新潟戦へ調整する闘莉王(左)=愛知県豊田市のトヨタスポーツセンターで
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リーグ首位の名古屋グランパスは17日、アウェーで新潟と対戦する(16時・東北電ス)。右ひざ負傷を抱えて強行出場するDF田中マルクス闘莉王(29)は16日、愛知県豊田市のトヨタスポーツセンターでの練習後に「そろそろ点を取らないと」と約2カ月ぶりのゴール奪取を宣言。自らの一撃で2位以下との勝ち点差を「11」に広げ、J史上最大の独走状態を築く。
残り9戦、出し惜しみはしない。傷だらけの闘莉王から、ゴール宣言が飛び出した。「そろそろオレも点を取らないと。アシストばかりじゃよくないから」。2日の仙台戦、試合終盤にFWにコンバートされ決勝点をアシストした。今度は8月14日の浦和戦以来となる1発に照準を合わせた。
右ひざ靱帯(じんたい)を痛めてパンク寸前だ。先日の日本代表2連戦を途中離脱し、チームで別メニューを続けたが急回復は望めない。「まだ全然ダメ。長い時間をかけないとよくならない」と悲痛だ。
それでも、信頼厚いストイコビッチ監督から「コンディションに心配はあるが、あしたのゲームはすべてOKだ」と先発を明言された。闘莉王は思わず「オレは一体何をすりゃいいの…?」と顔をしかめたが、心意気を感じて奮い立つのも、この男ならではだ。
グランパスにとって、東北電力スタジアムはJ1クラブの本拠地で唯一リーグ戦未勝利のスタジアム。ナビスコ杯での勝利はあるが、リーグ戦で1分け5敗。一昨年は埼玉ス、昨年はカシマで初勝利を挙げたピクシー政権で、残された最後の“鬼門”へ、闘莉王も「独特の雰囲気がある。サポーターが多いから、試合途中から応援で盛り上がってくる。相手のペースにさせないこと」と警戒した。
前節まで2位の鹿島が引き分け、同3位のC大阪が敗れた。新潟を破れば2位以下と勝ち点11差で、Jリーグ史上最大の“ひとり旅”となる。前人未到の独走Vへ、闘莉王がラストスパートをけん引する。 (塚田陽一郎)
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