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真弓阪神よ、打て!もう連勝しかない

 8回、真弓監督(奥)の期待もむなしく、ブラゼルは遊飛に倒れ声を上げる(撮影・峰大二郎)
 8回、真弓監督(奥)の期待もむなしく、ブラゼルは遊飛に倒れ声を上げる(撮影・峰大二郎)

 「セ・リーグCSファーストS・第1戦、阪神1-3巨人」(16日、甲子園)

 セ・リーグのクライマックス・シリーズ(CS)ファーストステージが16日、甲子園で開幕した。初めての聖地開催。虎党の大声援を受けた阪神打線は不発に終わり、巨人に王手をかけられた。日本シリーズ進出へ、もう後がなくなった。シーズン終盤から続く、ここ一番で打てない“勝負弱さ”は、もう見たくない。打って、打って、打ち勝とう!!

  ◇  ◇

 唇をかみしめた。悔しさに満ちた眼光で、歓喜に沸くGナインを見据え続けた。本拠地甲子園を舞台にした初のCS。絶対に落とせなかった開幕戦で、真弓阪神はわずか5安打1得点で敗れ去った。左翼席の一部を除いて、スタンド全面がほぼ黄色に染まった。最後の最後まで背中を押してくれた大声援。応えられなかった現実が虎戦士の心を激しくかき乱した。

 自慢の強力打線が凡打を重ねた。二回にブラゼルの右越えソロで先制も、その後が続かない。三回1死一、二塁ではマートンが見逃し三振、新井が遊ゴロでチャンスを逃せば、八回2死満塁ではブラゼルが遊飛で無得点。九回も1死一塁で代打・桜井が遊ゴロ併殺に倒れた。シーズンで対戦防御率2・11に抑えられた東野を攻略できず、リリーフ陣も打ち崩せずに虎が散った。

 「シーズンでもチャンスは作るけど、なかなかもう一本が出ない試合が結構あった。その辺り、ちょっと勝負強くなって欲しい」

 真弓監督も語気を強めた。シーズン終盤。大事な試合で打線が火を噴かず、痛い星を落とし続けた。その苦みを思い出させるような拙攻劇。だから指揮官の表情も険しさを増した。03、05年の日本シリーズ、07、08年のCSと短期決戦を勝ち抜けていない虎にとって、初戦黒星スタートは心理的に重過ぎる。

 もう負けられないがけっぷちに追い込まれた。だが顔を上げて、前に進んでいくしかない。指揮官は、「明日、びっくりするような打線になっているかもしらんで」と打線の組み替えを示唆した。左腕・内海の先発が有力だけにマートンの1番起用も選択肢に挙がる。現実的には下位打線の組み替えだけにとどまる可能性が高いが、真弓監督も打線の奮起を心から待ち望んでいる。

 セ・リーグCSでは09年の中日が初戦に敗れてから連勝を飾った例がある。それに続いてみせればいい。4打数無安打の鳥谷は「負けは戻ってこないんで、明日頑張ります。明日勝つしかない」と雪辱を誓った。快打がなかった新井も「明日やるしかない」と力を込めた。第2戦に勝つしかない。シーズンで後塵(じん)を拝した中日にリベンジを果たすためにも絶対に負けられない。2010年の戦いをここで終わらせるわけにはいかない。

(2010年10月16日)

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