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種子島でポルトガル映画撮影 鉄砲伝来悲話を題材に

2010年9月5日

写真:今夏の「種子島鉄砲まつり」で火縄銃を試射する「種子島火縄銃保存会」の鉄砲隊=鹿児島県西之表市今夏の「種子島鉄砲まつり」で火縄銃を試射する「種子島火縄銃保存会」の鉄砲隊=鹿児島県西之表市

写真:南蛮パレードの「若狭」(右)を撮影するポルトガルの映画スタッフ=鹿児島県西之表市南蛮パレードの「若狭」(右)を撮影するポルトガルの映画スタッフ=鹿児島県西之表市

 日本への鉄砲伝来を題材にポルトガルの映画制作チームが鹿児島県・種子島で撮影を進めている。鉄砲鍛冶(かじ)の娘、若狭とポルトガル人との出会いの物語「若狭はどこへ」。歴史ドキュメンタリーに、西洋人と日本人の初のラブストーリーをからめる構想で、来春の完成を予定している。

 制作スタッフはジョゼ・フェルナンデス監督(31)、プロデューサーのクリスティーン・リーさん(36)ら4人。

 フェルナンデス監督は2年前、映画の題材を求めて、ポルトガルの冒険商人、フェルナン・メンデス・ピントの訪ねた日本を訪れ、熊本県・天草や種子島を回った。「種子島の町で目にとまった1枚の絵が『若狭』だった。島の人々に伝説が生きていることを知り、映画づくりのイメージと意欲がわいた」と話す。

 1543(天文12)年、種子島に漂着した中国船に乗っていたポルトガル人から鉄砲(火縄銃)を購入した島主・種子島時堯は惣鍛冶・八板金兵衛に模作を命じた。当時の日本には銃身の筒底をふさぐネジの技術がなく、試作銃は暴発を起こし、難航した。

 伝説では、父の苦境を見て、若狭がポルトガル人のピントに嫁ぎ、そのつてで製法が伝授され、日本初の火縄銃が完成したとされる。

 映画は、ピントと若狭の出会いを初の西洋人と日本人のラブストーリーととらえる。若狭はポルトガルに行った後、望郷の念にかられて種子島に戻り急死したとされるが、詳しいいきさつは謎だ。

 若狭には種子島の女性、ピント役にはフェルナンデス監督自身が出演する。また、毎年夏に行われる「種子島鉄砲まつり」の南蛮パレードの映像や、鉄砲にかかわった人物の子孫へのインタビュー、ロケットの宇宙センターの映像などを交えて構成する。

 映画製作会社「クリム」の共同経営者であるリーさんは「ポルトガルではあまり知られていない、日本像と史実をシンプルに提示したい。外国人同士の恋愛はユニバーサルな話です」と語る。

 スタッフは7月末に種子島に入り、撮影は9月初めまで続く。「若狭はどこへ」はカラー、60、90分。制作費は8万ユーロ(約900万円)。(八板俊輔)

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