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【コラム 撃戦記】

久しぶりに会ったブル中野“いい大人の女”だった

2010年10月15日

 05年4月に活動を停止した全日本女子プロレスの37年間の歴史で、ヒール(悪役)として異彩を放ったのが、ダンプ松本の極悪同盟。長与千種とライオネス飛鳥のクラッシュギャルズに対抗し、一時代を築いた。ダンプもブルも、100キロを超える巨体と顔の極悪ペイント。中でもブルのトレードマークとなった逆立ちヘアは会場を圧倒、ヒール人気を沸騰させた。

 先日、その“ブルさま”に12年ぶりに会った。全女がバブル崩壊で経営危機に陥り、選手の離脱が相次いで、フリーとして他団体に出る選手が続出。中野も渡米してWWF(現WWE)のリングで活躍していたことまでは知っていた。だが、引退後にプロゴルファーを目指すと聞いたときは驚いた。特別コーチで全女にかかわっていたころの中野を知っているから「あのデブが」が正直な気持ちだった。

 その中野が米国での10年に及ぶゴルファー挑戦に終止符を打って帰国。昨年7月、都内のJR中野駅から徒歩10分のところにキッチン「中野のぶるちゃん」を開店した。店で再会し、カウンター越しに話が弾んだ。WWFは日本の10倍のギャラを払ってくれたそうで、本場のプロフェッショナリズムに触れたと感激。ゴルフはだめだったが、新しい世界に挑戦した満足感は感じ取れた。

 引退後に出版したダイエット本も話題になったブルちゃん。「またダイエットに挑戦しなくっちゃ」とちゃめっ気たっぷり。久しぶりに会った感想は“いい大人の女”。繁盛するお店に安堵(あんど)し、うれしかった。 (格闘技評論家)

 

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