(cache) 連続テレビ小説「ゲゲゲの女房」

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第11週「貧乏神をやっつけろ」

6月7日(月)〜6月12日(土)/第61回〜第66回

布美枝(松下奈緒)は無事に長女を出産した。茂(向井理)は子供を「藍子」と命名し、彼女を見守る存在として目玉親父の絵を描いてみせる。出産祝いに村井家を訪れた戌井(梶原善)が漫画の出版社を始めたことを布美枝と茂に報告する。貸本業界は不況の嵐で、とても前途洋々とはいえなかったが、戌井は社長として、茂に新作の短編を注文する。布美枝の子育ての頼みの綱だった暁子(飯沼千恵子)が腰を痛めてしまう。

布美枝は暁子を頼ることができなくなり、初めての子育てにひとりで取り組むことになった。茂は戌井の出版社以外からも注文を引き受け、仕事に忙しい日々を送っていた。布美枝たちを祝いに、商店街の人たちも次々に村井家を訪れる。浦木(杉浦太陽)とはるこ(南明奈)もやってきて、浦木が出産祝いとして持ってきた連合艦隊の図鑑本の話題をきっかけに、茂が作ったという精巧な軍艦の模型が披露される。

茂は戌井が刊行した新貸本漫画のために、次々と漫画を描き続けていた。富田書房の不渡り手形のせいで背負ってしまった二十万円の負債が、村井家の家計をいまも追い詰めていた。しかし漫画は思うように売れず、戌井の立ち上げた出版社は早くも暗礁に乗り上げてしまっていた。不動産屋への支払いもやっとの有様で、藍子のはじめてのひな祭りのお祝いも満足にできないことを布美枝は悲しむが・・・

布美枝 : 私が折った折り紙・・・
茂 : お内裏様だけでは淋しいけん、七段飾りにしておいた
布美枝 : うわぁ、豪華ですね
茂 : あぁ、初節句だけん、デラックスに祝わんと

藍子が生まれて半年がたったが、村井家の暮らし向きは上向かず、布美枝は家 事に育児に奮闘しながらも、重苦しい気分をぬぐえずにいた。戌井の出版社も赤字続きで、事務所を引き払い、いまでは自宅をオフィスとしていた。 茂は戌井の家を訪ねた帰り道、多磨霊園を自転車で通過しようとして、外に出られなくなる体験をする。そんなころ、貸本漫画を悪書として追放しようとする団体がこみち書房に押しかけ、『小中学生には貸本漫画を貸し出さないように』と強要される。

村井家の貧しさは最悪のものとなりつつあり、電気代が払えずについに電気が止まる事態となってしまう。茂は漫画を出版社に持っていくが、貸本業界の斜陽化ゆえにどの会社も経営は苦しく、満足な原稿料が支払われることはなくなってきていた。ある夜、大蔵省の役人を名乗る男(片桐仁)が村井家を訪れる。村井家がいま建っている土地は大蔵省の所有する土地であり、土地を買い取るか、もしくは退去せよと言われてしまう。

布美枝と茂は大蔵省の役人の言葉に、ついに家を失うことになると覚悟を決めていたが、翌日もうひとりの役人がやってきて、土地が大蔵省のものであるというのは帳簿の記載ミスであったと詫びる。あっけにとられ、脱力する布美枝と茂。意味もなくほんろうされたことにたいする怒りが茂を突き動かし、自分たちを追い詰めるばかりの世界への呪詛(じゅそ)に満ちた強烈な作品「悪魔くん」が生まれる。戌井はこの作品が貸本漫画の救世主になると興奮し、茂に長編化の依頼をする。そして『悪魔くん』の第1巻の原稿料が支払われるが、なんと茂はその原稿料で戦艦の模型を買ってしまう。