第10週「こんにちは赤ちゃん」
5月31日(月)〜6月5日(土)/第55回〜第60回
布美枝(松下奈緒)は病院で検査を受け、初めての子供を妊娠していることがわかる。茂(向井理)にどう伝えようかとあれこれ考える布美枝だった。そんなとき、下宿人として家賃収入をもたらしてくれていた中森(中村靖日)が漫画家として身を立てることをあきらめて郷里へと帰ることになる。家計が厳しくなることを茂が心配している様子を見て、布美枝は新しい命のことを茂に切り出すことができなくなってしまう。
布美枝の妊娠の話題がすずらん商店街の人々に伝わる。茂に妊娠したことを言いだせずにいる悩みを、布美枝は美智子(松坂慶子)に打ち明ける。美智子に励まされ、ようやく布美枝は茂に子どもができたことを告げるが、茂はただ「子供はたいへんだぞ」と低くつぶやくだけだった。落ち込んだ気持ちを抱えた布美枝は、赤羽に住む姉の暁子(飯沼千恵子)の家を訪ね、その一家団らんの様子にうらやましさを感じる。
布美枝は、しばらく赤羽で過ごすことを決意し、茂にそれを伝える電報を打つ。茂は布美枝を迎えに赤羽まで突然やって来ると、帰り道の公園で「子どもを持とう」と布美枝に言う。布美枝の悩みは晴れ、妊娠の知らせは境港の茂の両親や安来の布美枝の実家にも届き、それぞれに祝福のムードが高まる。しかし、原稿料の手形の支払い延期を、富田(うじきつよし)が茂に懇願し、新たな危機が布美枝たちに迫る。
どうしても金の都合がつかないという富田の頼みで、茂の原稿料の支払いは先延ばしになってしまう。河合はるこ(南明奈)は茂の才能を尊敬しているが、はるこに気がある浦木(杉浦太陽)はそれが面白くない。茂は家のローンの支払いの代わりに富田の約束手形を不動産屋に預けていたが、その手形が不渡りを出すことになってしまう。不動産屋は家の立ち退きを茂に要求する。
倒産した富田書房には茂を含めた債権者たちが集まり、富田の責任を追及したが、金はまったく回収できない。茂はあちこちの出版社を回って注文をとり、猛烈に描き続けたが、原稿料はますます安く、暮らしは厳しくなる一方だった。布美枝が結婚するときにミヤコ(古手川祐子)がもたせてくれた着物も質に入れることになり、あまりの所得の低さに税務署から所得隠しの疑いをもたれる始末だった。
金から見放されたような布美枝と茂だったが、出産予定日は近づいていた。軽い妊娠中毒の症状を布美枝が発症し、商店街のおかみさんたちや、美智子、太一(鈴木裕樹)、戌井(梶原善)らが布美枝を励ましに次々と村井家を訪ねてくる。年末も押し迫ったクリスマスイブの日、布美枝は病院へ定期健診に行くが、今日中にも産まれるかもしれないと言われ、そのまま入院することに。そして、布美枝は無事に女の子を出産する。
布美枝 : 来てくれたんですか・・・
茂 : (照れくさい)おう
看護師 : お父さん似ですね。ほら、ほっぺがぷっくりしてる
(茂、思わず自分のほほを膨らます)
布美枝 : 女の子です
茂 : そげか
(茂、布美枝のベッドの脇に座り)
茂 : 大丈夫か
布美枝 : はい
茂 : よう頑張ったな
布美枝 : はい
茂 : ご苦労さん・・・お母ちゃん
布美枝 : だんだん・・・お父ちゃん
(布美枝と茂、笑顔で見つめあう
)