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沖縄近海に「熱水湖」 鉱物資源に期待2010年10月6日 
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海底下の熱水湖と黒鉱が確認された地点

 海洋研究開発機構(本部・神奈川県横須賀市)は5日、那覇市の北西約150キロ、水深約1000メートルにある海底の熱水活動域「伊平屋北フィールド」で、巨大な海底下熱水湖を発見したと発表した。熱水湖を形成する過程で銅や鉛など複数の金属を含む黒い鉱石(黒鉱)が生成されていることも初めて明らかになり、海底下の鉱物資源が広範囲・多層に及んでいる可能性が示された。同機構プログラムディレクターの高井研氏(農学博士)は「資源的な価値は高いのではないか」と話している。
 調査は、9月1日から10月4日まで実施。地球深部探査船「ちきゅう」(全長210メートル、5万6752トン)による海底掘削で、海底下5地点23カ所を10メートルから150メートルほど掘削し、コア(円柱状地層試料)を採取した。
 高井氏によると、熱水湖は、最大半径約10キロ、水深1000メートルから海底下へ少なくとも厚さ100メートルの範囲に及んでいるとみられ、約250度以上の巨大熱水流と滞留が見られた。
 黒鉱は銅や鉛、鉄や金、亜鉛などを含み、熱水湖の最上部に固まっていた。これまで深海底下の火山活動により海底面で蓄積されたと考えられていたが、今回採取した試料で、海底下の熱水の大きな循環の中で形成され続けていることが証明された。
 高井氏は「湖のような熱水域をつくる沖縄トラフ(沖縄近海の海溝)の特徴を直接明らかにできたのは大きな成果だ」と語った。


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