中国大使館“緊迫最高レベル”実弾入り封筒、大規模デモも

2010.10.16

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 尖閣諸島沖で起きた中国漁船による衝突事件をめぐる日中両国のつばぜり合いが続く中、東京都港区の中国大使館とその周辺が緊迫している。大使館にライフル銃の実弾のような金属弾入り封筒が送りつけられていたことが判明し警備が強化される中、この週末には市民らの大規模デモが予定されている。弱腰対応に終始している菅内閣とは対照的に、市民の怒りは収まりそうにない。

 警視庁によると、今月8日の午後3時ごろ、東京・元麻布の中国大使館の職員が郵便受けに届いた封筒の中に、金属製の弾が入っているのを発見。長さが8センチほどで、ライフル銃のものとみられる。封筒には、黒のマジックで手書きされた中国政府に抗議する内容の厚手の紙も入っていたという。

 衝突事件以降、大使館は警備体制を最高レベルに引き上げていたが、金属弾郵送事件後はさらに厳戒体制を強化した。緊迫度を増す大使館周辺だが16日午後には、大使館の敷地を取り囲むように大規模反中デモの実施が決まっており、当日は何が起きてもおかしくない状況だ。

 予定されているデモは、今月2日に東京・代々木公園などで2600人を集めた反中デモの第2弾で、前回と同様、元航空幕僚長の田母神俊雄氏(62)が代表を務める「頑張れ日本!全国行動委員会」などが主宰。作家のクライン孝子氏や土屋敬之・東京都議会議員ら、日本を代表する右派系論客も多数参加するとみられる。

 こうした市民レベルでの動きに呼応したかのように、防衛省は来年1月下旬に実施予定の日米共同方面隊指揮所演習(ヤマサクラ)に、尖閣諸島を含む南西諸島防衛を初めて盛り込むことを決めた。中国海軍を東シナ海に封じ込める軍事戦略「南西の壁」を援用し、地対艦ミサイルなどを離島に機動展開する想定。あくまで図上演習だが、中国政府の反発は必至とみられる。

 首脳会談をきっかけに政府レベルでは緊張緩和に進んでいるが、市民レベルではまだまだ“波高シ”だ。

 

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