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チリ、地下700mで奇跡の再会していた

 【サンパウロ(ブラジル)15日=エリーザ大塚通信員】チリ北部コピアポの鉱山落盤事故で、地下に閉じこめられていたサッカー元チリ五輪代表の作業員フランクリン・ロボスさん(53)と、救助隊リーダーのマヌエル・ゴンサレスさん(46)が、かつてプロのライバルチームの選手同士として同じピッチ上で戦っていたことが分かった。チリ紙エル・メルクリオが報じた。2人は1985年7月の1部リーグで対戦。地下700メートルでの再会はその試合以来、25年ぶりだった。

 ゴンサレスさんは最初に救出カプセル「フェニックス(不死鳥)」で地下に下り、33人の救出後も最後まで残った人物だ。鉱山事故の救助を専門とするエキスパートだが、元プロチームのサッカー選手でもあった。27番目に地上に生還した元プロ選手ロボスさんとも同じピッチで対戦していた。

 最後の試合は85年7月に行われた1部リーグだった。ゴンサレスさんはリーグ最下位オイギンズの一員として、リーグ2位のコブレサルと対戦。84年のロス五輪代表に名を連ねていたロボスさんら、スター選手をそろえる強豪を相手に0-0で引き分けた。この試合以来、2人の再会は25年ぶり。それが地下700メートルの薄暗い場所になるとは夢にも思わなかっただろう。

 ゴンサレスさんは現役引退後、現在の国営銅会社に入社し、12年前からは同社内の鉱山事故などの救助専門家として活躍。今回の事故でも地下に下りる6人の精鋭のリーダーに選ばれた。14日、救助隊の仲間とともに会見したゴンサレスさんは、ロボスさんを含めた全員の救出後、最後に地下で1人になった時の心境について「重要な仕事をやり遂げ、すべてが決着して幸せな気持ちだった」と振り返った。

 また、危険な地下に下り、33人を救った救助隊に対しては各方面から称賛の声が上がっているが、ゴンサレスさんは「(救助隊員に)英雄はいない。彼ら(作業員)こそが英雄だ」と語った。地下700メートルから地上へ。世界中が注目した“奇跡のゴール”の裏には、かつてのライバルからの最高のアシストがあった。

 [2010年10月16日8時52分 紙面から]


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