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きょうのコラム「時鐘」 2010年10月16日
リーダーの存在、忍耐強い国民性、中には宗教心の大切さを説く人もいた。チリの落盤事故で33人が生還できた背景が様々に分析されている
どれも正しいのだろうが、もうひとつ加えたいことがある。33人の年齢構成である。19歳から63歳までの幅があり、数えると10代1人、20代8人、30代7人、40代9人、50代7人、そして60代1人。働き盛りの「老壮青」がガッチリ組み合っている 経験豊富な54歳のリーダーが33人を班に分けて役割を持たせたという。各班の歯車がうまく回転したのも、バランスいい年齢構成にあったように思える。これが20代ばかりだったら、あるいは40代や50代ばかりの集団だったら、統制は69日間もっただろうか 鉱山作業の性格なのか、あるいはチリの人口構成が各世代バランス良くなっていて、33人の年齢構成は、国家人口の縮図だったのかは分からない。ただ言えるのは、バランスのいい人口構成が社会や国家に必要であるということだ 少子高齢化とは人口バランスの崩壊に他ならない。日本の戦後のような発展途上の国で起きた奇跡から様々なことが見えてくる。 |