大分県 -Ooitaken-




 大分と聞くと、都民の皆さんはおそらく、「大分? サルがいるところでしょ?」「大分ってサルしかいないところだよな」と考えると思います。しかし、それは大分に関する誤った情報が東京にまで浸透してきた証拠に他なりません。大分は私たちが想像するような牧歌的なサルの楽園などではないのです。本当の大分は、文字通りの「地獄」なのです。


   【歴史】

 ――1569年、大分県にある一つの島が、たった一晩で影も形もなく消滅しました。その島の名は瓜生島。現地住民、七百余名もまた島と共に忽然と姿を消していました。瓜生島は一晩で島民もろとも海中へと没してしまったのです。

 当時、島一つを海中へと葬れる程の科学力を持つ組織は、世界広しといえど、ただ一つしかありませんでした。そう、アメリカです――。大分侵略を企てたアメリカは、まず見せしめとして、それまで交易のあった瓜生島を情け容赦なく葬ったのです。

 アメリカは大分県人に降伏を迫ります。しかし、アメリカの武力行使に大分県人は反発し、徹底抗戦の構えを見せました。無論、大国アメリカに片田舎の小都市大分が敵うはずもありません。大分の地はアメリカの圧倒的科学力により蹂躙され、県人は皆殺し、大地も破壊し尽くされました。この時の後遺症により、いまでも大分の地は、大地から真っ赤な血が湧きあがり、竜巻は荒れ狂い、海は98℃で煮えたぎり、そこかしこに人喰いワニが溢れかえるという、地獄のような様相を見せているのです。

 命尽きるまで最期までアメリカに抵抗した勇敢な大分県人でしたが、しかし、彼らも一枚岩という訳ではありませんでした。一部の卑劣な大分県人たちは助かりたいばかりにアメリカへ降伏していたのです。アメリカは彼らの降伏を受け入れ、大分県の一部を支配し、今でもそこを自国の属国としています。これが、現在の大分県USA市です。

 一方、殺された大分県人たちですが、彼らはアメリカへの恨み、そして、自分達を裏切ったUSA市民への恨みから、死してなおこの世へと留まり続け、死せる肉体を引きずっては地獄と化した大分県内を徘徊しています。よく、「大分に行くと卵の腐った臭いがする」と言いますが、これは決して硫黄の臭いなどではなく、彼らの腐敗臭によるものなのです。


(上:アメリカは容赦なく瓜生島を葬りました)


(上:画面下部の白い集落が当時のUSA市。USA市を除く大分県全域はアメリカの攻撃に晒されました)


  【グルメ】

 では、亡者と化した今の大分県人たちは、普段どのようなものを食べているのでしょうか? そもそも、亡者に食事は必要なのでしょうか? いえ、必要ではないのかもしれませんが、彼らはある目的のために食事は欠かさず行っているのです。

 大分県人の主食はフグの肝です。言うまでもありませんが、これは猛毒であり、とても生者が口にできるものではありません。では、大分県人たちは死者だからこれを平気で食べれるのかといえばそういう訳でもなく、死んだ彼らでもやはりこれを口にするのは辛いようです。彼らはフグの肝を嘗めては麻痺や呼吸困難に陥り、苦しみます。もちろん彼らは既に死者ですから、どんなに苦しんでもこれ以上死ぬことはありません。

 フグの肝以外にも、味噌汁など、彼らも意外と普通の食事を摂ることもあります。しかし、その際にも、カボスという非常に酸味のキツイ果汁を味噌汁を加えるなどして、食事を摂りながらも同時に苦痛を得ようとするのです。もちろん、これらは大分県人の特殊な事情がそうさせるのであって、私たち都民が彼らの真似をする必要は一切ありません。


(上:フグの肝を嘗めて苦しむ大分県人)

 一方、USA市の住民たちは、どのような食文化を持っているのでしょうか? 有名なのが「やせうま」と呼ばれる、小麦粉を使った団子のような代物です。これはアメリカに征服されたUSA市民たちが、アメリカの機嫌を取ろうと必死にパン作りの真似事をした挙句に生まれたものです。これをUSA市民たちは、「立派なパンができた」と信じて疑いませんが、所詮は粗悪な紛い物にすぎず、決して美味しいものではありません。アメリカ人は必死にパンもどきを作る彼らの姿を見て笑いながら、今も粗悪な小麦粉を彼らに輸出し続けています。


(上:やせうまを作るUSA市民)

 アメリカ人は必死にパンもどきを作るUSA市民を見ると、

"So, it's nice?"(オイ、それウマイか?w)

 などといって馬鹿にしますが、USA市民は、

"Ya,it's so good."(はい、とてもおいしいです)

 と、やせ我慢して「うまい、うまい」と言い張ります。この光景があまりに滑稽だったためでしょうか。彼らがやせ我慢してうまいうまいと言い続ける姿から、この食べ物は次第に「やせうま」と呼ばれるようになったのです。


  【県民性】

 亡者と化した大分県人たちが、フグの肝を嘗めては苦しんでいることは前述しましたが、彼らの奇行はそれだけではありません。彼らは普段から血の池地獄に浸かったり、竜巻地獄に吹き飛ばされたり、ワニに噛まれたりして苦痛を引き受けています。また、彼らは寝る時もごつごつとした薪を並べてその上に横たわり、熱した砂を体に被せて苦しみながら就寝するといいます。恐ろしいことです。

 肝を嘗めたり、薪の上に寝たりと、なぜ彼らはこのように率先して苦痛を求めているのでしょうか? そう、それは全てアメリカ、並びに裏切り者であるUSA市民への恨みと憎しみを忘れぬためです。彼らは肝を嘗め、薪の上に横たわるたび、その痛みと苦しみから、両者への怒りを新たにしているのです。このような大分県人の風習を「臥薪嘗胆」と言います。

 また、彼らはUSAへの恨みを忘れぬよう、お互いを律して、苦痛を与え合うことすらあります。実際に大分には、血の池地獄や竜巻地獄など、自分達に苦痛を与える各種地獄のメンテナンスを行うための組合すらあり、これは「地獄組合」と呼ばれています。


  【注意点】

 亡者の群れと化した大分県人たちですが、彼らの恨み、憎しみは、全てアメリカ、USA市民へと向かっているため、たとえ都民が観光で大分を訪れたとしても、彼らに危害を加えられることはないでしょう。

 ただし、衣類や持ち物には注意して下さい。「made in USA」などを見ると、彼らは直ちにあなたに襲い掛かってきます。大分観光の際は持ち物は国内品で統一して下さい。

 また、大分県人自体は危険ではないものの、いかんせん大分は地獄ですから危険な土地であることに変わりはありません。突如吹き出る熱湯や、荒れ狂う竜巻、徘徊する人喰いワニなど、危険は数え切れません。また、アメリカの攻撃により地形もボロボロになっており、平坦な道などほとんどなく滑りやすい急斜面ばかりが続きます。「滑って転んで大分県」という諺がある通り大変危険な地形ですので、大分県で地獄めぐりをしようという酔狂な方は足元にも注意して下さい。


(上:人食いワニの群れ)
 そのような危険に晒されたくない場合はUSA市を訪れると良いでしょう。USA市はアメリカの属国ですから文化的にも発達しており、電気も水道も通っています。比較的、都民に優しい観光地といえるでしょう。

 ですが、USA市内であっても100%安全という訳ではありません。この街にはしばしば、「めじろん」と呼ばれる奇怪なクリーチャーが出現するという噂です。

 めじろんは、大分県人の恨みが形を成した怪物だとも、外宇宙の深奥に潜む魔王だとも言われていますが、いまだにその正体は良く分かっていません。目撃情報によると、身長は乾しいたけ200.8個分、体重はカボス200.8個分、見た目は全身緑色のぶよぶよとしたゲル状生物と伝えられており、人が集まるところなら、どこにでも出現する可能性があります。特に保育所やスポーツ会場などでの目撃例が多いため、これらへ行く時は厳に注意して下さい。

 なお、アメリカ人作家、H.P.ラブクラフトは、運悪くめじろんと遭遇してしまった不幸なアメリカ人の一人です。ふと訪れたUSA市でめじろんと遭遇した彼は、命からがらその場を逃げ出しますが、数年後、この時のショックにより発狂死してしまいます。彼はその時の様子を自著『未知なるカボスを夢に求めて』にて、こう書き綴っています。


(上:めじろん想像図)

「めじろんの周りでは知性も魂ももたぬ異形の神々が呆けて踊り続け、めじろんは下劣な太鼓とかぼそく単調なフルートの音色がひびく中、冒涜的な言葉を吐き散らしていた」




(上:ラブクラフトの記述を元に再現しためじろん動画)


  【今後の対策】

 地獄と化した大分県の恐ろしさは国際的にも知られるところです。最近では2002年のワールドカップの際、カメルーンの選手団が大分を恐れてなかなか入県しなかったことが話題になりました。アメリカやUSA市への恨みを忘れぬため、死してなお自分たちの体に鞭打つ大分県人の姿は、カメルーン人にはそれは恐ろしい光景だったのでしょう。

 ですが一方で、長らくこの地を支配してきたアメリカ人たちは平然としたものです。彼らは大分県人がフグの肝を嘗めたり、薪の上に寝て苦しがっている様子を見ては、「ホント、大分は地獄だぜ! フゥハハハーハァー」とバカ笑いしています。元々、アメリカ人というのは、ホラー映画で人が死ぬのを見ては爆笑する国民性ですから、この反応も当然といえば当然のことなのでしょう。

 このように、彼らは大分県人たちを見ても怖れたりせず笑い飛ばし、「ヤー、イエロモンキー!」とバカにしています。そして、彼らがあまりにも大分県人たちを「イエローモンキー」「イエローモンキー」とバカにするものだから、今では都民の間でも、「大分といえばサルしかいない」「大分はサルの楽園」という誤った認識が広がっているのです。

 筆者としては、このような誤った情報が、さも当たりまえの常識のように語られる現状は不健康なものと考えています。

「大分はサルの楽園などではない」
「大分のサルとは大分県人のことである」

 都民の方には、こういった正しい認識を持って頂きたいと、改めて思うのです。


【観光難易度 ★★★★☆

PR:やせうま




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