ここから本文エリア 米の未臨界核実験に怒りと失望の声 被爆者ら座り込み2010年10月14日
米国が4年ぶりに未臨界核実験をしたことが明らかになった13日、県内各地で抗議の動きが相次いだ。「核兵器のない世界」の理想を掲げたオバマ政権で初の実験だけに、強い失望感が広がった。 「大きな怒りを持って抗議したい」。平和記念公園(広島市中区)の原爆死没者慰霊碑前で座り込んだ県被団協(金子一士理事長)と県原水協などの約50人からは、憤りの声が次々と上がった。 被爆2世の永原富明さん(63)=呉市=は今年5月の核不拡散条約(NPT)再検討会議に合わせて今回の実験があった米ネバダ州の実験場を訪れ、放射能被害を訴えている周辺住民と交流した。「彼らが今、どんな思いでいるか、考えるだけでつらい」 平和記念公園を通りかかった広島市中区の百貨店店員和田麻衣子さん(25)は「プラハ演説で核のない世界を目指すと言ったのはうそではないと信じたい。広島に来て、原爆がどれだけの衝撃を与えたか見てほしい」と訴えた。 三次市三良坂町の被爆者ら19人も同日、三良坂平和公園で座り込み。三良坂平和を願う会の田口正行会長は「今回の実験は期待を裏切られた気持ちでいっぱい」と語った。 「がっかりした」。もう一つの県被団協の坪井直(すなお)理事長(85)は取材に対し、何度も残念がった。「オバマさん、目を覚まして、と言いたい」 「オバマ政権でも、核政策は実質的に何も変わっていない」。核兵器廃絶をめざすヒロシマの会共同代表の森滝春子さん(71)は冷静に受け止めた。「国際世論が核廃絶の方向へ向いているのは確か。運動に取り組む私たちが気を引き締め、流れを後退させないようにしないと」 米国出張中の湯崎英彦知事は13日、オバマ大統領に抗議文を送付。「貴国が主導した『核兵器のない世界』に向けての世界的な流れに水を差す」と、今後の実験中止を求めた。広島市議会議長や廿日市、東広島両市の市長、市議会議長も抗議文を出した。
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