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【プロ野球】

ソフトバンク痛っ 杉内で落とした

2010年10月15日 紙面から

ソフトバンク−ロッテ 2回表無死一、三塁、大松に先制3ランを浴びる杉内=ヤフードームで

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 粘りの投球も報われなかった。7回1死で西岡を歩かせ、交代を告げられた杉内はベンチでいら立たしげな表情を浮かべた。「球は抜けていたし、苦しかったけど、そんなことはどうでもいい。何点取られてもチームが勝てる投球を心掛けたけど…」。エースとしての責任を果たせず、自身を責めた。

 強烈な先制パンチを食らった。2回だ。今岡と金泰均に連打を許し、無死一、三塁。大松に投じたスライダーが真ん中に入った。滞空時間の長い打球は真っ赤に染まった右翼席に伸びた。「大松ちゃんにやられた。1点はOKと思って投げたけど、本塁打だった。失投といえば失投」。8月28日の対戦でも一発を食らった相手に3ランを浴びた。

 打者28人に対し、16人が初球ボール。大松の3ランも1ボールからだった。精密機械のような制球力が影を潜めた。高山投手コーチは「力を入れるところで力んでフォームがばらけていた」と説明した。

 昨季の楽天とのCS第1ステージも初戦に先発。2イニング2/3で3発を浴び、7失点KOされた。2007年のロッテとの第1ステージ第2戦でも被弾。CSでは3試合連続。ロッテ戦はレギュラーシーズンを含め、08年4月から9試合連続被弾だ。

 それでも、2回以外はスコアボードに「0」を刻んだ。7回途中までを121球、6安打5四球の3失点にしのいだ。高山コーチも「本人の納得いく球は何割もなかったと思う。それでも気持ちを切らさず試合をつくってくれた」とかばった。

 18勝を挙げ、最多勝投手として臨んだ05年プレーオフ第2ステージのリベンジも果たせなかった。今回も不完全燃焼に終わったが、中継ぎ待機や中4日で第6戦に臨む選択肢も残されている。「まだ何も言われていないけど、調整だけはしっかりしたい」。プレーオフとCSは通算1勝4敗。勝つことでしかこの屈辱はぬぐえない。 

  (山根 崇)

 

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