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盗聴恐れ、警官に取材阻まれ… 「これが中国の現実」(2/3ページ)

2010年10月17日22時1分

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 「我々が求めるのは『言論の自由』。その希望の声だよ。政府高官の腐敗は深刻だ。市民は強い不満を持っている。記者が自由に取材をし報道をすべきだ。政府や党は引き締めをやり過ぎだ」

 当局の規制をかいくぐって電話で話を聞けた鉄氏はそう語った。本名は黄沢栄。50年代の政治運動で反革命分子とされ、労働改造所で長年を過ごした。コンサルタント会社を経営しながら、民主化雑誌を出版し、当局の没収を度々受けてきた。

 今夏、人民日報元社長の胡績偉氏や毛沢東の元秘書で党組織部副部長だった李鋭氏ら老幹部らと連絡して書簡の取りまとめを始めた。政府は言論や集会などの自由を定める憲法を否定していると訴える内容だ。劉氏の受賞決定の3日後、約2千通を関係者に送り、ネット上でも公開した。

 書簡には劉暁波氏のことも盛り込もうとの声があったが、結局は見送られた。鉄氏は「現実として、今は共産党が政権を維持している。この中でいかに民主化を進めるかということを考えた」。

 中国政府は最近、「経済改革だけでなく、政治改革の推進が必要だ」(温家宝〈ウェン・チアパオ〉首相)との姿勢も見せていた。しかし、受賞決定後、当局がとった引き締め策はこうした方向性とは正反対のものだ。

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