(cache) 連続テレビ小説「ゲゲゲの女房」

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第20週「妖怪いそがし」

8月9日(月)〜8月14日(土)/第115回〜第120回

昭和47年4月。絹代(竹下景子)と修平(風間杜夫)との同居を機に茂(向井理)は家を改築し、あちこちにドアや奇妙な階段をとりつけられた村井家はさながら迷路のようになっていた。茂の仕事はますます忙しくなる一方で、締め切りに追い立てられる日々が続いていた。

猫:毎日締め切りに追われて、ご苦労さんだね
茂:毎日どころか、今日は、朝昼晩と締め切りが3回もある
猫:『無為に過ごす』って壁に貼ってあるじゃないか
茂:だら。本当にダラダラしとったら、飯が食えんわ。家族にアシスタント、一個分隊を養わねばならんのだ
猫:ははーん
茂:なんだ?
猫:先生、妖怪いそがしに取り憑(つ)かれたね
茂:妖怪、いそがし?

長女の藍子(菊池和澄)は小学四年生になり、父親が漫画家であるために学校でクラスメートたちの好奇の目にさらされてしまう。

布美枝(松下奈緒)と茂のもとを久しぶりに豊川(眞島秀和)が訪れ、社内の人事異動で漫画の現場を離れることになったことを知らせる。新しく茂を担当することになった編集者・松川(杉本有美)が若くてきれいな女性であることに、修平はご機嫌だった。藍子は学校で水木しげるの漫画はウソばかり描いてあるといじめられ、その悩みを布美枝に相談することもできずにいた。

自分は心臓が悪いと主張する絹代は、炊事や洗濯などいろいろな家事を修平に頼むようになっていた。藍子は相変わらず悩みを抱えていたが、茂は仕事に追い立てられ、布美枝は娘についての相談もろくにできないような有様だった。そんなある日、商店街で布美枝は買い物途中の修平に出会う。修平はすっかり地元の商店街になじんでいる様子だった。商店街の喫茶店で修平から茂の子供時代の話を聞いた布美枝。子育てについて、修平の言葉にほっとする布美枝だった。五月の連休が明けた数日後、藍子の担任の畑野先生(堀内敬子)が家庭訪問にやってくる。布美枝が畑野から聞かされたのは思いがけない話だった。

畑野から藍子が学校で居心地が悪そうにしていることを初めて聞かされた布美枝。畑野は村井家の教育方針について聞かせてほしいと言うが、アシスタントや出版社の社員など個性的な人間たちがごった返す村井家の騒がしい様子に畑野はあっけに取られるばかりだった。布美枝は藍子が書いた作文のことを畑野から聞き、その内容に困惑を覚え茂に相談しようとするが、茂はどこ吹く風といったふうでまったく相手にしてくれない。そんな茂の背中に「妖怪いそがし」の姿がオーバーラップして見える。そんな中、 安来でミシンの販売店を営む布美枝の弟の貴司(星野源)が研修で東京にやってくる。

人当たりがよく手先の器用な貴司は絹代にも気に入られ、布美枝は貴司に茂の忙しさについて話す。貴司は夫婦の気持ちがすれ違わないために、茂と会話することを大切にするよう布美枝に言う。ある日、貴司は藍子や喜子を連れて町にでかける。そのとき、藍子が水木しげるの娘だとからかわれていることに気づき、布美枝にそのことを告げる。

布美枝は藍子が『水木しげる』という有名人の娘であることに苦しんでいたのだとようやく気づく。毎日のあわただしさの中で子供をしっかり見ることができていなかったという事実に布美枝は落ち込み、後悔の念にかられる。貴司は布美枝の気持ちを理解し、忙しさに負けることのないようにと布美枝を励まして故郷の安来へと帰っていく。そして布美枝は意を決して茂に子供たちのことを相談する。すると意外にも茂は富士山のふもとに山荘を購入するプランを布美枝に話す。それからしばらくたったある日、布美枝たちは富士山麓の山小屋を訪れる。夜になり、電気が来ていないため、ろうそくの明かりの下で親子四人、久しぶりに語り合い笑顔の食卓となった村井家だった。