柔道界のヒロイン引退に全柔連会長「驚きと寂しさ」

　国民的人気を誇った「ヤワラちゃん」が、青畳に別れを告げた。柔道女子４８キロ級の００年シドニー、０４年アテネ両五輪の金メダリストで民主党参院議員の谷亮子氏（３５）が１５日、都内で会見し、現役引退を表明した。

　全柔連の上村春樹会長（５９）は谷氏の現役引退に「今日、（強化指定の）辞退届を関係者を通じて受け取った。どんな困難な場面も可能にしてきたし、今回も頑張ってくれると思っていた」と驚きを隠せない表情で話した。

　谷氏の参院選当選後、全柔連は吉村和郎強化委員長（５９）が「合宿に来ないで試合だけするようなら、身を引いた方がいい」と“引退勧告”するなど、厳しい姿勢を取ってきた。その中での引退に、上村会長は「戦う心を持っていた。これから誰もできないことをしてくれると思っていたが、寂しい」と残念そうに語った。

　世界のトップに君臨し２０年。全盛期には、スポンサー企業１社あたり３億円ものブランド価値があった。人気も実力もあった柔道界のヒロインに、上村会長は「小さい体だが、柔道界の大黒柱として引っ張ってくれた」と、功労者として表彰する考えを明かした。

　吉村和郎・全柔連強化委員長「彼女が今の日本女子柔道隆盛の基礎を作りそしてけん引してきてくれたと思っております。今までの目標に向かって真摯（しんし）に努力する姿勢と信念を持って、これから、柔道のみならず、日本のスポーツ界、日本国民のために大いに国政の場で頑張っていただきたい」