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国民的人気を誇った「ヤワラちゃん」が、青畳に別れを告げた。柔道女子48キロ級の00年シドニー、04年アテネ両五輪の金メダリストで民主党参院議員の谷亮子氏(35)が15日、都内で会見し、現役引退を表明した。08年北京五輪で銅メダル獲得後、昨年10月の第2子出産、今年7月の参院選当選を経て、12年ロンドン五輪出場を目指していたが、今後は国政を舞台に「スポーツの環境作りに力を発揮したい」と話した。一方で「環境が整えば復帰もある」と、現役復帰への思いももらした。
金メダルを取った時と同じ、晴れやかな笑顔だった。「本日、競技生活の第一線から退くということにいたしました」。谷氏はゆっくりと会見場を見回しながら、20年間君臨した絶対女王の座を下りる決断を語った。
政治と柔道、さらに育児も加えた“3足のわらじ”を公約通りに実践した。その中で「スポーツ界全体のために力を発揮していきたいという気持ちが競技より強くなっていった」。13日の夜、夫の巨人・谷佳知外野手(37)に思いを打ち明けた。「私自身が決断したことを応援してくれた」。政治の道専念に、迷いはなかった。
世界選手権6連覇。2大会連続金メダルを含む、五輪5大会連続メダル。全日本選抜体重別11連覇。指の骨折、脚のじん帯損傷…満身創痍(そうい)の中でも数々の記録を歴史に刻んだ。一方で、男子重量級ばかりに注目が集まっていた柔道界に女子の存在をアピール。愛くるしいイメージが漫画「YAWARA」の主人公と重ね合わされてブレークし、国民的アスリートとして競技の枠を超え絶大な人気を誇った。
ぎりぎりまで、ロンドン五輪挑戦をあきらめなかった。全日本柔道連盟(全柔連)は9月、谷氏の強化指定を最高ランクの「ナショナル」から「シニア」に降格させ、11月の講道館杯(千葉ポートアリーナ)に出場しなければ「強化指定からも外す」と“最後通告”を突きつけた。谷氏は講道館杯出場を目指し、連日早朝6時から東京・北の丸公園をランニング。父・田村勝美さんは「11日も午後9時50分まで練習。あとは微調整すれば十分に戦えた」と明かしたが、エントリー期限の15日に決意した。
女子48キロ級は現在、世界ランク1、2位を日本選手が独占。2年以上も実戦から離れている谷氏がロンドン五輪を目指すには、極めて厳しい現状だった。しかし、後進選手に対しては「10年ぐらい勝ち続けるような選手が今後出てくれることを期待します」とピシャリ。最後まで、女王のプライドを貫いた。
最後に16年リオデジャネイロ五輪での復帰の可能性を問われ「ぜひ、はい。復活、復帰、そういったこともありますので、できる環境ができれば頑張ります」。そう語る表情から、闘争心はみじんも失われていなかった。戦いの舞台が、畳から国会に変わっただけのこと。引退会見も最後まで涙はなかった。
◆谷 亮子(たに・りょうこ)1975年9月6日生まれ。福岡市出身。35歳。7歳で柔道を始め、福岡工大付高(現福岡工大城東)―帝京大―トヨタ自動車に入社し、今年3月末に退社。15歳で福岡国際を制するなど、同大会と全日本女子選抜体重別の11連覇は大会記録。五輪は過去5大会に出場し、2度の金メダルを含むすべてでメダル獲得。世界選手権は6連覇を含め、通算7回優勝。146センチ、48キロ。家族は夫・プロ野球巨人の佳知外野手(37)と、長男・佳亮くん(4)、次男・晃明ちゃん(1)。
(2010年10月16日06時01分 スポーツ報知)
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