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消費税率2%上げ→失業率2.8% 「円高克服へ雇用創出」小野善康氏 (1/2ページ)
菅直人首相の経済政策のブレーンで、今月1日に内閣府の経済社会総合研究所長に就任した小野善康氏は産経新聞のインタビューに応じ、「消費税率を2%引き上げ、増税分を雇用対策に回せば失業率は2・8%に改善する」と持論の「増税による雇用創出」がデフレ脱却に対する唯一の対策だとの考えを強調した。
また、一時1ドル=80円台まで急騰した円高対策についても、「雇用を増やして内需が拡大すれば、輸入が増えて経常黒字も減り、円安方向に向かう」と述べ、雇用創出こそが有効な解決策だと指摘した。
小野氏は2月に内閣府参与に就任して以来、菅直人首相に経済財政問題の助言を行ってきたが、今後も「首相への政策提言は積極的に続ける」とし、「政策に直結するような研究テーマを増やしていく」と抱負を語った。主なやり取りは以下の通り。
――現在の景気認識は
「景気には30〜40年という大きな循環がある。短期的にはともかく今後10〜20年の中長期で言えば、今は日本がどん底からはい上がるスタート地点だと考える」
――デフレ脱却や景気浮揚の推進力となるのは
「雇用が唯一の手段で、不況時こそ政府が雇用をつくるべきだ。例えば消費税2%分で5兆円以上の財政資金となり、160万人もの給与分に相当する。これだけ雇用が増えれば、現在5%台の失業率は2・8%程度まで低下する計算で、景況感は大きく変わってくる」
――政府が一連の経済対策に盛り込んだ雇用対策をどうみるか
「まず打ち出されたのは中小企業への金融支援や新卒者への雇用支援など短期的な支援策だが、平成23年度予算などで安定した雇用を生み出す対策を着実に進めることが重要だ。例えば保育・介護などへの補助金で待遇改善すれば雇用が増えるし、民主党の公約である温室効果ガスの25%削減に向けて環境規制と優遇措置を組み合わせれば、環境分野にも雇用が生まれる」