幹部は「選挙に勝つためなら悪魔とだって手を結ぶ小沢の怖ろしさを感じた」と打ち明ける。
参院選勝利の美酒に酔う暇もなく、07年からは電力総連、自動車総連幹部と相次いで会談。連合のみならず産別労組との関係強化にも取り組み、着々と総選挙への布石を打った。
小沢の要請を受けて、労組は猛烈な勢いで選挙運動に走った。例えば、NTT労組退職者の会まで巻き込んで、民主党候補のポスターを貼り、ビラを配り、ローラー作戦で選挙区を回って後援会の入会申込書を集める。
選挙のマンパワーに加えて、労組は「カネ」と「票」もふんだんに持っている。カネについては言わずもがなだ。票については、連合全体では183万の得票力を誇る。
連合所属の組合員数だけで700万人弱、その家族・知人・友人を合わせて183万票というのは少ないようにも思える。労組を立てれば世論の支持を失い、立てなければ最大の見方を失う。
政権奪取の代償として、民主党は最大のアキレス腱を抱え込んでしまった。
(週刊ダイヤモンド、2009/12/5より要約) [目次へ戻る]
東京都知事として作家として、様々な人に出会う機会がありますが、最近、時候の挨拶のかわりに慨嘆されるのは「この国はどうなるんですかね」ということ。
確かに、民主党政権は言いようがないほどに醜い。首相にはリーダーシップがなく、政策はポピュリズムに走ったものばかりです。民主党政権は常に政策が迷走する。
閣僚の意見はいつもバラバラで、どうやって意思決定がなされているかも見えてこない。原因は、彼らが官僚を使いこなせていないということ。官僚は経験も知識も持っている。
官僚をどう使うかも政治家の力量だ。本来官僚にやらせればいい煩雑な仕事まで政治家がしようとするから、混乱して国家の大計が見えなくなる。
テレビ番組などで民主党の若手政治家を見ていると、政治家のくせに官僚みたいなタイプばかりに見える。話は細かい理屈ばかりで、国家をどうしたいという気概がまったく感じられない。
あれで国を動かす政治が出来るのだろうかね。
いちばんの問題はリーダーであるべき鳩山由紀夫だな。沖縄返還の時、僕も竹下登さんらと交渉に参加していました。その時の総理大臣だった佐藤栄作は器用な人ではなかったけれど、
口をへの字に結んでいっさい物を言わなかった。閣僚もかん口令を守った。核に関する密約は当然あったが、沖縄返還という難事をまとめあげました。
一方で民主党が直面している普天間基地の移設問題はどうですか。鳩山首相以下、閣僚はべらべら喋りまくってっている。機密という言葉をどう思っているのかと呆れてしまう。
基地の問題は沖縄の心情を考えてもデリケートな問題だが、苦しみながらも黙々解決するしかない。皆に「黙れ」と言うのも、一つのリーダーシップなんですよ。
財政だってメチャメチャだ。今年度予算は過去最大の95兆円にも膨らんだ。税収が37兆円しかないのに、それを超える44兆円もの新規国債を発行するというバカなことを平気でやっている。
なぜそうなるかと言えば、典型的なばら撒きをやっているから。財政危機と分かっていながらも、財政再建に目を瞑り、敢えて国家衰退の道を選んでいる。
今の国政はタレント候補ばかりで、本当にセンスがないなと思う。なぜ、もっと社会的に経験を積んだ人材に目を向けられないのだろうか。
僕が提言したいのは「強い日本」。具体的に言えば「強い経済、強い外交、強い教育、強い若者を作る」ということです。財政再建しなければ、強い経済は成立しないし、強い教育もできない。
情けないことに、いま世の中には「弱い日本」が蔓延している。事業仕分けなんかではバカな政治家が「スーパーコンピューターが二位ではどうしていけないのか」と言う。
技術の本質がまるで分かっていない。先端技術は、一番以外に価値はなく、二番以下は全部その他でしかないんです。
国家を背負う気概がない政治家は、大衆におもねり迎合する政治しかできない。まさに今の民主党政権がそうではないか。ポピュリズム政治の後に残るものは、
財政破綻、国家崩壊、そして苦しむ国民の姿だけです。
(週刊文春、2010/4/15より要約) [目次へ戻る]
「手元に1本のテープかある。録音されたのは2年前の1月、熱海市にある世界救世教で催された式典でのことだ。『アンゴラで41人の人が蘇った。生き返った。皆さんどうですか?この話を信じられると思う方、
手をあげてみて下さい。いやあ、大勢みえますね』
声の主は、管長を務める渡辺哲夫氏(68)。その渡辺氏と、教主の岡田陽一氏(61)、それに教主の妻までが顔を揃え、教団の一大イベントが行われたのは、去る10月10日のことである。
新宿区に教団が新たに建設した地上7階、地下2階のいづのめ東京ビル。その竣工際が催されたのだ。午前9時頃から信者らしき集団が次々とガラス張りのビルの中へと吸い込まれていく。
竣工際が始まったのは、10時。続いて11時半から催されたレセプション・パーティに合わせて、意外とも思える大物が到着した。藤井財務大臣である。
小雨の降る中、教団の政治委員会の幹部らに恭しく出迎えられて中に入った藤井大臣。12時半過ぎにビルから出てきた際には、小沢一郎幹事長の側近である室井邦彦参院議員と一緒だった。
翌11日。この日も前日に引き続いて竣工際が催され次々に到着する民主党議員を教団員が丁重に出迎える、という光景が繰り返された。
教団によると、この日の参加者は宗教法人を管轄する文部科学省の鈴木寛副大臣、内閣府の大島敦副大臣、民主党副幹事長の山根隆治議員、それに、ツルネン・マルティ、枝野幸男、末松義規、白眞勲、
吉田公一、渡辺浩一郎、初鹿明博、木村たけつか、の各議員。
古参信者が話す。『(小沢一郎は)野党になり、宗教団体の票をあてにせざるを得なくなったのです。小沢さんが自由党の党首として戦った平成10年の参院選の直前に、教団の幹部と極秘の会談を行っています』
。場所は全日空ホテルの中華料理店。『自由党の小沢さん、藤井さんを含めて数人。教団側は渡辺さんを入れて20人ほどが参加しました』同席した現職教団幹部の1人が述懐する。
『そこで渡辺さんは小沢さんに対し、うちには100万人以上の信者がいる。それが動けば300万票を集められる、と大見得を切った。小沢さんは、ほぅー、と身を乗り出して聞いていましたが、
驚いたのは同席した私たちのほうです。信者数100万人というのはあくまで公称に過ぎず、実際は10万人もいない。よくそんな大風呂敷を広げるな、と思いましたよ』
この時の参院選で自由党は善戦。以来、小沢、藤井両氏と救世教の蜜月が始まり、政権交代を成し遂げた今回の衆院選でも民主党全面支援、と相成ったわけである。
無論、パーティ券の購入など、教団は金銭面でも民主党をバックアップしてきた。」
(週刊新潮、2009/10/22より要約) [目次へ戻る]
「予算は850万円あったはずだろう?」「いや、300万円しかもらっていません」
今月2月、東京・新宿の日本郵政グループ労働組合(JP労組)の新宿支部では、執行委員の押し問答が続いていた。
JP労組の決算は3月末。たいしたイベントもなかったため、850万円の予算は潤沢に残っているはずだった。にもかかわらず、当時の会計を預かる書記次長は、支部には300万円しか配分されておらず、
予算は使い切ったと主張した。差額の550万円が消えてしまったのだ。真相は3月に明らかになった。新宿支部には東京地区本部から確かに850万円が配分されていたのだが、書記次長、組織部長、
会計担当の3人組が使い込んでいたのだ。3人組は毎週、キャバクラや焼肉店に通い詰め、500万円を食いつぶした。
旧全逓信労働組合(全逓)の労働貴族ぶりは、郵政職員のあいだでは公然の秘密である。「専従をやれば家が建つ」とか「三日やったらやめられない」といわれた。
本誌は旧JPU(日本郵政公社労働組合)の06年度予算案を入手した。これによると、執行役員の人件費は16人で4億円。単純平均では1人2500万円だ。三役になれば、これより確実に高い。
事務次官以上の待遇である。
旧全逓は1980年代に「全逓会館」なるホテル建設にまい進し、380億円もの借金を抱え込んだこともある。まったく、何をやらかしてくれることやら。
そもそもこれも元をたどれば組合費なのだから、組合員はたまったものではない。組合費はどのように集められ、どのように使われているのか。JP労組を例にとれば、組合員一人当たりの平均組合費は
正社員で5万3千円。月額4400円強だが、ちりも積もれば山となる。年間97億円もの組合費が給与天引きで自動的に流れ込んでくる。カネがあり余っている金満労組は、あっと驚く豪華施設も保有している。
直嶋正行経済産業省の出身労組であるトヨタ労組、同じく平野博文官房長官の出身労組であるパナソニックグループ労組連合会の超豪華施設を訪ねてみた。
豊田市に、トヨタ労組が所有する「カバハウス」がある。名前のとおりカバをイメージした斬新なデザインで、レストラン、銀行からフィットネスクラブまである。こちらは総工費60億円。
同じビルのなかにトヨタ労組、全トヨタ組合連合会、さらには直嶋経産相の個人事務所、後援会まで入居している。全トヨタ組合連合会は、愛知県東部に「つどいの丘」を保有している。総工費30億円。
かたや、丹波篠山には、パナソニックグループ労働組合連合会の「ユニトピアささやま」がある。敷地は9万坪の広さ。グラウンド、テニスコート、フィールドアスレチックなどの運動施設、キャンプ場と
研修・宿泊施設が点在している。総費用は30~40億円。
「組合活動の内容と水準の維持」とやらは、労働貴族の生活水準の維持のことではないのか。
組合員は怒っている。組合費の使い道を細目に至るまで公開し、自らの襟を正さない限り、労組離れの流れに歯止めはかからない。
かつて、地球上を我が物顔でのし歩いた恐竜が氷河期に絶滅したように、肥大化した労組もまた時代の変化に対応し切れず、ジリ貧に陥っている。労組なき優良企業も増えている。
だからといって労働分配率が低いわけではなく、福利厚生等の待遇が悪いわけでもない。労組がなければ困るというものでは必ずしもない時代だ。
(週刊ダイヤモンド、2009/12/5より要約)
「自治労」の闇
来年1月、社会保険庁が解体され、その年金業務を受け継ぐ組織として、日本年金機構が発足する。ほとんどの社保庁の職員は、そのまま機構へシフトし、雇用が確保される。
問題は、ヤミ専従(給与をもらいながら組合活動に専念する)問題にかかわるなどして、過去に懲戒処分を受けたことのある職員は、機構の採用基準を満たすことができない。
機構へ移行できない対象者は約1000人。そのうち半分は退職するが、残りの500人の再雇用先が決まっていない。
組織改編や勤務実態が著しく不良である場合に公務員が解雇されることを「分限免職」という。このまま再就職先が見つからなければ、彼らは分限免職となって失職することとなる。
ところが、そうは問屋が卸さない。自治労・連合幹部が、民主党執行部に対して、さっそく分限免職の回避を要請した。民主党は機構へ移行できない職員を厚労省の臨時職員として受け入れることを決めている模様だ。
社保庁職員のほとんどは、自治労の組合員である。自治労は、民主党最大の支持基盤である連合のなかでも最有力労組だ。民主党は、来夏の参院選でも自治労・連合の協力を仰ぐことにしている。
最大の支持母体からの要請をむげには扱えない。自治労の加盟労組や協力組織はじつに2700に上る。県庁や市役所といった地方自治体職員、病院職員、競馬など公営競技の従事者など、
公共サービスを提供する労働者の集まりで、民間企業労働者の組織化も進んでいる。全国津々浦々まで自治労の組合員はいるのだ。組合員数は89万人。
ここ数年、自治労は後ろ向きのスキャンダルで世間を騒がせてきた。2001年に裏金問題が発覚すると、不正経理問題、脱税問題、ヤミ専従問題が次から次へと勃発。
不祥事のデパートと化した自治労の信頼は地に堕ちた。
ところが、それから何年もたっていないというのに、まるで何事もなかったように、政治の表舞台に復帰し、政権への発言力を強めている。民主党には54人の連合組織内議員がいる。
なかでも自治労は13人の組織内議員を擁しており、非常に政治色の強い労組なのである。
(週刊ダイヤモンド、2009/12/5より要約)
「ゴネ得」元国鉄マン1047人
民営化されたJRに不採用だった1047人の元国鉄マンが、我々の税金から総額200億円もの和解金を手に入れることになった。泣く泣く国鉄を去った大勢の職員もいるのに、まさにゴネ得
でぶったくるような政治決着。
国鉄が分割・民営化されたのは、23年前だった。職員27万7千人を20万人まで削減。首を切られた、8万人弱は公的機関や民間企業に転職したしたのだが、最後まで残ったのが、
問題の1047人の元国鉄マンである。いよいよJRがスタートしても、再就職先の見つからない、2万人強は国鉄清算事業団に面倒を見てもらった。そして、3年間にわたり、
全国で3万件以上の再就職先を確保し、一人平均34回の就職斡旋、さらにJRもあらたに2300人の追加採用を決めた。だが、1047人はそれには見向きもせず、結局、90年4月、雇用対策期限が切れ、
国鉄清算事業団を解雇になったのだ。
この問題を取材しているジャーナリストが解説する。「国鉄清算事業団を解雇になると、国労の組合員は全国に36の国労闘争団を結成しました。そして、JRに採用されなかったのは
組合差別の不当労働行為であると主張し、地方労働委員会に申し立てを行ったんです。その結果、地労委は、88~95年にかけて、JRに対し、採用すべしとの救済命令を出したんです」
今度は、JR各社が救済命令取り消しを求め、中央労働委員会を相手取り、東京地裁に行政訴訟を起こしていった。98年5月、JR側が一括して勝訴、「採用責任なし」の判決が下った。
東京高裁でもその判決は覆らず、さらに、03年12月、最高裁で確定する。
いまや少数勢力となった国労の問題が、なぜ、このタイミングで解決したのか、永田町関係者はこう指摘する。「国労は、旧社会党左派の色が強い全労協に加盟していて、民主党の支持母体である
連合と連携して選挙活動をすることはない。民主党の選挙対策というよりも、今回は、連立を組んでいる社民党の顔色をうかがつたということでしようね」
そこで、積極的に根回しに動いたのが、山下八洲夫民主党参院議員と社民党では又市征治参院議員だった。「山下八洲夫は、国労出身の社会党衆院議員の秘書をながく勤め、その地盤を引き継いで
衆院議員になった。その後、参院議員に転進していますが、国労とは縁が深い。一方、又市征治は自治労の出身で、旧社会党左派の系列。自治労は国鉄の分割・民営化に反対の姿勢でした。
国労としても、社民党が政権与党の今がチャンスと睨んだんでしようね。しかし、財政難で増税も議論されるこのご時勢にこんな大盤振る舞いをしていいのか、という批判が噴出するのは、当然ですよ」
政治評論家の屋山太郎氏も憤慨する。「JRに雇用責任はないという、最高裁判決でけりのついた問題なんです。2200万円の和解金なんて、払う理由のないお金です。
分割・民営化のときに退職・転職した人や、JRで真面目に働いてきた職員など、正直者がバカをみることになってしまう。郵政の民から官に逆戻りするような政策や、JAL救済でも感じますが、
鳩山政権はまるで社会主義のようです。JRは民間企業なのに、政府が『雇え』などと口を出せるはずがない。もし、そんなことをやったら、かつての国鉄時代にまで逆行してしまいます」
鳩山政権の時代錯誤の政策のおかげで、泣きをみるのが正直者の国民だなんて、本当に馬鹿げている。
(週刊新潮、2010/4/22より要約) [目次へ戻る]
鳩山政権は、今国会で「永住外国人に対する地方参政権」を付与する法案を強引きに提出しようとしている。「小沢総書記」を中心とする法案の推進派は、戦後処理の一環、地方分権の推進などの
論拠を述べるが、到底、容認できるものではない。その問題点を検証する。
どうやら、民主党は数にものを言わせ、力ずくでも法案を成立させるつもりらしい。仕掛け人は、無論、党を牛耳る小沢一郎幹事長である。
08年末の時点で、日本には約91万人の永住外国人がいる。この内、特別永住外国人は約42万人。一般永住外国人は、約49万人に上る。
「外国人に参政権を付与することは、何よりもまず憲法違反なのです」と指摘するのは、日本大学法学部の百地章教授(憲法学)である。
「憲法15条1項には、<公務員を選定し、及びこれを罷免することは、国民固有の権利>と書いてあります。90年、特別永住権を持つ在日韓国人が、大阪市の選管に対し、選挙人名簿に登録することを求めたが
却下。大阪地裁に提訴したものの、一審で棄却され上告した。その後、95年最高裁で憲法違反であるとされました」
中央大学法学部の長尾一絋教授は、20年前に外国人参政権の「部分的容認説」を日本で最初に唱えた。しかし、その長尾氏でさえ、「私はドイツにおける部分的容認説に影響を受け、地方参政権の付与も可能と
考え、論文として発表しました。ただ、理論上、許容説は成り立つが、反対するというのが、数年前までの私の立場でした。しかし、その後、様々な状況の変化により、私の許容説は成り立たないと考えるように
なった。民主党が提出しようとしている法案は明らかに違憲です」状況の変化とは?「韓国は、在外選挙権を法制化。在日韓国人は手続きさえすれば、日本の住民登録を動かさずに地方選挙だけでなく国会議員の
比例区選挙、大統領選挙にも投票できるようになった。母国と永住国の両方に投票できるなんてあり得ません」(同)さらにドイツとは状況が異なると指摘する。
「ドイツでは、国の法律と自治体の条例が明確に二分され、外国人の意思が国家に影響されることはありません。が、日本は先の大戦で敗れ、国民の主権意識や国防意識が欠けています。
外国人の票で当選した地方議員が、国政にも影響を与える可能性がある」(同)
外国人参政権を声高に叫ぶのは、民団を中心とする在日韓国人だ。では、外国人参政権を認めると、実際、どんなことが起きるのか。
例えば、東京都荒川区は、特に永住者が多い地区として知られいいる。「昨年11月現在、永住者は6422人。この内、なんと5862人が韓国、北朝鮮、中国の人達でした。5454人が有権者になるとみています」
「投票総数のうち、約7%にあたる有権者が突然、現れることとなる。前回の区議選では、当選者の中で最も低い得票数は1468票。
中国や韓国の人達の意のままになる区議があつという間に誕生します」(同)「対馬市の有権者数は約3万人。市会議員なら、700票で当選できます。永住権を持つ韓国人1000人が対馬市に住民登録すれば、
彼らの推す候補者を1人当選させることが可能なわけです。対馬の分離独立を求める議員が現れたら大変です。外国人参政権は、領土問題、安全保障問題にも繋がる国家にとっても危険なものなのです」(百地氏)
外国人参政権問題に詳しいジャーナリストがいう。「ここ数年、外国人登録者数に占める中国人の割合が急激に増加。07年には60万人に達し、韓国・朝鮮人を上回りました。外国人参政権は今後、
中国人問題へと発展すると言われています」「中国人は日本国内に民団のような団体もないし、団結力が弱いと思われがちです。しかし08年4月、長野市で五輪の聖火リレーが行われた時のことを思い出して
もらいたい」(同)この時、留学生組織の呼びかけで、約4000人もの中国人留学生が結集した。「実は、留学生組織に指示を出したのは、中国大使館だったと言われています。留学生は、永住外国人でないにせよ、
参政権付与の予備軍です。参政権を与えることによって、今までばらばらだった中国人を団結させることにもなりかねません」(同)
自らも外国人参政権に反対している政治評論家の岩見隆夫氏は呆れて言う。「こんな法案が議論されてしまう一番の原因は、鳩山総理にあると思います。彼は昨年4月、『日本列島は日本人だけのものじゃない』
と発言、物議を醸した。国民の利益は国家が守らねばならない。にも拘わらず、国家が国民の利益に反する法案を通そうなんて、国家観が甘すぎるんです」
「民主党内で反対の声を上げるものは者はまずいません。元々、外国人参政権に反対する慎重派議員はいたが、小沢が怖くて、完全に腰砕け状態。例えば、反対派の急先鋒だった松原仁代議士は、小沢に
予算委員会の筆頭理事と国体副委員長に起用され、覚えめでたい。おかげで、この問題には黙りを決め込んでいます」(民主党代議士)
「小沢総書記」の息の掛かった外国人参政権は、日本を危うくする。こんなとんでもない法案を検討するなんて、民主党に政権を任せたことが間違いだった。
(週刊新潮、2010/2/18より要約) [目次へ戻る]
福島、千葉両大臣は長年、選択的夫婦別姓(以下、夫婦別姓)の導入を目指してきた同志である。二人にとって、2月19日は「特別な日」だったに違いない。
この日、夫婦別姓を含む民法改正案の概要が、ついに法務省の政策会議で公表されたのだ。同日行われた閣議後の会見でも、法案成立へ向け決意を語った千葉法相。
日本人の"家族のかたち"を変える重要法案であることはいうまでもない。しかし、民主党議員たちの関心はさっぱりなのだ。民主党関係者が証言する。
「千葉さんは、2月3日の政策会議に出席し、"夫婦別姓法案をやりたいのでご協力をお願いします"と初めて頭を下げました。とはいえ、この日、政策会議に参加した与党議員はたったの5人」
法案は、今のところ3月12日の閣議に提出される予定だ。そもそも夫婦別姓は、マニフェストにも載っていない。また、国民の間でも賛否が割れている重要な問題である。
官邸関係者によると、「鳩山総理は、大変嬉しいと発言しています。ですが、幸夫人は周囲に"私はあれ(夫婦別姓)はダメだわ"と漏らしています。鳩山夫婦の間でも意見が割れています」
これだけ重要な問題を党内で議論もせずに立法化を図るとはまさに暴挙である。
一方、そんな民主党内の雰囲気とは対照的に、夫婦別姓の旗振り役の福島瑞穂はやる気満々。法案成立に執念を燃やしている。
福島瑞穂といえば、夫は海渡雄一。スジ金入り入り人権派で、彼女との間にひとりの娘がいる。この夫婦、事実婚を貫く、夫婦別姓の実践派として知られている。
「"子供が18歳になったら家族解散式をやる"とか"既婚は恋の障害にならない"という過激な発言でも有名になった。彼女に言わせれば、既婚の男性と恋愛するのも、その子供を産むのも、女性の自己決定権の
問題なのです」(高崎経済大学の八木秀次教授)不倫は不道徳という原則が崩れれば、日本社会は夫を略奪された"古女房"で溢れる。その女性たちの権利は誰が守るのか。
一方、千葉景子は事実婚どころか、未だ独身である。「彼女は、福島瑞穂と違い、全共闘世代です。このバックボーンが大きく影響していると見ています」と解説するのは、ジャーナリストの
三品純氏。「この世代で市民運動を経て政治家になった人たちに特徴的なのが、集団は悪であり、抑圧。個人は善、自由という考え。とりわけ千葉景子は、極端な思想の持ち主なのです」
彼女は同姓婚に反対する理由として、「結婚すると女性は姓が変わり、同窓会名簿でも結婚したというプライベートな情報がばれてしまう。つまり、夫婦別姓なら既婚、未婚が分からなくなる、というわけです」
(同)
福島瑞穂との共著「夫婦別姓--家族をここからかえる」では、さらに珍妙な話も披露している。「"同姓制度は、漬物の重石だ"と例えています。つまり妻にとって夫の姓とは、夫の家に入るという負担
や苦労の象徴という意味です。が、その漬物石を取り払えば、夫婦は意外と爽やかに溌剌とする、と語っています。さらに、自分は千葉景子という名前で構成されてきたのに、"奥さん"という主体との比較による
呼び名を呼ばれると自分がなくなってしまう、とも明かしています」(同)愛する人と入籍して"奥さん"と呼ばれてポッと頬を染める・・・。世間にはいくらでも転がっている経験をされなかったことはお気の毒
だが、"自分がなくなる"とは大袈裟な話ではないか。
彼女たちの主張を聞くと、違和感だけがヤケに残る。それに対し、夫婦問題研究家の池内ひろ美さんは、
「国という共同体に名前がひとつしかないように、家族もひとつの共同体です。二つも名前を持たせることは、余計な混乱を招く。結局は、家族をバラバラにするだけです」と言う。
旧姓は不便との主張に反論するのは、日本大学法学部の百地章教授である。「職場などにおける通称使用は、認められています。戸籍や保険証は旧姓の使用を認めていないという批判があるが、
それは個人で名前を使う範囲でのこと。家庭外の手段における不利益とはいえません」
夫婦別姓が導入され、具体的に起こる弊害としては、「将来、祖先の祭祀や、死んだら家族の墓に入るという日本古来の
文化が崩れることになるでしょう」と、百地氏が続ける。「両親が別々のお墓に入ったり、夫婦が個人のお墓を作ったりすれば、いずれ子孫のお墓参りもなくなっていくでしょう。
単に死者の骨を収めておくだけでなく、お墓参りは、先祖崇拝など日本の文化の根源となるものです。夫婦別姓派は、自分の死後のあり様とか、100年、200年先のことまで考えているとは思えません」
問題はまだ起きる。比較文学者の小谷野敦氏が指摘するには、「私は、夫婦別姓の法案が成立すれば、別姓を選んだ夫婦が子供の姓を決める際、どちらの姓にするかで揉め、決められないケースが
かなり出てくると思います。最終的に、家庭裁判所に持ち込まれるケースも出てくるでしょう。訴訟が増えて、離婚も激増する。それは結局、社会をさらに不安定にすることになるのです。
夫婦別姓法案は、とんでもない悪法だと思います」家族がバラバラでは、将来は国も滅びる事態になりかねない。
(週刊新潮、2010/3/4より要約) [目次へ戻る]
1992年3月、既に拉致疑惑の渦中にあった金日成に単独取材が叶った「朝日新聞」。ジャーナリストを称するならば、舌鋒鋭く、疑惑を追及するのがスジ。ところが、
其処で「釣りバカ日誌」の話をしてしまったのが、当時の東京本社編集局長・松下宗之氏である。 当の朝日新聞は、頑として非を認めてこなかったが、この1月6日の夕刊に、こんな記載があった。
「朝日は(拉致問題を)金日成との会見で何も触れていない。金日成にテロや拉致をただすべきだったという声が社内からも出た」朝日新聞が昨年3月にスタートした「検証 昭和報道」の1テーマ
「南北朝鮮への視線」の中での一節である。傍目には、取るに足らな表現に思えるけれど、「読んで驚き喝采。今までなら考えられない表現です」とは、朝日新聞OBの本郷美則氏。
「松下氏は後に社長になった。その例を用いるとは、画期的なこと。しかも翌々日には中国の人権問題を、社説で批判していました。社内を牛耳ってきた"左派"が定年で次々退職し、"箍(たが)"が
だいぶ緩んできた。変化の兆しを感じました」朝日新聞は「事実を掲載したもので、会見について評価したものではありません」と煮え切らないコメント。
同じくOBの稲垣武氏は、「私は社にいるころから"親北報道"を批判してきましたが、無視され続けてきた。今更"社内からも批判の声が出た"なとどと、どの面下げて言うのでしょう」
過ち改めざる、是を過ちと謂う。この戒めを実践するまで、朝日新聞には18年もの歳月が必要だったのだ。
(週刊新潮、2010/1/21より) [目次へ戻る]
細川連立政権で政治改革を推進した同士たちの疑惑を、当時官房長官だった竹村正義氏(75)は今、どんな思いで見ているのか。
新進党時代に小沢一郎党首の補佐役を務めた元内閣府副大臣の評論家、米田健三氏が聞く。
武村「小沢が政治資金で土地を購入したという事実は驚きです。本来、政治活動に使うべきカネで、次々に土地を買うなんて話は聞いたことがない。なぜ小沢はあれほどの巨額のカネをもてるのか。
国民から見たら疑問だらけです。残念なのは、鳩山由紀夫の偽装献金や小沢一郎の土地の問題に対して、民主党内部から批判の声が、ほとんど聞こえてこないことです」
米田「党大会で小沢は検察との全面対決だ、と吠え、鳩山由紀夫が戦って下さい、と追認する。法治国家として異常な状況です」
武村「細川政権時代の小沢は、首相に私の更迭を迫るなど不遜なイメージが強かった。昨年、宮内庁長管を「辞表を出して発言しろ」と罵倒した会見を見て、変わっていないな、と思いましたね。
小沢は27歳で議員になった。鳩山は月に千5百万円の「子ども手当」と世間から揶揄されている。この2人に民主党のスローガン「国民の生活が第一」を叫ばれても、空々しく響くだけです」
米田「鳩山由紀夫の場合、巷では、企業ではなく母親からの寄付だから、たいして悪いことではない、という受け止め方が少なくないようです。しかし、政治資金規正法が寄付に制限を設けているのは、
有産階級による権力の独占を防ぐ知恵です。それが見過ごされているのは由々しいことです。
武村「同感です。(母親からの寄付という)例外は認めてはいけない。まあ、鳩山由紀夫は自民党時代から年に2億数千万円を使っていて、私が驚くと、「秘書が30数人いますから」と言っていた」
米田「いま、様々な問題で、首相の決断力が問われていますが、鳩山の言葉は、いかにも軽すぎます」
武村「鳩山は泥をかぶるのを避ける性格です。器用に、生きてきた。だから結果として大けがをしないで済んでいる。確かに鳩山は、物事を深く考えていない面もありますが、その場その場で言葉を
紡ぎ出し、どんな質問にも答えられる政治家になりました。ただ、以前の発言と辻褄が合わない面が、目立つようになってきました。
米田「鳩山はやたらに友愛を口にします。しかし、政治は一度に全ての人を幸せにはできません。それが政治の宿命であることを、鳩山由紀夫は理解しているのでしようか」
武村「政治は国民に嫌われることも決断しなければならない。米軍基地はその最たるもの。十数年かけ、ようやく名護市長と沖縄知事が渋々了解した場所を反故にして、ゼロから仕切りなおそうとしている。
これは不可能に挑戦する話。非常に甘い考えだと思う。
米田「民主党は政治主導をアピールしていますが、官僚を叩けば大衆が喜ぶという大衆迎合の姿勢が窺えるのも気になります」
武村「たしかに、鳩山政権の政治主導は行き過ぎでしょう。年末に小沢が官邸に乗り込み、土地改良事業費の半減を迫ったら実現した。診療報酬の改定では、歯科は単価を大幅に引き上げたのに、
医科は低く抑えた。日本歯科医師連盟がいち早く民主党に接近したからと言われています。民主党の選挙に協力するところのみを優遇する、というやり方は、党利党略で、行政も予算も、がたがたになりかねません」
(週刊文春、2010/1/28より要約) [目次へ戻る]
「ウィルコム、支援機構活用 再建へ最終調整」1月15日、日経新聞が一面トップで報じた。PHS事業のウィルコムが「企業再生支援機構」の手を借りて、税金で経営再建をするというのだ。
決まれば、JALに続いて二例目となるが、調査会社幹部は、「鳩山政権は、何でもありですか」と憤慨する。
「ウィルコムは、京セラの稲盛和夫名誉会長(77)が最高顧問を務めています。その稲盛氏がJALのCEOに就任した直後に、ウィルコムが支援機構に助けを求めるなんて、一体どうなっているのでしょうか」(同前)
問題は、稲盛氏、民主党、ウィルコムという三者の密接な関係にある。稲盛氏は、「民主党の後見人」として知られ、とくに小沢幹事長が"師"と仰ぐ存在だ。
昨年11月末には、稲盛氏が、鳩山首相、小沢幹事長、菅副総理、岡田外相ら政権幹部を「吉兆」(東京・銀座)に招いて政権交代を祝う宴を開いた。
「久々に鳩山首相と小沢幹事長が同席して話題になりましたが、稲盛さんの招待だから二人の最高幹部が駆けつけた。稲盛さんは、行政刷新会議の民間議員にも就任しています」(政治部記者)
鳩山政権の"後ろ盾"の稲盛氏だが、ことウィルコムに関しては、政権に支援を要請する立場にある。現在のウィルコムは、有利子負債(借金)が約1千3百億円に達し、これ以上は融資が受けられない。
加えて今後、次世代PHS事業のために1千4百億円の投資を見込んでおり、大スポンサーが現れない限り、立ち行かない状況だという。
そして稲盛氏の京セラはウィルコムの大株主というだけでなく、携帯端末と携帯基地局設備をウィルコムに販売し、2百50億円(昨年度)を売り上げているのだ。
「ウィルコムが予定する大型投資は、京セラが販売する基地局設備にも使われる。つまりウィルコムは、京セラの通信事業を支えていく重要な取引先なので、破綻しては困るのです」(同前)
しかも、ウィルコムが支援機構を頼るという報道は、関係者も驚く唐突さだったという。 「そもそも自公政権では支援機構は地方企業の再建支援が主目的だったので、これまでの支援先として浮上したのは
、地方の中堅企業ばかり。それが民主党政権では大企業も支援する組織に変更されて、LALの経営再建に活用されたのです。これに続いて、ウィルコムの支援が決まれば、
多くの地方企業を支援する余裕がなくなってしまいます」(調査会社幹部) 正式決定前に報道されたことに対し、支援機構内部からも反発が出ているという。
「支援機構には130件の事前相談が来ており、資産査定も進めていますが、支援が決まるまでは社名は出しません。実はLALの場合も事前に報道が出たのです。信用不安を解消するための明らかなリークです」
(支援機構関係者)ウィルコムの契約者数は、12月末までに15万人も減少し、正式決定をのんびり待っていられる状況ではない。
支援機構入りについてウィルコムは「現時点で決まったものはありません」と回答するのだが、稲盛氏と民主党政権の間で、すでにシナリオができている疑惑が拭いきれないのである。
(週刊文春、2010/1/28より要約)
LAL赤字垂れ流し
取引金融機関の幹部はこう打ち明ける。「最初、これで再生できるなどと胸を張っていた稲盛さんなどは、メガバンクとのトップ会談で惨状を聞き、唖然とする始末。だが、それでいて何も手を打っていない。
同罪どころか、その罪は大きい」
計画では、6月に東京地裁へ更正計画を提出し、それが認められて初めて再建手続きに入る。ところが実は、裁判所がその計画を認めそうにないという。
となると、今の更生計画を見直す以外にないのだが、別の金融関係者は、次のような不吉な話をする。
「もともと1月の会社更生法申請時、6千億円のつなぎ融資について、更正決定後に民間のメガ三行で肩代わり融資するという条項を加えようとした。
それを断られた経緯があるのです。しかし、裁判所の更正決定を受けるには、民間銀行からの支援が条件になる。融資を取り付けられるかどうか。
それが命綱です。もし駄目なら、その時点で破産手続きに入りかねません」
かといって銀行としても、赤字の倒産会社に追い貸しするわけにはいかない。「追加融資は政府保証をつけられるかどうか、という話でしょう。保証があれば、融資が焦げ付かなくなりますからね」
またぞろ、税金で救済という話なのだ。元国交省航空局監理部長の三ツ矢憲生・自民党代議士の言。
「そもそも、一民間企業の経営再建に、1兆円近い公的資金を投じないといけないのか。会社を残さないと国民生活にどれだけ支障がでるのか。そこの検証がされていない。最初から残さないといけないという話になっている。
それでいいのでいょうか」至極もっともな指摘。
(週刊文春、ノンフィクションライター・森功、2010/1/28、より要約) [目次へ戻る]
これまで近代日本が学び、定着させてきた「民主主義」は、小沢一郎が口にする「民主主義」や「日本国憲法の精神」とは、およそ似てもにつかないものであった。
選挙で勝った政党といえども全権が付与されたとは考えない。議会は民意とのズレを常に意識するが故に、様々な手段で民意を汲み取り、野党の意見にも耳を傾け、多少とも重要な国策変更については
国民の信を問う。それが「自由主義的民主主義」であり、バリエーションの差こそあれ、英米をはじめとする先進諸国で標準とされてきた政治制度だといえる。
これに対して、小沢の「民主主義」観は、ルソーの「一般意思」やギロチンによる粛清の嵐に至ったフランス革命、そして二十世紀はむしろレーニン、トロッキー、スターリンの系譜に
属する「全体主義的民主主義」や戦後左翼の「民主集中制」に近い。その建前は、国民は支持する政党を選ぶことはできるが、一旦選挙で選んだら、その政権党に全権を委任しなければならない。
そして政権党は、党内で選んだ中央委員会にやはり全権をあずけ、最終的には、中央委員会が選んだ一人の代表が独裁的な権限を行使するのである。
民主党が8月30日の選挙で政権をとったとき、ある民主党議員は「これは無血革命だ」と叫んだ。「なにを大げさな」と思ったが、それが正しかったのだ。
日本国憲法や民主主義についてまったく異なる理解をしている党が政権についてしまった。だから、これは政権交代というよりも「革命政府の誕生だ」といったほうがいいのである。
そして今、日本国民の多数の票を得て、政権交代を果たした民主党は「国民から全権を付与された革命政府」となって、国の根幹をなす外交・安全保障政策や象徴天皇制を大きく変えつつある。
しかし、民主党に投票した有権者のうちどれだけが今、起こりつつあることを認識していただろうか。「そこまでの全権を付与した覚えはない」というのが、今の「民意」だと知るべきだ。
(文芸春秋、2010/2、中西輝政、京大教授より要約) [目次へ戻る]
鳩山政権のずるさは、事業仕分けの対象を自民党政権時代からの施策に限り、自身のマニフェストは棚に上げていることだ。
子ども手当や戸別補償は政策目的に照らし多くの疑念が出ている。
高速無料化にいたっては世論調査で常に反対が多いのに、メンツにこだわり1000億円も使って社会実験とやらをする。
(日経新聞、大機小機、手毬、2010/3/25より要約)
裏切りの事業仕分け 鳩山政権は何のために事業仕分けを再びやるのか。鳩山由紀夫は、昨秋こう述べていた。
「仕分けは今回限り。来年も事業仕分けというのはおかしな話で、来年度予算は最初から仕分けられてスリムになっていなければならない」
しかし、今年度一般会計予算は過去最大の92兆円に膨らんだ。理由は子ども手当などのバラマキだけでなく、事業仕分けの評決がことごとく反故にされ予算で復活したからだ。
例えば、蓮舫が廃止と告げた、学校に電子黒板やパソコン、テレビを配布する文科省の予算7億円は、翌月、総務省の10億円に変わって復活した。
昨年仕分けが済んだはずの法人も再び俎上に上がっている。前原国交大臣が「解体的に見直してもらう」とぶち上げた都市再生機構もそうだ。さほど変わっていない。
国際協力機構は、運営費の一部を3割減らすべきと表決を受けたが、削減はわずか2%にとどまったため、再び取り上げるという。
一番姑息なのは長妻昭厚労大臣だろう。仕分けの結果を受け、厚労省の雇用・能力開発機構の廃止法案が先月まとめられたが、審議日程の調整難を理由に提出が見送られた。
自ら廃止を先送りにしておいて、長妻大臣は事業仕分け直前に厚労省独自の事業仕分けを行い、同機構をテレビカメラの前で叩いてみせたのだ。
仕分けは踊る、されど行革は進まず。民主党の猿芝居が繰り返されるだけだ。
仙谷行政刷新相(当時)は仕分けの対象とならなかった独法も、横串を刺して見直すとしていた。しかし、労働政策研究・研修機構は昨年に比べ予算が2割、6億円増えた。
行革「やるやる詐欺」の民主党の仕分けショーなど無視して、参院選でどの野党に投票するかを考えたほうが良さそうだ。
(週刊文春、ジャーナリスト若林亜紀、2010/4/29より要約) [目次へ戻る]
教職に就く人間には政治的な中立性が求められる。子供を教え導く立場の者が特定の党派に肩入れするのは倫理上好ましくない。そもそも公立学校の教員が政治に関わることは、
教育公務員特例法などで禁じられているのである。
ところが、昨年の総選挙に当選した民主党の小林千代美衆院議員の陣営に1600万円の「裏金」を提供したのは、まさに教員の集まりである北海道教職員組合(北教組)だというのだから、
呆れるほかない。
結局、この1600万円を巡っては3月1日、4人が政治資金規正法違反で逮捕されたが、うち3人は小関顕太郎書記長、長田秀樹委員長代理ら北教祖幹部だった。
まさに、子供を教え導く教師が「裏金」を選挙資金として提供した容疑で逮捕されたのである。北教組は人を提供し、公選法に抵触しながら小林千代美の選挙を支えたわけで、そのうえ裏金まで渡していたのである。
「選挙になると、学校を休みがちになる教師が多い」と嘆くのは、札幌市立のある小学校校長である。「彼らには安定的な学級運営が困難なので、学級担任にしにくい。すると北教祖の専従になる例が多いようです。
教育者として子供たちと真摯に向き合うという使命感に乏しく、関心はもっぱら政治的な方向です」
「小林議員のことが表に出ても、まるで驚きませんでした」と言うのは道内のある公立中学の校長で、こんな例を目にしてきたという。
「組合員は選挙のたびに戸別訪問し、候補者のビラを配り、名簿を集め、それを見て後援会が電話をかける。昨年の衆院選でも戸別訪問していました。顔が知られていない地域を、"後援会の者です"
と言って訪ね、しかも2人1組で監視し合う。恐怖支配です。数年前に勤めた北教組が強い中学では、勤務時間に組合の朝会を行い、校長や教頭もいる場で組合の分会長が
"今日は2学年の先生が2人1組でこの地域を回ってください"などと選挙の連絡をしていた。驚きでしたね」
「法令上は学校の人事権は校長にありますが、道内の多くの学校では組合主導で人事委員会が作られ、委員長に北教組の分会長などが就いて人事案をまとめ、校長に提出する。
校長がそれを断れないのをいいことに、北教組は組合を辞めた人を差別するんです。人事権を握り、個人の弱みに付け込んで学校を支配しているんです」
こうして教師たちは、見えざる鎖につながれた奴隷のごとく、"選挙マシン"として稼動するわけだ。
もっとも、政治活動に邁進しているのは北教組の教師にかぎらない。広島県教職員組合の例について、同県の公立中学の教諭が打ち明ける。
「組合員を動員してはがきを書かせ、2人1組で戸別訪問させ、事務所で電話をかけさせる。ただし特定候補への投票を促すと違法なので、"私は○○さんが好きです"という文句を使うんです」
「組合員が校長になったら"今後も組合の言うことを聞きます"という確認書に署名させられる。非組合員の校長で、ましてや組合に意見でもしら、組合の責任者が校長に反省文を書かせます。
09年と03年に自殺に追い込まれた校長も、それぞれ反省文を書かされていました」
日教組と政治の癒着について語るなら、山梨県教職員組合(山教組)を忘れてはなるまい。04年の参院選に向け、輿石東のために集金活動に邁進し、05年に政治資金規正法違反で告発されたのが記憶に新しい。
正確に言えば、告発されたのは山梨県民主教育政治連盟だが、「事実上、カンパを集めたのは山教組です」と言うのは、自身も組合員である山梨県の公立小学校の現職教諭。
集めた金が県政連の政治資金報告書に記載がなく、政治資金規正法違反に問われた。06年1月に県政連会長と山教組財政部長が略式起訴され、追って山教組の幹部24名も処分されたのだった。
むろん、山教組は"集金マシン"にとどまらず"集票マシン"でもある。教諭の話をさらに続ける。
「07年の参院選も民主党の米長晴信議員の票を"1人20票集めろ"との指示。みんな親戚や友達、教え子や保護者にまでお願いし、作った名簿をもとに教員が各地の教育会館に詰めて電話をかけ、
グラフを作って学校ごとに競わせていました。各校の分会長は、ノルマに達しないと山教組書記長から尻を叩かれるのです」それを行うのが子供を預かる教師とは恐ろしい。
「逆らえば出世できなくなるので、みな黙って山教組に従うのです」と、先の校長先生。
山教組に忠実なら出世する--その顕著な例を紹介しよう。例の政治資金規正法違反で略式起訴された山教組の元財務部長、長田英和が昨年4月、市立小学校の教頭に就任。
処分された例の教員も小学校教頭になっていたのである。
(週刊新潮、2010/3/11より要約) [目次へ戻る]
「鳩山総理も、小沢幹事長も即刻、退陣だ」。久しぶりに「小泉節」が炸裂した。小泉純一郎元総理が、政治とカネの問題で揺れる民主党政権に痛烈な皮肉をぶちかましたのだ。
2010年1月23日、京都で日本青年会議所主催の小泉元首相の講演会が開かれた。収容人員400人の会場に約700人もの聴衆が詰めかけるほどの盛況だった。
今回の講演は「観光立国日本」について語る予定とされていたため、講演の冒頭で、「私はもう国会議員を引退して現役ではありませんので、あまり政局の話はしない方針です」と断りつつも、
大揺れの政局を前に我慢できなかったのか。途中から歯に衣着せぬ発言を連発した。
「小林虎三郎大参事は、今で言えば長岡藩の首相というような役割でしたね。米百俵を分けても、しばらくすれば食いつぶしてなくなってしまうだろう。『米を分けてくれ』という声に、
小林虎三郎は待ったをかける。なぜ我々は、このようにみじめな状況に置かれたのか。洞察力のなさによって、先見の明がなかったことによって、我々はこんなみじめな境遇に陥った。
この米を食いつぶしたら、あとは何も残らない。当座の飢えがなくなるだけだ。当時は、学校が極めて限られていた。学問を受けられない。人間が一番大事なんだ。教育だ。人材だ。
米は食ってしまえばなくなってしまう。米百俵を売って、子弟に教育の場を与えようじゃないか。小学校を建てよう。これが、米百俵の精神です」
「今までは、限られた人しか教育を受けられなかった。すべての子弟のために小学校を建てよう。今の痛みに耐えて、明日を良くする精神こそ最も大事なんだ。これを説いたのが米百俵の精神であります」
「今の状況を考えると、(米百俵とは)まったく逆のことをやっている。財政状況を見ればわかります。税収がないのに借金をする。異常だと思います。今のような状況を続けていけば、いずれ破綻する」
「納税者が苦しんでいるんですよ。国債を買ってくれた人にたいする利払いが、支出のの中で半分も占めている。納税者が納めた税金の半分が、新規の政策に使えない。
これは財政の再配分を大きく損なわせています」「こういう状況だからこそ、行財政改革が必要なんです。しかし、この行財政改革ほど難しいものはない。今まで国や政府関係機関に人を派遣していた。
この人たちを減らすのが行政改革。今まで補助金、税金を与えていた業界や団体へのお金を減らすのが、財政改革。これがいかに難しいか」
「民間がかけられないようなお金をかけて、なんであんな立派な施設を造っちゃったのか。簡保のカネが多く集まりすぎたからといって、旅館を造ってみる。
あの『かんぽの宿』を利用する人たちは、簡保の加入者に比べればごくわずかですよ。ほんの一握りの人たちのために造った。簡易保険福祉事業団のトップは、2~3の局長級を除いてすべて旧郵政省から
来ている。毎月100万円以上の給料をもらっている。総理大臣の3倍、4倍の退職金をもらっている。彼らは国がやらなくてもいいことをやった」
「これを改めるのが行財政改革。なかなか難しい。行財政改革というのは、どの政党が政権を取っても、誰が総理になってもしていかなきゃならない。便利だからといって何でも国のカネを使っていては、
重税国家になる。だから行財政改革は厳しくやらなければならない」
「しかし、民主党政権ねえ。これほど早くおかしくなるとは思ってなかったんですよ。鳩山総理にしても小沢幹事長にしても、
もし自民党政権の総理大臣、幹事長が、あのような政治とカネのスキャンダルを出しら、今とても総理も幹事長もやっていられませんよ」
「自民党がこのような総理を出していて、政治スキャンダルを出していたら、幹事長があのような形になっていたら、即刻退陣ですよ。だいたいね、毎月1500万円を母親からもらっている。
何年間も。知らなかった。このほうが異様ですよ。政治資金を使ってですよ、多くの人から献金をもらって、それを使って土地を買ったりマンションを買ったりしている。
そんな政治家は一人もいないですよ」
「最近一部に、『日米中は正三角形の関係がいいんだ』という議論があります。私はこの考えは取りません。中国との貿易・経済関係を見ますと、輸出も輸入もアメリカを超えているわけですから、
日本経済にとって中国は非常に重要です。かといって、日米関係と日中関係が同じだという意見には、私は与しない。私が総理大臣のときにこういう発言をしたら、一部のマスコミや評論家が曲解した。
私は『日米関係が良ければ良いほど、他の国ともいい関係を築くことができるんだ』と言ったんです。そうしたら、『小泉は日米関係が良ければ、他の国はどうでもいいのか』
違うでしょう。日米関係を悪くして、そのぶんを補うために他の国と良くしようという関係はいけない、と言ったのです」
「中国にしても韓国にしてもロシアにしても、全部日本は領土問題を抱えているんです。日本の意見と違う。それをどうして同盟関係を結ぶことができるか」
「日本人はよく曖昧だと言われます。一番曖昧な例が、憲法9条の問題ですね。私は憲法改正論者なんですが、9条の『国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する
手段としては、永久にこれを放棄する』、これは変えなくていいと思う。ただ、次の項目『前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない』があるせいで、
『自衛隊は戦力ではないか?』という議論が未だに起こっている。自衛隊が戦力でないと思っている人は、ほとんどいませんよ」
「戦力でなかったら、我々が自衛隊をもつ必要はないでしょう。侵略する勢力を排除するのは、戦力でなければできない。『日本の平和と独立、国民の安全を確保するために自衛軍を保持する』
と明記しなければ、いつまでも『自衛隊は憲法違反だ』と問題にされてしまう。ごまかさないことですよ。
「明治の時代、ベストセラーが二つあった。一つはイギリスのスマイルズという人が著した『自助論』です。自ら助ける精神ほど大切なものはない。さらに自らを律する精神が一番大事だと。
自ら努力する人たちを応援しようという本です。もう一つは、福沢諭吉の『学問のすゝめ』。天は人の上に人を造らず、人の下に人を造らず。そして、一身独立して一国独立する。
個人個人の独立があって、初めて一国の独立を勝ち得ていく。これを説いた」
「諸君の両親が何をしてくれるかを問いたもうな。諸君の友人が何をしてくれるかを問いたもうな。諸君の両親、諸君の友人に、何をできるか考えたまえ。これはわかりやすいですよね」
「人から与えられるよりも、自分がどうやって努力するかが大事なのだ。これは変わらない大事な人間の資質だと思います。自分を助けることができる人が多ければ多いほど、自分一人ではどうしても立ち行くことが
できない人を助け合う社会ができると私は思う」
(週刊45、2010/3、松井和志、フリーライター、より要約) [目次へ戻る]
日本固有の領土であるにもかかわらず韓国が不法占拠している竹島に韓国が設置したヘリポートの大規模改修計画が進み、周辺に海洋科学基地も計画されていることが3日、分かった。
大規模改修は軍事衝突を念頭に置いたものとされ、韓国が「竹島支配」を既成事実化する狙いがあるとみられる。
(産経新聞、2010/4/4)
韓国が竹島の周辺海域で地質調査
竹島の周辺海域で、韓国政府系機関の韓国海洋研究院が地質調査を実施すると発表した。
(読売新聞、2010/4/16) [目次へ戻る]
「これは戦争ではないが、国益を賭けた闘い。だが、鳩山政権には断固たる意思を持って臨む気概がどこからも感じられない」 自民党政権で農水大臣を務めた石破茂議員は憤懣やるかたない。
「捕鯨船に失明の恐れのあるレーザー光線を照射したり、放水などの攻撃を仕掛けました。そのため、2月6日以降は、鯨が一頭も捕獲できない状態が続きました」(農水官僚)
「今は調査捕鯨船団の一部が護衛に回っていますが、私は在任中、巡視船の派遣を主張しました。日本の船と国民を守るという姿勢を示さなくてどうする」
赤松広隆農水大臣は2月5日の閣議後の会見で、こんな大ポカもしでかした。6月に開かれる国債捕鯨委員会(IWC)の年次総会に向けて、「日本沿岸の商業捕鯨を認めさせる代わり、今の調査捕鯨のあり方を
もう少し見直すとかいう妥協案も含め、説得の努力をしている」と発言したのだ。これを聞いて、農水省の官僚は唖然としたという。
「赤松大臣が言ったような内容をIWCが関係各国に提示しているのは事実です。しかし、これまで調査捕鯨と商業捕鯨の両方を認めるよう主張してきた日本にとって、これはあくまで落とし所を探るための
腹案。それを今の段階で大臣が政府案のように披瀝してしまっては、相手から"日本は妥協するつもりだ"と足元を見透かされてしまう」(農水官僚)
実際、2月19日にラッド豪首相が、「日本が南極海で調査捕鯨をやめなければ、11月に国際司法裁判所(JCJ)に提訴する」とさらに強硬な姿勢を見せた。
ポカは赤松農水相だけではない。ラッド発言の直後にオーストラリアを訪問した岡田克也外相はスミス豪外相と共同会見に臨んだが、「IWCで解決できなければIJCに持ち込む」(スミス豪外相)、
「なんとも残念だ」(岡田外相)というお寒い内容に終わった。
「豪州内の世論が燃え盛っている時期に行けば、火に油を注いでしまうのは当たり前です。これまで、外相の外遊日程は外務省の総合外交政策局が調整していました。
しかし、最近では岡田外相が『弾丸外交』と称し、自分で空いている休日にどんどん日程を入れてしまう。それが失敗につながるのです」
(政治部デスク)
喫緊の課題は、2月に捕鯨母船に侵入し、拘束されたSS船長への対応だ。日本側の足並みは乱れている。「現場レベルでは立件に前向きな法務省に対し、捜査権のある海上保安庁が
及び腰だった」(前出の官僚)
石破氏は、これも鳩山首相にリーダーシップがないための問題と指摘する。「捕鯨に関係する省庁は農水、外務など複雑にまたがります。こういう場合、出来るだけ前に出たくないという
"消極的"利権争いをするもので、それをさせないために総理を本部長とする総合海洋政策本部を自民党政権時代に立ち上げた。総理が断固たる姿勢を見せれば、現場はついてきます。
ところが、その総理が『友愛』なんてアホなことばかり言っている。これでは国益は守れません」
(週刊文春、2010/3/11) [目次へ戻る]
成熟した大人になりきれていない鳩山由紀夫首相は、普天間飛行場の移転先について、閣議決定を前に打つ手もなく、思案投げ首の苦境に陥った。
移設先は、日本国政府、地元、米国政府の合意なしには決められない。たとえ思いつきの移設先を、首相が呟いたとしても、地元と米国の合意がなければ無意味である。
地元の声に耳を傾けると、意外なことがわかって来る。普天間飛行場の移設が、辺野古沿岸部にV字型滑走路を作って行われるのであれば、つまり、現行案どおりに行われるのであれば、
辺野古の人々は必ずしも反対しないということだ。
「地元の中の地元」、辺野古の人々の言い分にまず耳を傾けて見よう。現行案による移設先は、辺野古、久志、豊原の久辺3区で構成される。
辺野古区長の大城康昌氏は、なぜ、普天間飛行場が辺野古に移設されるようになったか、その経緯を思い出してほしいと、次のように語った。
「自民党政権のとき、政府が辺野古に飛行場をもってくるというので、われわれは苦渋の選択として受け入れたのです。受入れに当たっては相互に協議して条件を整えました。
騒音は基準値以下、安全対策も、受入れ地域への経済振興策も住民の経済的補償も含めて話し合い、13年もかけて、話し合いから合意へ、そして実現へと事態を進めてきた。
それを、政権交代だといって鳩山首相は地元になんらの説明もなしに政府約束を無視し、辺野古の陸上案やホワイトビーチ案まで出してきた。とんてもない話です」
「辺野古沿岸部にV字滑走路を作るという現行案は政府とわれわれの合意事項です。辺野古のわれわれは今もこの現行案は生きていると考えています。鳩山首相が地元の意見に耳を傾けるというのなら、
地元の中の地元のわれわれの声に、なぜ、耳を貸さないのでしょうか」
「地図を広げて名護市をよく見て下さい。山を境にして東部と西部に大きく二分されます。海に面した辺野古は東側、名護市役所や大企業、人口の大半が西側に存在しています。
先の名護市長選挙で辺野古への移設を反対したのは主として西側の有権者でした。たとえ辺野古に飛行場が作られても、彼らには騒音をはじめ基地を置くことの負担はないのです。
被害を受けるのはわれわれの地区です。にもかかせらず、この3区の住民は、各報道機関の出口調査によると70~80%が移設を支持しています」
「名護市の東海岸地帯には久辺地区3区の他に10の区があります。現行案受入れの私たちの考えは、久辺3区だけでなく、この10区の区長さんらにも理解されていると思います。
これまで、われわれは10区とも協力関係を築いてきましたから。例えば、飛行場移設に関連して北部振興策がとられてきました。交付金を久辺3区だけが受け取るのではなく、
その一部を頭割りで各区に配分するなど、相互に助け合う努力を通して、協力関係を築いてきたのです」
辺野古行政委員会副委員長の宮城安秀氏が訴えた。「本当の地元のわれわれの所には、政府の人たちは意見を聞きに来ません。岡田外相は名護市には来ましたが、西側に行って、
反対派の人たちばかり集めて意見を聞きました。東側の辺野古には来ない。久辺3区の全世帯の住民が安心して暮らせて、しかも国防に貢献するにはどうしたらよいか。
我々はきちんとした案をまとめていて、政府に提案したいと考えています。しかし、政府はわれわれに目を向けず、提案には至っていません。メディアは移設反対派の意見ばかり伝え、真実を伝えてくれません」
メディアの問題に加えて、鳩山首相の国防に対する無責任さが混乱を深めてきた。現行案を否定するなら、首相は理由を説明する責任がある。
だが、明確な説明がないばかりか、首相の言葉は虚構に満ちている。
鳩山首相は政権発足から半年もの長きにわたって、国家の基盤である安全保障問題、そのまた基盤である日米安保体制について、見苦しくも絶望的な迷走を重ねてきた。
国民の生命財産を守り、日本の国土と海を守る最高責任者としての任務を全く果たしてこなかった。空しく現行案を否定し続けて今日に至った真の理由は、単に自民党政権時代の決定には反対するということではないのか。
合理的な解決策は一つしかない。それは結局、現行案に戻ることだ。但し、単に戻ることは許されない。
国政の基盤である安全保障を蔑ろにし、日本国は果たして信頼に値する国なのかという疑念を国際社会に抱かせた首相として、恥を知り辞任すべきである。
(週刊文春、2010/4/1、櫻井よしこ) [目次へ戻る]
子ども手当などの目玉政策を推進する鳩山由紀夫。しかし、これらの政策には、別の思惑があると指摘するのは、「鳩山由紀夫の政治を科学する」の著者の一人、高橋洋一氏である。
「子ども手当」や「高校の無償化」は、苦しい家計を助けるための政策として打ち出されていますが、本当の目的はぜんぜん違います。
学校の先生には日教組の組合員が多いですが、日教組にとって、目の上のたんこぶなのが、教育予算を握る文科省です。じつは予算を削って文科省を弱体化させることが、「子ども手当」や「高校の無償化」
の大きな目的のひとつなのです。
例えば、義務教育予算というものがあります。これは義務教育を国庫補助するためのものです。義務教育の教員の給料として、ここから1兆6千万円が支払われています。
給与を握っているのは文科省だから、官僚は地方教育の現場で威張れる。日教組が面白いはずはない。
日教組にしてみれば、文科省からお金をもらうより、保護者から授業料としてもらうほうがいい。そこで、民主党は、文科省から義務教育予算を取り上げ、保護者に義務教育費を直接給付する
「子ども手当」を考えた訳です。
「高校無償化」についても、民主党は当初、保護者にお金を配る直接給付方式を考えていました。この動きに慌てたのが文科省です。直接給付となったら、自分たちの出る幕がなくなってしまいます。
文科省は、国が授業料を肩代わりする間接給付方式を主張し、民主党の動きに抵抗しました。民主党も参院選挙を控えており、四月から無償化を実施したいためにここで折れ、
結局は間接給付に落ち着きましたが、日教組は不満なはずです。「子ども手当」に関しては財源問題が残されており、今後、文科省から義務教育予算を取り上げることができるかが、大きなポイントです。
義務教育予算を振り替えなければ、とてもではないが「子ども手当」を満額払えません。文科省とのバトルはまだしばらく続くでしょう。
(週刊文春、2010/3/25、より要約) [目次へ戻る]
民主党がマニフェストに始めて「月額1万6千円の子ども手当」を盛り込んだのは05年。それが2年後、07年のマニフェストで「月額2万6千円」に増額されたのだが、
当初から疑問視され続けてきたのは、如何にして財源を確保するかという点だった。「鳩山総理は『声域なき歳出見直しで捻出する』としてきたものの、そんなに都合よく金を掻き集められるはずがない。
そこで、既存の児童手当を制度として残し、その上に新たな手当を積み増しするという奇策を用いた。児童手当の地方・企業負担分を残すことによってなんとかしのいだわけです。
それでも今年度は半額、子ども一人月額1万3千円のスタートとなりました」(政治部デスク)
従来の児童手当にあった所得制限は子ども手当ではなし。支給対象年齢も「12歳まで」から「15歳まで」に引き上げられた。
こうしてスタートした子ども手当の問題点は、手当支給は子供が日本国内に居住している場合に限る、との条件が付いていないことだ。両親が揃って日本に居住している必要もなく、例えば、
子供を母国に残して出稼ぎにきている母にも支払われる。
「一番感じるのは、この手当は一体誰のものか、という疑問です」こう憤慨するのは、この問題を国会で追及してきた自民党の丸川珠代参議院議員。
「日本の子供たち、これから社会を支えていくことになる、日本で育つ子供たちの面倒を見るための手当のはずなのに、日本に一度も来たことがない子供にも手当を配らなければならない。
このことには物凄く大きな不信があります」同党の山谷えり子参院議員もこう批判する。「これではバケツの底が抜けるように外国に血税が流れてしまう。ですが、いくら問題点を指摘しても長妻厚労相は
『問があるのなら現地(外国の役所)に行って調べたらどうか』などと答弁するだけでした」
「子ども手当は、親に支払われるもの。そのため、親のいない孤児は支給対象にならない、という欠陥が国会審議中に明らかになったのです」とは、政治部記者。
「また、親の虐待などによって保護されている子供の問題点は置き去りにされたままになった。つまり、子供を虐待していた親にも、子ども手当は支払われるのです。
この点、ある児童擁護施設の関係者は、「自分の子供の養育をきちんとできずに虐待していた親が、国から、子供のために使いなさい、とお金を受け取ったとして、実際にその通りに使ってくれるでしょうか?」
と、こう憤慨する。「こうしたことから見ても、とてもではありませんが、子供のたための施策とは思えませんし、福祉という観点から考えられたものではない。選挙対策という政府の思惑を、
児童施設の現場にいるからこそ、ひしひしと感じています」
一体何のための施策なのか。必要のないところまで手当が及ぶのではないか。そうした疑問が現場からも出ているわけだが、さらなる危惧も。それは、子ども手当が犯罪を誘発する可能性がある、
という点だ。
子ども手当の骨格が、従来の児童手当と同一であることは前述した。実は、この児童手当を搾取する事件が全国で相次いでいるのだ。例えば07年には、中国人の女性が出産した子供を
自らの戸籍に入れ、児童手当など102万円を搾取した日本人夫婦が書類送検された。09年には、知人が産んだ子供を自分の子供と偽って外国人登録し、手当を搾取したラオス人夫婦を神奈川県警が検挙。
極め付けは、今年2月に愛知県でフィリッピンスナックを経営する日本人男性が逮捕された事件である。その手口はこうだ。スナックで働くフィリッピン人女性が母国で子供を出産した、
とする書類をブローカーに依頼して偽造。それを役所に提出して児童手当などを騙し取ったのだ。県警は、この男が同じ手口で総計約2500万円を搾取したとみている。
果たして、子ども手当がこうした事件と無縁と言えるだろうか。それどころか、児童手当よりも支給金額が増え、対象者が広がった子ども手当は、より狙われ易いといえまいか。
「気をつけなければいけないのは、中国人です。彼らにとって証明書を偽造するなど容易なこと。今年度支給される月額の1万3千円は、中国でいうと公務員の給料1ヶ月分にあたります。
子供が3人いる、と申告するだけで3ヶ月分の給料が働くなくとも自動的に転がり込むわけです。こんな美味しい話に中国人が飛びつかないはずありませんよ」
こう警鐘を鳴らすのは、外国人犯罪に詳しい元警視庁通訳捜査官の坂東忠信氏。「実は、04年に入管法が改正されされたことで強制退去の手続きが簡略化された結果、同年には約3万4千人いた
中国籍の不法残留者は減少の一途を辿り、今年1月には約1万3千人まで減りました。
が、一方で日本国内に外国人登録している中国人は年々増加しており、04年に49万人だったのが08年には66万人に。つまり、合法的に入国し、合法的に滞在している人が大量に増えている、ということです」
それは何を意味するのか。「中国では公的な証明書類でさえ、中身は偽造であるということが珍しくない。合法的に我が国に滞在している中国人には、『なりすまし』が多く潜んでいるはず」
身分偽装に長けた中国人が、書類を偽装するだけで金が転がり込む子ども手当に目をつけない、とは到底思えないのである。彼らが本格的に子ども手当に狙いを定めたら、一体どれほどの血税が彼の国へ流れてしまうのか。
暗澹とせざるを得ないではないか。
「そもそも、子ども手当の恩恵を受けるのは、低・中所得層ではなく、年収800万円以上の高所得層。年収制限のおかげで、これまで児童手当を受給できなかった層が、
制限のない子ども手当は受け取れるからです。最初から制度設計が間違っているのです」こう批判するのは、丸川珠代議員である。
「問題なのは、民主党がこうした諸々の問題点を事前に把握しながら、修正しなかったこと。その理由は、修正していると、参院選前の支給が危うくなってしまうから。
長妻大臣は『欠陥に気付いていた』と言いながら、『来年度は満額支給したい』などと繰り返す。追及していて本当に空しさを感じます」
(週刊新潮、2010/4/15、より要約)
子ども手当、外国人受給は16万人
厚生労働省は30日、今年6月時点の子ども手当の支給状況を発表した。6月に支給された4~5月分の手当を受給したのは931万5183人で、うち16万2922人が外国人だった。同手当の支給状況の公表は初めて。
(時事通信、2010/9/30)
鳩山子ども手当、外国にも円が乱舞
鳩山由紀夫の思い入れが強い「子ども手当て法案」には、一般には知られていない奇妙な点が沢山ある。
その一つは、在日外国人が母国に残してきた子どもにも手当てが支給されることだ。私の手元に、厚生労働省が子ども手当てについての疑問に答えたやり取りがある。
自民党参議院議員の山谷えり子氏から送られてきたもので、その中身の正しさは厚労省にも確認済みだというので読んでみた。要旨を引用する。以下のAは厚労省の回答。
Q: 外国人が子どもを母国に残している場合も支給されるのか?
A: 支給されます。養子や婚外子も同様です。
Q: 子どもや養子が何人いようと申請だけで支給されるのか?
A: 特に人数制限はありません。
Q: 母国に何十人の子どもがいると主張するだけで、人数分支給されるのか?
A: はい、支給されます。
Q: 海外在住の日本人家族や、子どもを日本に残して海外に駐在している日本人家族はどうか?
A: 親が日本に住んでいないので支給されません。
まるで漫画のようなやり取りだ。私自身も確認した。そうでもしなければ、余りに酷い内容で信じられないからだ。子ども手当支給の事務を実際に取り仕切る立場の自治体に問い合わせたのである。
すると、信じ難い問答はまさに事実を反映したものだというのだ。
取材に応じたのは、東京都葛飾区である。在住外国人は1万4411人。担当課長は、在日外国人の子どもたちは実子でなくとも手当ての対象となり、養子にも支給される点を確認したうえで、
海外在住の日本人には支給されない理由を、以下のように説明した(省略)。
(週刊新潮、櫻井よしこ、2010/3/25、より要約) [目次へ戻る]
この六月から「子ども手当」の支給が開始される。支給窓口となる全国の市町村は、急遽作られたこの新制度の対応に忙殺されている。自公政権時代支給されていた「児童手当」とは
支給金額も支給年齢層も所得制限の有無も違う。コンピュータのシステムを一から変えなければならない大きな制度変更であり、来年度からはまた仕組みが変わると民主党が言っているので、
二年続けてのシステム変更は自治体にとって大きな負担になる。
民主党はマニフェストで「ムダづかいの根絶」「埋蔵金の活用」「租税特別措置などの見直し」で政策を実行し、子ども手当については国が国税である所得税の扶養控除と配偶者控除を見直して
財源を確保すると国民に約束していた。ところがその約束は見事に破られてしまった。結局は財源を確保できずに、地方に負担を押し付けてきたのである。
私には、06年の小泉政権における「三位一体改革」での苦しい記憶があった。それまでの児童手当の負担割合は、事業主負担分を除くと国が三分の二、都道府県と市町村が各六分の一だったのが、
このときの改革で三者の負担割合が各三分の一になったのだ。私は神奈川県知事に就任して四年目だったが、表面上は地方分権を進めると言いながら結局地方に負担を押し付ける国のやり方をその時目のあたりにした。
地方主権を掲げる民主党が自民党と同じことをするはずがないと思いながらも一抹の不安を抱えていたのだ。私の心配は現実のものとなった。
子ども手当以外にも高校授業料無償化、農家への戸別補償、医療費の増額など、民主党がマニフェストで約束した政策を実行するためには、絶対的に財源が足りないことが明白になった。
そして、昨年12月、鳩山内閣は子ども手当の財源を国が全額負担するという方針をいとも簡単に覆したのだ。初年度の子ども手当給付に必要な約2.3兆円のうち、国庫負担は約1.7兆円に抑え、残りの
6000億円を地方に押し付けたのである。これまでの児童手当は、神奈川県の場合、昨年度の負担額は143億円だった。「143億円が浮けば予算編成が少しは楽になる」と思った矢先の方針転換である。
それぞれの地方自治体が行財政改革を進め、給与までカットして何とか財源不足を埋めようと必死で努力している中で、有無を言わせずに負担を押し付けてきたのだ。
私は地方負担の問題だけで子ども手当を槍玉に挙げているのではない。そもそも、財源の裏付けなき現金給付を行う政策は、中長期的に国家を危うくすると考えているからだ。
理由は大きく二つある。第一は、日本が直面する財政破綻の危機だ。周知の通り、三月に成立した今年度予算は過去最大の約92兆円。税収は約37兆円で、新規国債発行額が過去最悪の約44兆円に上る。
当初予算の段階で、借金が税収を7兆円も上回る前代未聞の予算編成だった。今年度、子ども手当に必要な財源は約2.3兆円、来年度以降は約5.3兆円となる。ちなみに、防衛費は約4.7兆円である。
国家を護る予算よりも大きな税金をバラまき、それは将来世代が負担する国の借金となる。「こどものため」といいながら、当のこどもに莫大な借金を残す矛盾した政策といっていい。
二番目の理由は、ばらまき政策は国民の依存心を強めるからだ。自助努力で経済を成長させていこうという国民の意識を着実に蝕んでいく。政府の役割とは、端的に言えば、税金を国民から集め、
それを効果的、効率的な公共サービスとして国民に提供することである。例えば、学校を建てる、先生を雇う、福祉施設を造る、道路を作る。お金を欲しがっているところや選挙で票になりそうなところへ、
現金を右から左へばらまくのは、政府の仕事ではない。税金を集めてそれを現金のままで配りなおすのであれば、そもそも税金を安くすればいいだけである。
例えば、扶養控除や配偶者控除などを活用して減税すればよい。
「一身独立して一国独立す」福沢諭吉は、明治の日本が独立国家として欧米列強に勝ち抜いていくには、一番大事なものは独立自尊の精神だと言った。ばらまきを繰り返していけば、
「今度は幾らくれるのか」と、国民は依存心を強めるばかりになってしまうだろう。
さらに言えば、子ども手当の制度設計は不備だらけである。第一は、外国人への支給の問題である。親が日本に住んでいれば、国籍にかかわらず、子ども手当を受給できる。
こどもが外国に住んでいてもかまわない。受給を目当てに入国し、自国に子どもが十人いるといえば、理論的には十人分の子ども手当の受給が可能になるのだ。
民主党は政策調査会を廃止し、政策立案機能を政府に一元化した。そのために、法案の詳細な制度設計についての議論を党内で尽くしておらず、国会で野党から追及されて始めて問題点に気付くような有様だ。
挙句の果てに、そうした外国人の親が、本当に自国に子どもを持っているかどうかを確認する煩雑な作業は、窓口である各市町村に押し付けられることになる。
なんらかの事情で両親がおらず、乳児院や児童擁護施設などで暮らす子どもたちに子ども手当は支給されない。一方で、親がどんなに高額の所得があっても支給される。これでは、本末転倒ではないか。
また、子ども手当が親に支給されるものであることから、使途は問われない。遊興費に使われてしまう恐れもある。
これらの制度設計の不備を生じさせた最大の原因は、六月に支給を開始するという絶対的な目標だった。その理由はただ1つ。七月の参院選前に現金を支給したかったからだ。
また過度の政治主導も影を落としている。細かな制度設計では、ノウハウが蓄積された官僚の知恵を生かすべきなのに、これを遠ざけてしまった。
来年度予算編成時までに同じように地方への負担押し付けをごり押ししようとするならば、今度は全国すべての地方自治体が連携してそれを阻止しなければならない。
その1つが、子ども手当の正当性を法律面で問うことだ。神奈川県は「国の政策と自治行財政に係る検討会議」を設置し、子ども手当への一方的な地方負担の導入は重大な憲法上の疑義があるのではないか
という点について議論している。各自体の了解なく、事実上、児童手当の財源を子ども手当に振り替えたり、地方自治の自主財源である住民税の一部を国の施策のために勝手に召し上げることは、
憲法92条の「地方自治の本旨」に反するのではないか。さらに、憲法94条も含めて解釈すれば、憲法により授権されている自治財政権を侵害するのではないかと考えている。
こども手当の問題だけでなく、普天間基地の移設問題にしても郵政改革や高速道路の料金問題にしても迷走を繰り返すばかりだ。
郵政改革では、郵便貯金の預け入れ限度額が二千万円に引き上げられ、簡易保険の保障限度額が二千五百万円に引き上げられようとしている。
99年に超党派で郵政民営化研究会を作ったときは、小泉純一郎元首相が会長、私が事務局長に就任した。メンバーには前原誠司さんもいた。そのとき我々は、財政投融資解体、郵貯の地域分割
を主張していた。岡田克也外相も05年の民主党代表時に、郵貯の預け入れ限度額を五百万円まで引き下げると言っていた。原口さんも同じ考えだったはずなのに、今は亀井郵政改革担当大臣の言いなりに
なっているように見える。「官から民へ」の改革はどこへいってしまったのだろうか。
(文芸春秋、松沢成文、2010/6、より要約) [目次へ戻る]
高校授業料無償化法が3月末の参院本会議で、与党、公明、共産などの賛成で成立した。朝鮮学校への支給は結論を出さず先送りした。
子ども手当も高校授業料無償化も家庭に当面の実益をもたらす。たとえそれがより大きな借金となって、将来、子供世代が返済しなければならない性質のものだとしても、
実際に幾許かの現金が転がり込めば、有権者は政権交代を実感し、民主党支持が固まると考えているのだ。なんと、有権者をコケにした考えであろうか。
3月12日の産経新聞は、金正日総書記の「民族教育強化」の方針の下で、朝鮮総連から全国の朝鮮学校幹部に、高校授業料無償化獲得のために運動を展開せよとの指示が出されていたことを報じた。
これは朝鮮総連の内部文書から判明したもので、当の内部文書を、北朝鮮の民主化に取り組むNPO「RENK」代表の李英和関西大教授が3月11日に記者会見を開いて公開した。
特定失踪者問題調査会代表の荒木和博氏は語った。「かつて、こんなことがありました。修学旅行で北朝鮮を訪ねる朝鮮学校の生徒らに、万景峰号への乗船前に、朝鮮総連新潟県本部が現金入りの
バッグを、中身を知らせずに持ち込ませ、乗船後に、船内で回収したそうです。こうした状況が罷り通ることは、つまり、朝鮮学校を犯罪者養成機関として総連側が扱っているからと言ってもよい」
荒木氏はもう一点、重要なことを指摘した。朝鮮総連や朝鮮学校が拉致事件と無関係ではないという点だ。「大阪から1980年代に拉致された原敕晁さんの事件に関連して、大阪朝鮮学校の
元校長、金吉旭が国際手配されています。朝鮮学校関係者は拉致事件に関係しているだけでなく、その他の犯罪にも手を染めています。たとえば78年、広島朝鮮学校出身の青年らが大量のヘロイン密輸事件
で逮捕されました。この犯罪は広島朝鮮高校教員で朝鮮青年同盟県委員長の金徳元が計画して、自分の教え子たちを巻き込んで実行したものでした。金徳元は指名手配されましたが姿を消したままです。
拉致問題も未だに解決されていません。そんな状況にあるのに、国民の税金を朝鮮学校に注入するのは、まさに、日本人の人権及び日本国の主権の侵害です」
授業料無償化で注入されるのは日本国民の税金である。であれば、対象となる教育機関は、日本国の法律を守り、拉致をはじめとする日本人への犯罪を如何なる形でも支えていてはならないのは当然だ。
拉致を命じた金正日総書記の写真を掲げ、未だに首領様として讃えるのでは、朝鮮学校がいくら教育の権利を主張しても論外である。
日本国民の税金が、直接・間接的に金正日を支える結果になることは断固拒否しなければならない。
(週刊新潮、櫻井よしこ、2010/3/25、より要約)
密室で決めるな、朝鮮高校無償化
朝鮮高校は私たちの税金注入に値する学校かどうかを判断する一助に、どんなことが教えられているか見てみよう。朝鮮高校の現代史教科書3巻が翻訳されている。翻訳したのは、作家で北朝鮮問題に詳しい
萩原遼氏ら「朝鮮高校への税金投入に反対する専門家の会」である。訳した教科書を読み通して痛感したのは、このような内容を教える授業は、なくしたほうが方がよいということだった。
どこをとってもまともな歴史の記述は全くない。事実関係の完全な捏造が目につく。
どの頁にも、金日成、金正日父子の肖像や彼らを讃える麗々しい修飾語が散見される。想像をこえる頻度と量のその種の記述を生徒たちに押しつけるのが朝鮮高校の教育か。こんな教育を、
国民の税金で支援する正当な理由など、あり様がない。
朝鮮高校無償化問題は政府が結論を出すことが出来ず、6名の専門家に諮問され、今月中に結論が出される予定だ。しかし、委員が誰なのか、いつ、どこで、どの点を議論しているのか、
どんな意見が出されたのかなど、一切が秘密にされている。情報公開や議論の透明性を強調してきたはずの民主党内閣で、この秘密性はなんなのか。
衆院予算委員会で山本氏の追及に、川端文科相はこう語った。「高等学校に類するとみなせる教育機関であるかを判断することのみで判断したい」この発言は「形だけ」高校の体裁が整っていればよいというふうにも聞こえる。
文科大臣の責任は、まさに、朝鮮高校の授業内容が日本国民の税金で支えるに足る良識的な内容か否かを判断することだ。国民の前に決して姿を現そうとしない亡霊のような委員会の影に隠れての責任逃れは、
川端文科大臣以下、鈴木、中川両副大臣らには許されない。山本氏の質問に「文科相の丁寧な手続きに沿った判断をお聞きしたい」と、責任逃れの答弁をした菅直人首相も同様だ。
(週刊新潮、櫻井よしこ、2010/8/26、より要約)
「朝鮮学校無償化」の暴論
朝日新聞が「朝鮮学校--日本社会の度量を示そう」と題した社説を掲げた。冒頭「在日朝鮮人の若者たちが、つらい思いで2学期を迎えている」と感情論をかざし、「4月にさかのぼっての無償化を
速やかに実施すべきだ」と主張。拉致被害者家族の反対を紹介し、こう述べた。「しかし、子どもの学びへの支援と、拉致問題への対応とを、同じに論じるのはおかしい。高校無償化の支援対象は学校ではなく
、生徒一人一人だ」たしかに「高校無償化の支援対象はは学校ではなく、生徒一人一人だ」だが、同時に、進学せずに就職した中卒社会人は、その恩恵に与れない。ゆえに無償化の対象は、高校での教育と
考えるべきであろう。ならば、朝鮮学校の教育は助成に値するだろうか。
教育の目的とは「人格の完成をを目指し、平和で民主的な国家及び社会の形成者として必要な資質を備えた心身ともに健康な国民の育成」(教育基本法第一条)である。
朝鮮学校で教えられている、金日成・正日親子への礼賛などは、この目的に到底そぐうものではない。
朝日社説も同じ疑問を抱いたのか、こう続けている。「教育内容を問うべきだとの指摘もある。確かに金正日体制への礼賛は、私たちの民主主義とは相容れない。
だが、朝鮮学校生に目を転じてみよう。スポーツでは地域の強豪校でもある。バイリンガルの能力を生かすなど、活躍する卒業生もいる。ここは、日本社会の度量を示そう」
スポーツが強ければ、許されるのか。朝日が大好きな「民主主義」とは、その程度の理想だったのか。
そもそも日本国憲法は「教育を受ける権利」を「国民」にしか与えていない。ゆえに無償化は違法である。教育基本法の理想にも反する。朝日社説は暴論だ。
(週刊新潮、秋、2010/9/16、より要約) [目次へ戻る]
「おれの宿舎に来ないか?可愛がってやるから」素肌に着たシャツの胸元を大きくはだけさせた男は隣に座った女性の身体を撫で回しながら、こう囁いたという。
「5年くらい前、一緒にカラオケに行ったのですが、"今回の一軒"で当時の光景を鮮明に思い出しました。同席したホステスたちを順番に口説いてまわり、結局、一人と一緒に帰っていきました。
いくら独身とはいえ、本当に国会議員か、と信じられない思いでした」
民主党関係者がそう振り返る議員とは、中井洽・国家公安委員長(67)。「週間新潮」が、30代銀座ホステスとの路チュー現場や、彼女に議員宿舎のカードキーを渡していたと報じたことで思い出したという。
件(くだん)の銀座ホステスとの関係は番記者の間でも有名だった。「夜回りで宿舎で待っていたら、一緒に帰ってきたこともあるほど。日ごろから『俺はもてるんや』『バレンタインの日には調整が大変』
などと豪語しており、国家公安委員長なのに脇が甘すぎる、と思っていたら案の定でした」(民主党担当記者)
鳩山由紀夫首相は、「中井大臣が法令違反というようなことをしたことはない」と述べ、進退については、不問に付した。政治評論家の三宅久之氏は、そこには、"ある内部事情"があると見る。
「鳩山さん自身も愛人問題では、すねに傷をもつ身。そればかりか副総理の菅直人さんもスキャンダルがあったし、細野豪志議員と山本モナさんとの一件もあった。軒並みこの体たらくでは、
中井氏を処分などできるわけがない」まさに同じ穴のムジナというわけか。
くしくも十四年前、当時、旧民主党を結成したばかりだった鳩山由紀夫の"室蘭の女"の存在を暴いたのも、「週間新潮」だった。鳩山由紀夫は、初当選前に同級生に連れられていった室蘭のクラブの
チーママに一目ぼれ。以後、愛人関係は十年にわたり、「僕の子供を産んでくれ」とまで語ったという。
だがその後、別れ話がもつれて金銭トラブルとなり関係は泥沼化。鳩山事務所は、秘書が1千3百万万円の「手切れ金」を支払ったことを認めている。
この記事が出た日、鳩山由紀夫は熱海で議員研修会を開いていた。出席者の一人が当時を振り返る。「その晩、記者との懇談でその話になったんですが、『事実です。妻から怒られました』
とあっさり認めた。しばらくたつと、記者の質問に『詳しい話は弁護士に。あ、いないか』と自分でボケて突っ込む、いつもの鳩山に戻りました」後始末はすべて秘書に任せておきながら、本人がこの調子では
、周囲も浮かばれまい。
この騒動で、民主党内における主導権は、当時もう一人の代表だった菅直人に移っていく。だが、わずか二年後、今度はその菅直人が醜聞に見舞われる。
小誌が報じた「菅直人と六本木のホテルで密会する三十代キャスター」である。相手の女性はテレビ朝日などでキャスターを務めた後、メディアコンサルタントに転進して菅事務所から毎月報酬を得ていた。
小誌は、五ヶ月間に及ぶ追跡取材の結果、菅氏と彼女が密会を重ねて、都内のホテルの一室で一夜を過ごすなど、"不適切な関係"の全貌を明らかにした。
「実は当時、枝野幸男(現行政刷新担当相)が先に彼女を気に入っていたんです。深夜の喫茶店で熱心に口説いたけど、ふられたそうです。その後、彼女は菅さんと親密になっていき、枝野さんはショックを受けました」
(民主党関係者)
06年に山本モナとの元祖・路チュー写真をフライデーされた細野豪志衆院議員の近況はどうか。「発覚直後こそ大人しくしていましたが、党内には『どこまで反省しているのか』と疑う声もあります。
というのも、女子アナと見れば、すぐにアドレスを聞き出すのは相変わらずで、モナさんとも未だにメールのやりとりしているようなんです」(別の民主党関係者)
昨年9月、江田五月参院議長、川端達夫文科相、直嶋正行経産相ら五人の議員がキャバクラなどの飲食代を「政治活動費」として計上していたことが発覚したが、民主党にはキャバクラ好きが多い。
中でも"キャバクラ三銃士"と呼ばれる議員たちがいるという。「NHK記者時代から女の噂が絶えなかった安住淳議員は、隣に女性が座った瞬間から口説き始める。民主党七奉行の一人、樽床伸二議員はとにかく
女性にマメです。それから、羽田雄一郎議員は、『銀座では(かつてクラブが軒を連ね、いまやキャバクラが増えた)ウオータータワービルにしか行かない』と公言しているほど」(同前)
一方で、秘書や職員など身内に手を付けるパターンも民主党には多い。小誌が昨年7月2日号でスクープした、和田隆志議員と秘書との不倫も典型的な例だ。
和田隆志は妻子ある身でありながら、公設秘書の女性に議員会館の部屋でセックスを強要。不倫関係になった挙句、一方的に女性を解雇し、給料も未払いだった。しかし、辞職することなく、議員を続けている。
「副幹事長の中の一人は、以前女性秘書と付き合っていて、なんとポルシェをプレゼントまでしたそうです」(民主党関係者)
たかが下半身、されど下半身。民主党議員たちの政治家としての矜持(きようじ)はどこにあるのか。政治家が「選民」と呼ばれた時代は遠くなった。
(週刊文春、2010/4/8、より要約) [目次へ戻る]
政権発足から半年たって見えてくるのは、鳩山政権には、やるべきことと、やっていけないことの判断の基準となる「枠組み」がないことです。
政策というのは、不思議なもので年金改革にしろ、航空自由化にしろ、ひとつひとつ見るかぎり、大概のものは「いいのではないか」と思えるものです。でも、
「日本経済は何%成長をめざすのか」「そのために税制はどうするのか」といった国の「枠組み」を決めた上で判断すると、やるべき政策が見えてくる。つまり個々の政策の前に、「枠組み」が極めて重要なのです。
ところが、鳩山政権には、この「枠組み」がない。だから、あれよあれよという間に、信じられないような政策が決まっていく可能性がある。こういう政権は珍しい。
例えば、郵政についても、亀井大臣が「ユニバーサルサービスを実現する。そのため金融で支える」と言っている。しかし、それがどれだけの負担増になるのか、国民には一切示されていない。
JALしかりです。あの救済劇を振り返っても、なぜ政府が一企業を救済するのかという根本的なところがまったく見えてきません。本来、政府は個別の企業は助けるべきではないという大原則があるのに、
「とにかく困っているから、国がお金を出してやろう」というその場しのぎの発想で突き進んでいきました。「枠組み」がないと、あらゆることが目の前の思いつきで進んでしまいます。
国民はこの怖さに気付き始めています。
いま私が民主党に期待しているのは、フランスのミッテランのように、大胆に政策転換を図ることです。ミッテランは81年に社会党から始めて大統領になりました。
その時の政策は、今の民主党によく似ています。一部企業を国営化し、「子ども手当」と似た「家族手当」を実施しました。さらに法定労働時間の短縮を打ち出しています。
その結果、フランス経済はガタガタになりました。ミッテランが優れていたのは、その後二年かけて政策の大転換をやったのです。彼は「欧州の統合」を持ち出して、方向転換の大義名分としました。
民主党に求められているのも、この豹変だと思います。
もし政策転換ができず、このまま突き進めば、「重税国家」が待っています。いや、麻生、鳩山という二人のお金持ち総理によって、重税国家の道はすでに始まっていると言ったほうがいい。
このふたつの政権の共通点は何か。それは「自助自立の精神」を捨て去ったことです。明治時代のリーダーが必ず読んだ本に、サミュエルの「自助論」があります。この中に「天は自ら助くる者を助く」
という一文がありますが、ふたつの政権は、この精神を蔑ろにしたのです。
鳩山総理は、子ども手当にしろ農家の戸別補償にしろ、「すべて国が面倒を見ます」という姿勢です。しかし、当然のことながら国といえども、みんなを助けることはできません。
世の中には必ずハンディキャップを持った方やお年寄りなど、本当に国の助けを必要とする人がいます。しかし、こういった弱い立場の人を助けることができるのは、大部分の国民が自立している時のみです。
子供の教育を社会で支えようという考え方は、100%間違っているとはいえません。問題は、どうして現金をばら撒くという発想になるのか、ということなのです。
スウェーデンやノルウェーのような高福祉の国でも、現金はばら撒いていない。子ども手当は子供が三人いたら0歳から15歳までの16年間で千六百万円貰えるという計算になります。
私の故郷の和歌山では家が建つ。つまり「政府が家を一軒差し上げます」というのと同じで、こんな政策は聞いたことがない。
小泉改革の政策が続いていれば、消費税はアップしたとしても、10%程度か、それ以下で済んだはずです。小泉政権は、将来、社会保障負担が圧倒的に増えることがわかっていたので、
ひたすら基礎的財政赤字を減らす努力を続けてきました。そのおかげで、02年には28兆円あった赤字が、07年には6兆円まで減り、あと一息で単年度黒字を達成し、今度は将来増える
社会保障費のために、新しい税制の整備に専念できるところまで来ていたのです。
ところがその後のばら撒き政策で、すでに財政は危機的です。単年度赤字は40兆円、09年度の国債発行は53兆円に達しています。これに対し菅大臣は「消費税などの議論を始める」と言っている。
しかし、53兆円の赤字を消費税で埋めようと思ったら、20%も税率を上げなければなりません。つまり、今の時点で消費税率は、25%になっていなければならないということになる。
これはもう、取り返しがつかない水準です。国民は今後、ますます重くのしかかる負担を背負わなければいけません。消費税率は30%も視野に入れなければいけない状態に追い込まれています。
とはいえ、私は悲観的ではありません。方向転換さえすれば、日本を強くするのは難しくない。不良債権処理だって、郵政民営化だって、いくつかの国で実施されていたもので、特別な政策ではありませんでした。
ハブ空港だって、アジアの国で整備されていないのは日本と北朝鮮だけ。他の国では当たり前のことをやるだけで経済はよくなるのです。
日本の法人税率は世界でダントツに高い40%。アジアで最も低い香港は16.5%で、その差が大きいために日本から海外へ企業の兆避が懸念されています。でも、子ども手当を「ごめんなさい」するだけで、
香港並みの法人税は実現可能なのです。これ一つ実現するだけで、日本経済の将来像は一気に変わります。鳩山総理は舵を切る立場にある。
(週刊文春、2010/4/15より要約) [目次へ戻る]
「郵政民営化」には確かな意義がありました。第一に「行政改革的意義」です。民間でできることは民間でやるのが当然だと考えるのが行革の考え方です。
来るべき少子高齢化を見据えて、若い世代の負担を抑えるためには政府を小さくしておかなければならない。
次に郵政の経営悪化を食い止め、最終的に埋め合わせをする国民負担を回避した意義です。郵政は第二の国鉄となって大きな赤字を出すことは確実でした。
郵政の取扱量は毎年五パーセントずつ減っており、十年後には売上げが三分の二になるわけです。そんな状況でしたから、マーケットを拡大する必要があった。世界で成長している市場に参入するために
民営化という選択をしたのです。ドイツもオランダもイギリスも同じように民営化しています。
第三に金融の正常化という意義も、民営化は担っていました。郵政の資金運用とは、郵貯で受け入れた資金を国債で運用することです。しかし、こんな異常な金融ビジネスモデルが成り立つはず
がないのです。先進国では貯金も国債も金利はほとんど同じです。日本だけが貯金よりも国債の金利の方が少しだけ高いのです。つまり、郵政は利ざやを稼げている、ということなのです。
民営化によって債権、保証債務などの信用リスクビジネスに参入し、企業として責任ある利益をあげてもらわなければならない。国家公務員のような経営の素人では務まりません。
だから、経営陣も外部から登用し、民営企業にしようと改革を進めたのです。こうした改革によって郵政の資金は市場に回ることになります。住宅ローンや中小企業の融資にまわってくるというわけです。
郵政民営化を変質させ、現在のような状況に陥らせた責任は、麻生太郎前首相にもあります。「郵政民営化には賛成でなかった」と国会で発言したときには唖然としました。
小泉政権の「自助自立」の方針を、麻生政権は180度転換した。この意味において、麻生政権の登場こそが、「政権交代」だった、と考えています。「構造改革」をなし崩しにしたのが
麻生政権であり、それに続く鳩山政権なのです。バラマキ政策も、麻生内閣から引き継がれたかのように鳩山政権で行われている。そして今、この鳩山政権によって「構造改革」「郵政民営化」は完全に
無きものにされようとしている。
民主党政権に代わると同時に郵政民営化見直しの基本方針が閣議決定され、日本郵政の西川善文社長が辞任に追い込まれました。そして後任に決まったのが元大蔵次官である斉藤次郎氏です。
国有化するから公務員を天下りさせる。副社長にも郵政官僚OB・足立盛二郎氏と、大蔵官僚OBの坂篤郎氏で絶妙の天下り人事です。
国有化の最大の問題は、「国民にとって高くつく」ということに他なりません。まず、国がわざわざ行う非効率と「民業圧迫」。二番目に官主導の経営による郵政事業の「経営悪化」。
三番目に郵政の資金が民間に回らず、無駄な事業に使われてしまう「財政投融資の復活」です。
限度額引き上げの理由とは一体何なのでしょうか。原口総務大臣の言葉は「郵政のユニバーサルサービスを負わせるには、稼がないといけない」、つまり、
郵貯残高三百兆円からさらに増えるであろう資産を元手に運用を行うということです。しかし、ユニバーサルサービスを国民から預かり受けた金融資産によってまかなっている国はどこにもありません。
主要国の郵便事業は自らの「企業努力」によって運営しているのです。アメリカは国土が日本の25倍にもかかわらず、郵便料金は日本の半分。自らの非効率を棚に上げて、
国民の資産で経営する日本の発想は、世界基準から逸脱しているのです。
(文芸春秋、竹中平蔵、2010/6より要約) [目次へ戻る]
「全国郵便局長会」が露骨な利益誘導
郵政改革法案の可決を目指す国民新党側に、全国の郵便局長らが過去3年間で総額8億1973万円を資金提供していたことが13日、分かった。
「全国郵便局長会」の会員やOB、家族らでつくる政治団体「郵政政策研究会」がパーティー券購入や寄付を行い、郵便局長らは国民新党の職域支部「国民新党憲友会」にも納金していた。
国会議員9人の小政党に特定の団体側から8億円もの資金が流れていた事実に、識者からは「露骨な利益誘導」とする批判の声も出ている。
国民新党は郵政解散直後の平成17年8月に設立。18~20年の政治資金収支報告書によると、郵政研はこの間、全国の郵便局長らから個人献金計約7億5738万円を受領。
党の衆参両院議員の現職や元職、候補者ら計12人の政治団体にパーティー券購入や寄付で、計2億5500万円を支出した。
国民新党への寄付と、国民新党側が年1回開催する政治資金パーティー「国民新党総決起大会」でも、郵政研は計2350万円を支出しており、国民新党側への支出は3年間で総額2億7850万円に上る。
国民新党側は、全国に12ある郵政研の地方組織「郵政研地方本部」からも3年間で計5750万円を受領した。
また国民新党の職域支部「国民新党憲友会」は、郵便局長やOB、家族ら約21万3900人が党員登録し、3年間に党費として約6億1559万円、個人献金として9992万円を集めていた。
このうち2億3178万円は郵政研側に環流。憲友会の代表は、日本郵政を監督する総務省の長谷川憲正政務官が務める。
独協大法科大学院の右崎正博教授(憲法学)の話「特定の勢力から巨額の資金提供を受け、その勢力の望む政策を実行するのは、露骨な利益誘導といわざるを得ない。
小政党の国民新党は、大政党と比べて資金量も大きく劣ることから、郵便局長会側の資金への依存度は相対的に高く、より露骨だ。
郵便局長が中心となった職域団体の代表が総務政務官というのも、公平性に疑問がある」
(産経新聞、2010/6/14) [目次へ戻る]
「政権交代」は「やらせてみないとわからない」と考えたから起こったのですが、一見するとこの「もっともらしい正論」に根本的な問題があったのです。
「民主党の公約破綻」は、最初から分かりきったことだったのです。民主党のマニフェスト選挙の本質は、「まともな具対策を持ち合わせていない」のに「いかにも具体的な対案を持っている」かの如く
振る舞い続けたことです。
例えば「事業仕分け」は、パフォーマンスとしては効果的でしたが、同時に、彼らが当初から主張していた、「無駄の削減などで10兆、20兆なんて簡単に捻出できる」というのが
デタラメだったことが国民にも理解できるようになりました。しかも、ここで重要なのは、数々の民主党の大盤振る舞いの政策は、この「空虚な財源論」をベースに積み上げられたものだったことです。
つまり、この「前提」事態がウソだったのだから、自動的に、選挙の際の目玉であったそれらの多くの大盤振る舞いの公約は、何の意味さえも持たなくなってしまったのです。
しかも、このような国民を愚弄する政策がこれだけで終わればいいのですが、残念ながらまだまだこれから続くのです。
なぜなら、民主党が批判し続けた「年金」も「後期高齢者医療制度」も、「まともな具体策を持ち合わせていない」のですから。04年の参議院選挙以降、民主党は選挙でことごとく「年金」
を争点にし続け、ひたすら国民に「年金不安」を煽ってきましたが、その結果、将来に不安を抱えた国民が消費を控え続けていることが、長い不況の最大の原因になっているのです。
政権交代後、朝の番組でみのもんた氏が長妻厚生労働大臣に「日本の人口はこのようになることが心配されているんですが、民主党案で大丈夫でしようか」と聞いていました。
長妻氏は「我々はこのような状況でも成り立つ制度を考えています」と答えています。ただ、これは、その場しのぎの「子ども騙しの返答」なのです。まず、年金における将来の見通しというのは、
基本的には「出生率」と「経済成長率」の2つの数字によって決まります。ところが、民主党の年金案というのは、単に「年金の枠組み」を少し変えるくらいのものなので、これら、「出生率」と「経済成長率」
には何の変化ももたらさないのです。つまり、「制度の安定性」については、実は現行の年金制度と何ら違わないのです!
では、「少子化が進むと年金制度が破綻する」というのは本当なのでしょうか?実は、ここに「大きな落とし穴」があって、これは「ひっかけ問題」なのです。
今の年金制度の前提は、「今後の出生率は1.26となる」という厳しめの仮定の数字です。この数字を大きく下回って推移しているなら、「このまま少子化が続けば年金制度が立ち行かなくなる」という
議論は成立するでしょう。しかし、06年以降の実際の出生率を見ると、06年は1.32、07年は1.34、08年は1.37と1.26という数字をクリアーしているのです。
ちなみに、現行の年金の試算というのは、現在1億2700万人の人口が100年後に4459万人まで減ってしまうことを前提に計算されているのです。
では、なぜ民主党は「年金破綻」を訴え続けていたのでしょうか?これは、一言でいうと「選挙対策」に尽きます。「未納問題」で揺れた04年の選挙から、とにかく「年金不安を煽れば票になる」
という経験則が得られたので、ひたすら「年金」を政争の具に使うようになったのです。
挙句の果てには、政権交代を実現させるために、民主党は昨年の選挙前に厚生労働省に「経済成長率がこれから100年ずっとマイナス1.2%になる」といった、呆れるような前提で
試算させていました。(ちなみに、この試算では日本経済は現在の3割の規模になる)。この試算を要求したのは、長妻厚労大臣が自身の著書の中で「一生の友」と紹介している山井和則議員(現・厚生労働大臣政務官)です。
厚生労働省はこのような滅茶苦茶な試算を要求され、「厚生労働省試算」として世の中に公表までさせられていたのです。
その結果、一部の新聞においては『2050年 国民年金積立金枯渇』というような、表面的な報道が世の中に出ることになり、「現行の年金制度では破綻する」というような印象を作り出す
「民主党の選挙戦略」は成功することになりました。
ちなみに、社会保障審議会年金部会の議事録では、会場の場で一切議論せずに無理やり試算させ、勝手に公表までさせた滅茶苦茶ぶりに、宮武剛目白大学教授らが次のように問題点を指摘しています。
「どこかの議員さんが試算しろとおっしゃってやられたようですけれども、これなんか見ると、賃金が上がらないままずっと50年、100年行くとか、賃金がマイナスのままならどうなるか、
そんな試算が果たして何の役に立つのか。年金制度どころか経済も社会も破綻していく。『国敗れて山河あり』はありうるけれども『国敗れて年金制度あり』はありえない。」
では、現行の年金制度において、今後の「経済成長率」をどのような見通しで計算しているかというと、経済成長率の前提を0.8%としているのです。民主党は「政権交代」前は、
散々「現行の年金の試算は甘すぎだ!」と繰返し批判していました。そのため、民主党の考える「経済成長率」の前提は、現行の0.8%より低くなければおかしいことになります。
ところが民主党は「政権交代」後の昨年に発表した「新成長戦略」では、「経済成長率」を2%以上にすることを公約しているのです。民主党の主張は選挙の前後で、完全に矛盾しているのです。
そして、民主党が掲げる2%以上の経済成長率の前提で今の年金の財政を計算してみれば、「今の年金制度は安心そのもの」であることを示す結果にもなるのです。
民主党はマニフェストで「消費税を財源とする最低保障年金を創設し、全ての人が7万円以上の年金を受けと取れるようにする」と謳っているので、ここに「大きな幻想」を抱いてしまっている
人も少なくないと思いますが、実は、これはあまり大した話ではありません。今の年金制度では、4段階の免除制度があって、所得が少ない人にも対応できるようになっています。
年金は「払った保険料に応じてもらうるもの」なので、保険料が免除される場合は、その「免除された分」の年金については、もらうことができないのです。
そこで、保険料の免除対象者も満額をもらえるようにするには、その「免除された分」を国が税金で負担してあげればいいのです。つまり、「最低保障年金」の実現には、今の制度をわざわざ何十年かけて、
大幅に変える必要があるわけではなく、その免除されている部分に追加で税金を投入するだけで、「最低保障年金」をつくることができるのです。「最低保障年金」の金額は7万円でも8万円でもいいわけです。
要は、「税金をどれだけ投入するのか」という話なのです。
「民主党の年金案」というのは、詳細を詰めていくと、今の年金制度よりも問題が多いのです。そのため、知れば知るほど、「なんでわざわざ何十年もかけて、今とほとんど変わらない制度に
変えないといけないのか?」といった疑問を持つことになります。これは、まさに普天間の基地移設問題と同じ仕組みであって、実は民主党は「キャッチコピー」だけけで、年金においても、
「まともな腹案」などなかったのです。それにもかかわらず選挙のために現行の年金制度の不安を過剰に煽り、国民の将来不安を増幅させることで民主党への期待感を持たせ続けたのです。
この「腹案戦術」は、沖縄の小選挙区すべてで前与党を消滅させたくらいに「最強の手法」です。これは「やらせてみないとわからない」という「もっともらしい論理」に多くの国民がコロっと乗ってしまうからです。
(週刊文春、細野真宏、2010/6/10より要約) [目次へ戻る]
如何なる感染症対策も初動が重要だ。第一号感染症例発見から約一月後の対策本部設置は山火事に例えれば、山一面に火の手が上がって初めて消防団を結成するようなものだ。
番記者が、被害拡大は対策が遅きに失したからではないかと質したのは当然だろう。首相はこう応えた。「必要以上に風評が立ち、農家が大変困るという状況があったため政府対策本部という形の立ち上げは
しなかった」首相発言から一夜明けた18日、農水省と宮崎県は、新富町でも始めての感染が確認され、川南町でも新たに13農家で感染が確認された旨、発表した。一例目を出した都農町から川南、高鍋の三つの町を
越えて日向灘沿いに南下する形で感染が広がっているのだ。殺処分の対象となる牛や豚などは11万4000頭を超えた。
畜連の幹部らはこう語った。「10年前の口蹄疫発生のときは、農水省からいち早く、次から次へとファックスで情報と指示が入った。今回は全く、なにもない」
今回の民主党政権と10年前の自民党政権の口蹄疫に対する対応を較べてみる。2000年3月12日、宮崎市内の肥育農家の和牛一頭の様子がおかしく、農水省家畜衛生試験場で調べたが、
ウイルスは見つからなかった。結果、口蹄疫の診断はつかなかった。25日になって10頭に同じ症状が出た段階で、農水省と県は口蹄疫と断定し、直ちに防疫対策本部を設置した。
直ちに、患蓄を出した農家から半径50km以内の家畜市場を閉鎖、地域外への牛、豚の輸送を禁止した。同時に宮崎県内の畜産農家への情報提供に取りかかった。口蹄疫にかんする基本情報、消毒法
などを地区の蓄連毎に送り、県下2万3000戸の畜産農家には防疫策紹介のパンフレットを戸別に送った。警戒地域に指定された6町の牛の抗体検査体制も敷き、6町1万5000農家の全ての牛の
検査を終えたのが10日後だった。その間、政府は消毒液をはじめとする、防疫に必要な薬剤を宮崎県に供給し続けた。結果、半径50km以内の牛、豚の移動禁止の解除に漕ぎ付けた。
宮崎県が安全宣言を出し、口蹄疫問題は1ヶ月半で終息した。
自民党は今回、発生当時から事態を「非常事態」ととらえ、4月22日付けで防疫対策をはじめ、33項目の申し入れを政権に行った。自民党農林族の面目躍如とでも言うべき内容だ。
申し入れをまとめた江藤氏が語る。ちなみに自民党農林族の重鎮、隆美氏は、氏の父である。
「10年前の口蹄疫のとき、親父は鬼の形相で対策に取り組みました。日本の畜産農家を守ろうと必死に戦った。当時、我々は、口蹄疫について今よりも知らなかったのです。それでも、
親父も自民党も10年前の感染で対策のノウハウを蓄積しました。それを今度は民主党に提供してでも、一緒に口蹄疫を防ぎたいとの思いで申し入れをしました」
しかし、民主党の反応は極めて鈍かった。自民党側は4月30日に2度目の、5月6日には3度目の対策申し入れを行った。江藤氏が嘆く。
「この間、現地からも農水省にいろいろ連絡したんです。しかし、役人たちは『政務三役の了承がなければ動けない』と動かない。肝心の赤松大臣は外遊し、一番恐れていた豚にも感染し、患蓄は12例から
56例へと爆発的に増えました」この間、民主党側の実態把握はお粗末だ。たとえば5月6日の会見で山田正彦副大臣は「牛は落ち着いた」と発言している。
「この頃、豚への感染が急増していた。豚の感染力は牛の千倍と言われており、我々は豚への感染を最も恐れていたのです」と江藤氏。
赤松大臣は5月11日に、現制度でやれることは直ちに実行したいが、現地から要望が上がってこないと、恰も、対策の遅れの原因が県側にあるかのような発言をした。
36年かけて育て上げた牛が滅びるとしたら、それは明らかに民主党政権下で進む政治の空洞化と無策のゆえだ。
(週刊新潮、櫻井よしこ、2010/5/27より要約) [目次へ戻る]
菅政権が前政権と全く変わらない事柄のひとつが「政治とカネ」にまつわる不透明さである。首相が特に要請して国家戦略担当相に任命した荒井聡の事務所費問題だ。
荒井側が経費を支払っていたとする事務所は氏の友人宅で、友人は一銭も受け取っていないとメディアに証言した。また、荒井の政治団体の事務所経費が漫画本や女性用下着に費やされていたことも判明した。
にも拘わらず、同件についての納得のできる説明は、一切ないのである。
昨年6月には、「政治に対する国民の信頼を回復」するとして、政治資金規正法の改正案を国会に提出した。そこには、「政治団体は除く」と明記されている。
これが一体、どのような形で政治資金を民主党に流れ込ませる裏道となるのかは、後に詳述するとして、その前に民主党がどれほど労働組合の人的、金銭的支援に依存しているかを見てみよう。
偽メール事件で前原誠司が民主党代表を退き、小沢が新代表就任したのは06年である。菅を代表代行に指名し、小沢代表は真っ先に「連合」本部を訪問した。
連合は日本の労組員数の約3分の2の680万人余りを擁する巨大労働団体だ。1989年の誕生以来、民主党を支持してきた。翌07年は参議院選挙の年だ。
小沢代表は年明け早々、連合本部を訪れ、高木剛会長らに協力を要請、高木も古賀伸明事務局長も、小沢と共に全国の選挙区行脚を開始した。この07年の選挙で民主党が勝ち、遂に参議院での
与野党勢力を逆転させたのは周知のとおりだ。同選挙で民主党は労組出身者7人を立て、全員が当選した。自治労出身の相原久美子が約50万票、自動車総連の池口修次が約25万票などで、
7人で計182万票を獲得した。
民主党は続いて昨年の衆院選挙で大勝し、今度は政権を奪取した。今年の参院選の労組出身の候補者は、07年より多い11名である。その中にJR東労組の実力者、松崎明元会長の側近と
いわれる田城郁も名を連ねている。松崎はJR東労組と「革マル派」には警戒すべき関係があると、今年5月11日、政府が答弁している。これは自民党衆院議員の佐藤勉の質問への答弁で、鳩山首相名でなされた。
答弁書はまず、革マル派を「極左暴力集団」と断じている。彼らは、「将来の共産主義革命に備えるため、その組織拡大に重点を置き、周囲に警戒心を抱かせないよう党派性を隠して基幹産業の労働組合等
各界各層への浸透を図って」いると明記し、「JR総連及び東日本旅客鉄道労働組合内には、影響力を行使し得る立場に革マル派活動家が相当浸透している」とまで断じているのである。
そのようなJR東労組の松崎に近い人物を、菅首相も枝野幸男幹事長も、参院選での民主党の候補として、公認しているのだ。
さて、このことと冒頭で問題提起した政治資金規正法の問題と、どうつながってくるのか。民主党は企業献金をゼロにすると主張する。そのことで決定的な影響を受けるのが自民党である。
同時に、民主党は、労組、職員団体なども献金禁止の対象として列挙したが、それで政治とカネの関係が浄化されるのかは大いに疑問だ。理由は政治団体が除かれていることだ。
NTT労組の作った「アピール21」のように、労組が政治団体を作る事例は珍しくないのである。アピール21は08年に民主、国民新両党の議員らに6200万円を献金した。
民主党案は、企業献金を禁じて、自民党の力を殺ぐ一方で、労組の政治資金が労組の作る政治団体経由で民主党側に流れ込むルートを確保するものだともいえる。
(週刊新潮、櫻井よしこ、2010/7/1より要約) [目次へ戻る]
参議院議員選挙は与党民主党の大敗に終わった。敗因は消費税だけではない。政権奪取以来の10ヶ月間の政治に疑念を抱いたからだ。民主党は政治資金に関してクリーンさを喧伝するが、
代表も幹事長もクリーンではなかった。菅首相は情報公開を旨とするが、鳩山由紀夫、小沢一郎両氏の政治資金問題に蓋をし、説明責任を果たさなかった。国会論戦を避けてV字回復した支持率をよいことに
選挙に逃げ込もうとした。民主党は公約(マニフェスト)を破るためにあるかの如く扱い、去年の公約への数々の違反も説明せず、いきなり、新公約集を掲げた。
民主党の財源なきバラまき政策や情緒的な対米外交による日米関係の冷え込みは国民に先行不安感を抱かせた。
国民は、民主党が実践した政治の姿、彼らが目指す日本と日本人の姿、国の形こそ訝り始めたのだ。菅氏も鳩山氏も、家族や社会、そして国の基本やその形などについて、社会主義的な
理想像を示唆したが、現実に行ったことは眼前の個々の政策での迷走ばかりだった。政治家や政党にとって欠いてはならない国家観を欠いているのは、鳩山、菅両氏だけでなく、民主党そのものである。
民主党には党の綱領さえないのである。どのような価値観を大切に守っていくのか。次の世代のためにどのような社会や国を作っていくのか。さらなる次の世代のためにどのような未来を目指すのか。
つまり、大事な事柄になればなるほど、党内の意見はまとまらず、党綱領を作れずにいるのが民主党である。
目指す大目標がないために、政策毎の行き当たりバッタリが常態となる。迷走も暴走も、明白な理由があっての結果なのだ。そのような民主党政権への不安が、今回の選挙結果となったと
考えてよいだろう。だが、自民党も喜んでいる場合ではない。自民党の勝利でもないからだ。民主党への失望が自民党支持に集約された面が強い。
長年の自民党政治を振り返れば、為すべきことを為していないのが自民党である。その意味で、自民党は政党としての存在意義を喪失したとさえ思える。
それでもここ10ヶ月の並外れた暴走や迷走を繰り返した民主党よりはましかもしれないという一種の安心感を有権者に抱かせた。
今回の選挙の特徴のひとつは保守系の小政党が乱立したことだ。自民、民主の空白部分を吸収し、700万票をとったのがみんなの党だ。みんなの党は政界再編を促すというが、
彼らにその力があるとは思えない。公務員改革に集中する彼らが外交、安全保障、教育、家族のあり方などについて定まった価値観を共有しているとは思えないからだ。
価値観の軸を持たない政党は政界再編の推進力にはなれないであろう。
(週刊新潮、櫻井よしこ、2010/7/22より要約) [目次へ戻る]
政治部デスクが解説する。「民主党は、天下の悪法とも言われる3つの法案の成立を秋の臨時国会以降に目指しています。ただ、参院選の争点にすると保守層の支持が離れかねないので、
参院選マニフェストに載せていません」その悪法3法案とは、「外国人への地方参政権付与法案」、「選択的夫婦別姓を可能にする民法改正案」、そして「人権侵害救済機関設置法案」である。
「まず、外国人参政権についてですが、08年2月、当時、民主党代表だった小沢と代表代行の菅が相次いで、李明博韓国大統領と会談しました。その際、李大統領からその法案成立を求められると、
2人とも「実現に向け、努力したい」と応じている。今年1月に民団の新年パーティで、山岡前国対委員長ら幹部が挨拶に立ち、これまた法案の成立を約束していた。その会員数は約50万人もいて、
民主党は票田にする思惑がある」今回の参院選でも民団は民主党候補者を支援しているという。08年1月には、岡田現外相を会長に据え、鳩山前首相などのメンバーを揃えて、そのための議連を立ち上げている。
そして、民主党はこれまでに15回にわたり、この法案を国会提出しているが、与党自民党の反対に遭い、否決されてきた。政権の座に就き、いよいよ法案成立が見えてきたわけだが、なぜ参院選で是非を問わないのか。
続いて、夫婦別姓法案だが、「そもそものキッカケは、88年、図書館情報大学(当時)の女性教授が旧姓の通称使用を求めた裁判でした。その弁護人を務めたのが社民党の福島党首だった。
福島は男女平等に反するからと人権問題まで発展させた。千葉景子法相がそれに丸乗りしました。千葉はもともと社民党出身で、福島とは『人権派』仲間。こちらも、人権団体、フェミニズム団体などの票を
取り込もうという魂胆が見え隠れする。
3つめの人権侵害救済法案は、自民党の人権擁護法案の対案として、05年、民主党が国会提出したが、郵政解散の煽りを受け、廃案に追い込まれた。だが、再び、首をもたげてきたようで、
ある民主党議員がこういう。「昨夏の衆院選マニフェストには3法案の中で人権侵害救済法案だけが盛り込まれました。さらに、この4月、党の法務議員政策研究会が開かれ、松野信夫参院議員がこの法案の
議連を立ち上げると言い出した。松野とともに熱心な推進派が松岡徹参院議員です。松岡は、部落開放同盟の書記長でもある。部落開放同盟は法案成立に執念を燃やしていて、法案反対の議員に圧力をかけた」
今年1月、岡崎参院議員は、法務省の政策会議の場で法案提出を熱心に働きかけ、2月の参院本会議では鳩山前首相から『国会に早期に提出できるように努力する』という答弁も引き出した。
民主党は法案成立を目論んでいるようだが、逆に、この法案が人権侵害を生む可能性があるという。この法案では、人権侵害から救済するための「人権委員会」なる組織が設置されるのだが、
「人権委員会に与えられる権限があまりにも強大で、裁判所の令状も必要なく、加害者の出頭や立ち入り検査などを要求できる。法律の専門家でもない人権委員が一夜にして、警察や検察を上回る権力を
握ることになります。しかも、人権侵害の定義が曖昧なので、特定団体に利用される怖れがあるんですよ」(同)民主党はそんな問題点には目もくれず、ただ単に選挙対策まっしぐらなのだ。
最大の支持団体である連合とその傘下の自治労、日教組なども3法案の法律制定を要請している。
政治部デスクによれば、「3法案に対し、民主党幹部のほとんどが賛成しています。菅直人は、6月15日の参院本会議で外国人参政権について、『民主党は前から実現に努力してきた。その姿勢はに変更ない』
と答弁しました。その2日後、今度は、仙谷官房長官が記者会見で夫婦別姓法案に対し、『民主党としてはなるべく早く実現させたいという立場だ』と意欲満々な様子でした」
これほど積極的に取り組んでいながら、3法案を参院マニフェストに記載しないのは、国民への背信行為ではないか。
天下の悪法3法案、そのうちまず、外国人参政権について、「日本の安全保障を脅かす、非常に危険な法律です。しかも、すでに最高裁で違憲と判断されていますよ」
そう警鐘を鳴らすのは、高崎経済大学の八木秀次教授である。「地方参政権とはいえ、たとえば都道府県の自衛隊出動要請は主に知事によってなされる。中国や韓国、北朝鮮出身の永住外国人が集団で
住民登録を行えば日本国民がまったく意図しない人物が知事になる可能性だってある。もし、北朝鮮からミサイルが飛んできても、自衛隊に出動要請しない知事が誕生したらどうするのか。
また、在日韓国人は韓国の国政選挙への参政権を持ち、国防の義務を負っている。こうした人々に対し、日本の参政権を与えるのは、論理矛盾も甚だしい」
夫婦別姓に猛反対するのは、日本大学の百地章教授だ。「職場などで旧姓を通称として使うのはいまやごく当たり前に認められており、もはや問題は解決しています。
ただ、千葉や福島がそれをイデオロギーの問題に仕立て上げた。もし、別姓が認められたら戸籍の意味が失われ、家族制度の崩壊に繋がります。千葉は『戸籍を家族から個人単位に変えるべき』と述べている。
結果、先祖という概念を曖昧にしてしまう。日本人の精神構造そのものを変質させかねない法律なんです」
さらに、人権侵害救済法案についてもこう指摘する。「自民党では古賀誠が中心となり、人権擁護法案を推進してきました。同和対策のための諸法律が02年に終了し、その継続法案として
人権擁護法が検討されたという背景があるのですが、自民党内でも反対意見が多く、成立しませんでした」だが、民主党の人権侵救済法案は自民党案よりも過激だそうだ。
「自民党案では人権委員会は法務大臣の所管とされたのですが、民主党案では内閣府の外局に置かれ、さらに各都道府県知事のもとに地方人権委員会まで設置される。そうなれば、まさに日本全体が
監視社会です。自由で民主的な社会を否定するのが、この法案です。表現の自由や令状主義を定めた憲法に違反するし、極めて危険ですね」
こんな重要な問題を問わずして、一体、何のためのマニフェストなのか。
八木教授によれば、菅総理はマニフェストなど歯牙にもかけない、強権的な政治家の片鱗を見せ始めたという。
「菅総理は所信表明演説で、『国会内閣制』という言葉を使いました。かつて政治学者の松下圭一が唱えた学説で、議院内閣制とは異なり、政府と与党が一元化し、強大な権力を持つことを容認する考え方です。
議院内閣制が内閣と国会のそれぞれの抑止を重点に置いた制度であるのに対し、国会内閣制は権力の抑制を解き放ち、政府・与党が絶対者として君臨することを許容している。
これを所信表明演説で持ち出す菅総理は小沢前幹事長と同等か、あるいはそれ以上の権力志向の政治家であると感じました」
今回の参院選、民主党が過半数を獲得したら、「強権」菅総理が国民に「3杯の毒」を食らわすのは、間違いない。
(週刊新潮、2010/7/15より要約) [目次へ戻る]
憤懣やる方ないとはこのことである。民主党政権の靖国問題への対応や日韓併合100年に際する「総理談話」は最悪であった。その上、中国は初の国産空母を建造中だというのに、文句の一つも言えない。
「私は総理在任中に靖国神社にお参りすることはしない、と就任の時に申し上げたところです」8月10日、菅総理は記者会見で靖国参拝について聞かれ、こう答えた。
15日、靖国神社。この日は、民主党政権下で迎えた初の終戦記念日であったが、現役閣僚は1人たりとも姿を見せなかった。菅内閣は、靖国参拝を完全に黙殺したのである。閣僚の参拝者がゼロだったのは、初のことだという。
中国や韓国に阿って靖国参拝をしなかった罪は軽くはない。外交評論家の田久保忠衛氏はこう憤慨する。「本来、靖国参拝は他の国からどうこう言われる問題ではないのに、周辺諸国、
中でも中国に気を遣って参拝しなかったということです。誰も行かないとあっては、完全に中国のプレッシャーに屈したようなもの。主権国家として本当に情けないことです」
これに劣らず評判が悪いのが、日韓併合100年に関し「痛切な反省」を表明した「菅談話」だ。民主党の松原仁代議士が指摘する。「内容を見て、出すべきでなかったと思います。
学習指導要領を超えた内容で、今後の教科書採択や執筆に影響が出ないかと懸念しています。特に、談話の『その意に反して行われた植民地支配によって、国と文化を奪われ・・・・』という件は、
解釈にょっては日本が強制的に条約を締結したとも読める。日韓併合条約は法的に有効だったとする日本政府の従来の考え方と異なります」日韓併合条約の合法性が疑われるような紛らわしい表現をなぜ使ったのか。
官邸関係者が言う。「実を言うと、仙石さんが事前に鳩山由紀夫前総理にも相談。『その意に反して・・・・』の部分は、鳩山さんの注文で入れることになったのです。困った外務省側は岡田外相を通じて、
その直前に無理やり『当時の韓国の人々は』という文言を入れ、『この部分は日本と韓国という国同士の意味ではない。日韓併合条約はあくまで、両国の間で対等に結ばれた条約だった』と言い訳できるようにしたのです」
いずれにせよ、問題ありの表現である。韓国に対し、ここまで平身低頭する必要があるのか。「この他、談話の中にある『東アジア共同体』という文言も鳩山案。『在サハリン韓国人支援、朝鮮半島出身者の遺骨返還支援』
は仙石さんの希望で加えられたそうです」
早稲田大学の重村智計教授は、こんな意見。「今回の談話は、落第点ですね。例えば、『この植民地支配がもたらした多大の損害と苦痛』という部分の、『損害』という言葉。
こんな言葉を使ったら、個人補償をしろという話になる。損害ではなく犠牲という表現にすべきでした。菅談話は、ただ過去を振り返って、謝っているだけ。もっと未来のことを書かないと」
とにかく「菅談話」は、突っ込みどころ満載なのである。にもかかわらず、岡田外相などは「日本と韓国のメディアは評価している」とのん気に語り、ご満悦なのだ。中国と韓国に媚びるばかりが、
アジア外交の重視ではあるまい。
アジア外交の強化なんて新機軸を打ち出してはみたものの、成果は無きに等しい。それどころか、民主党政権のせいで、日本の国際的地位は低下している。
「沖縄の普天間基地移設問題を見れば、明らかなように、民主党の外交・安全保障政策は場当たり的です。アジア重視も口先だけで、単に迷走しているに過ぎません」(政治部デスク)
京都大学大学院教授の中西輝政氏は、こう批判する。「民主党政権は、日本を出口なしの状況に追い込んでいます。この党は、歴史や外交に関する党の綱領すらありません。
そのため、菅総理や仙谷官房長官らの自虐史観が党の外交政策に反映され、日本国政府としての見解になる。こうなると、民主党の政治主導という手法にも問題ありと言わざるを得ません」
民主党政権は、日本を危うくするだけなのだ。
(週刊新潮、2010/8/26より要約) [目次へ戻る
民主党は、政権交代の最大の意義は新たな発想による予算編成にあると明言する。民主党の予算編成は、国家の全体像をまったく顧みないものだ。その点が最も顕著に現れているのが
防衛費予算である。
国際社会の軍事歳出は過去10年間、顕著に増加した。米国への同時多発テロに象徴される新たな対立軸の出現や、類例のない軍拡に邁進する中国の脅威などが主たる原因である。
各国の国防予算はどれほど増えたか。中国の国防予算は、この10年で4.8倍。突出した伸びである。他方、米国は2.4倍、カナダ2.9倍、ドイツ2.0倍、英仏が共に1.8倍に達している。
中国がライバル視するインドは2.3倍、親中的豪州でさえ3.3倍、韓国は1.9倍である。対照的なのがわが国だ。防衛予算は減少を続け、10年で0.97倍に下がった。
中国の脅威の前で、ただ一国、防衛費減の国が日本である。さらにその中身を吟味すれば、減少の意味する深刻さに背中が寒くなる。
防衛予算は大まかに言って(1)人件・糧食費、(2)歳出化経費、(3)一般物件費の三層構造になっている。三層構造に米軍再編関連の歳出等を加えて4兆7903億円。ざっと見て、これが防衛費の全体像だ。
(1)と(2)は予算不足だからといって、払わないわけいはいかない固定費である。残された削減対象が(3)の一般物件費、9200億円である。
だがここを削った場合の日本の安全保障への影響は死活的に深刻である。防衛省幹部の1人が嘆いた。
「1割削減は4700億円です(各省庁の一律10%削減が閣議決定された)。固定費削減は不可能ですから、結局、一般物件費の9200億円から4700億円を捻出せよということでしょうか。普通は何とか知恵が湧くものですが、今回ばかりは
何も湧きません。工夫や知恵の次元を越えて、滅茶苦茶だと感じます」一般物件費9200億円から半分以上の4700億円を捻り出すとすると、自衛隊は訓練をはじめ、領空、領海侵犯に対しても、
殆ど行動できない状況に陥る。国防が置き去りにされる事態が発生する。
日本の財政の深刻さは言わずもがなだ。しかし、どの国も、経済的な困難にも拘わらず国家の安全保障に何が必要か判断し、安全上の必要性に基づいて歳出を策定している。
その発想が民主党政権には欠けている。昨年の事業仕分けが示していたように、安全保障費は国際社会で独立国として生き残っていくためのコストであるにも拘わらず、財政事情にのみ基づいて決めたのが
民主党だった。今年もまた民主党は、周辺諸国の国防費増額の動きのなかで、ただ一国、ひたすら防衛費削減の方針を掲げるわけだ。
たとえ政府が国防の重要性を理解できなくとも、国防体制を確かなものにしておかなければ、日本が危うい。どんな手を打てるのか。苦肉の策として、削減不可能な固定費を削減項目に入れて
財務省に提出し、それを以って問題提起としたいとの考えが、防衛省内に浮上している。対して蓮舫行政刷新相は8月18日、「義務的経費で削ることが出来ない事業を載せる動きがあると聞いている」
と批判した。行政刷新相の責務が、兎にも角にも無駄を削減することにあればこその発言であろう。しかし、蓮舫氏にとって必要なことは、国務大臣として、また1人の日本国民として、
日本の安全保障のために何が必要なのか、その必要項目を如何にして実現するかを真剣に考え工夫することではないだろうか。
(週刊新潮、櫻井よしこ、2010/9/2より要約) [目次へ戻る
小沢一郎と菅直人の対立は、「資格のない人物」と「資質のない人物」の争いである。総理の器かといえば、両氏は共に器ではない。日本の進路を切り開くべくもない希望なき人々だ。
政権政党となって以降の民主党は、彼ら「器でない」人々の権力欲に振り回され、異常なる無策に陥った。
彼らは自民党政治を派閥主導だ、国民不在の密室政治だと、激しく非難したが、蓋を開けてみれば、この1年間の民主党政治こそがグループという名の派閥政治であり、自民党よりも尚、
国民不在の密室政治だった。
外国人参政権や夫婦別姓、CO225%削減など、十分な議論と国民の納得が欠かせない問題を密室で決定し、国民に押し付けようとした。或いは押し付けた。
特定の利益集団のゴリ押しを許さないはずが、朝鮮高校無償化への動きに見られるように、ゴリ押しが罷り通ろうとしている。
菅・仙谷体制はその前の鳩山・小沢体制と何が違うのだろうか。鳩山・小沢体制下の政策は余りにも行き当たりバッタリで、何を目指しているかが全く見えてこないという点も含めて、
逆にわかりやすかった。ところが、菅・仙谷体制には、透視出来ない暗い影がつきまとう。国民の目には見えないのだが、彼らの深層心理には、日本の足をすくう冷たい情念が燃え続けている気がしてならない。
8月10日の首相談話のように、日本の土台を揺るがす仕掛けを目論み続けているいるというのが、率直な感想だ。
菅首相誕生から約3ヶ月、氏は政策らしい政策は何一つ実現していない。敢えて実現させたのは、仙谷氏が執念を燃やした韓国併合100年の首相謝罪談話であろう。
国民にとっては不幸なことだが、政策において存在感を欠く菅首相が最も鋭敏に反応するのが権力闘争だ。首相の地位に留まりたいという焼けつくような菅氏の思いは、いまや、傍目にもありありと見える。
(週刊新潮、櫻井よしこ、2010/9/9より要約) [目次へ戻る
菅首相及び官房長官の領海侵犯事件を巡る対応は歴史的失態である。日本固有の領土である尖閣諸島の周辺海域には石油をはじめとする天然資源が中東並みの量で埋蔵されている可能性がある。
その海ごと中国に奪われそうな状況だ。日本の領海を中国漁船が侵犯した9月7日以降の菅政権の対応は、中国の領有権主張に屈するに等しいものだ。菅・仙谷外交の恐るべき気概のなさと中国への従属精神
が一連の対応から見えてくる。
7日午前、中国漁船が尖閣諸島の日本領海を侵犯し、3時間にわたり逃走を試みた。政府は直ちに領海侵犯事件として逮捕に踏み切るべきだったが、仙谷長官らが中国との摩擦を恐れて判断が
半日以上も遅れた。中国政府は直ちに反撃した。8日以降12日まで計5回、北京の丹羽大使を呼びつけた。その気迫は尋常ではないが、国家としてこれが当たり前で、むしろ日本が異常なのだ。
8日、丹羽大使を呼びつけ、船長らの即時解放を要求した。9日、「中国の漁民の生命、財産の安全保護」のため、漁業監視船を尖閣周辺海域に派遣した。10日、外相みずからが丹羽大使を呼びつけた。
11日、中国外務省は「日本の措置は荒唐無稽で国際法、常識違反で無効」「日本が暴挙を続ければ、自ら報いを受けることになる」と激しく警告を発した。
同日、尖閣諸島の日本の排他的経済水域内で調査中の海上保安庁の測量船に、中国の巡視船が接近、調査中止を要求し、丸2日半にわたって追跡した。
12日、丹羽大使を呼びつけた。「情勢判断を誤らず、賢明な政治判断」を迫り、さらなる対応措置を取ると示唆した。中国の抗議の不条理はここに極まった感があるが、仙谷官房長官は
「こういう時間帯に呼び出すということは日本政府としては遺憾だ」「いずれにしても冷静に対応している」と述べた。領海侵犯した中国漁船の非については語らない的外れな反論である。
この間、中国政府は東シナ海ガス田共同開発に関する条約締結交渉開催を延期して圧力をかけ続けた。日本政府は圧力に屈して13日、中国船員14名の帰国と船の返還に応じ、仙谷長官はこう述べた。
「私の予測では、14人と船がお帰りになれば、また違った状況が開かれてくる」他方、中国は船員の帰国について、「領土と主権を守る断固とした決意を示した」と勝利宣言をした。
領海侵犯に対し国家として表明すべき憤りや抗議を全く発信出来なかった菅政権は、外交についてなんと昏いことか。杏林大学名誉教授の田久保忠衛氏が嘆いた。
「国としての対応能力を失っているのです。民主党政権の対中外交は初めから負けの姿勢です」
田久保氏は、東シナ海問題における日中の立場が逆転したと語る。「東シナ海のガス田交渉引き延ばしの中国側の狙いは、実効支配の基盤を固めることです。中国はやがて時機をみて、
東シナ海の実効支配へと、次の手を打ってくると考えるべきです」 安倍元首相も、尖閣諸島と東シナ海の状況は非常に深刻かつ異常だと見る。
「民主党は船員も船も返しましたが、船長だけでなく、全員を領海侵犯で取り調べ、船内も厳しく捜索すべきでした。領海侵犯は国家主権への重大な挑戦です。菅さんも仙谷さんもその重大性に気づいて
いないのでしょう」田久保氏が民主党政権の限界について語った。「小沢氏は国会議員を140余名引き連れて北京詣でをし、菅・仙谷両氏は外交・安全保障がわかっていないと見くびられています。
彼らは、発生した事態に反応することしか出来ない。戦略的に外交・安保政策を組立てて、手を打っていく発想も能力も、残念ながらないのです」
(週刊新潮、櫻井よしこ、2010/9/23より要約) [目次へ戻る
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