谷亮子氏に聞く…「両立できる環境が日本にはない」

　国民的人気を誇った「ヤワラちゃん」が、青畳に別れを告げた。柔道女子４８キロ級の００年シドニー、０４年アテネ両五輪の金メダリストで民主党参院議員の谷亮子氏（３５）が１５日、都内で会見し、現役引退を表明した。０８年北京五輪で銅メダル獲得後、昨年１０月の第２子出産、今年７月の参院選当選を経て、１２年ロンドン五輪出場を目指していたが、今後は国政を舞台に「スポーツの環境作りに力を発揮したい」と話した。一方で「環境が整えば復帰もある」と、現役復帰への思いももらした。

　―政治と柔道の両立で何が大変だったか
  「日本では仕事、子育てをしながら競技を続けるのは環境が整わないと難しい。海外に比べ、そういう環境がないに等しい状況。現場の声を生かして、改革していきたい」

　―一番印象に残る試合は
  「４つある。１つは中３の１５歳で世界のトップに立った福岡国際。そしてシドニー、アテネ五輪の連覇。あとは（第１子を）出産して、０７年世界選手権で『ママになっても金』を実現でき、大きなメッセージを送れたかな」

　―常に金メダルを期待されているプレッシャーはあったか
  「多くの方に期待してもらえる選手であり続けたかった。重圧ではなく、声援ととらえて、期待を力に変えることができたからこそ、長年世界の舞台に立ち続けることができたと思う」

　―この２０年間で引退を考えたことは
  「途中で考えていたらここまで続いていない。引退を思ったことは一度もなかった」