点訳にしか役立たない文法練習問題

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The Da Vinci Code

しまったぁ・・・やっぱり『ダ・ヴィンチ・コード』が正しい綴りだった!。

『自閉っ子は、早期診断がお好き』の中に「人生が『ダヴィンチ・コード』みたい」というくだりがあり、校正で送られてきた点字データでは原本通り、素直に「だう゛ぃんち□こーど」となっていました。ふつう「ダ・ヴィンチ」だよなあ・・・と思いつつうっかりそのまま通してしまい(本日ないーぶ登録されるはずです)。
今朝検索したら、本も映画も『ダ・ヴィンチ・コード』。あああああ。読んでいないのですよこれ。この手の、図書館で何百人の手に触られている売れっ子本は、いろいろなにおいが付いてしまっているから読めない。

外国の人のカタカナ名前は、中点がなく姓名がくっついていたり、中点の代わりにテン(、)が打たれていたり(佐藤春夫に出てきたような記憶が。)がまれにあります。その場合でも、姓・名の間などは1マス空けて点訳するものなので。今回も、著者が「ダヴィンチ」と続けていようが「ダ・ヴィンチ」と中点を入れていようが、点訳では「だ□う゛ぃんち」とやるべきだった・・・です。(今回は姓名ぢゃないけど。)


それから「共同通信さん」。会社名などに「さん」がついているケースです。点字表記辞典に載っている例は「IBM=さん、ソニーさん」。とにかく「さん」は前にくっつきます。
しかし点訳者さんは「共同□通信」が中にマスあけを含むので、悩まれたようです。「きょーどー□つーしん□さん」と、三つに点訳してきました。切らなくっていいです、「きょーどー□つーしんさん」です。


「ホワイトスペース 3」。点訳は終わり。読み返しが終わったらそのうちアップします。潰されなくてよかった・・・名前ないんですかクワガタ。「山田」でもなんでもいいから入江くん付けてあげてください。餌もあげてください。
「校正表より」ではないですがここに点訳めも。
P9L4 触覚 → 触角

あまぞんに出ないー、とおっしゃいますが楽天ブックスは通常、発売日まで全然出ないですよどの本も。Newtypeのハルヒおまけつき号(1月号だったかな?)は、数ヶ月前から出ていましたけど。
カード会社のおまけポイントが、あまぞんは付かなくなったので、楽天に乗り替えてしまいました。発売日前の予約はほとんどできなくなりましたが、買うかどうかじっくり考えられるのでいいです。
洋書は、あまぞんと紀伊國屋とを比べてから。ドルの本はあまぞんの方が安いことが多くて、ポンド・ユーロは紀伊國屋が強い?。

(追記09/05/26/13:43)
『ポンツーン』ってどうすれば手に入るのですか? 幻冬舎サイトへ行って探しても全然わかりません・・・。誰か、行きつけの本屋さんに置いてあるよ?などという方はいらっしゃいませんかー。是非教えてください。
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らり

まだズブロッカが抜けきっていません。アルコール分解中は全然眠くならないので(これは飲めた頃もです)、昨夜は寝られなくて困りました。香りを吸い込んだだけでこんなに長いことぐるぐる目が回るとは。今朝もふわふわします。
コドモが「じゃあ飲んで片づけてあげる!」と言うので止めました。初飲酒がズブロッカは癖がきつすぎ・・・せめてブランデーとかの素直で甘いのから始めてはどうだろう。

今朝ひとつ懸念が解消しました、池上永一『テンペスト』、よそで点訳が始まっていました(上巻はなんか重複登録されてますが)。もう、一人で全部点訳できる分量じゃなくなっていたけど、どうしようかと悩んで、web KADOKAWAから送られてきた箱のまま毎日眺めていました。これで心配なく読めます! 読むぞ!


『スピード』つづき。ぐるぐる頭で読むとこの本は更に面白い・・・。
えーと。点字は第一カギ開き(「)と閉じ(」)、カッコの開きと閉じ、点訳者挿入符の開きと閉じ、が同型で、入れ子では使えない不便なヒトです。悩みますね。
今回に出てきたのは

・「ハシシュイ((「イ」は・・・))」

と、第一カギの中に点訳者挿入符を打って、その中にさらに第一カギがあるもの。
内側の第一カギの中身はカナの「い」1文字で、点訳者挿入符に隔てられてもいて、誤読のおそれは少ないですが・・・やっぱり、カギの中にカギは抵抗があります。
カギを含めた全体について説明しているわけではないけれど、

「ハシシュイ」((「イ」は・・・))

のほうが、囲み記号がすぐ片づいていき、読んでいて安心できると思います。


・メタンフェタミン
「めたん□ふぇたみん」と切って点訳されてきました。メチル基はメチル基みたいですが・・・「メタン」じゃないでしょう、それに「あんふぇたみん」が消えましたよ?
methamphetamine。
「メタン」の綴りは「methane」、「アンフェタミン」の綴りは「amphetamine」。頭にのっかってるのは「meth-」だけです、切れません。続けて「めたんふぇたみん」と打ちましょう。


・千
うーん。何故「2せん□500=えん」とか「6せん□800cc」とか、てびき「数の書き方」1行目さえ忘れているような表記が・・・


・雑魚
新潮辞典見出しはカタカナ「ザコ」。漢語です。
「ざこ□おとこ」切れます。


・らりぱっぱ
・・・「らーり□ぱっぱ」と打たれてきました、3拍3拍にはなってますが・・・くっつけておいたほうが良いでしょう。
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前記事のファイル、どうしろというのかメールで問い合わせたけど、返事が来ません・・・。土日はお出かけだったのかなあ。メール不着にそなえ、もう1回問い合わせを出しました。


『戦場のクリスマス』、現在の進行表。
前書  0 1 0 0■
01章  5 1
02章  8 0 0■
03章  9 1 0■
--
04章 15 2 1■
05章  6 4 1■
06章  5 2 0■
--
07章  9 1 1■
08章  6 0
09章 10 1 1■
--
10章  9 1
11章  7 2
12章  7 2
--
13章  5 5
14章  7 4
15章  5 7
後書  2 1
--

最後の巻がなかなか悲惨です。1章あたりのページ数が、12章以降はやや多いというせいもあるのですが、2回目のほうが多いとは許せません。
前書きをまた読んだのは「日本」の読みをああでもないこうでもないと何遍かいじくってしまったためです。「にっぽん」「にほんとう」「にほんご」「にほんじん」「にほんぐん」。「日本海軍」だけまだ迷っています。「ニッポン」のほうがホンヤク物っぽくないかな?と色気を出したのが失敗でした、全部「にほん」にしとけば良かった。


以下は久々に「校正表より」。暮しの手帖「健康交差点」、子宮内膜症のはなし。

・CA125
★腫瘍マーカーとかいうものです。「CA」は「Carbohydrate Antigen」、糖鎖抗原。CA125というのの他に、CA242とCA72.4とCA50とCA19-9とCA15-3というのも検索すると出てきました。この、「CA125」、何故か1マスあけて「CA□125」と打たれてきました。自分で打つなら「外大大CA数125」ですが、説得できる根拠が・・・。

・NSAIDs
★「Non-Steroidal Anti-Inflammatory Drugs」、非ステロイド系消炎剤。これを「外大大NSAID外s」と、小文字のまえに外字符打ち直しで点訳されてきました。
たまに出てきて毎度校正表に書かされますが、今回も教科書で確認。英語点訳の本を見ると、略称のあとに複数形のsがあるときは、sのまえにアポストロフィを打つのが正式であり、点訳では必ず補い、「外大大NSAID's」と点訳せよとあります。
略称では、アポストロフィを打つと「大大」の効果が切れて、小文字状態に戻るから、二重大文字符の終止符はいりませんよね。(あくまで「略称では」という限定付き。普通の単語が全部大文字で書かれているのを書くときは、アポストロフィがあっても二重大文字符の効果は切れない!)
しかしこの原稿は英語べた打ち指定、打っている人は英語点訳の教科書は多分全然見ていないし持っていないでしょう。これって例会で質問したのかな。質問した上で、こう打って、1校2校を通ってきた・・・とは、思えないんですけど。


ゴルバン・ゴル 三つの河―開高健のモンゴル大紀行

この本を図書館で借りてきて読みました。9月の朝日文庫新刊、開高健『モンゴル大紀行』のもと版はこれかなと借りたのです・・・朝日文庫はまだ出ていない・・・? 検索しても出ませんね。
それはともかく、ひつじの群の中にすくと立っている女の子が! 毎日でもながめていたいような写真です。写真家さんも開高氏も、よほどこの子が気に入ったのでしょうねえ・・・。
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『ARIEL番外編1』校正表より

話の筋とほとんど関係ないとこですが。
「放る」を、「ほおる」と点訳されていました。この間違いは他の校正でも沢山見かけます。

雰囲気は和語。ウ音便でもないのに長音を入れるなんて。と不安になるのはわかります。でも読みは「ほうる」なので点字では「ほーる」です。点字表記辞典にもわざわざ「ほーる、ほーって□おく」とあげられています。

点訳する上では問題なく長音にしておけばいいんですが、「ほうる」の「ほう」が訓読みなのかどうかよくわからなかったので、辞書を引いてみました。
まず角川の漢和を見ると「ホウ(ハウ)、はな・す、はな・つ」。訓読みは「放つ」「放す」の「はな」だけ。そしたら「ほうる」は音読み??? そして歴史的仮名遣いでは「ハウ」と読むのだとわかりました。

次に新潮の太った辞書(『新潮国語辞典 現代語・古語』)をひくと、「ほうる」の見出しは平仮名。つまり訓読みの扱いでした。下に小さく「はふる」と、歴史的仮名遣いが書かれています。
・・・・・・無い頭をひねってみたのですが、漢和辞典は訓読みを全部はあげてくれていない気がします。やっぱり「ほうる」は訓読みで、音読みの「ホウ」とは別物。現代かなづかいだと一緒に見えるけど、音読みで「ホウ(ハウ)」、訓読みで「ほう(はふ)」、両方あるってことでしょうか。いっけん同形だからますます混乱します。

ほかに「-ouru」で終わる動詞を探してみました。「料る(りょうる)」くらいしかないみたいです。こっちは点字表記辞典には載っていません。点字では「りょーる」になる。はず。


ついでに新潮の凡例を見ていたら、「法」の字の歴史的仮名遣いは「ハフ」と「ホフ」とがあって、仏教の話の時は後者を使うよ、などとありました。奥が深すぎる・・・。その昔の校正者さんは、ここまできっちりおぼえてたんですよね? 凡例は8ページしかないので、ノートに書き写しつつ、ちょっとしっかり読んでみようと思います。
ちなみに今ちびちび読んでいるのは、『新編 校正技術 下巻[横組の校正 用字用語・校正資料]編』(日本エディタースクール出版部)。縦組編も読みたいのですが、なかなか古本に出ません。


岩波の『科学』届きました! 今日中にはARIEL番外編1が終わりそうなので、校正表を発送しだい、とりかかります。
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「L change the WorLd」校正表より

短い小説だし、簡単だろう・・・と思っていた「L change the WorLd」、意外に収穫がありました。皆さん綺麗に揃って間違えてくださったので、ここに書いておけば何かの役に立つかも、と思い。「校正表より」というカテゴリを新たにたててみました。
今回が第1回です。

一番目立ったのは
○外国語引用符閉じとかっこ開きの間は1マスあけ。
ができてない箇所です。点字エディタ上では、ここを間違えていても何にも注意してくれないので、普段から結構間違いが多いのですが、今回は全箇所が×。
どうまよって、ルール破りをされたのかは分かります。片方がルビで、片方がルビを振られている語句だったからです。たとえば
・「動くな!」(「動くな」の部分に「freeze」のルビ)

発声されたのは「freeze」のほうだと思われるので、まずこれを先に打ち、うしろにすぐ続けて、括弧でくくって「うごくな」。
□□「【外引】freeze【外引とじ】(うごくな)!」

気持ちは分かりますが1マスあけなきゃ駄目です。外国語引用符閉じの後ろをあけるのは、とても強いルールです。何か無理矢理くっつけなければいけない事態に陥ったらつなぎ符の支援が要るんですから。
逆に、カッコ開きを前に続けるかどうかっていうのは、前とのかねあいでどうにでもされる、相当ゆるいルールです。てびきだとp82の3.。前に続けるべき説明カッコでも、もし直前が外引閉じや第一カッコ閉じであれば、普通に1マスあけますね。
よって正解はこうなります。

□□「【外引】freeze【外引とじ】□(うごくな)!」

これに加えて、「ルビがどの文字までかかっているか」の間違いも結構多いです。ふつう感嘆符や疑問符にまではルビはかかりません。よく見て、カッコ閉じの後ろに出してください。


も一ついきます。
○アルファベットと数字の連続
今回の例は、飛行機の便名です。
・UA718便

アルファベット+数字はむつかしいです。数字の前を切るかどうかが、です。自分のよく知らないジャンル、ましてや架空の乗り物なんかで使われていると、調べに調べてもわからないで終わることがあります。知らないのだったら必ず調べなくちゃいけません。
今回は簡単です。関西国際空港からロサンゼルスへ飛ぶ飛行機である、等々本文にありますから、まず関空のサイトへ行きました。適当に検索していると、UAというのはユナイテッド航空の便についてるとわかります。さらにGoogle君やwikipediaさんに遊んでもらうと、ユナイテッド航空の略称はUAとUALだというのが出てきます。
どの機種で何人乗りなんだろうかとか、直行便はUAだけ、1日1便のみのようだけどアジアやホノルルに寄り道する便を合わせると15便/日くらいがロサンゼルスへ飛んでるのだなあとか、じゃあマトバサンずいぶん詰めが甘くない?とか、ひとしきり調べてしまいましたが、それは点訳と関係ありません。

UAに戻ると、それならてびきp46にある「JAL□72びん」を適用してよさそうです。「アルファベットを含む複合名詞は、語句のまとまりを考慮して続けて書くか、適宜区切って書く」。よって
(外)(大)(大)UA□数718びん

と切ります。


そして。言うまでもないことですが、これくらいの有名人の名前を推測で打ってはいけません。うちのグループが大恥をかくことになります。原作漫画家さんの名は「おばた・けん」ではなくて「おばた・たけし」です。
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