大企業に天下りする経済官僚
大企業が経済関連官庁出身の元閣僚の天下りを相次いで受け入れている。これは懸案事項の解決や成長新分野の事業推進などで元官僚の専門性や人脈を活用するための布石と言える。
現代グループ系列の現代エレベーターは今月29日の株主総会で、許竜錫(ホ・ヨンソク)元関税庁長を社外取締役に選出する予定だ。財政経済部(現企画財政部)で税制室長を務めた許元庁長は、社長クラスの待遇で迎えられるという。同社は事実上、現代グループの持ち株会社としての役割を果たしており、許元庁長は財務構造改善約定の締結問題をめぐり、債権団と対立しているグループの懸案に取り組む予定だ。
熊津グループは先月1日、呉明(オ・ミョン)元副首相をグループ顧問兼太陽光エネルギー担当会長として迎えた。呉会長は熊津グループの次世代戦略事業となる太陽光エネルギー部門を統括し、グループの経営全般に助言を行う。熊津グループは今年1月にも李柱碩(イ・ジュソク)元ソウル地方国税庁長を副会長に迎えている。
石油化学・再生可能エネルギー企業のOCI(旧東洋製鉄化学)は今年4月、金相烈(キム・サンヨル)元大韓商工会議所常任顧問(常任副会長)を副会長に就任させた。金氏は産業資源部(現知識経済部)生活産業局長、貿易委員会常任委員を経て、2004年から今年2月まで大韓商議に在籍していた。
STXは昨年、李煕範(イ・ヘボム)元産業資源部長官(現STXエナジー重工業担当会長)、李秉鎬(イ・ビョンホ)元韓国ガス公社副社長(現STXエナジー社長)、今年2月にはシン・チョルシク元国務調整室次長をSTX未来戦略委員長にそれぞれ迎えた。
斗山グループは今年3月、ムン・ホンソン元企画財政部局長を斗山戦略支援チーム専務として迎えた。ムン専務は斗山グループの世界戦略を担当する。
財界関係者は「以前は公職を退職後、すぐに企業入りする公務員出身者が多かったが、最近は外部人材の登用を進める企業の傾向が強まる中、幹部として迎えられるケースが増えている」と語った。
金承範(キム・スンボム)記者