2010年10月16日1時35分
米軍普天間飛行場の移設問題で、沖縄県名護市議会(定数27)は15日、同市辺野古を移設先とした5月の日米合意の撤回と県外移設を求める意見書と決議を市政与党と野党公明の賛成多数で可決した。稲嶺進市長に続き、市議会も反対姿勢を明確にしたことで、辺野古移設は一段と困難になった。
普天間問題では、県議会も県内移設への反対や日米合意の見直し要求を決議。11月の知事選を前に、仲井真弘多知事が「県外移設」を求める従来の立場から、「県内移設反対」に踏み込むかどうかが焦点になりそうだ。
稲嶺市長は可決後、記者団に「行政も議会も足並みがそろい、国への影響は大きいと思う。今後は議会と二人三脚で辺野古への移設反対を訴えていきたい」と語った。
意見書は菅直人首相や仲井真知事らあて。決議は米大統領らあて。これ以上の基地負担は「県民への差別的政策にほかならない」としたうえで「辺野古への移設は容認できない。市民、県民の総意を踏みにじる県内移設の日米合意に激しい怒りを込めて抗議し、その撤回を強く求める」としている。
与党会派は全会一致を目指したが、前市長派が「撤回を決議すれば国との交渉の余地がなくなる」と反発。議長を除く与党15人と公明2人の賛成多数で可決した。
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