韓国 2010年10月7日(木曜日)
【北朝鮮】偽装亡命する脱北者が増加、国際問題に[社会]
韓国国籍を取得した脱北者による第3国への偽装亡命が増え、外交問題にまで発展している。韓国で脱北者に対する扱いが低いことに対する不満が、脱北者を偽装亡命に走らせているもようだ。中央日報が伝えた。
ノルウェーの難民収容所で2008年、同国移民局と警察による偽装亡命申請者の摘発が行われた。ここで、韓国のパスポート所持者33人と住民登録証所持者22人が摘発されたほか、25人は韓国国籍を保持していると自白したという。ノルウェー政府はこのうち、20人を強制送還したほか、偽装亡命申請をほう助したブローカーを摘発した。
偽装亡命者は英国とノルウェーで摘発されている。英国における脱北亡命申請者は2004年以降、約1,000人に上り、うち70%は韓国国籍と推測されている。英国政府は、既に同国から出国した約100人を除く約500人に対し、一刻も早く連れ戻すよう韓国政府に要求している。ノルウェー政府も偽装亡命者が100人以上いるとみて、韓国政府に抗議している状態だ。
これを受け、英国では韓国のワーキングホリデー(YMS)加入を保留しているほか、韓国人訪問者のビザが棄却される事例が増加。さらに、英国政府が韓国政府からすべての脱北者の指紋情報を受け取る条約の締結を試みるなど、外交問題にまで発展している。
しかし、脱北者の定着支援法が昨年に強化されたことにより、第3国への亡命を試みて支援資格を失い、帰国すらできない脱北者が増えている。英国とノルウェーで現在、摘発後にどの国へも行けなくなっている脱北者は600人に上るという。国会・外交通商委員会の洪政旭議員は「外交問題がこれ以上大きくならないうちに、制裁を一定期間猶予して帰国できるようにすべき」と話している。