政府は、アフガニスタンへの新たな復興支援策として、医療分野の教育や訓練に当たるため、自衛隊の医官らを現地に派遣できないか検討を始めましたが、政府の中にも安全面を懸念する声があり、実現に向けては曲折も予想されます。
アフガニスタンの復興支援策をめぐって、政府は、去年、警察官の育成や反政府武装勢力タリバンの元兵士を対象にした職業訓練など、民生分野を中心に向こう5年間で最大50億ドル規模の支援を行う方針を打ち出しています。こうしたなかで、政府は「民間人による支援だけでなく、自衛隊も参加した支援を実施すべきだ」として、現地の医療関係者の教育や訓練に当たる自衛隊の医官や看護官数人を年内にも派遣できないか検討を始めました。背景には、アメリカのオバマ大統領が、アメリカ軍の撤退に向けてアフガニスタンの安定を最重要の外交課題と位置づけるなか、日本も積極的に貢献する姿勢をアピールしたいというねらいがあるとみられます。ただ、政府の中にも、「自衛隊員を派遣すれば、タリバンの攻撃の対象にされ、安全を保障できない」などと懸念する声があり、実現に向けては曲折も予想されます。