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劉暁波へのノーベル平和賞授与は「大きな誤り」

ノルウェーの学者がノーベル賞委員会を厳しく批判「悪意あるやり方」

 ノルウェー科学技術大学のアルヌルフ・コルスタ教授は12日、新華社の取材に応じ、ノルウェーのノーベル賞委員会が今年のノーベル平和賞を劉暁波に授与したことについて「大きな誤りだ」「悪意あるやり方だ」「西側の価値観や政治制度を中国に広めることが目的だ」と厳しく批判した。新華社が伝えた。

 コルスタ教授は「2010年度のノーベル平和賞を劉暁波に授与したことは大きな誤りだ。人々はノーベル平和賞に内部平和を促進すること、特に国家間の武力衝突を減らすことを期待している。劉暁波は私の知る限り、これまで衝突を減らすような貢献を何もしたことがないし、平和関連の活動に参加したこともない。この受賞者がノーベルが遺言に記した最も重要な基準を満たしているとは思えない。したがって、これは誤りだ」と述べた。

 ノーベル平和賞を劉暁波に授与した理由について、ノーベル賞委員会は「中国において人権、特に言論の自由を獲得するための闘争を繰り広げた」「西側の議会民主制は世界平和の前提だ」としている。これについてコルスタ教授は「これも誤りだ。全世界を見てみると、米国と英国は長い議会制民主主義の歴史を持つ国だが、過去50年来一貫して最も侵攻的な軍事強権であり、他国を占領もしくは他国(イラクやアフガニスタン等)に戦争を発動してきた」と指摘した。

 ノーベル賞委員会がこの決定をした理由について、コルスタ教授は「ノーベル賞委員会は中国のことをほとんど知らない。また、外部からの圧力に屈しない、勇敢な一面を示したかったのだろう。たとえ事実と食い違い、さらにはその目的と矛盾しても、西側の価値を全世界に広めたいのだ」と述べた。

 コルスタ教授はノーベル賞委員会が劉暁波を選択した理由について「彼は人権や政治制度面で西側の価値・理念を支持していると思われている。西側では、これが世界で最も良い制度であり、他の国々にも広めなければならないと考える人が多い。武力や戦争(イラクやアフガニスタン等)に直接訴えるのでなければ、こうした価値・理念を代表すると思われる人物を支持することで、これを達成しようとする。ノーベル賞委員会は中国をもっと西側世界のような国にしたいのだろう。ノーベル賞はこの目的のために使われたのだ」と指摘した。

 ノーベル賞委員会がノルウェー政府・議会からの独立を自称していることについては「ノーベル賞委員会は形式的には独立しているが、議会に議席を持つノルウェーの全ての政党、首相、外務大臣がノーベル賞委員会の決定に支持を表明している。ノーベル賞委員会のヤーグラン委員長も首相と議長の経歴がある。したがって、ノーベル賞委員会とノルウェー政府・政治機関とのあいだにつながりがあることには疑いの余地がない」と述べた。

 コルスタ教授は「ノーベル賞委員会が『非民主国家』のラベルを中国に貼るのは不公平だ。多党制は、人々が政策の策定や国の未来に対して影響力を発揮する唯一の道ではない。どの国も自国の文化や発展の程度に基づき、自国の政治や民主の解決策を選択することができる」と述べた。

 コルスタ教授は「西側の多くの人々は、中国のように強国であり、かつ多くの面で非常に成功した国が、西側と異なる政治制度を採用していることを歓迎しないのだ。彼らは自らの制度や思考方式を輸出したがっている。これは中国の価値・文化・政治制度を攻撃するプロセスであり、したがって自らの国で中国の文化・価値を守ろうとする中国人に対する攻撃でもある」と述べた。

 コルスタ教授は最後に「ノーベル平和賞は最近、平和を代表する人や軍縮のために戦っている人に授与されていない。わたしは中国は平和を愛する、侵略性のない国であり、対話による国際問題の解決に努力していると考えている。したがって、中国の反体制派にノーベル平和賞を授与することは不公平だ」と述べた。(編集NA)

 「人民網日本語版」2010年10月15日

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