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【プロ野球】大松が千金3ラン ロッテ1勝1敗2010年10月15日 紙面から
◆ロッテ3−1ソフトバンク日本シリーズ出場を争うパ・リーグCSファイナルステージ(6試合制)が14日、ヤフードームで開幕。2005年以来の出場を目指すリーグ3位のロッテが、あらかじめ1勝を手にしているリーグ覇者ソフトバンクを3−1で下し、1勝1敗のタイとした。ロッテは2回、大松尚逸外野手(28)が杉内から3点本塁打を放って先制。先発の成瀬善久投手(25)が最後までリードを守りきった。 打球を目で追う必要はなかった。“西村チルドレン”の筆頭格であるロッテの大松が完ぺきな一振りでチームを勝利に導いた。 2回無死一、三塁。制球に苦しむ杉内を見て、目線を上げて「次につなぐ」と決意した。そして2球目だ。高めのスライダーを強振した。「行った!」と確信した大松。予感通り、ロッテファンの雄たけびの中、決勝3ランとなって右翼席へ突き刺さった。 「久しぶりに手応えがあった。早い回に好機をものにしたいと思っていたが、いい結果になりました」と大松。本塁打は8月28日の球団通算7000号以来。そのときもヤフードームで杉内からの3ランだった。「最高の結果」。大松スマイルが満開だ。 心を燃えさせる材料があった。試合前の練習中、西村監督から声をかけられた。8番という打順をあらためて告げられた後、こうゲキを飛ばされた。「5番は実力で取り返せ」。今季はほとんど5番だったが、不振のため終盤は下位に降格していた。それでも、指揮官は起用し続けてくれた。この日は杉内対策で右打者をズラリと並べた中、唯一左打者でスタメンに名を書き加え信頼の言葉をかけてくれた。大松は燃えていた。 「はい上がってこいというメッセージだった。意気に感じないといけないと思っていた」。調子はレギュラーシーズン終盤から上り調子。2回に訪れた絶好のチャンスを逃さなかった。ゲキにこたえる思いのこもった一撃。西村監督も、「理想的な点の取り方だった。大きかった」と素直にたたえた。 殊勲のヒーローになった大松は、さらなる恩返しをもくろんでいる。報道陣の取材をこなした後は、ベンチ裏でバットを振り続けた。「チーム全体にやれるという自信がついてきた。ボクもそう」。どうやら勢いは本物。大松もパ・リーグ下克上へ、これからもタカに痛撃を加える。 (川越亮太)
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