試乗記:現代自・BMW・三菱の電気自動車乗り比べ(上)
環境に優しい自動車がブームを呼んでいる。特に化石燃料を使用しないため、自動車から二酸化炭素が排出されない「ゼロエミッション」の電気自動車に向けられる期待は日増しに大きくなっている。しかし、国内はもちろんのこと、海外でも開発・普及の初期段階にあるため、一般人には電気自動車を試乗できる機会はそれほど多くない。
最近まで国内で走行試験を行ってきた現代自の「ブルーオン」、BMWの「ミニE」、三菱の「アイミーブ」など高速(内燃機関を持つ通常の自動車と同等のスピードを出すことができる)電気自動車3車種の試乗経験を土台に、これら3車種の特徴と商品性について分析した。
■加速力・最高速度・登坂能力は「期待以上」
まず「ブルーオン」は、車体の大きさが起亜自の「モーニング」やGM大宇の「マティズ・クリエーティブ」に似ている。また「アイミーブ」は旧型「マティズ」よりも小さい。一方、「ミニE」はミニをベースに開発されたため、「ブルーオン」や「アイミーブ」よりも大きい。ただ、「ブルーオン」と「アイミーブ」は、体積が大きくて重いバッテリーを車底に薄く引き延ばして敷いたため、室内空間の確保という面では功を奏した。従って大人四人が乗車するには十分だ。しかし、「ミニE」はバッテリーを後部に配置したため、定員は二人が限界だ。
これら3車種は、何といっても、エンジンを使用しないため停止状態では一切騒音が聞こえない。一般の自動車のように変速機のレバーを「D」に入れてアクセルペダルを踏むと、車がゆっくりと動き出す。「ブルーオン」と「アイミーブ」からは、多少のモーター音が聞こえるものの、それほど大きな音ではない。ところが、「ミニE」のモーター音は思ったより大きく、アクセルから足を離した際の(オートマ車特有の)「ガクン」という衝撃も他の2車種に比べて大きかった。