大洲五郎です。
『DVD付きで薄くて高いエロ本なんていらない』
最近のアダルト雑誌は、誌面が薄くてDVDが付いていて高いものばかりで、個人的にはすごくつまらないです。なんだか、DVD付じゃないと売れないようです。情報媒体としては、紙メディアがweb等のデジタルメディアに市場を奪われているようです。出版業界全体の問題であるようです。本当に厳しいらしいです。編集に従事する方々は、食べていくのが大変らしいです。
私がつまらないと思うのは、紙媒体の弱体化とDVD付属への移行に伴い、値段の割りにまったく『誌面(=編集者が作り上げたページ)』と言えるものが薄い雑誌が増えた事にあります。
DVDが付くこと自体に意義がある訳ではありません。こういった状況になる前と同じような誌面があった上でDVDが付いてくるのであれば、何も言いますまい。
私の場合、雑誌を購買する時「支払うお金はその雑誌を作り上げた人達への対価」という気持ちがあります。編集と言う行為に対する、消費者としての支払いです。その、お金を払いたくなる編集という行為が、近年のアダルト雑誌では絶滅寸前だと感じるわけです。
もちろん、現在の厳しい出版業界の状況下でも頑張って『本作り』をされている編集者の方々もいる訳で、そういった人の作ったページは感謝の気持ちと共に楽しませてもらわなくてはいけないと、そう思います。
例えばエロゲー雑誌の場合、私はまず白黒ページから読み始めます。白黒ページの記事にこそ編集者の魂が顕れ易いと、そう感じるからです。編集者やコラムの筆者が、業界や何かの作品について思いのたけをぶつけるも良し。本来の雑誌傾向とまったく関係の無い個人的趣味で盛り上がるも良し。エロゲー雑誌には、幸いにもまだ、そういった領域が残されています。
ところが、グラビアやアダルトDVDを扱う一般のアダルト雑誌はもう壊滅状態です。DVDが付くようになって、ページ数があからさまに削減されるようになりました。ページ削減でまず減っていったのが、上記のような白黒ページでした。
それでもまだ、私にとっても、なんとか許容範囲でした。カラーページにだって編集者の心意気は顕れます。モデルの方へのインタビューとかオフショットを集めた記事にも面白いものはありますし、グラビアページにも(特に撮り下ろしの場合は)各雑誌や編集者の傾向もあって、見る側としての好き嫌いが生まれたりもするもんです。
しかし、年々、カラーページの方もメーカーからの提供素材によるカタログページや広告ページが増え、その雑誌オリジナルといえるコンテンツが減っていってしまいました。その代わりに、DVDの中身は厚くなっていったようですが、このDVDが私にとってはいらないものである事が殆どなのです。
アダルト雑誌付属のDVDの中身はというと、大抵がエロDVDやイメージDVDのプレビューです。要するに、雑誌付属のDVDもその殆どにおいて、中身はカタログ&広告なんですね。
『DVD付きで薄くて高いエロ本』が、市場の多様性の一環として存在するのであれば、これを好むも好まないも、個人の嗜好でしかありません。しかし、DVD付きでないと売れない、という大きな流れに全てが流され、そうではない物が駆逐されてしまうのは〜市場の多様性が失われてしまうのは〜あまりにも残念な話です。
だってさ、人間、動画をオカズにしたい事もあれば、グラビア本をオカズにしたい時もあるじゃないですか? でもね、最近はそういった気分の時にグラビア本を買いに行ったって、まともなものが売ってないんですよ? 消費者にとって、あからさまに選択肢が減ってるんです。
と、長々と愚痴ってしまいましたが、時代は逆行できないの現実。最近になって、隔月ではありますが絡み写真を中心にしたムックが数誌刊行されているのを知ったので、継続的に購買していきたいと思う今日この頃です。
(部数が少ないのか、こういったムックを売ってる本屋を探すのがまた大変なのです!)
アダルト雑誌編集者の皆様頑張って下さい!
大洲五郎は、あなた方の作ったページで今日もオナニーをしております!
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