介護現場で働く人の給与や労働時間について労働団体が調査したところ、平均年収はおよそ207万円と、民間企業全体の平均を大きく下回っている実態が明らかになりました。
この調査は、全労連=全国労働組合総連合が、全国の介護施設などで働く人およそ3万人を対象に、ことし3月の時点の給与や労働時間について、アンケート形式で行ったもので、7855人から回答を得ました。それによりますと、介護施設で働く人の平均年収は206万8400円で、国税庁が調査した民間企業全体の去年の平均年収、405万9000円を、200万円近く下回っています。内訳では、▽100万円未満の人が全体のおよそ28%を占めたほか、▽100万円以上200万円未満の人が24%、▽200万円以上300万円未満の人が25%となっています。また、1か月の残業時間は平均9.86時間で、残業をした人のおよそ38%が残業代を支払われなかったことがあると回答しています。全労連の小松民子副議長は「去年4月に介護報酬は引き上げられたが、依然として賃金水準は低く、サービス残業があるなど労働環境は厳しい。介護職員の離職を防ぐには、労働条件の改善が不可欠だ」と話しています。