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【プロ野球】

G坂本弾で天敵撃退

2010年10月17日 紙面から

阪神−巨人 3回表1死、坂本が左越えに同点ソロを放つ。捕手城島=甲子園球場で

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◆巨人3−1阪神

 日本シリーズ出場を争うCSは16日、セ・リーグのファーストステージ(3試合制)の阪神(リーグ2位)−巨人(同3位)第1戦が行われ、巨人が3−1で先勝した。パ・リーグはファイナルステージ(6試合制)第3戦でソフトバンク(リーグ優勝)がロッテ(同3位)を1−0で破り、あらかじめ与えられる1勝を含め対戦成績を3勝1敗として7年ぶりの日本シリーズ出場に王手をかけた。

 浜風に乗って打球が伸びる。巨人の坂本が描き出したその軌跡は、甲子園での天敵攻略ののろしとなった。

 1点先制された直後の3回。能見の速球をとらえて左翼席に同点ソロを放り込んだ。チームは能見に昨年7月から7連敗中。苦手の左腕から3点を奪って5イニングで降板に追い込み、その勢いで逃げ切った。勝利の立役者は紛れもなく、21歳の切り込み隊長だった。

 本塁打の直前は、3球続けて能見の勝負球のフォーク。ファウル、ファウル、ボールでフルカウントになって、狙うは直球かフォークか。この場面の前まで「低めの変化球に体を止めることができていた」からこそ「真っすぐを狙いました」。迎えた8球目。甘めの直球を打ち抜いた。

 前日の練習では原監督に命名された「ポップフライ病」を克服するため、志願してロングティーを敢行。ポップフライを上げると「アカン、病気や」と自分を戒めた。この日は4試合ぶりとなる1番を任され2安打2得点。慣れ親しんだポジションで結果を残した。

 8回は守備でチームを救った。2死満塁でブラゼルが放った中堅方向への小飛球を追いかけ、左手を目いっぱい伸ばしてグラブの先っぽでつかみ取った。抜けていたら同点の局面。攻守にわたって独り舞台だった。

 仲がいい同級生の広島・前田健を常に意識している。ライバルが投手3冠を確定させた新聞記事を見ると「これでマエケンは(年俸が)1億円に行きますね」。さも自分のことのように口元を緩めた。今季推定年俸は前田健が4800万円で、坂本は8000万円。2人そろっての大台突破も十分あり得る。認め合っているからこそ、相手の活躍を喜べる。

 「しょせん僕らは3位のチーム。やっちゃいましょう」。試合前、阿部は全員を集めて緊張感を解き放った。主将の号令に乗せられ、小笠原は3回、5回と2本の適時打を含む3安打。「うまく打てたから、この感じを大事にしたい」。珍しく自画自賛し「またあした集中してやるだけ」と力を込めた。

 天敵を打ち崩してつかんだ先勝の価値は果てしない。

  (永山陽平)

 

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