偉業達成なるか？クルム伊達、決勝進出は「奇跡的」

　【ＨＰジャパン女子オープン】自らの決勝進出を「最終日に残ることは簡単なことではない。ましてや今の年齢とブランクを考えれば奇跡的と言ってもいい」と評した。６日連続の試合は、前日に続いてフルセットにもつれる３時間近い熱戦。クルム伊達はさすがに疲れた表情を見せた。

　第１セットを失い、迎えた第２セット。１―２とした３ゲーム目の後に右ひざの違和感を訴えてドクターを呼んだ。アイシングなどを繰り返し、４０歳は必死に走った。

　球の弾み際をたたく武器のライジングショットは、世界ランキング１３位の相手に何度も打ち返された。そんな苦しい局面でも「自分の出せる力を出し切ることしか考えてなかった」と振り返る。気持ちは最後まで折れなかった。

　現在世界ランク５６位のベテランは、この日の勝利で５０位以内への浮上を確実にした。シングルスのツアー年長優勝記録は３９歳７カ月。更新は目前まで迫った。

　「泣いても笑ってもあと１試合。体と気持ちが持ちこたえてくれればと、わたし自身願っている」。偉業達成へ向け、最後の力を振り絞る。

[ 2010年10月16日 20:27 ]