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【神奈川】

親の年金流用、貯金取り上げ… 県内で高齢者への経済的虐待目立つ

2010年10月14日

 親族らによる高齢者虐待のうち、親などから預金や年金を取り上げたりする経済的虐待が二〇〇九年度、県内で百六十二件あり、前年度の一・八倍になっていたことが、県のまとめで分かった。全虐待件数は例年並みで、県高齢福祉課は「経済状況の悪化で親の資金を頼りにしようとした結果」と分析している。 (寺岡秀樹)

 同課によると、高齢者への全虐待は、五百七十七件(前年度比六件減)で、最も多かったのは身体的虐待の三百八十四件。心理的虐待(二百四十四件)、経済的虐待と続いた。経済的虐待は調査を開始した〇六年度以降、最高だった。

 県は、経済的虐待をした人の続柄を把握していないが、全虐待者のうち、息子が約44%、夫が約23%で、両者で全体の約67%を占めていることから、経済的虐待者の多くは息子か夫とみられるという。

 虐待の事例としては、横浜市内で生活保護を受けていた五十代の次男が、生活保護費のほか、八十代母親の年金などをパチンコなどのギャンブルに充て、母親は適切な食事を与えられず、栄養失調に陥った。母親は軽い認知症だったという。

 また、同市内の五十代長男が八十代の母親の年金を担保に借金。母親が通院できなくなったほか、失業した息子が勝手に親の貯金を引き下ろしたり、土地を売ったりするケースもあったという。

 同課は「経済的虐待は発覚しづらいが、地域での見守りサービスを充実するなどして防いでいきたい」としている。

 

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